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毛周期とは?生えて抜けるまでのサイクル

公開日 2021年5月7日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色の布の上に落ち着いて寝そべっている淡い色の猫
抜けている毛と、生えてきている毛は、同じ体の上で同時に進んでいます。写真:cat823/Pixabay

ブラッシングのあとにブラシへ残る毛の量が日によって違うのは、毛周期の段階が1本ずつずれているからだと説明されています。毛周期とは、1本の毛が生えて、伸びて、抜けるまでの周期のことをいいます。成長期・退行期・休止期の3つに分けて呼ばれることが多く、体じゅうの毛が同時に同じ段階を進むわけではないとされています。だから、抜け毛はどの季節にもあります。抜けていること自体は、それだけでは異常のしるしになりません。この記事では、毛周期という言葉の中身と、家で見るときに「量」ではなく何を見るのかを、8つの問答に分けて開きます。病気かどうかの判断はここでは書きません。気になる変化があるときの相談先だけ、最後に置いておきます。

毛周期とは、1本の毛が生えて抜けるまでの周期のこと

定義から書きます。毛周期とは、1本の毛が生えて、伸びて、抜けるまでの周期のことです。40字で言えばこれで終わりです。人でも犬でも猫でも、毛は一度生えたらそのまま伸び続けるのではなく、伸びる時間・止まる時間・抜けるまで待つ時間を順に通っていく、と説明されています。

ここで大事なのは、毛周期が「1本の毛の話」だということです。体全体の話ではありません。毛周期とは、被毛全体がまとめて入れ替わる仕組みの名前ではなく、毛1本ずつが持っている時間の名前です。この読み違いが、抜け毛をめぐる不安のほとんどをつくっています。

毛周期という言葉を辞書のように覚えても、家では何も変わりません。変わるのは、この言葉を「1本ずつの時間」として受け取ったときです。1本ずつの時間なら、体の上に、伸びている毛と、止まっている毛と、抜けようとしている毛が、同時にあることになります。ここから先の話は全部、この一文から出てきます。

Note何日で1周するのか、という数字はここに置きません

毛周期の長さは、体の部位・年齢・季節・そのときの体調で変わるとされています。何日で1周するのか、どの数字が正常なのか、という形ではここには書きません。幅が大きく、個体差の話になるうえ、数字を裸で置くと家での判断を狂わせるからです。この記事で扱うのは、毛周期という言葉の構造と、家で見られるところまでです。

成長期・退行期・休止期とは、それぞれ何をしている時間ですか

毛周期は、ふつう3つの段階に分けて呼ばれています。成長期・退行期・休止期です。それぞれが何をしている時間なのかを、順に見ていきます。名前は難しく見えますが、やっていることは「伸びる・止まる・抜けるまで待つ」の3つだけです。

毛周期の3つの段階と、その時間に起きていること
段階その毛がしていること外から見ると触ると
成長期根元から押し出されて伸びています毛先がそろわず、長さに幅が出ます抜けません
退行期伸びるのが止まり、根元が縮みます見た目には変化が出ませんまだ抜けません
休止期抜けるまで、そこに留まっています毛の色や質感が少し変わることがあります触れると抜けます
次の成長期同じ場所から新しい毛が押し出されます地肌に近い短い毛が見えます抜けません

この表で見てほしいのは、いちばん右の列です。ブラッシングで取れているのは、休止期に入って抜ける準備ができている毛です。成長期と退行期の毛は、ブラシを通しても抜けません。だから、ブラッシングをしたから毛が抜けたのではなく、抜ける段階にあった毛が手前に出てきた、という順番になります。

毛1本が通る、3つの時間 毛周期は、伸びる時間・止まる時間・抜けるまで待つ時間の順に進むとされています。体じゅうの毛が同時にこの3つを進むわけではないので、どの季節にも「抜ける段階の毛」があります。 成長期 伸びる 退行期 止まる 休止期 待つ 伸びが止まる 抜けて入れ替わる 全部が同時に進むと考えた場合 抜ける時期が一斉に来るはず 毎日抜けることが説明できない 1本ずつずれていると考えた場合 いつでも抜ける段階の毛がある 量の増減は段階の偏りで説明できる
ブラシに残るのは、いちばん右の段階に入っていた毛です。

3つの段階の長さは同じではありません。伸びている時間がいちばん長く、止まっている時間は短いとされています。そして、この長さは体の部位によって違うと説明されています。同じ子でも、背中と腹と顔まわりで毛の長さがそろわないのは、部位ごとに成長期の長さが違うからだ、という説明の仕方をします。

なぜ、抜け毛は一年じゅうあるのですか

答えは1行です。すべての毛が同時に同じ段階にいるわけではないからです。ある1本が成長期にいるとき、すぐ隣の毛は休止期にいることがあります。体じゅうの毛の段階がばらばらにずれているので、いつ手を入れても、抜ける段階に入っている毛がいくらかは含まれます。

もし体じゅうの毛が同じ段階を同時に進んでいたら、抜ける時期は年に何回かに集中して、それ以外の日はまったく抜けないことになります。実際には、どの季節にブラシを通しても毛は取れます。これが「そろっていない」ことのいちばん分かりやすい証拠です。

この「ずれ」は、飼い主にとって都合の悪いものではありません。むしろ逆です。もし毛周期がそろっていたら、体の一面から毛がまとめてなくなる時期が毎年来ることになります。ずれているおかげで、抜けたぶんと生えてきたぶんが常に混ざり、被毛の量が保たれる、という説明になります。

なぜ日によって量が違うのか、という疑問もここから説明できます。休止期に入っている毛の割合は、季節・日照・室温・そのときの体調で変わるとされています。割合が上がった日は取れる量が増え、下がった日は減ります。毎日のケアで量が上下すること自体は、毛周期の説明の中に収まっています。

抜け毛が増えた日は大丈夫ですか|毛周期のどこを見て言っているのか

先に短く答えます。抜けている量が多い、というだけでは判断できません。毛周期の説明でいうと、抜け毛は「休止期の毛が外へ出た結果」です。結果の量だけを見ても、その先で新しい毛が押し出されているかどうかは分かりません。見るところが1つずれています。

分かりやすく書くと、こうなります。抜けること自体は、周期が回っているしるしにもなり得ます。回っているなら、抜けた場所から次の毛が出てきます。回っていないときは、抜けたあとがそのまま残ります。だから、家で見る値打ちがあるのは、抜けた量ではなく、そのあとに何が起きているかのほうです。

抜け毛を見るときに、量と場所のどちらを見るか
見ているもの分かること分からないこと
ブラシに残った量その日に休止期の毛が多かったこと次の毛が出ているかどうか
床に落ちている量室内での動きと毛の長さ体のどこから抜けたか
抜けたあとの地肌そこに短い毛が出ているか周期の長さそのもの
同じ場所を1週間見たとき戻ってきているかどうか原因が何か
体の左右を見比べたとき偏りがあるかどうか偏りの理由

この表の左の2つは、毎日いちばん目に入るのに、いちばん判断に使えません。量は、その日の条件でいくらでも動きます。ブラシの種類、前回からの間隔、室温、その日にどれだけ体を動かしたか。条件が動くものを不安の材料にすると、毎日不安になります。

「大丈夫かどうか」を決めたいときに見るのは、下の3つのほうです。抜けたあとの地肌に、短い毛が出てきているか。同じ場所を1週間見て、戻ってきているか。左右で偏っていないか。この3つは、量と違って日ごとにぶれません。ただし、ここで見た結果から病名を決めることはできません。判断は動物病院の側の仕事です。

毛周期を家で見るとき、量ではなく何を見ればいいのか知りたい

見るのは1つだけです。生えてくるかどうか。毛周期とは、抜けて終わる話ではなく、抜けたあとに次が来る周期のことです。だから、周期が回っているかどうかを家で確かめたければ、抜けた側ではなく、出てくる側を見ることになります。

  1. 場所を1か所だけ決める

    全身を見ようとすると続きません。背中の同じ場所を1か所だけ決めてください。目印になるものがある場所がいいです。毎日でなくてかまいません。週に1回、同じ曜日に見るだけで足ります。

  2. 毛を分けて、地肌を見る

    指で毛を左右に分けて、地肌が見える状態にします。見るのは長い毛ではなく、地肌のすぐ上に生えている短い毛です。短い毛が混ざっていれば、そこでは新しい毛が押し出されています。

  3. 1週間あけて、同じ場所をもう一度見る

    1回では比べられません。1週間あけて同じ場所を見て、短い毛が前より伸びているかどうかを見ます。伸びていれば、その場所の毛周期は動いています。変わっていなければ、もう1週間見ます。

  4. 左右を見比べる

    最後に、体の反対側の同じ位置を見ます。片側だけ薄い、片側だけ短い毛が出てこない、という偏りは、量の増減より意味を持ちます。偏りがあったときは、記録して動物病院で見てもらってください。

この4つで見ているのは、被毛の量ではなく、被毛が入れ替わっているかどうかです。毛周期という言葉を知って変わるのは、まさにここです。言葉を知る前は、ブラシに残った毛の量で一喜一憂します。知ったあとは、地肌に出ている短い毛のほうを見るようになります。見る場所が変わると、毎日の心配の量が変わります。

毎日のケアの中に組み込むなら、ブラッシングの最後に10秒だけ足すのがいちばん続きます。ブラシを置いて、指で毛を分けて、地肌を見る。ブラシを持ったままだと、どうしても取れた毛の側に目が行きます。手を空にしてから見る、という順番にしておくと、見る対象が入れ替わります。

換毛期と毛周期は、同じことを指す言葉ではないのですか

違う言葉です。毛周期とは1本の毛が通る時間のことで、換毛期とは、休止期に入る毛の割合が季節的に上がる時期のことを指します。片方は1本の話、もう片方は割合の話です。同じ現象を別の角度から呼んでいるので、混ざりやすくなっています。

毛周期と換毛期は、何を数えている言葉か
毛周期換毛期
何の話か毛1本が通る時間体全体での段階の割合
いつあるかいつでも回っています季節的に偏る時期
抜け毛との関係抜けるのは周期の一部抜ける割合が上がる
室内飼いでの見え方変わりませんはっきりしないことがあります
家での使いどころ見る場所を決めるときケアの回数を増やすとき

室内で暮らす子では、換毛期の輪郭がぼやけることがあるとされています。光の変化と温度の変化が外より小さいためです。「うちの子は換毛期がない」のではなく、割合の山がなだらかになっている、という説明のほうが実際に近いと思います。毛周期そのものは、室内でも回っています。

だから、「換毛期だから抜けている」で説明を止めないでください。換毛期は、抜けている量の理由にはなりますが、抜けたあとに生えてくるかどうかの答えにはなりません。時期を理由にすると、時期が過ぎるまで様子を見ることになります。見る場所を地肌に移しておくと、時期に関係なく判断できます。

毎日のケアで、毛周期に対して家からできることはありますか

正直に書きます。毛周期そのものを、家のケアで速くしたり遅くしたりすることはできません。周期の長さは、部位・年齢・季節・体の状態で決まるとされていて、外から布やブラシで触れる範囲の話ではありません。ここを曖昧にしたまま商品やケアの話をすると、話が一気にあやしくなります。

家からできるのは、周期の外側にあることだけです。抜ける段階に入った毛を、体の上に残したままにしないこと。抜ける準備ができた毛が被毛の中に留まると、そこで毛どうしが絡み、地肌に近い側の風通しが落ちます。取り除くのは周期への介入ではなく、片づけです。

上の5つのうち、4つ目だけは道具の側で片づきます。mofuwa グルーミングスプレーを毛全体に薄く行き渡らせてからブラシを入れると、毛の表面が湿って、乾いたまま通すときより毛が立ちにくくなります。ブラシの通り道がそろうと、外へ出てくるのは休止期に入っていた毛のほうで、成長期の毛を巻き込む回数が下がります。無香料で界面活性剤を使っていないので、毛に薄く乗せたまま手を離せます。周期の長さそのものは家から動かせませんが、片づけの精度のほうは道具で変わります。グルーミングスプレーが置かれているのは、周期の外側にある、この片づけの側です。

Point皮膚に触れる時間を、ケアの中に1回つくる

毎日のケアが被毛だけで終わっていると、皮膚の側の変化に気づく機会がありません。ブラッシングの最後に、手のひらで地肌に触れる10秒を入れてください。熱を持っていないか、かさついていないか、同じ場所だけへこんでいないか。毛周期の話とは別に、この10秒がいちばん早い気づきになります。

毛周期という言葉を知ると、明日から何が違って見えるか|線は、生えてこない場所に引ける

最後に、この言葉を知って何が変わるかをまとめます。毛周期とは、1本の毛が生えて伸びて抜けるまでの周期のことで、体じゅうの毛がそろって進むものではありません。だから抜け毛は一年じゅうあり、抜けていること自体は異常のしるしになりません。見るのは抜ける量ではなく、生えてくるかどうかです。

毛周期を知る前と、知ったあとで変わること
知る前知ったあと
目が行く場所ブラシに残った毛地肌に出ている短い毛
不安になる材料その日の量1週間後に戻っているか
季節の扱い換毛期だから、で止まる時期に関係なく同じ場所を見る
ケアの目的抜け毛を減らすこと抜ける段階の毛を残さないこと
相談するとき量が多いと感じたとき生えてこない場所があるとき

残る疑問は、たいてい「どこからが相談する場面なのか」というところだと思います。線はここに引けます。抜ける量ではなく、生えてこない場所があるかどうか。量は毎日動きますが、生えてこない場所は動きません。1週間見て変わらなければ、それは家で様子を見て解けるものではありません。

毛周期の説明は、あくまで言葉の説明です。目の前のその子に何が起きているかを決めるものではありません。この記事に書いた見方は、動物病院で話すときの材料をそろえるためのものだと思ってください。いつから、どこが、どのくらいの範囲で、という3つがそろっていれば、話は速く進みます。

Caution生えてこない場所があるときは、動物病院にご相談ください

同じ場所だけ毛が戻ってこない、左右で薄さが違う、地肌が赤い、フケが続く、同じ場所をなめ続けている、触ると嫌がる、抜け方が急に変わった。こうした変化があるときは、ブラッシングの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。毛周期の話は、家で見る場所を決めるためのものであって、病気かどうかを決めるためのものではありません。気づいた日付と、その場所の写真を残しておくと、経過を伝えやすくなります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。