C08季節・行事
暖房の風が当たる寝床|毛がパサついてきたら、まず寝床の位置を
暖房の吹き出し口から2メートルのところに寝床があると、乾いた風はその上を1日6時間ほど通り続けます。同じ部屋で、ブラシの回数も食べるものも変えていないのに、冬になると手ざわりだけが変わります。指を入れると途中で引っかかり、背中の毛の先がパサつく。毛がパサつく場所は、たいてい寝ている姿勢のまま風に向いている面と重なります。この記事では、その子の体を調べる前に、寝床から吹き出し口までの距離と、風がそこを通る時間を数えます。暖房の設定温度を下げるより先に、寝床を90センチ動かすほうが早く答えが出ることがあります。
風が寝床を通る1日6時間|暖房で毛がパサつくと気づいた冬の経験
1月の朝、起きてすぐ背中に手を入れると、指が途中で止まります。秋の終わりまでは、手のひらがそのまま抜けていた場所です。ブラシの回数も、食べているものも、洗う間隔も変えていません。変えたのは、12月のはじめに暖房を入れたことだけです。毛がパサつくという言い方をするとき、家でまず疑われるのはその子の年齢か食事ですが、この時期にかぎっては、寝床が置かれている場所のほうが先に効いています。
| 寝床の位置 | 吹き出し口からの距離 | 風が寝床を通る時間(1日) |
|---|---|---|
| エアコンの正面・少し前 | 1.5メートル | 6時間前後 |
| 壁沿い・風の通り道の途中 | 2〜3メートル | 4時間前後 |
| 部屋の角・家具の陰 | 4メートル以上 | 1時間未満 |
| ドアのそば | 距離は遠いが、開け閉めで空気が動く | 出入りのたびに数分 |
この記事で数えるのは、その子の毛の状態ではなく、寝床を風が通っている時間です。1日6時間と1日1時間では、同じ部屋・同じ室温でも、寝ている面の乾き方が変わります。気温を何度に設定したかより、その子が8時間動かずにいる場所を、風がどれだけの時間なで続けているか。冬に毛がパサつくという話のかなりの部分が、この1点で説明できます。
実際に手を入れてみると、変わっているのは背中の上の面と、腰のあたりと、耳のうしろです。床についている側の毛は、指がすっと抜けます。同じ体の中で、上と下で手ざわりが違う。これは季節の変わり目に体の側で起きた変化というより、風が当たっている面と当たっていない面の差です。猫のほうがはっきり出ます。丸くなって眠るので、外側になった面だけがパサつくからです。
吹き出し口までの距離で決まる|暖房で毛がパサつく理由
暖房で毛がパサつく理由は、温度そのものより、動いている空気のほうにあります。空気は温度が上がると、含んでいる水分の量が同じでも湿度の数字が下がります。外から入ってきた10度の空気を22度まで温めると、それだけで湿度は半分以下になります。そこへ風が加わると、毛の表面にとどまっていた水分が、乾いた空気の側へ運ばれ続けます。
- 気温が上がる:室温22度の冬の部屋は、加湿をしなければ湿度30%台に落ちる日が続きます
- 空気が動く:止まった空気なら、毛のまわりに少し湿った層が残ります。風はその層をはがし続けます
- その場所にいる時間が長い:犬も猫も、冬は1日の大半を同じ場所で過ごします。乾かされる時間が、夏より長くなります
換毛期と混同しやすいのも、この時期です。換毛期は春と秋に下毛が入れ替わる動きで、目に見えて増えるのは抜ける量のほうです。冬に暖房で毛がパサつくのは、抜ける量ではなく、残っている毛の表面が変わる話になります。ブラシにたまる量が去年と同じなのに手ざわりだけ落ちているなら、換毛期の側で説明しようとしても届きません。乾燥という言葉でまとめてしまう前に、抜ける量と手ざわりを、別々に見てください。
乾いた空気が動く面と、止まっている面|暖房と毛のパサつきの背景
家の側から見ると、冬の部屋には乾く面と乾かない面がはっきり分かれています。床から30センチまでの高さは、暖かい空気が上へ行くぶん温度が低く、風も届きにくい場所です。ソファの座面や、棚の上に置いたベッドは、ちょうど風の高さに入ります。そして冬のその子は、自分から暖かいほうへ移動します。つまり、放っておくと乾く側の場所を選びます。
| 場所 | 床からの高さ | 風の当たり方 | 毛への出かた |
|---|---|---|---|
| 床に置いたベッド | 10センチ | 上を通り抜ける | 上の面だけがパサつく |
| ソファの座面 | 40〜50センチ | 正面から受ける | 体の側面まで届く |
| キャットタワーの上段 | 1メートル以上 | 運転中ずっと当たる | 全身に出やすい |
| 机の下・家具の陰 | 床に近い | ほとんど届かない | 手ざわりが変わりにくい |
| 毛布の中 | 床の上 | 風は入らず、熱がこもる | 湿ったまま温まりやすい |
この表の右端を見てから、寝床を選び直します。高いところが好きな猫は、暖房の季節にかぎって不利な位置にいます。犬は床に近いぶん有利ですが、風の通り道の真ん中にベッドを置いていれば、その利点は消えます。季節の変わり目にケアを見直すとき、ブラシや食べものを先に触りたくなりますが、動かせるものの中でいちばん効くのは家具の配置です。
湿度の数字も、部屋でひとつではありません。加湿器のそばで50%を指していても、風の通り道の途中では30%台ということが起こります。測る場所を、寝床の高さに合わせてください。床に置いた湿度計と棚の上の湿度計で、10ポイント以上ちがう家はめずらしくありません。気温も同じで、室温計が22度でも、床から10センチは18度ということがあります。乾燥の話を部屋全体でしているうちは、その子が実際に置かれている条件は見えてきません。
寝床を90センチ動かして3日数える|暖房の季節に毛を見る考え方
やることは、寝床を風の通り道から外して、3日だけ同じ条件で見ることです。いきなり設定温度を下げたり、加湿器を買い足したり、ブラシを変えたりすると、何が効いたのかが分からなくなります。変えるのは位置だけにします。距離を90センチずらすと、風が当たる時間はおおよそ半分になります。
-
吹き出し口から寝床までを測る
メジャーで一度だけ測って、数字を書いておきます。2メートルなのか4メートルなのかで、このあとの判断が変わります。
-
風がそこを通る時間を数える
暖房を運転している時間のうち、その子がそこで寝ている時間を足します。朝2時間、日中4時間なら1日6時間です。
-
寝床を90センチ動かす
壁沿いか、家具の陰か、部屋の角へ。暖かさが足りないぶんは、下に敷くものを1枚足して補います。
-
3日、同じ時刻に背中へ手を入れる
朝いちばん、同じ場所を同じように触ります。時刻を変えると、比べられなくなります。
-
3日目に、上の面と下の面の差を見る
差が縮んでいれば、効いていたのは位置のほうでした。差が変わらなければ、次は湿度計を寝床の高さへ移します。
この3日のあいだ、毛の側の条件もそろえておきます。使うのは mofuwa グルーミングスプレーです。寝床を動かしても、日中のその子は暖かい場所を探して移動します。床暖房のそばやカーテンの前で30分眠れば、その面はまた乾きます。位置を変えた効果を3日で読み取るには、毛の側にやることを毎日同じにしておく必要があります。
手順は、吹きかけて、ブラシを通す。それだけです。中身は、清涼飲料水の規格基準に合わせてつくられた水です。だから背中でも耳のうしろでも、かける量を数えずに済みます。暖房の季節に毛がパサつく面は、その子が自分でなめて確かめる面でもあります。口に入ることを前提にして選んだものなら、寝床のそばに置いたまま、朝と夜で手が止まりません。
アルカリ電解水は油となじんで乳化するので、落ちるのは表面にたまった余分な脂のほうで、地肌に要る皮脂は残ります。冬に手ざわりが落ちたからといって、落とし切る方向へ振ると、乾いた空気の中では戻るまでに時間がかかります。毎日かけて梳かすだけのグルーミングスプレーが1本あると、風の当たる面だけを毎日そろえられます。乾いた部屋では、ブラシを入れた瞬間に毛が持ち上がります。先に湿らせてから梳かすと、その持ち上がり方が変わるので、3日ぶんの手ざわりを同じ条件で比べられます。
寝床を風の通り道から外して3日たっても、背中の同じ場所だけがパサつく/地肌に赤みやフケが出てきた/風が当たっていない側の毛まで同じように変わってきた/1日6時間だった風を3時間に減らしたのに、手ざわりの差が縮まらない。こうした残り方は、寝床の位置と風の時間では説明がつきません。測った距離、風が通っていた時間、寝床を動かした日付。この3つを書いたメモを持って、動物病院へ連れて行く日を決めてください。持って行く数字があると、いつから何が変わったのかを、その場で並べて話せます。
今日できるのは、寝床から暖房の吹き出し口までを一度だけ測っておくことです。2メートルなのか、4メートルなのか。その数字と、風がそこを通る時間を紙の端に書いておけば、来年また毛がパサついたときに、同じ冬をもう一度やり直さずに済みます。気温と湿度は動かせませんが、そのあいだに置くものの位置だけは、今日の夕方に変えられます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
