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ウェットティッシュで体を拭いてもいい?

公開日 2021年5月21日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色の毛布の上に落ち着いて休んでいる淡い色の犬
ウェットティッシュの中身は、水と、それ以外の成分でできています。写真:https://kaboompics.com//Pexels

ウェットティッシュの袋を裏返して成分表示を読むと、いちばん上に書かれているのはたいてい水で、話になるのはその次の行から下です。人用として売られているウェットティッシュを、そのまま犬の体を拭くために使うのは避けたほうがよいです。理由は強さではありません。成分と目的が、はじめから別の場面に合わせて決められているからです。人用のウェットティッシュは、人の手指や口のまわりを拭いて、拭いた面をそのあと長く放っておかないことを前提に作られています。犬の体を拭くと、拭いた面は毛と皮膚の上にそのまま残り、場所によってはあとで自分でなめます。この記事では、犬とウェットティッシュのあいだにある条件を、8つの問答に分けて書きます。中身が何でできているのか、アルコールの有無をどこで確かめるのか、どこを拭くかで判断がどう変わるのか。家の中で確かめられるところまでを、順に開いていきます。

犬にウェットティッシュを使ってもいいですか|その理由になる中身の話

答えから書きます。人用として売られているウェットティッシュを、そのまま犬の体に使うのは避けたほうがよい、というのがこの記事の答えです。ただし、その理由を「人用は強いから」と説明すると、話が半分ずれます。強い・弱いという順位の話ではなく、成分と目的がどこに向けて決められているか、という話だからです。

ウェットティッシュという製品は、水を含ませた不織布のことを指します。つまり中身は「水+何か」で、その何かが製品ごとに違います。人の手指を拭くもの、赤ちゃんのおしりを拭くもの、机や食卓を拭くもの、画面を拭くもの。同じ形をしていても、含ませてある水の中身がそれぞれ違います。犬に使ってよいかどうかを決めているのは、この「何か」のほうです。

そしてもう1つ、目的の側にも違いがあります。人用のウェットティッシュは、拭いたあとの面がすぐ乾く場所、あるいはそのあと手を洗える場面を前提にしています。犬の体を拭いたときは、拭いた成分が毛と皮膚の上に残り、すすぐ工程がありません。拭き終わったところで、その製品にとっては想定外の時間が始まります。

Noteこの記事では「危険です」という書き方をしません

人用のウェットティッシュが悪い製品だ、という話ではありません。人の手指や口のまわりに対しては、人の使い方に合わせてあることが正しい設計です。犬に使うときに条件が変わるのは、その正しさが向いている先が違う、という一点だけです。だからこの記事では、製品を評価する言葉を使わず、成分表示・アルコールの有無・なめる可能性という、物の側の条件だけを書いていきます。

ウェットティッシュは何でできているのですか|水と、それ以外の成分

成分表示は、配合量の多い順に並んでいるのが一般的です。だからいちばん上に水が来ます。その下に並ぶものが、その製品を「何を拭くためのものか」に仕立てています。よく見かける顔ぶれを並べておきます。

ウェットティッシュに入っていることの多い成分と、その役目
成分の種類何のために入っているとされるか犬の体で条件が変わるところ
水全体の大部分。ほかの成分を運ぶここは共通。問題になるのは以下
保湿成分拭いたあとの手がつっぱらないようにする被毛の上に残ると、乾くまでの手ざわりが変わる
防腐のための成分袋を開けたあと中身が傷まないようにするすすがないので、拭いた面に残ったままになる
界面活性剤皮脂や汚れを水になじませる残った分をあとでなめる場所がある
アルコール乾きを速くし、拭き心地をさっぱりさせる揮発するまでのあいだ、その場所に残っている
香料使ったときのにおいを整える犬の嗅覚の前では、人が思うより強く残る
pHを整える成分全体を目的の位置に合わせる合わせている相手が人の皮膚になっている

この表のどれかが入っているから使えない、という単純な話ではありません。見るべきなのは、それぞれの成分が「拭いたあとどうなる前提で入っているか」のほうです。人用の設計では、拭いた面は空気に触れてすぐ乾き、そのあと誰かがなめることは想定されていません。犬の毛と皮膚の上では、この2つがどちらも成り立ちません。

なぜ人用のウェットティッシュを、そのまま犬に使わないのですか

理由を3つに整理します。①すすぐ工程がない ②なめる可能性がある ③合わせている皮膚の相手が違う。この3つは、どれも製品の良し悪しではなく、使う場面の側にある条件です。だから、どんなに丁寧に作られた人用の製品でも、条件そのものは変わりません。

1つ目。人が手を拭くとき、気になれば水道で流せます。犬の体を拭いたあとに、その場所だけを流すことはまずしません。拭き取りは、洗うことの簡易版ではなく、すすがない前提の別の作業です。ここを混ぜて考えると、人用のウェットティッシュでも大丈夫だという結論に行き着いてしまいます。

2つ目。犬は、前足も内股も尾のつけ根も、自分の口が届きます。なめる可能性のある場所に何かを塗って、そのまま置いておく作業だと考えると、判断はかなり単純になります。人用の製品は、この行動を設計に入れていません。入れていないことが手抜きなのではなく、人にはその行動がないからです。

3つ目。人の皮膚の表面は弱酸性に保たれているとされ、犬の皮膚はそれよりアルカリ寄りとされています。数字には測る場所や年齢による幅がありますが、位置が同じではない、という関係だけははっきりしています。pHを整える成分が入っている製品は、人の位置に合わせて整えられています。

何を拭くために作られているか 人用のウェットティッシュと、犬の体を拭く場面では、前提になっている条件が違います。品質の順位ではなく、向いている先の違いです。 強い・弱いではなく、前提の違いです 人の手指を拭く前提 拭いた面はすぐ空気で乾く 気になれば水道で流せる 人の皮膚のpHに合わせる なめる行動は想定にない 拭くのは主に手のひらと指 犬の体を拭く場面 毛の中は乾くのに時間がかかる すすぐ工程がそもそもない 犬の皮膚は人よりアルカリ寄り あとで自分でなめる場所がある 拭く面積が手より広い
同じ「拭く」でも、設計図に書かれている場面が違います。

この3つの条件は、毎日のケアの中で少しずつ効いてきます。1回使ったから何かが起きる、という書き方はしません。ただ、毎日続ける作業の設計としては、前提の合っているものを選ぶほうが後で困りません。ウェットティッシュを犬に使うかどうかは、まずこの前提の一致で判断できます。

アルコールが入っているかどうかを知りたいときは、どこを見ますか

袋の表ではなく、裏の成分表示を見ます。アルコールは、成分表示の中でいくつかの書かれ方をします。表面に大きく書かれていないだけで入っている場合があるので、確かめたいときは必ず成分の並びまで下りてください。

ノンアルコールと書かれた製品についても、読み方を1つ足しておきます。ノンアルコールは「アルコールが入っていない」という情報であって、「それ以外の成分がない」という情報ではありません。防腐のための成分や界面活性剤は、ノンアルコールの製品にも入っています。だから、次のような読み方は成り立ちません。

ノンアルコールと書いてあるので、犬にそのまま使えますという読み方です。アルコールが入っていないことと、犬に向けて設計されていることは、別々の情報です。両方そろってはじめて、犬の体に向けた製品だと言えます。

袋に書かれた言葉が、実際には何を言っているか
表示の言葉言っていること言っていないこと
ノンアルコールアルコールを配合していないほかに何が入っているか
無香料香りをつけるための成分を入れていない残りの成分が誰に合わせてあるか
赤ちゃん用人の乳幼児の皮膚を基準にしている犬の皮膚の位置に合っているかどうか
純水99%残りの1%以外は水であるその1%が何であるか
ペット用と明記犬や猫を対象にしているその子に合うかどうかは使ってみないと分からない

アルコールが入っている製品を、犬のまわりで一切使えないという話でもありません。見る線は、入っているかどうかではなく、なめる可能性のある場所に使うかどうかです。アルコールは揮発するので、時間がたてば残りません。ただし揮発し終わるまでには時間があり、その時間のあいだにその場所へ口が届くかどうかで、話が変わります。

犬のどこを拭くかで、ウェットティッシュの選び方は変わりますか

変わります。判断の線を1本だけ引くなら、「その場所に、その子の口が届くかどうか」です。この線を引くと、迷う場面がかなり減ります。届く場所は、拭いたあとになめる時間があると考えて選びます。届かない場所は、乾くまでの時間だけを考えれば足ります。

口が届くかどうかで分けた、犬の体の場所
場所口が届くか拭いたあとに起きること
前足・後ろ足届く床に伏せた姿勢で、そのままなめることが多い
口のまわり・あご下届かないが、水を飲むときに口へ入る拭いた成分が口の中に入りうる
内股・下腹届く毛づくろいの流れでなめる場所
尾のつけ根届く子が多い気にしてなめ始めると長い
背中の真ん中多くの子は届かない乾くまでの時間だけを考えればよい
耳の外側届かない同じく、乾く時間だけの話になる

この表を見ると、犬でよく拭く場所ほど、口が届く場所だということが分かります。散歩から帰って足を拭く、食後に口のまわりを拭く、おしりのまわりを拭く。毎日のケアで手が出るのは、たいていこの3か所です。だから、ウェットティッシュを犬に使うかどうかという疑問は、実際には「なめる場所に何を残すか」という疑問とほぼ同じ形をしています。

Point拭く前に、その場所を口が越えるかどうかだけ確かめる

その子が体を丸めたとき、拭こうとしている場所に鼻先が届くかどうかを一度見ておくと、判断が早くなります。体格や年齢によって、届く範囲は変わります。年をとって体がかたくなると届かなくなる場所があり、若い子ほど届く範囲が広い、という違いも出ます。表のとおりに決めず、その子で1回見ておくほうが確かです。

ペット用と書かれたウェットティッシュなら、犬に使っても大丈夫ですか

「ペット用」という表示は、その製品が犬や猫を対象に考えて作られている、という情報です。これは大きな違いです。少なくとも、なめる可能性のある場所に使われるという場面が、設計の中に入っています。人用の製品には、その場面がそもそも書かれていません。

ただし、ペット用という言葉の幅は広く、それだけでは中身が決まりません。家で確かめられるのは、袋に書かれた3つの欄です。成分表示があるか、使ってよい場所の記載があるか、対象の動物が書かれているか。この3つがそろっていれば、選ぶための材料は手元にあることになります。

  1. 対象の動物を確かめる

    犬用なのか、犬猫用なのか、あるいは器具や床のための製品なのか。同じ棚に並んでいても、対象が違うことがあります。体に使うものと、住まいに使うものは別です。

  2. 成分表示があるかを確かめる

    何が入っているかが書かれていない製品は、比べようがありません。書いてあることが正しさの保証ではありませんが、書いていなければ判断の材料そのものがない、ということになります。

  3. 使ってよい場所の記載を確かめる

    顔まわりに使えるか、目のまわりを避けるよう書かれているか。場所の指定は、その製品がどこまでを想定しているかを示しています。

  4. はじめて使う日は、狭い範囲で試す

    背中など、口が届かない場所を先に1か所だけ拭いて、その日のうちに地肌を見ます。全身に広げるのは、その次の日からで足ります。

ここまでが、袋から読める範囲です。そこから先の「その子に合うかどうか」は、表示からは読めません。合う・合わないは体の側の話で、製品の側の情報では決まらないからです。毎日のケアとして続けるかどうかは、使い始めてからの数日で判断することになります。

拭いたあとに気になる変化が出たら、犬の何を見ますか|24時間で見る3つ

先に答えます。見るのは、拭いた場所だけです。体じゅうを探し始めると、もともとあった変化と、今回の拭き取りのあとに出た変化が混ざってしまいます。拭いた場所を1か所に決めて、そこだけを24時間見るほうが、あとで比べられます。

  1. 明るいところで、拭いた場所の地肌を見る

    毛をかき分けて、皮膚の色を見ます。まわりの皮膚と比べて赤いかどうかだけを確かめます。夜の照明では色が分かりません。昼間の窓辺で見てください。

  2. その場所を気にする回数を数える

    なめる、かく、床にこすりつける。この3つが拭く前より増えているかを見ます。強さではなく回数をメモすると、翌日と比べられます。

  3. 24時間たったところで、同じ2つをもう一度見る

    増えたのか、減ったのか、変わらないのか。判断の材料になるのは1回の観察ではなく、2回の差です。製品を替えるかどうかも、この差を見てから決めるほうが失敗しません。

続けて使うかどうかを迷ったときは、いったん1週間だけ止めてみるのも手です。止めてみて変化が引くなら、その製品との組み合わせを見直す材料になります。止めても変わらないなら、原因は別のところにあることになります。同時に2つ変えると、どちらのせいか分からなくなります。

Caution変化が引かないときは、動物病院にご相談ください

赤みが引かない、なめる回数が増え続ける、腫れている、湿ってべたついている、痛がって触らせない、元気や食欲が落ちている。こうした変化があるときは、家で様子を見る時間を延ばさず、動物病院にご相談ください。何をいつ使ったかを説明できるように、使ったウェットティッシュの袋をそのまま持っていくと、話が早く済みます。皮膚に起きていることを判断できるのは、袋に書かれた表示ではなく、実際に見てもらった獣医師の目のほうです。

毎日の拭き取りに何を使うかを、洗う頻度と切り離して決める|犬とウェットティッシュの疑問を通しで整理する

ここまでの答えを、1つの表にまとめます。この記事で扱えたのは、成分と目的という物の条件と、家で確かめられる表示の読み方までです。その子の体で何が起きているかは、家では決められません。そこは前の節の最後の一行に残してあります。

8つの疑問と、その答え
疑問答え
犬にウェットティッシュを使ってよいか人用のものはそのまま使わない。成分と目的が別の場面に向いている
理由は強さか違う。すすがない・なめる・皮膚の位置が違う、という条件の話
中身は何でできているか水と、それ以外の成分。その「それ以外」が製品ごとに違う
アルコールはどこで確かめるか袋の裏の成分表示。エタノール・変性アルコールなどの書き方を探す
ノンアルコールなら使えるか使えるとは限らない。ほかの成分の話は別にある
場所によって変わるか変わる。口が届く場所かどうかで線を引く
ペット用なら大丈夫か対象動物・成分表示・使ってよい場所の3つを袋で確かめる
拭いたあと何を見るか拭いた場所の地肌の色と、気にする回数を24時間

最後の行について書きます。犬の体は毎日皮脂を出すので、拭く手のほうは毎日いります。いっぽうで、洗う日は月に数回です。つまり「毎日の拭き取りに何を使うか」は、洗う頻度とは別に決めておく話になります。ウェットティッシュを使うかどうかで迷った日ほど、拭く場所を1か所に絞るほうがうまくいきます。

その毎日の側に置く道具がmofuwa グルーミングスプレーです。この記事の見方をそのまま当てると、中身は還元水100%で、「それ以外」の行がありません(※飲料用途を推奨するものではありません)。清涼飲料水の規格基準をクリアしている水なので、口が届く場所を拭く日も、成分表示を読んでから拭く場所を決める、という手順が前に入りません。布に含ませて、足の裏から順に一往復させます。使う布は、その日に洗ったものを1枚だけ用意します。袋から1枚ずつ取り出す使い方と違って、布の側は毎回洗って戻せる、という違いもあります。

  1. 布に含ませてから、体に当てる

    グルーミングスプレーは体に直接向けず、布に取ってから当てます。顔まわりに使うときも、必ず布を経由させてください。

  2. 足の裏、口のまわり、尾のつけ根の順に一往復

    この3か所は、前に拭いてからいちばん早くにおいが戻る場所です。全身をやろうとすると、途中で終わります。

  3. 乾いたら、その日のケアは終わり

    拭いたあとに乾かす作業は要りません。毎日やることなので、終わりの形が毎回同じであることのほうが効きます。

犬とウェットティッシュをめぐる疑問は、突きつめると「なめる場所に何を残すか」という1つの疑問に集まります。中身が水と、それ以外の何かでできている、という見方さえ持っていれば、袋の裏を読むだけで自分で判断できます。知りたいことが増えたら、その都度また裏を読んでください。読み方は、どの製品でも同じです。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。