C05犬種・猫種別ケア

紀州犬のケア|抜け毛を減らす3つの習慣

公開日 2021年3月9日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、白い被毛の中型犬が静かに伏せている
白い毛は、落ちた先の色で見え方が変わります。増えたと感じた日に動いたのが量なのか、目に入る量なのかを先に分けます。写真:https://kaboompics.com//Pexels

黒いソファの座面に、白い毛が10本ほど並んで乗っていました。同じ日の、同じ部屋です。木の床のほうを見ても、ほとんど見当たりません。紀州犬と暮らしていると、こういう見え方をします。白い被毛の子が多い犬種なので、抜けた毛は落ちた先の色によって、見えたり見えなかったりします。ですから抜け毛が増えたと感じた日には、増えているのが毛の量なのか、それとも目に入る量なのかを、先に分ける必要があります。この記事では、その2つを比べる考え方と、どっちが動いたのかを量って確かめる見分け方、そこから決まる3つの習慣を書きます。

白い毛は、抜けた瞬間に見えます|紀州犬の抜け毛が増えたと感じる条件

紀州犬は、白い被毛の子が多い犬種です。上に硬めの上毛、下にやわらかい下毛が入る、いわゆるダブルコートの作りを持っています。春と秋には下毛が入れ替わり、その時期に抜ける量が増えます。ここまでは、他のダブルコートの犬種と同じです。紀州犬でひとつだけ事情が違うのは、抜けた毛が白いことです。

濃い色の被毛の子なら、フローリングに落ちた毛はしばらく気づかれません。色が床に紛れるからです。白い毛は逆で、落ちた先が濃い色であるほど、はっきり見えます。黒いソファ、紺色のラグ、濃い色の服。同じ1本でも、乗った場所によって「見えた毛」になったり「見えなかった毛」になったりします。

この4つは、どれも紀州犬の体では起きていません。家の側で起きていることです。それでも、目に入る抜け毛の量は確実に動きます。だから「今週は抜け毛が多い」と感じた日には、まず2つの可能性を並べておきたいのです。ひとつは本当に量が増えている場合、もうひとつは量は同じで見え方だけが変わった場合。手を入れる場所が、そもそも違ってきます。

Note白い被毛は、損ばかりではありません

抜け毛が目立つのは白い毛の不利な点ですが、同じ理由で地肌の変化には早く気づけます。毛を分けたときに赤みが出ていれば、白い毛の中ではよく見えます。フケが出はじめたときも、濃い色の被毛より先に分かります。見えることを、面倒ではなく手がかりとして使ってください。

実際に抜けている量と、目に入る量|紀州犬の抜け毛を比較する

この2つは、増え方の形が違います。並べてみると、自分の家で起きているのがどちらなのか、見当がつきやすくなります。

紀州犬の抜け毛を、2つに分けて比較する
実際に抜けている量目に入る量
何で動くか換毛期。下毛の入れ替わり床や敷物の色、服の色、光の向き
増え方少しずつ増えて、少しずつ減るある日を境に、急に変わる
気づく場所ブラシの中と、指に絡む毛床、ソファ、着ていた服
続く長さ数週間かけて山を作る条件が戻るまで、ずっと同じ
左右の差出ることがある出ない
手を入れる先被毛と地肌部屋の側
実際に抜けている量と、目に入る量 紀州犬の抜け毛が増えたと感じたとき、動いているものは2つに分かれます。被毛の側で量そのものが増えている場合と、量は同じで見える条件だけが変わった場合です。 同じ子の中で、条件が2つに分かれます 実際に抜けている量 換毛期に、下毛が入れ替わる 数週間かけて山を作る ブラシの中で気づく 手を入れる先:被毛と地肌 目に入る量 床や服の色で決まる ある日から急に変わる 床とソファで気づく 手を入れる先:部屋の側 増えたと感じた日に、どちらが動いたのかを先に分けます
同じ「増えた」でも、手を入れる先が入れ替わります。

見分けの手がかりとして使いやすいのは、増え方の形です。換毛期に下毛が入れ替わるときは、いきなり最大にはなりません。今週より来週、来週より再来週と、少しずつ増えて、山を越えると同じように少しずつ減っていきます。目に入る量のほうは、ラグを敷いた日、黒い上着を出した日から、急に変わります。昨日と今日で段差ができていたら、たいてい部屋の側です。

紀州犬の換毛期は、春と秋に来ます。3月はその入口にあたる時期なので、この時期に増えているぶんは被毛の側の話であることが多い。ただ、春は模様替えや衣替えとも重なります。同じ週に、被毛の側と部屋の側が同時に動くことがある。これが、春に「急に増えた」と感じやすい理由です。

どっちが動いたかを目で決めようとすると、この時期はいちばん当てになりません。だから次の章では、目を使わない確かめ方を用意します。

どっちが動いたか|ブラシの毛を同じ容器に入れて量る見分け方

やることは単純です。ブラッシングで取れた毛を、毎回、同じ容器に入れる。それだけです。床に落ちた毛は色と場所に左右されますが、容器に溜まった毛のかさは、床の色にも服の色にも影響されません。量そのものを見るための、いちばん簡単な方法です。

  1. 容器を1つ決めて、ブラシの置き場の隣に置く

    透明なコップ、空き瓶、食品用の保存容器。中身が横から見えるものにしてください。大きさは変えないこと。途中で容器を替えると、それまでの記録が使えなくなります。

  2. とかす時間と場所を、先に決めてしまう

    「腰から後ろ足の内側まで、3分」のように決めます。日によって長さが変わると、取れる毛の量も変わってしまいます。量るのは毛のほうであって、その日にどれだけ頑張ったかではありません。

  3. 取れた毛は、押し込まずにそのまま入れる

    指でまとめて丸めると、かさが分からなくなります。ブラシから外した形のまま、ふわりと落としてください。毛先が絡んだ塊も、そのまま入れます。

  4. 1週間ぶんを溜めて、先週の分と並べる

    週の終わりに、その週ぶんを別の袋か容器へ移して、日付を書いておきます。比較の相手は、去年でも他の家でもなく、先週のうちの子です。3週も並べば、増えているのか変わっていないのかは、ひと目で分かります。

Point写真より、かさのほうが正直です

床の毛を写真に撮って比べる方は多いのですが、写真は光の向きと床の色でいくらでも変わります。容器のかさは、条件が同じであれば嘘をつきません。ブラシに付いた毛を目で見て「多いな」と思う感覚も、換毛期には毎日更新されてしまいます。数えるのではなく、溜めて、並べてください。

読み方は2通りです。週ごとのかさが増えていれば、動いているのは実際に抜けている量です。この場合は被毛と地肌に手を入れます。かさがほとんど変わっていないのに、床やソファの白さだけが増えているなら、動いたのは目に入る量です。この場合はブラッシングの回数を増やしても、床の見え方は変わりません。変えるべきは部屋の側です。

この見分け方には、もうひとつ利点があります。換毛期がいつ始まっていつ終わったのかが、カレンダーではなく、その子の毛で分かるようになることです。春と秋という区切りは目安でしかなく、始まる時期も長さも子によって違います。2年ぶん記録が残れば、来年は身構える時期を自分で決められます。

毎日30秒・週に一度・家の側|紀州犬の抜け毛を減らす3つの習慣

ここから先は手の話です。3つ挙げますが、3つは同じ大きさの話ではありません。1つ目はその子の体の一部にだけ触る話、2つ目は道具と順番の話、3つ目は犬にまったく触らない話です。並べて眺めてから、始めやすいものを1つ選んでください。

  1. 習慣1:毎日30秒、腰と後ろ足の内側だけをとかす

    全身は毎日できません。場所を2か所に絞ると、続きます。腰は下毛がいちばん厚く入る場所で、後ろ足の内側は抜けた毛が溜まったまま気づかれにくい場所です。全身をとかすのは週に一度でよく、毎日この2か所だけを30秒。手ぐしでもかまいません。指が根元まですっと入るかどうかを、そのついでに確かめます。

  2. 習慣2:週に一度、毛先の静電気を落としてから根元へ入れる

    空気が乾く時期は、とかすほど毛先が広がって、下毛が浮き上がったまま外へ出ていきません。先に布をわずかに湿らせて、被毛の表面を毛の向きに沿って一度なでます。それから、根元まで届く道具に持ち替える。順番が逆だと、根元へ届く前に毛先で止まります。濡らしたら、その日のうちに乾かしきるところまでを1セットにしてください。

  3. 習慣3:白い毛が乗る面を、家の中で1か所だけ決める

    これは犬に触らない習慣です。目に入る量のほうを動かします。いちばん長い時間いる場所に、洗える薄手の敷物を1枚。色は床に近いものを選びます。抜けた毛はそこへ集まり、敷物を洗えばまとめて片づきます。ソファや服にばらけていたものが、1か所に寄るだけで、目に入る量はかなり変わります。

3つの習慣は、手を入れる相手も、時間の粒度も違う
手を入れる相手1回の時間変化が見えるまで
習慣1その子の腰と後ろ足の内側30秒数日
習慣2被毛の毛先と根元、道具10分ほど2〜3週
習慣3部屋の側。犬には触らない1回きりその日から

3つとも同時に始めなくてかまいません。容器のかさが増えているなら習慣1と2から、かさが変わっていないなら習慣3から。前の章の見分け方は、このためにあります。かさが変わっていないのに毎日ブラシを入れる回数だけを増やすと、地肌のうるおいが先に減ります。

Caution引っぱらない、地肌をこすらない

換毛期の下毛は、根元でまだつながっているものが混ざっています。手ごたえがあるからといって引き抜くと、抜ける準備のできていない毛まで一緒に持っていきます。先の細い道具で地肌を直接こするのも避けてください。白い被毛は赤みが見えやすいので、こすった翌日に気づけます。気づいたら、その場所は数日休ませます。

習慣2で布を湿らせるのに使っているのが mofuwa グルーミングスプレーです。布に含ませて、毛の向きに沿って腰から後ろへなでてください。毛先の滑りがそろっていると、次に持ち替えた道具が毛先で止まらず、下毛の層まで届きます。毎日30秒で触る腰と後ろ足の内側は、その子が自分でなめる面でもあります。グルーミングスプレーは舐めても差し支えない基準(清涼飲料水の規格基準)をクリアしているので、口が届く面にも量を加減せずに使えます。ブラッシングスプレーとしても使える1本なので、乾いた時期に毛先が広がって寄るのも起きにくくなります。散歩に出れば外の細かいものは毎日乗りますし、体から脂が出るのも毎日です。毎日きれいにしておきたいという気持ちを、30秒で回せる形にしておくための1本です。洗う回数そのものを増やすのは、この時期はおすすめしません。洗えば抜けかけの下毛はまとめて落ちますが、地肌のうるおいも一緒に減ります。

容器の量は変わらないのに、白さだけが増えていくとき

ここまでは、換毛期と部屋の条件で説明のつく抜け毛の話でした。記録を取っているのに、その2つのどちらでも説明がつかない増え方があります。容器のかさは先週と同じなのに床の白さだけが増えていく、あるいは逆に、部屋を何も変えていないのにかさが跳ね上がる。そういうときは、被毛の量の話として扱わないでください。

Caution容器のかさでも、部屋の色でも説明がつかないとき

地肌が広く見えている、赤みやじくじくがある、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、フケが急に増えた、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、ブラッシングのやり方を変えて様子を見るより先に、動物病院にご相談ください。抜け毛の量は、家の中でいくらでも見え方が変わります。容器のかさが変わらないまま2週続くなら、その2週ぶんを持って行ってください。

相談に行くときは、容器に溜めた毛と、週ごとの記録を持っていくか、写真に撮っていってください。「最近増えた気がします」より、「3週間前から週ごとのかさが倍になっています」のほうが、その場で話が進みます。薄くなっている場所と、いつから気づいたかも合わせて伝えます。

紀州犬の抜け毛は、ゼロにはなりません。下毛を持つ犬種で、季節ごとに入れ替わる作りだからです。目指すのは量をなくすことではなく、増えたと感じた日に、被毛の側と部屋の側のどちらが動いたのかを言えるようになることです。白い毛は目立ちます。目立つぶん、早く気づける。その順番で使ってください。

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特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

紀州犬の抜け毛は、白いから多く見えるだけなのでしょうか。
そういう日もありますし、本当に増えている日もあります。この2つは見た目では分かれません。ブラッシングで取れた毛を毎回同じ容器に入れて、1週間ごとのかさを並べてみてください。かさが増えていれば被毛の側、変わっていないのに床の白さだけが増えていれば部屋の側です。手を入れる場所が変わります。
換毛期にブラッシングの回数を増やせば、抜け毛は減りますか。
とかす回数を増やしても、抜ける本数そのものは変わりません。変わるのは、抜けた毛が床へ落ちる前に回収できるかどうかです。回数だけを増やすと地肌のうるおいが減り、毛先も傷みやすくなります。毎日は腰と後ろ足の内側だけ30秒、全身は週に一度、という分け方のほうが続きます。
春先に静電気で毛が広がって、ブラシが通りません。
乾いた時期は、とかすほど毛先が広がって根元まで届かなくなります。先に布をわずかに湿らせて被毛の表面を毛の向きになでてから、根元に届く道具へ持ち替えてください。濡らした日は、その日のうちに乾かしきるところまでを1セットにします。地肌が赤い、かゆがるといったときは、道具を変える前に動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。