C02技術・エビデンス
アルカリ性の水が皮脂に触れると何が起きるか
石けんは、油から作られます。オリーブ油やヤシ油にアルカリ性の液を混ぜて煮ると、油が石けんに変わる。この作り方は千年以上前から知られていて、いまも固形石けんの作り方として残っています。アルカリ性の水が皮脂に触れたときに起きているのも、これと同じ方向の変化です。毛の上の脂が消えるのでも、溶けてなくなるのでもなく、水と一緒に動ける形へ変わる。この記事では、その変化を8つの問いに分けて、順番に見ていきます。
アルカリとは、そもそも何を指す言葉ですか
水の中で、水素イオンが少ない側にいる状態のことです。0から14の目盛りでいえば7より上、というのがいちばん短い説明になります。ここで大事なのは、アルカリ性が「強い」という意味の言葉ではないところです。目盛りの上にいるか下にいるかを言っているだけで、どれだけ手ごわいかまでは言っていません。重曹を溶かした水も、石けんを溶かした水も、この側にいます。
皮脂の話につなげると、アルカリ側にいる水は、脂と向き合ったときに反応できる相手を持っている、ということになります。水が脂に対して何かをするのではなく、脂の側に、アルカリと結びつく部分がある。この順番で読むと、このあとの話が分かりやすくなります。
石けんはどうやって作られてきたのですか
油とアルカリを合わせて、油を石けんに変える方法で作られてきました。灰を水に浸してできた上澄みが古くから使われ、これがアルカリ側の液でした。そこに動物の脂や植物の油を入れて煮ると、とろみのある固まりができる。これが石けんです。この反応には、けん化という名前がついています。石けんという言葉が先にあって作り方が決まったのではなく、油がこう変わるという現象のほうが先にありました。
| 見るところ | アルカリと出会う前 | 出会ったあと |
|---|---|---|
| 水との関係 | はじかれて混ざらない | 水になじんで散らばる |
| 手ざわり | ぬるついて指に残る | すべりが出て指から離れる |
| 流したとき | 同じ場所へ戻る | 水と一緒に運ばれる |
| 見た目 | 透明か黄色っぽい | 白く濁って見えることがある |
表の1行目が、この記事でいちばん大事なところです。油は消えていません。量もほとんど変わっていません。変わったのは水との関係だけです。石けんづくりでは、この変化を最後まで進めて固形にします。毛の上で起きるときは、そこまで進まずに、水と一緒に動ける段階で止まります。
その変化は、犬や猫の毛の上でも起きますか|アルカリをめぐる最初の疑問
起きますが、起きる範囲は毛の表面までです。犬や猫の皮脂には、アルカリと結びつく部分を持った脂肪酸が含まれています。毛の根元から出て表面へ広がった脂は、空気に触れる場所にいるので、アルカリ側の水が届けばその場で形が変わります。台所で油汚れがずるりと動くのと、指先の手ざわりとしてはよく似ています。
ただし、皮膚の上の脂は毛の表面のものだけではありません。角層の細胞と細胞のあいだにはセラミドが入っていて、これは構造の一部として組み込まれています。表面に乗っている脂と、すきまに入っている脂では、水が届く距離がまったく違います。短い時間で拭き取る使い方であれば、届くのは前者までです。犬でも猫でも、この距離の差は変わりません。
界面活性剤を足さなくても脂が動くのはなぜですか|アルカリと皮脂の関係で知りたいところ
形が変わったあとの脂そのものが、水と油をつなぐ働きを持つからです。石けんは、もともと油から作られたものでありながら、油を水に運ぶ側に回ります。毛の上でも同じことが起きていて、アルカリ側の水と出会った脂の一部が、残りの脂を水の側へ引き込む役をします。洗剤を足して運ばせるのではなく、汚れの側が運ぶ役を兼ねる、という形です。
- 足すものが減る:水のほかに加える成分がないので、すすいで落とすべきものも増えません
- 届く範囲が決まる:変化するのは表面に出てきた脂なので、角層のすきまには手が伸びにくくなります
- 時間が要る:かけた直後ではなく、十数秒おいてから拭くほうが、変わった分を運び出せます
- 泡は立たない:泡は界面活性剤が空気を抱え込んだ姿なので、この道筋では出てきません
最後の項目は、使ってみたときにいちばん戸惑うところです。泡が立たないと落ちていない気がしますが、泡は汚れが動いた証拠ではありません。確かめるなら、拭いた布の色を見るほうが正確です。白い布でなでて、うっすら色がつけば、脂は水の側へ移っています。
なお、この道筋がどれくらい進むかは、水のつくり方で変わります。同じアルカリ性の水でも、飲料用のアルカリイオン水では油がほとんど動きません。皮脂に近いとされるごま油を相手にした洗浄力の比較では、水道水と飲料用のアルカリイオン水ではほとんど変化が見られず、高機能性電解還元水で乳化とけん化が進みました(東洋ビューティー/ウェーブコーポレーション調べ)。この水の製造方法は特許5253483として登録されています。
アルカリ性と聞くと強そうに思えます。毎日かけて大丈夫ですか
アルカリ性という言葉は、その水が目盛りのどちら側にいるかを示すだけで、皮膚に何をするかまでは示していません。そのため、言葉の印象から安全性を判断することはできません。判断の材料になるのは、その水が何の基準で検査を受けているかのほうです。mofuwa グルーミングスプレーに使われている水は、飲みものに使う水に求められるのと同じ規格で成分の検査を受けています。舐めることが前提の動物に使うものとして、この順番で設計されています。
量の加減についても、同じところから答えが出ます。口に入っても問題のない基準でつくられているので、量を気にせず毛の根元まで届かせられます。少しずつかけて足りるかどうかを迷うより、かけてから拭き取る回数のほうを決めておくほうが、手順として続きます。犬でも猫でも、ここは変わりません。
アルカリ側にいることは、脂と向き合える位置にいるという意味までです。そこから先、実際にどれだけ脂の形が変わるかは、水のつくり方によって変わります。同じ表示の水でも、油に対する振る舞いは同じになりません。表示にpHしか書かれていない場合、読み取れるのは方向だけだと考えてください。
触れたあと、毛の上には何が残っているのですか
形が変わった脂が、まだその場に残っています。変化は運び出しではありません。水になじむ形になっただけで、毛から離れたわけではないからです。ここで手を止めると、水分が飛んだあとに、変わった脂がそのまま毛の上で乾きます。翌日に同じ場所がべたついて感じられるのは、多くの場合これです。
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かける
毛の表面ではなく、根元に届くように。毛の多い犬では、手でかき分けてからのほうが届きます
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十数秒おく
形が変わるまでの時間です。すぐ拭くと、変わる前の脂を布で広げることになります
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布でなでる
同じ方向に、同じ力で。白い布を使うと、どれだけ移ったかがその場で見えます
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ブラシを通す
毛の中に残った分を外へ出します。乾いた状態でブラシを入れるより、毛どうしの引っかかりが減ります
4番目まで進んで、はじめて毛の上から減ります。アルカリと皮脂の話は、変化のところで終わらせると成立しません。運び出す手が入るところまでが一続きです。1番目で mofuwa グルーミングスプレーを使う場合も、見ているのは吹きかけた回数ではなく、4番目まで進んだかどうかのほうです。かけた量を増やしても、拭かずに乾かせば同じ場所に戻ります。
脂があまり出ていない時間帯にかけても、同じことが起きますか
相手がいなければ、変化は起きません。朝いちばんの、まだ脂が表面まで上がっていない状態でかけても、水は毛を湿らせて乾くだけです。この使い方が悪いわけではなく、静電気を抑えたいときや、ブラシを通しやすくしたいときには、それで足ります。ただし、脂を運び出す目的では空振りになります。
| 時間帯 | 毛の表面の状態 | かけたときに起きること |
|---|---|---|
| 朝いちばん | 上がってきた脂が少ない | 湿って静電気が減る |
| 散歩から帰った直後 | 砂とほこりが乗っている | 表面のものが動き、拭き取れる |
| 帰宅から数時間後 | 脂が表面まで広がる | 形が変わり、運び出せる |
| 何日も置いたあと | 脂が固まって毛にからむ | 動く量が減り、洗う工程の側になる |
表の3行目が、この記事でいちばん相性のいい時間帯です。散歩から帰ってすぐではなく、少し時間をおいてからのほうが、運び出せる量は増えます。アルカリと皮脂が出会う条件は、水の側ではなく、脂が表面に出てきているかどうかで決まります。
7つの答えを、1本の線につなぐ|アルカリと皮脂のあいだで起きていること
ここまでの答えを順番につなぐと、1行で言えるところまで縮みます。アルカリ性の水が皮脂に触れると、脂の一部が水になじむ形へ変わり、そこで運び出す手が入ると毛の上から減る。石けんが油から作られてきたのと同じ方向の変化で、消えるのでも溶けるのでもありません。
- 変わるのは表面の脂:角層のすきまに入っている脂までは届きにくい
- 足すものは要らない:変わった脂そのものが、残りの脂を水の側へ引き込む
- 泡は目印にならない:確かめるなら、拭いた布についた色のほう
- 言葉では判断できない:アルカリ性という表示は位置を示すだけで、検査の中身は別に確かめる
今日できるのは、白い布を1枚だけ決めておくことです。同じ布で、同じ場所を、同じ順番でなでる。色のつき方が変わった日に、その子の脂の出方が変わったと分かります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
