C12Q&A・豆知識

オーバーコートとは?水と汚れをはじく外側の毛

公開日 2021年3月26日|文=mofuwa編集部

明るい公園の芝生の上に、落ち着いて立っている淡い色の犬
外側の毛は、水をはじくために立っています。濡れるとその役目が裏返ります。写真:SHARMAINE MONTICALBO/Pexels

オーバーコートとは、水と汚れをはじく、いちばん外側の毛のことです。上毛(じょうもう)、刺毛(しもう)と呼ばれることもあります。1本ずつが太くて硬く、根元から先へ向かって同じ向きに重なることで、水の粒を毛の表面で滑らせているとされています。ここまでが定義です。この記事で開きたいのは、その先にある1点です。はじくためにある毛なので、濡れると仕事が変わります。はじく側だった毛が、水を含んで抱える側に回ります。しかも外側にあるぶん、内側から出ていこうとする水分の通り道の上に、そのまま座っています。だからオーバーコートとは、乾かすときにいちばん最後に考える毛ではなく、いちばん先に位置を確かめる毛だということになります。この記事では、この言葉を8つの問いに分けて開きます。どこにあるのか、はじくとは何をしていることなのか、濡れると何が反対になるのか、乾かす順番をなぜ内からにするのか。読み終えると、毎日のケアで手を当てる場所が1か所変わります。

オーバーコートとは、体のどこにある毛のことですか

オーバーコートとは、体の表面に見えている、いちばん外側の毛のことです。手で撫でたときに指が触れているのは、ほぼこの毛です。1本ずつが太く、まっすぐで、根元より先のほうが硬い。毛の流れに沿って並び、重なることで、雨の日に水が体まで届かないようにしています。呼び方はいくつかあり、上毛、刺毛、または保護毛と書かれることもあります。

その内側には、細くて柔らかい毛があります。こちらは外からはほとんど見えず、指を毛の中に沈めて初めて触れます。オーバーコートとは、この内側の毛を外の環境から隔てている「屋根」の側の毛だ、と考えると位置が分かりやすくなります。屋根と天井の関係で、担当している仕事がそもそも違います。

毛の生え方には個体差があり、外側の毛が目立つ子もいれば、内側の毛が多くて外側が埋もれて見える子もいます。それでも、体の表面で水と最初に出会っているのは、いつも外側の毛です。この記事の話は、そこから先しか扱いません。

「はじく」とは、毛が水に対して何をしていることですか

はじくというのは、水を消しているわけでも、通さない壁を作っているわけでもありません。やっているのは、水の粒を毛の表面で丸いまま保ち、滑らせて落とすことです。毛が同じ向きに重なっていると、水の粒は毛の谷に沿って下へ移動します。太くて硬い毛が並んでいることで、粒が毛のあいだに入り込む前に、体の外へ落ちていきます。

ここで大事なのは、はじくという働きが「毛の並び」と「毛の硬さ」に依存していることです。並びが乱れれば、水は谷ではなく毛のあいだへ入ります。硬さが足りなければ、水の重さで毛が寝て、やはり隙間ができます。オーバーコートとは、単に外側にある毛のことではなく、並んで立っていて初めて役目を果たす毛のことだと言えます。

はじけている状態と、はじけなくなった状態
毛の様子水がどうなるか
はじけている毛が同じ向きにそろい、先が立っている粒のまま毛の上を滑って落ちる
はじけなくなる毛の向きが乱れ、途中で交差している粒が壊れて、毛のあいだへ入る
はじけなくなる毛が寝て、体に張りついている隙間がなくなり、水が面で広がる
はじけなくなる抜けかけた毛が並びのあいだに残っているそこで水が止まり、留まる

毎日のブラッシングが効いているのは、この並びの側です。とかす行為は、毛をきれいに見せるためではなく、はじくための並びを戻していることになります。mofuwa グルーミングスプレー を布に含ませて毛の流れに沿って一往復させてからブラシを入れると、毛先が引っかかりにくく、並びを戻す作業がそのぶん進みます。逆から言えば、並びが乱れたまま雨の日を迎えると、同じ雨でも体に届く量が変わります。

はじくためにある毛が濡れると、何が反対になるのですか

この記事の核はここです。オーバーコートとは、はじくためにある毛です。だから、はじききれずに濡れてしまうと、そこから先は役目が裏返ります。水を落としていた側の毛が、水を抱えて離さない側に回ります。太くて本数が少ないぶん、1本が持ってしまう水の量は小さくありません。そしてその毛は、体のいちばん外側にあります。

外側にあることが、ここで効いてきます。内側の水分が空気へ出ていくには、必ず外側の毛のあいだを通らなければなりません。その通り道の上に、水を含んだ毛が寝て並んでいる。出ていく側から見ると、これは蓋に近い状態です。はじく能力が高い毛ほど、いったん濡れたときに外へ向かって水を渡しにくくなる、という反転が起きます。

同じ毛が、乾いているときと濡れたときで何をしているか
状態外から来る水に対して内から出ていく水分に対して
乾いている粒のまま滑らせて落とす毛のあいだが空いていて、そのまま通る
濡れた直後もう滑らせられない毛が寝て、通り道が狭くなる
濡れたまま時間が経つ新しい水も同じように留まる蓋のようになり、内側が乾かない
表面だけ乾いた見た目は元に戻る根元はまだ湿っている。ここが誤解の出どころ

表のいちばん下の行が、家でいちばん起きやすい読み違えです。外側の毛は空気に触れているので、先のほうから早く乾きます。手のひらで撫でて乾いていると感じたとき、乾いているのは毛の先だけということが起こります。触った場所と、湿っている場所がずれている。オーバーコートとは、そのずれを作る側の毛でもあります。

濡れた状態が続くというのは、皮膚にとってどういうことですか

毛のあいだに水が留まると、その場所の空気の動きが止まります。皮膚の表面は、ふだん空気に触れていることで乾いた状態を保っています。そこへ水が留まり、動かない空気が乗ると、乾いた状態に戻るまでの時間が延びます。長く続くほど、皮膚にとっては条件の違う場所ができます。

この記事では、そこから先の医学的な話には入りません。ここで言えるのは、濡れている時間の長さは、飼い主が短くできる数少ない条件のひとつだということです。毛の量も、毛の太さも、体の大きさも変えられません。変えられるのは、濡れてから乾ききるまでの時間だけです。

Caution皮膚の変化が出ているときは、乾かし方の工夫より先に相談してください

地肌が赤い、同じ場所をなめ続けている、においが数日で変わった、毛が抜けて地肌が見える範囲がある、触ると痛がる。こうした変化があるときは、乾かす手順を変える前に動物病院にご相談ください。毛の話と皮膚の話は、途中まで同じ場所を触っていても、ある時点から別の話になります。いつからか、どこか、どのくらいの範囲かをメモしておくと、その場で切り分けてもらえます。

乾かす順番を外からではなく「内から」にするのは、なぜですか

ここまでを一行にすると、こうなります。乾かしたい水は、内側にあります。ところが手が最初に触れるのは、外側の毛です。外側の毛は空気に触れているので、放っておいても先から乾きます。手をかけなくても進む場所に手をかけ、手をかけないと進まない場所を後回しにすると、時間だけが延びます。順番を内からにするのは、そういう理由です。

  1. 毛を分けて、根元に空気の通る道を作る

    指を毛の中に入れ、毛の流れと直角に分けます。外側の毛を左右へ寄せて、根元を見えるようにする工程です。ここを飛ばすと、あとで何をしても外側の毛の上を風が通るだけになります。

  2. 分けた根元から先に、水分を抜く

    布を当てて押さえ、離す。こするのではなく移すつもりで動かします。根元の水を先に減らしておくと、そのあと外側の毛が乾く速さが変わります。

  3. 外側の毛は、いちばん最後に整える

    根元が乾いてから、毛の流れに沿って一方向へ。ここで初めて、はじくための並びが戻ります。順番を逆にすると、並べたそばから内側の水が上がってきます。

  4. 終わりの判定は、毛の先ではなく根元でする

    手のひらで表面を撫でて確かめるのをやめ、指を沈めて根元に触れてから終わりにします。触った場所と湿っている場所がずれる、というのがこの毛の性質です。

この順番には、もう一つ利点があります。根元から乾かすと、乾いていく順番と、毛が並び直る順番が一致します。外から先に整えてしまうと、内側が乾く過程でもう一度並びが崩れ、同じ作業を二度やることになります。オーバーコートとは、最後に整える毛だと決めておくと、手数が減ります。

家で触って分かる違いとは、体のどこに出ますか

外側の毛の状態は、見た目より触った感触に出ます。確かめる場所は、体の下側です。背中は乾きやすく、空気にもよく触れます。腹、胸の下、脇、内股、尾のつけ根。ここは地面に近く、体の重さで毛が寝て、風が通りにくい場所です。同じ1頭の中で、いちばん条件の悪い場所を選んで触ります。

触って確かめる4か所と、そこで分かること
場所触り方分かること
胸の下指を毛の中へ沈めて、根元に触れる外側が乾いて見えても、ここが湿っていれば途中です
脇毛を分けて、地肌の温度を見る冷たく感じるなら、水分が残って熱を奪っています
内股手のひらではなく指の腹で毛が寝やすく、並びの乱れが最初に出る場所です
尾のつけ根毛の流れに逆らって、軽く起こす抜けかけた毛が並びに残っていないかを見ます

触って分かることは、もう一つあります。乾いているときの外側の毛は、押すと戻ります。指で寝かせて離したときに、先が起き上がってくるかどうか。起きてこないなら、水分が残っているか、並びが乱れています。この確かめ方は数字を使わないぶん、その日その子の中で比べられます。

毎日のケアで、この4か所を触るのを習慣にすると、変化に気づく順番が変わります。においや見た目より、根元の湿りのほうが先に出ます。オーバーコートとは何かを知っていると、確かめる場所が「毛の上」から「毛の中」へ移ります。ここが、この言葉を覚える実用的な利点です。

洗わない日のケアとは、この毛に対して何をしていることですか

水を使わない日にやっていることは、2つに分けられます。1つは、並びを戻すこと。もう1つは、毛の表面に乗ったものを、内側へ落とす前に取ることです。どちらも、はじくための条件を保つ側の作業です。洗う日にやることとは担当が違っていて、毛の並びを毎日そろえておくのはこちらの側の仕事になります。

使うものを1つに絞って書きます。mofuwa グルーミングスプレー は、特許を取得した電解水を原料にした、無香料・界面活性剤不使用のケアスプレーです。布に含ませて、毛の流れに沿って一往復させる。ブラッシングの前、散歩のあと、毎日きれいにしておきたい日の一手として使います。口に入っても差し支えのない基準でつくられているため、外側の毛のどこにかけても、量を気にせずに済みます。これを使えば汚れが落ちて清潔になりますという言い方はしません。やっているのは、毛の並びを戻しやすくして、乗ったものを外側で受け止めることです。

毎日やる必要はありません。大事なのは間隔がそろっていることで、回数の多さではありません。週に2回を決めた日にやるほうが、思いついた日にまとめてやるより、毛の並びは安定します。オーバーコートとは、毎日の手入れの結果がそのまま姿に出る毛です。

この言葉を1つ覚えると、毎日のケアの何が変わりますか

最後に、この記事を3行に畳みます。オーバーコートとは、水と汚れをはじく、いちばん外側の毛のこと。はじくためにあるので、濡れると役目が反対に向くこと。だから乾かす順番は、外からではなく内からにすること。覚えるのはこれだけで足ります。

言葉を知る前と、知ったあとで変わること
場面知る前知ったあと
雨の日から帰ったとき表面をひととおり拭いて終わる毛を分けて、根元から水分を抜く
乾いたかどうかの判定手のひらで撫でて確かめる指を沈めて、根元に触れて確かめる
ブラッシングの目的見た目を整えるためにやるはじくための並びを戻すためにやる
確かめる場所背中など、目につく場所胸の下・脇・内股・尾のつけ根
水を使わない日のケアとりあえず毛の表面を整えておく毛の並びを戻し、乗ったものを外側で止める
Caution毛の側の手当てで足りないと感じたら、動物病院にご相談ください

乾かしても根元の湿りが残る日が続く、同じ場所の毛だけが戻らない、地肌に赤みやフケが出ている、毛を触ると痛がる、においが数日で変わった。こうした変化があるときは、乾かし方やブラッシングを変えて様子を見る前に、動物病院にご相談ください。毛の並びで説明できる範囲と、そうでない範囲があります。いつから、どこが、どのくらいの範囲かをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

この表の右の列は、道具を増やしていません。変わったのは、手を当てる場所と、終わりを決める基準だけです。言葉を1つ知ると変わるのは、たいていそこです。オーバーコートとは何かという問いへの答えは1行で済みますが、その1行が毎日のケアの順番を変えます。

明日の朝から変えるのは、1か所だけで足ります。乾いたかどうかを、毛の先ではなく根元で決めること。そのうえで、毛の流れに沿って mofuwa グルーミングスプレー を一往復させ、並びを戻しておく。オーバーコートとは、その日の手入れの結果がそのまま外に出る毛です。手を当てる場所が1か所変わると、次の雨の日に体まで届く水の量が変わります。

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mofuwa グルーミングスプレー

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300ml / 2,970円(税込)

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。