C12Q&A・豆知識

散歩のあと、足だけ拭けば十分?

公開日 2021年4月30日|文=mofuwa編集部

明るい室内の玄関のそばで、落ち着いて座っている淡い色の犬
帰ってきた直後の数十秒は、外のものがまだ体の上に留まっている時間です。写真:SLZ/Pexels

雨あがりの散歩後、玄関で拭き終えて離したはずなのに、廊下の白い床に点々と跡が残っていたことがあります。足だけを拭くのでは足りない日があります。外から持ち帰るものは、足だけについているわけではないからです。地面にいちばん近いのは足の裏ですが、その次に近いのは腹と胸の下と尾のつけ根で、そこは立っている姿勢では飼い主の目に入りません。ただし、これは足を拭くのが無駄だという話ではありません。足を拭くのは、外のものが室内へ入る入口を止めることです。入口を止めることと、体の低い面に残っているぶんは、別の話として分けたほうが毎日の手が減ります。この記事では、散歩後に足を拭くだけで足りるのかという疑問を、8つの問答に分けて開きます。

散歩後、足を拭くだけで足りますか

答えから書きます。散歩後に足を拭くだけでは、足りない日があります。ただし「いつも足りない」という意味ではありません。足りるかどうかは、その日にどこを歩いたかで決まります。乾いた舗装の上だけを歩いて帰ってきた日は、足を拭くだけでほぼ足ります。雨あがりの道や、草の生えた土手、砂のグラウンドを歩いた日は、足を拭くところで止めると足りません。

分かれ目は、地面と体のあいだで何が跳ねたか、です。乾いた舗装では、外のものは足の裏に付いて、そこで止まります。濡れた地面やゆるい土では、歩くたびに水と土が跳ね上がります。跳ね上がったものは足首を越えて、腹や胸の下に乗ります。足を拭くという手は、跳ねなかったぶんにはよく効いて、跳ねたぶんには届きません。

散歩後に、足を拭くだけで足りるかどうかの分かれ目
その日に歩いた場所足に乗るもの足以外に乗るか散歩後にどこまでやるか
乾いた舗装だけ砂ぼこり・細かい土ほとんど乗りません足を拭くだけで足ります
雨あがりの舗装泥水・跳ね返り腹と胸の下に乗ります足を拭いたあと、低い面も
土手・草の生えた道草の種・穂・土腹・内股・尾のつけ根足を拭いたあと、低い面も
砂や土のグラウンド乾いた砂・細かい粒腹と前脚の内側足を拭いたあと、低い面も
水たまりの多い道溶けた土と水腹と足首の上足を拭いたあと、低い面も
室内で過ごした日ほとんどなし乗りません散歩後の手は要りません

この表の見方は1つだけです。足を拭く手を減らすための表ではなく、足を拭いたあとに何が残っているかを決めるための表です。散歩後に玄関でやることを毎日まったく同じにすると、歩いた場所の違いが手に反映されません。時間をかける日と、かけない日を分けたほうが、毎日続きます。

Note足を拭くのをやめる話ではありません

この記事は、散歩後に足を拭かなくていい、という話ではありません。足を拭くのは、外のものが室内へ入る入口を止める手です。入口を開けたまま奥だけを片づけても、次の散歩でまた同じことが起きます。足を拭くことは毎日続けたうえで、そこに乗らなかったぶんをどう扱うかを、別の話として分けます。

外から持ち帰るものは、足だけについているのですか

ついているのは足だけではありません。理由は高さです。人が歩くとき、地面といちばん近いのは靴の底で、そこから膝までは50センチ以上あります。犬や猫は違います。四つ足で立っているとき、腹の面は地面から数センチから十数センチのところにあります。散歩後に持ち帰るものは、その高さの範囲に集まります。

もう一つ、跳ね上がりがあります。歩くたびに足が地面を蹴ると、そこにある水や砂が上へ飛びます。飛んだ先にあるのは、腹と胸の下と前脚の内側です。足を拭く手は下から上へ向かって届きますが、跳ね上がったものが乗るのは、手を伸ばさないと見えない面です。

この6つは、どれも飼い主の目線からは見えません。立っている犬や猫を上から見ると、見えるのは背中と頭と尾の上側です。散歩後に足を拭くとき、しゃがんだ姿勢で手が届く場所と、目に入る場所はずれています。だから「足を拭いたから終わり」という判断が自然に生まれます。手を抜いているのではなく、見えないものは判断に入らない、というだけのことです。

室内に戻ってからの動きを追うと、もっとはっきりします。玄関で足を拭かれた子は、そのまま廊下を歩いて、寝床かソファに伏せます。伏せた瞬間に床へ触れるのは、拭いた足の裏ではなく、拭いていない腹です。帰宅後にいちばん長く接触している面が、散歩後の手から外れている。ここが、この記事のいちばんの要点です。

散歩後の足以外で、地面に近い面とは体のどこですか

ここで言う「地面に近い面」とは、四つ足で立ったときに、地面の側から見上げて最初に見える面のことです。医学の言葉ではなく、この記事の中での呼び方です。いちばん近いのが足の裏で、その次が腹、胸の下、前脚の内側、内股、尾のつけ根の順になります。

地面に近い面と、そこに乗るもの
体の面地面からの近さ乗りやすいもの自分で気づけるか
足の裏接しています土・砂・水・小石歩き方が変わるので気づきます
足首から下すぐ上跳ね返りの泥拭くときに手が触れます
腹数センチ〜十数センチ泥・砂・草の粉伏せるまで気づきません
胸の下腹と同じくらい跳ね返り・草の穂抱き上げないと見えません
前脚の内側足と腹の中間土・種・毛のもつれ触ってはじめて分かります
内股腹よりやや上草の種・穂しゃがませないと見えません
尾のつけ根座ると接します地面のもの全般背中側なので目に入りません

表のいちばん右の列だけを縦に読むと、この記事で言いたいことがそのまま出ています。足の裏は気づける場所で、腹から尾のつけ根までは気づけない場所です。散歩後に足を拭く手が毎日続くのは、汚れているのが見えるからです。低い面の手が続かないのは、見えないからです。手が足りないのではなく、きっかけがないほうが理由として大きいと思います。

見えない面を毎日ぜんぶ確かめる必要はありません。確かめるのは、その日に跳ねる地面を歩いたかどうかだけです。歩いていなければ、散歩後は足を拭くところで止めていい。歩いていれば、足を拭いたあとに低い面へ手を伸ばす。判断はこの1つで足ります。

季節でも変わります。春から初夏にかけては、草の丈が伸びて、種や穂が内股と尾のつけ根に入りやすくなります。雨が続く時期は、跳ね返りが腹と胸の下に乗ります。同じ道を歩いていても、地面の状態が変われば、散歩後に手を入れる面も変わります。コースを変えていないから同じ、とは言えません。

足を拭くという手は、何を止めているのですか

止めているのは、室内の床へ運ばれる量です。玄関から寝床まで、その子は毎日ほぼ同じ道を歩きます。足の裏に乗ったものは、その道の上に落ちます。散歩後に足を拭くと、この受け渡しが止まります。だから足を拭くのは、体をきれいにする手というより、家の側を守る手に近い性格を持っています。

言い方を変えます。足を拭くのは「入口を止める」こと。腹や胸の下に乗ったぶんは「まだ体の上にある」こと。この2つは、やっている場所が同じ玄関でも、目的が違います。入口を止めるのは室内のため。低い面に手を入れるのは、その子の皮膚と被毛の側のためです。目的が違うので、片方をやったからもう片方が済んだことにはなりません。

散歩後の手を、入口と体の上で分ける 足を拭くことと、腹や胸の下に手を入れることは、同じ玄関でやっていても目的が違います。片方をやったからといって、もう片方が済んだことにはなりません。 どちらも同じ玄関でできますが、判断の材料が別です 入口=足 足の裏と、足首から下 散歩後すぐ、玄関で拭く 室内へ運ばれる量が減る 汚れが見えるので続く 毎日やっても手が増えない 体の低い面 腹・胸の下・内股・尾のつけ根 跳ねる地面を歩いた日だけ 皮膚と被毛の側の話になる 見えないので忘れやすい 毎日でなくてかまわない 入口を止めても、体の上に乗ったぶんはそのまま残ります
先にやるのは入口です。低い面は、その日に歩いた地面によって足します。

この分け方をすると、散歩後に迷う時間が減ります。玄関で立ち止まったときに考えるのは、「今日は跳ねる地面を歩いたか」の1つだけになります。歩いていなければ足を拭いて終わり。歩いていれば、そのあと腹まで手を伸ばす。判断が1つになると、かかる時間が読めるようになります。時間が読めると、習慣として残ります。

低い面まで毎日やらないと大丈夫ではないのですか

毎日でなくて大丈夫です。むしろ、毎日ぜんぶに手を入れようとすると続きません。低い面に手を入れる回数を決めるのは、暦ではなく地面です。散歩後に足を拭くのは毎日でいい。低い面は、跳ねる地面を歩いた日だけでいい。この2つを別々に決めておくと、時間がない日でも足だけは残ります。

低い面に手を入れる間隔の決め方
その週に歩いた場所低い面への手目安
乾いた舗装だけの日要りません足を拭くところで止める
雨あがり・ぬかるみその日のうちに帰ってすぐ
草地・土手その日のうちに帰ってすぐ
砂・土のグラウンドその日のうちに帰ってすぐ
舗装だけが続いた週週に1回で足ります曜日を決めておく
雨の日が続いた週歩いた日ごとに毎回

「毎日やらないと大丈夫ではないのではないか」と感じるのは、頻度で安心を決めようとしているからだと思います。頻度を上げても、跳ねていない日には取るものがありません。取るものがない日に手を動かすと、残るのは摩擦だけです。散歩後の手は、回数ではなく、その日の地面に合わせるほうが体の側にも合っています。

時間の話もしておきます。四つ足を拭くのは、慣れれば1分もかかりません。低い面まで足すと、そこに1〜2分が乗ります。毎日3分にするより、週の半分を1分、残りを3分にするほうが、習慣として残ります。毎日同じ長さにしようとすると、その長さを確保できなくなった日から崩れます。散歩後のケアが続かない家では、たいていここが折れています。

Point迷ったら、拭いた布の色で決める

その日に跳ねたかどうかを思い出せないときは、足を拭いた布を見てください。布に色がついていなければ、跳ねていません。足の裏だけが汚れていて、布が白いまま出てくる日は、腹まで手を伸ばす必要はありません。色がついた日は、同じものが腹と胸の下にも乗っています。記憶ではなく、手元にあるもので決めるほうが速く済みます。

帰宅後の室内でにおいが残るとき、どこを見ればいいか知りたい

見るのは、床ではなく、その子の低い面です。散歩後に室内でにおいが残るとき、多くの場合、においの出どころは空気ではなく、湿ったまま体に乗っているものです。足を拭いても腹が湿っていれば、寝床に伏せた時点で布へ移ります。布へ移ったにおいは、窓を開けて空気を入れ替えても減りません。

順番としては、室内の布を先に洗うより、体の側で止めるほうが早いです。布は洗えば戻りますが、次の散歩後にもう一度同じものが乗ります。帰宅後の数分で低い面を拭くほうが、結果として洗う回数が減ります。においが気になる週は、散歩後の手を1つだけ増やしてみてください。増やすのは腹です。

室内のにおいで見落とされやすいのが、湿りの残りです。拭いたあとに湿ったまま離すと、その場所は乾くまでのあいだ、においが出る側に回ります。散歩後の手は、乾いた状態で終わるまでが1セットです。時間がないときほど、拭くところまでで手を離してしまいがちですが、最後の押さえの10秒がいちばん効きます。

ただし、拭いても同じ場所からにおいが戻ってくるときは、外から持ち帰ったものではない可能性があります。体の側で何かが起きていると、拭いた直後は薄くなっても、数時間で戻ります。これは散歩後のケアの範囲を超えています。そのときは手を増やさずに、いつから気づいたかをメモに残してください。

時間をかけずに毎日の習慣にするなら、散歩後の順番はどうなりますか

順番を固定します。散歩後は、足を拭く → 今日の地面を思い出す → 必要なら低い面、の3つだけです。考える場所を1か所にまとめると、時間が短くなります。玄関には、拭くものを1つだけ置いてください。取りに行く動作が入ると、そこで止まります。

  1. 立たせたまま、四つ足を1本ずつ拭く

    抱き上げないでください。抱き上げると、外のものが乗った腹が服につきます。立たせたまま、片足ずつ持ち上げて足の裏を拭く。指のあいだは、指を広げようとせずに、布を当てて一往復で足ります。四つ足で40秒ほどです。

  2. 今日の地面を思い出して、そこで止めるかを決める

    乾いた舗装だけなら、ここで終わりです。判断がつかないときは、いま足を拭いた布を見てください。布が白いまま出てきたら、跳ねていません。色がついていれば、同じものが腹にも乗っています。

  3. 腹・胸の下・内股・尾のつけ根に、手を伸ばす

    しゃがんだまま、布を持った手を腹の下へ入れて、前から後ろへ一往復させます。ごしごしせず、面をなでる速さで動かします。ここは皮膚が薄く、毛も短い場所なので、力を入れるほうが負担になります。1〜2分です。

  4. 湿った場所を残さずに終える

    最後に、乾いた面で軽く押さえて湿りを取ってから離します。ここまでが散歩後の1セットです。湿ったまま室内へ入れると、その湿りは寝床の布へ移ります。10秒で済みます。

拭くものについて、1つだけ書きます。水だけで拭くと乾いたあとに湿りが残りやすく、洗剤を含むものは、なめる可能性のある足や腹には向きません。mofuwa グルーミングスプレーは、高機能性電解還元水(アルカリ電解水)でできた、布に含ませて使うケア用品です。アルカリ電解水と油が乳化する力で、足の裏や腹に乗った皮脂まじりの汚れのほうが浮いて離れます。無香料で界面活性剤を使っていないので、口に入る量を数えながら手を動かす必要がありません。清涼飲料水の規格基準をクリアした成分だけで組まれているためです。足の40秒と、低い面の1〜2分を、同じ1本のまま続けられます。

Point玄関に置くのは1つだけにする

散歩後の手が続かない理由でいちばん多いのは、道具を取りに行く動作です。布とグルーミングスプレーを、しゃがんだ姿勢のまま届く高さに置いてください。立ち上がる動作が1回入ると、時間がない日はそこで終わります。置き場所を変えるだけで、続く週と続かない週の差が縮みます。

入口と低い面を分けて考える|散歩後の足拭きに最後まで残る疑問

ここまでを、もう一度短くまとめます。散歩後に足を拭くだけでは足りない日がある。足りないのは、跳ねる地面を歩いた日です。足を拭くのは入口を止める手で、腹や胸の下に乗ったぶんは、まだ体の上にあります。この2つを分けると、毎日の手は増えないまま、必要な日だけ手が増える形になります。

散歩後の手を、2つに分けて並べ直す
足を拭く低い面に手を入れる
目的室内へ運ばれる量を止める体の上に残ったぶんを取る
頻度毎日跳ねる地面を歩いた日
かかる時間40秒ほど1〜2分
きっかけ汚れが見えるその日の地面を思い出す
続かない理由ほとんど起きません見えないので忘れます
やりすぎたとき起きにくい摩擦だけが増えます
終わりの合図布に色がつかない湿りが残っていない

最後に残る疑問は、たいてい「どこまでやれば終わりなのか」というところだと思います。終わりの合図は、拭いた布に色がつかなくなったときです。時間でも回数でもありません。布が白いまま出てきたら、その日の散歩後の手はそこで終わりです。見た目や気分で決めると、終われない日が出ます。終われない日が続くと、翌週から手が止まります。

もう一つ書いておきます。散歩後の手をどれだけ丁寧にしても、変わらないものがあります。それは、外から持ち帰ったものではなく、体の側で起きている変化です。拭く回数を増やすことで解こうとすると、摩擦が増えて、そのぶん判断も遅れます。外のものと、体の側のもの。ここも分けて考えてください。

Caution拭いても戻る変化があるときは、動物病院にご相談ください

同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、拭いた直後は薄くなるのに数時間でにおいが戻る、毛が同じ場所だけ薄くなっている、足の裏をかばって歩く、耳を振る回数が増えた。こうした変化があるときは、散歩後に拭く回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。歩いた場所と、いつから気づいたかをメモして持っていくと、外から持ち帰ったものなのか、体の側なのかを切り分けてもらえます。拭く手を増やすほど、判断の材料はかえって減っていきます。

散歩後の手は、増やすほど良くなるものではありません。足の40秒と、跳ねた日の1〜2分。この2つが毎日の形として決まっていれば、それ以上は足さなくて構いません。布に色がつかなくなった日は、そこで玄関の用事は終わりです。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。