C12Q&A・豆知識

スプレーが目に入ったらどうする?

公開日 2021年1月8日|文=mofuwa編集部

明るく清潔な部屋で、顔を上げて落ち着いている淡い色の犬
顔まわりに使うものは、使う日ではなく、家に置く日に読んでおくと迷いません。写真:Leohoho/Pexels

顔まわりを拭こうとしてスプレーを一度押した瞬間、霧が思ったより広がって、その子がぎゅっとまばたきをしました。目に入ったのかどうかは、離れて見ている側には分かりません。まず、そのスプレーの表示を見てください。目に入ったときの対応が書かれていれば、それに従います。書かれていないときは、一般的な手当てとして清潔な水で静かに洗い流し、そのあとしばらく様子を見て、気になる変化が出たら動物病院にご相談ください。犬の顔まわりで使うものは、中身も濃さも用途も製品ごとに違うので、対応もひとつには決まりません。だから、いちばん大事なのは起きたあとの手順ではなく、家に置く時点で表示を読んであるかどうかです。この記事では、目に入ったときにやることと、そもそも目に入らない使い方を、8つの問答に分けて書きます。

スプレーが目に入ったとき、最初にやることは何ですか

答えから書きます。まず、そのスプレーの表示を見てください。目に入ったときの対応が書かれている製品があります。書いてあれば、それに従うのがいちばん確実です。表示に書かれていない、あるいはその場ですぐ見つからないときは、一般的な手当てとして清潔な水で静かに洗い流し、そのあとしばらく様子を見て、気になる変化が出たら動物病院にご相談ください。この記事は、その順番を先に決めておくための記事です。

順番を決めておくのには理由があります。スプレーが目に入った直後は、調べている時間がありません。犬は顔をそむけて逃げますし、こちらは驚いています。その場で検索を始めると、いちばん動きたい最初の1分が、調べる時間に消えます。手順は、起きたあとに考えるものではなく、起きる前に決めておくものです。

  1. そのスプレーの表示を見る

    ボトルの側面か、外箱の裏に書かれています。「目に入った場合は」で始まる一行があるかどうかを探します。ふだんから読んであれば、この段階は数秒で終わります。

  2. 指示があれば、それに従う

    製品ごとに中身が違うので、その製品に書かれた対応がいちばん優先します。ほかの製品の情報や、人用の一般論を先に当てないでください。

  3. 指示がなければ、清潔な水で静かに洗い流す

    常温の水道水で構いません。勢いをつけず、目のふちに沿って流します。こすらないこと。犬が嫌がって暴れるようなら、無理に押さえずいったんやめます。

  4. そのあとの様子を見て、変化があれば動物病院へ

    まばたきの回数、前足でこする動き、白目の色。迷ったら、洗い流したかどうかにかかわらず動物病院にご相談ください。目は、家で様子を見る時間を長く取らないほうがよい場所です。

Noteこの記事が「水で洗えば大丈夫」と言い切らない理由

スプレーと呼ばれるものの中身は、製品によってまるで違います。水を主成分にしたもの、アルコールを含むもの、香料を含むもの、酸性寄りのもの、アルカリ寄りのもの。中身が違えば、目に入ったときにやるべきことも変わります。だからこの記事では、どの製品にも同じ手当てを当てる書き方をしません。表示を先に置くのは、そこだけが「その製品についての答え」だからです。

「製品の表示を見る」とは、どこの何を読むことですか

表示を見るとは、ボトルと外箱に書かれた6か所を読むことです。犬の顔まわりに使うつもりのスプレーなら、家に置く日に一度読んでおけば、目に入った日に読み直す必要がありません。読むのは1分で終わります。買った日か、届いた日か、棚に入れる前。そのどれかで構いません。

スプレーの表示で読んでおく6か所
読む場所何が分かるか目に入ったときに効いてくること
用途何のための製品か顔まわりに使う想定があるかどうかが分かります
使用部位体のどこに使うと書いてあるか目のまわりを外しているなら、そもそも顔に直接使いません
使用上の注意目に入った場合の記載があるかここに一行あれば、その場の判断がいりません
成分・原材料水が主か、ほかに何が入っているか動物病院で聞かれたときにそのまま答えられます
問い合わせ先メーカーの連絡先表示に書かれていないことを確かめられます
保管と使用期限開封後どのくらいで使い切るか古くなったものを顔まわりに使わずに済みます

6か所のうち、いちばん先に見るのは「使用部位」です。顔まわりや目のきわを外している製品なら、それは顔に直接かけて使うものではありません。犬の体に使えると書いてあっても、体と顔が同じ扱いとは限らないのです。ここを読んでおくと、スプレーが目に入ったという場面そのものが起きにくくなります。

もうひとつ。表示が読めなくなる前に、スマートフォンで裏面を1枚撮っておくと役に立ちます。ボトルのラベルは、水がかかったり手でこすれたりして、数か月で読みにくくなります。目に入った日に慌てて探すのは、たいてい消えかけたラベルのほうです。写真が1枚あれば、動物病院でもそのまま見せられます。

洗い流すときの水と、やらないほうがいい流し方を知りたいです

使うのは常温の清潔な水です。水道水で構いません。冷たすぎる水も、熱い湯も使いません。犬が驚いて頭を振ると、洗い流すどころではなくなります。手のひらにためた水を目のふちに沿って落とすか、コップからゆっくり注ぐ。ホースやシャワーの勢いを目に当てるのは避けてください。

やらないほうがいいことを先に並べたのは、目に入ったときにやりすぎてしまう場面のほうが多いからです。こする、強く開く、何かを足す。この3つは、どれも「早く何とかしたい」という気持ちから出てきます。手を止める側の判断をあらかじめ決めておくと、その場で足さずに済みます。

Caution自己判断で何かを入れないでください

人用の目薬、コンタクトレンズ用の洗浄液、消毒液。これらを犬の目に自己判断で入れないでください。水で流したあとに目薬をさしておけば安心ですという書き方は、この記事ではしません。何を入れてよいかは、その子の目の状態を見た獣医師が決めることです。スプレーが目に入ったあとに不安が残るなら、その不安の分だけ動物病院にご相談ください。

洗い流したあと、どこを見ていれば大丈夫だと判断できますか

見るのは7つです。どれか1つでも当てはまるなら、様子を見る側ではなく、動物病院に連絡する側に倒してください。大丈夫かどうかを家で決めきる必要はありません。犬の目は、外から見て分かる変化が出るまでに少し時間があることがあります。だから、その日のうちに1回、翌朝にもう1回、同じ項目を見る形にします。

洗い流したあとに見る7つと、その扱い
見るところふだんとの違いどう扱うか
まばたきの回数片目だけ多い、閉じたままにする連絡する
前足でこする動き顔を床やソファにこすりつける連絡する
目の開き方片目だけ細い、開けにくそう連絡する
白目の色赤みが出ている、血管が目立つ連絡する
涙と目やに量が急に増えた、色がついている連絡する
明るさへの反応光をいやがる、暗いほうへ行く連絡する
元気と食欲いつもどおり食べて、いつもどおり寝た翌朝もう一度見る

この表は「大丈夫と言うため」のものではありません。連絡するかどうかを、その場の気分ではなく項目で決めるための表です。スプレーが目に入ったあと、飼い主の側は「たぶん大丈夫」と「やっぱり心配」のあいだを何度も行き来します。行き来している時間そのものが疲れるので、見る項目を決めてしまうほうが早く終わります。

翌朝にもう一度見るのは、夜のあいだに変化が出ることがあるからです。寝ているあいだは目を閉じているので、涙や目やにが増えていても気づきません。朝いちばんに顔を見て、片目だけ目やにが多い、まつげが固まっている、開き方が左右で違う。こうした違いがあれば、その時点で動物病院にご相談ください。前の日にスプレーが目に入ったこと、そのあと洗い流したことも、あわせて伝えてください。

動物病院に連絡するとき、何を伝えて何を持っていけばいいですか

持っていくのは4つです。スプレーの現物、表示が読める写真、目に入ったおおよその時刻、そのあとにやったこと。この4つがそろっていると、その場での説明が短く済みます。とくに現物は、成分と用途をその場で読んでもらえるので、言葉で説明するより早く伝わります。犬を連れていくときは、ボトルをかばんに入れてから出てください。

  1. スプレーの現物をそのまま持つ

    詰め替えていたり、別の容器に移していたりすると、成分が分かりません。買ったときの容器のまま持っていくのがいちばんです。使い切っていて容器がないときは、外箱でも構いません。

  2. 起きた時刻をメモする

    「昼過ぎ」ではなく、できれば時刻で。洗い流した時刻も別に書いておきます。目に入ってから洗うまでにどのくらいあったかは、その場で聞かれることがあります。

  3. やったことを、やった順に書く

    水で流した、ガーゼで押さえた、何もしなかった。やっていないことも、やっていないと言えるほうが役に立ちます。やりすぎたと思っても、隠さずそのまま伝えてください。

  4. その子の反応を、時系列で伝える

    直後にどうしたか、10分後はどうか、いま目の前でどうか。3つの時点があるだけで、変化しているのか止まっているのかが分かります。写真や短い動画があれば、それも見てもらえます。

連絡するかどうか迷ったときは、診てもらう側に倒してください。スプレーが目に入ったという出来事は、あとから見ると何でもなかったことのほうが多いはずです。それでも、家で判断できる範囲には限りがあります。犬の目は自分で不調を訴えられない場所なので、迷いを持ち越さないほうが、結果として短く済みます。

そもそも目に入らない使い方は、どうやるのですか

ここがこの記事でいちばん渡したいところです。顔には直接かけない。布に取ってから拭く。これだけです。スプレーを顔に向けて押すのをやめると、目に入ったという場面自体がほとんど起きなくなります。手当ての知識より、この1行のほうが毎日効きます。

  1. 布を先に用意する

    ガーゼ、コットン、やわらかい布。顔用は体用と分けて、1枚決めておきます。使うたびに探すと、面倒になって直接かける日が出てきます。

  2. 布にスプレーを2〜3回、離して吹く

    布は手のひらに広げず、少し離した位置に置いて吹きます。霧は思ったより広がるので、犬の顔の近くで吹かないこと。びしょびしょにする必要はありません。

  3. 目のきわは触らず、外側から拭く

    目頭の外側、まぶたの上、鼻すじ。まぶたの縁から内側には入れません。目やにが固まっているときは、こすらずに布を当てて、ゆるむのを待ちます。

  4. 顔を持ち上げず、横から手を入れる

    正面から手が来ると、犬は目を閉じて顔を引きます。横か、少し下から。顔を固定しようとしないほうが、結果として動きません。

体に使うときも、向きだけは決めておくと安心です。頭から尾に向かって、上から。逆向きに吹くと霧が顔のほうへ流れます。風の通り道に立っているときや、扇風機やエアコンの風が当たっているときは、霧が戻ってくることがあります。スプレーが目に入ったという出来事は、そういうときにいちばん起きています。

毎日のケアで、顔まわりだけ手順を分けるのはなぜですか

顔は、体と同じ手順で扱えない場所だからです。目、鼻、口、耳がすべて数センチのなかにあります。体には吹けても、顔には吹けない。この線を最初から引いておくと、迷う場面が減ります。犬でも猫でも同じで、顔まわりだけは「布に取ってから」を毎日の形にしてしまうのが確実です。

mofuwa グルーミングスプレーは、布に含ませてから当てる使い方ができるケアスプレーです。布に取って、口のまわりから鼻すじ、目頭の外側までを一往復させる。この形にすると、霧が顔へ向かう場面が一度も出てきません。さきほどの6か所のうち、ここで効いてくるのは「使用部位」と「成分・原材料」の2つです。グルーミングスプレーは犬にも猫にも使えるもので、無香料で、界面活性剤を使っていません。舐めても問題のない基準(清涼飲料水の規格基準)でつくられているので、口のまわりを当てたあとにその子がなめても、水を用意しにいく話になりません。顔まわりは毎日のことなので、当てるものを、置く日に裏面を読んで決めておくほうが結局早く済みます。

Point「目に入っても平気なもの」を探しにいかないこと

目に入っても大丈夫なスプレーなら安心ですという選び方は、この記事ではおすすめしません。目は、何が入っても入らないほうがよい場所です。選ぶなら、顔まわりに使う想定が表示に書かれていて、布に取って使えるもの。そのうえで、顔には直接かけない。安全そうな製品を探すより、直接かけない手順を決めるほうが、毎日の結果が安定します。皮膚や目に気になる変化があるときは、ケアを続ける前に動物病院にご相談ください。

8つの答えを、置く日・使う日・起きた日の3つに畳む|最後に残る疑問はどこか

最後に、ここまでを時点の側から並べ直します。スプレーが目に入ったという出来事に関係する時点は、3つしかありません。家に置く日、ふだん使う日、実際に起きた日です。ほとんどの手間は、最初の1つに寄せられます。

3つの時点に、やることを割り当てる
いつやることかかる時間
家に置く日表示の6か所を読む1分
家に置く日裏面を写真に撮っておく10秒
家に置く日顔用の布を1枚決める1分
ふだん使う日顔には直接かけず、布に取ってから拭く毎回
ふだん使う日体は頭から尾へ。風の向きを見る毎回
起きた日表示を見る。清潔な水で静かに流すその場
起きた日7つの項目を見る。1つでも当てはまれば連絡5分
起きた日の翌朝同じ7項目をもう一度見る1分

この表で分かるのは、やることの大半が「まだ何も起きていない日」に置かれているということです。スプレーが目に入った日にできることは、実はそれほど多くありません。だから、家に置く日の1分と、ふだん使う日の持ち方が効きます。犬と暮らす家で、顔まわりに使うものを増やすときは、増やす日にこの1分を使ってください。

最後に残る疑問は、たいてい「病院に行くほどかどうか」というところです。線の引き方は1つで、左右の目が同じに見えるかどうか。片目だけ違って見えるなら、時間を置かずに動物病院にご相談ください。両目とも同じで、まばたきも食欲もふだんどおりなら、翌朝もう一度見る。判断の材料を2つに絞っておくと、迷っている時間が短くて済みます。

Caution受診を先にしてよい場面です

スプレーが目に入ったあとに、片目を開けられない、白目に赤みが出た、涙が止まらない、顔をこすり続ける、目やにの色が変わった、光をいやがる。こうした変化があるときは、家で洗い流しを繰り返す前に動物病院にご相談ください。何という製品が、いつ、どのくらい入ったのかを伝えられると、その場で切り分けてもらえます。目は、様子を見る時間を長く取る場所ではありません。迷った時点で連絡するほうが、結果として短く済みます。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。