C12Q&A・豆知識
湿度40%を切ると静電気が起きやすくなる
暖房を入れた冬の部屋では、湿度が30%台まで下がることがあります。外がどれだけ湿っていても、部屋の中は別に動きます。そして、およそ40%を下回るあたりから静電気が起きやすくなる、とされています。これは、50〜60%に保たれた部屋と比べたときの話です。ここで大事なのは、40%という数字が毛の側で測ったものではないという点です。測っているのは、部屋の空気のほうです。ブラシを当てるたびに毛先が持ち上がる、服に毛が張りつく、触ると小さくはじける。こうした変化が起きているとき、変わっているのはその子の毛質ではなく、部屋の数字です。この記事では、湿度と静電気の関係を、数字と部屋の側から8つの問答に分けて書きます。結論を先に置くと、毛に何かをするより、湿度計を1つ置くほうが早く進みます。
湿度40%という数字は、何と比べた数字ですか
先に答えます。およそ50〜60%に保たれた部屋と比べた数字です。湿度が40%を下回るあたりから静電気が起きやすくなる、と一般に言われています。この「起きやすくなる」は、40%でスイッチが入るという意味ではありません。50%台の部屋と、30%台の部屋を並べたときに、後者のほうが起きやすいという比較の話です。
数字の性格も押さえておきます。ここで言う湿度は、相対湿度、つまりその温度の空気が抱えられる水分の量に対して、いま何割が入っているかを示した数字です。だから、同じ量の水分が空気にあっても、温度が上がれば湿度の数字は下がります。暖房を入れた部屋で湿度が落ちるのは、水分が減ったからだけではなく、抱えられる量のほうが増えたからでもあります。
| 言い方 | 何と比べているか | 気をつけること |
|---|---|---|
| 40%を下回ると起きやすい | 50〜60%に保たれた部屋 | 境目ではなく傾向です。39%と41%で切り替わりません |
| 冬は静電気が起きやすい | 梅雨や夏の同じ部屋 | 季節ではなく、その部屋の数字で判断します |
| この子は静電気が起きやすい | 他の子 | 毛質より先に、部屋の条件がそろっているかを見ます |
| 今日はよく起きる | 同じ部屋の別の日 | この比べ方だけが、家で確かめられる形です |
この記事では、数字を1つだけ使います。湿度40%前後という目安と、50〜60%という比較の相手。それ以外の細かい数値は出しません。小数点まで書かれた数字は、測る場所と時間で簡単に動くからです。部屋の隅と部屋の中央でも違いますし、床の上と棚の上でも違います。
静電気が起きやすいのは、毛が乾くからですか、部屋が乾くからですか
答えは、部屋のほうです。同じ子の同じ被毛でも、梅雨の時期にはほとんど起きず、真冬の暖房が効いた部屋では毎回起きます。その子の毛は、季節で入れ替わってはいても、一日で別物になったりはしません。変わっているのは、毛を取り巻いている空気のほうです。
なぜ空気が湿っていると起きにくいのか、という仕組みの話は、この記事では扱いません。ここで書きたいのは、測る対象がどちらかという話です。毛を測ることはできませんが、湿度は数字で読めます。読める側を先に押さえるほうが、家では早く進みます。
この分け方には実用的な意味があります。毛の側を原因にすると、打てる手が「毛に何かをする」に限られます。部屋の側を原因にすると、打てる手が一気に増えます。加湿する、換気する、暖房の設定を変える、洗濯物を室内に干す。どれも被毛には一切触れませんが、静電気の起きやすさは動きます。
外の湿度と部屋の湿度が、冬に大きくずれるのはなぜですか
外の空気を部屋に入れて温めると、湿度の数字は下がります。空気が抱えられる水分の量は、温度が高いほど大きくなるからです。外で60%だった空気を、そのまま室内の温度まで温めると、水分の量は変わらないのに、抱えられる量のほうが増えて、割合としての湿度が落ちます。暖房を入れた部屋で乾くのは、この仕組みが働いているためです。
だから、天気予報の湿度を見ても、部屋の湿度は分かりません。外が湿っている日に、部屋がいちばん乾いていることも普通に起きます。雨の日でも暖房を強くしていれば、部屋の数字は30%台に落ちます。静電気が起きるかどうかを予報で判断できないのは、このためです。
- 暖房を強めた直後:温度が先に上がり、湿度の数字だけが落ちます
- 朝いちばん:夜のあいだ暖房を切っていた部屋は、温度も湿度も低い状態から始まります
- 床の上と棚の上:同じ部屋でも高さで数字が違い、その子がいるのは床の側です
- 窓のそば:外の温度に引かれて、部屋の中央と条件が変わります
- 人が集まっている部屋:人の呼気と体温で、数字は上がる方向に動きます
並べると分かるとおり、湿度は家の中でも一様ではありません。測る場所を決めずに数字だけ追いかけると、日によって理由の分からない差が出ます。測るなら、その子がいちばん長くいる場所の高さで測ってください。静電気が起きているのは、その高さの空気の中です。
湿度計を1つ置くと、何が決められるようになりますか
この記事の答えは、ここです。湿度計を1つ、その子がいちばん長くいる場所の高さに置く。それだけで、これまで感覚で言っていたことが数字になります。今日は乾いている気がする、が、今日は35%だった、に変わります。静電気が起きた日の数字を3回記録すると、その家の境目が見えてきます。
| これまでの判断 | 湿度計があると | できるようになること |
|---|---|---|
| なんとなく乾いている | 35%と読める | 加湿を足すかどうかを、その場で決められる |
| 静電気がひどい日がある | その日の数字が残る | 自分の家の境目が何%あたりかを見つけられる |
| 加湿器を入れたが効いた気がしない | 前後の数字を比べられる | 置き場所が悪いのか、能力が足りないのかを分けられる |
| 部屋によって違う気がする | 2か所を測って並べられる | その子を置く部屋のほうを選び直せる |
| 冬だから仕方がない | 季節ではなく数字で見る | 同じ冬でも、条件を戻せる日があると分かる |
高価なものである必要はありません。目盛りが5%刻みで読めれば、家での判断には十分です。むしろ大事なのは、置き場所を動かさないことです。場所を変えると、前の日の数字と比べられなくなります。比べる相手をそろえておくことが、この1個を置く目的です。
人が湿度を気にするのは、立っている高さです。犬や猫が過ごしているのは、その半分より下の高さです。床に近いほど温度は低く、条件も変わります。棚の上に置いた湿度計の数字と、その子のまわりの空気は別のものだと考えて、置き場所を低くしてください。
湿度を見ずにブラッシングだけを変えると、なぜ空振りしますか
静電気が起きると、多くの場合まず手が動くのはブラシの側です。ブラシの素材を替える、力を弱くする、回数を減らす。どれも間違いではありませんが、部屋が30%台のままだと、変えた効果が数字に埋もれます。翌日にうまくいったのが、ブラシのおかげなのか、その日の湿度が上がっていたからなのかを分けられません。
換毛期には、この見分けがさらに難しくなります。換毛期は抜ける毛の量が増える時期なので、ブラシに毛がまとわりつく理由が2つ重なります。静電気で張りついているのか、単に抜ける量が多いのか。湿度の数字を持っていないと、この2つを切り分ける手がかりがありません。
| 見えていること | 湿度が40%を下回っている | 湿度が50〜60%ある |
|---|---|---|
| 毛がブラシに張りつく | 静電気の側を先に疑う | 抜ける量そのものが増えている |
| 毛先だけが広がる | 空気の条件が効いている | 毛先の傷みや絡みを見る |
| 根元は落ち着いている | 部屋を変えると収まることがある | 梳かす向きと回数を見直す |
| 服に毛が張りつく | 部屋全体の条件 | その日の抜け毛の量 |
順番としては、湿度を測る、そのあとでブラッシングを見直すのほうが早く終わります。数字が40%を下回っていれば、まず部屋の側を戻す。50〜60%あるのに起きているなら、そこで初めて毛の側や道具の話になります。順番を逆にすると、直したはずのことをもう一度やり直すことになります。
湿度を40%より上へ戻すために、家でできることはどれですか
打てる手は、道具のいるものと、いらないものに分かれます。先に試すのは、道具のいらないほうです。数字が5%動けば、静電気の起きやすさは変わります。40%を大きく超える必要はなく、40%台の後半から50%台に乗れば、家で感じる差としては十分なことが多くあります。
- 洗濯物を室内に干す:道具がいらず、効き方も分かりやすい手です
- 暖房の設定温度を1〜2度下げる:温度が下がると、同じ水分量でも湿度の数字は上がります
- やかんや鍋を使う時間を、その子のいる部屋と重ねる:短時間ですが数字は動きます
- 加湿器は、その子がいる高さの近くに置く:部屋の隅の高い位置では、届く前に薄まります
- 1日に数回、短く換気する:乾いた空気が入りますが、こもった空気を入れ替えると数字が安定します
- ドアを閉めて部屋を小さくする:加湿の対象が減るぶん、同じ手で数字が上がります
やりすぎにも注意します。湿度を60%より上へ上げ続けると、今度は結露やカビの側の条件が近づきます。静電気を減らしたいという理由だけで、数字を高いほうへ振り切らないでください。40%台後半から50%台という、真ん中の帯を保つのが目的です。ここでも、湿度計があるかどうかで話が変わります。
住まいの作りや暖房の種類によって、どうしても30%台から上がらない日があります。その日は部屋の数字を待たずに、毛の側から手をつけます。大事なのは順番で、部屋を測る前から毛の側に飛ばないことです。次の節が、測ったあとに毛の側でやることの話です。
湿度が戻らない日に、被毛の側でできることは何ですか
部屋の数字が上がらない日にできるのは、毛の表面に水分をのせてから梳かすことです。ここで言ううるおいは、毛に水分がのっている状態を指しています。乾いた毛をそのまま梳かすと、毛先が浮いて広がり、ブラシにまとわりつきます。梳かす前に水分をのせておくと、毛先が下へ落ち、根元まで通しやすくなります。
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布に含ませてから、体に当てる
体へ直接吹きつけると、噴射音で驚く子がいます。先に布へ含ませ、それから当てる。この順番にするだけで、続けやすさが変わります。含ませる量は、握って垂れない程度です。
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毛先だけでなく、根元にも一度触れる
毛先が広がっているとき、手は毛先へ向かいがちです。根元から先へ向かって一方向に動かすと、毛の流れがそろいます。往復させると、そろえたそばから乱れます。
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少し置いてから、ブラシを入れる
のせた直後より、数十秒おいたほうが毛先が落ち着きます。急いで梳かすと、水分がのっていない場所から先に引っかかります。
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終わりに、根元へ指を沈めて確かめる
濡らすのが目的ではないので、根元まで湿っている必要はありません。毛の表面がしっとりし、根元は乾いているのが狙う状態です。
含ませるものについて書きます。mofuwaのグルーミングスプレーは、梳かす前に毛先を落ち着かせておくための道具です。特許を取得した電解水を原料にしていて、無香料で、界面活性剤は入っていません。吹きかけてそのまま梳かせるので、布に含ませても、毛に直接のせてもかまいません。グルーミングスプレーであり、ブラッシングスプレーでもあります。だから、湿度が30%台から動かない日ほど、出番が前に来ます。これを使えば静電気が起きなくなりますという言い方はしません。読めるのは部屋の湿度の数字で、毛の側で決められるのは、梳かし始めの状態をどうそろえるかです。
換毛期に重なる時期は、この一手の意味が少し変わります。抜けた毛が空中に散りにくくなるぶん、床に落ちる量が読みやすくなります。毛の量そのものは変わりませんが、どこへ行くかが変わります。掃除の側から見ると、これは小さくない差です。
湿度と静電気を、部屋の側から並べ直す|湿度計1つで決まること
最後に、この記事を4行に畳みます。湿度がおよそ40%を下回るあたりから、静電気は起きやすくなるとされている。これは50〜60%に保たれた部屋と比べた話である。測っているのは毛ではなく部屋の空気である。だから、まず湿度計を1つ置く。ここまでが、この記事で言えることの全部です。
| 順番 | やること | そう置く理由 |
|---|---|---|
| 1 | その子がいる高さに湿度計を置く | 感覚を数字に変える。比べる相手ができます |
| 2 | 静電気が起きた日の数字を3回控える | その家の境目が何%あたりかが見えます |
| 3 | 40%を下回っていたら、部屋の側を戻す | 道具のいらない手から先に試します |
| 4 | 戻らない日は、被毛へ水分をのせてから梳かす | 部屋が動かない日にできることです |
| 5 | 50〜60%あるのに起きるなら、毛と道具を見る | ここで初めて、ブラシの話になります |
静電気の話は、あくまで空気の条件と毛の並びの話です。地肌が赤い、フケが目に見えて増えた、同じ場所をかき続けている、毛が抜けて地肌が見える範囲がある、触ると痛がる。こうした変化があるときは、湿度を上げたり被毛のケアを変えたりして様子を見る前に、動物病院にご相談ください。乾いた季節は、別の理由で起きている変化を「乾燥のせい」と片づけてしまいやすい時期でもあります。いつから、どこが、どのくらいの範囲かをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。
この順番の利点は、やることが増えないところです。足したのは湿度計1つで、あとは順番を入れ替えただけです。静電気は毎年やってきますが、その家の境目の数字を一度つかんでおけば、翌年の冬は最初の日から手が決まります。数字は残りますが、感覚は残りません。30%台の日はグルーミングスプレーを先に、40%台に戻った日はそのまま梳かす。毎日の手順は、湿度計の数字を読んでから決めます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
