C05犬種・猫種別ケア

セントバーナードと暮らすなら知っておきたい、体のにおいの話

公開日 2021年5月11日|文=mofuwa編集部

明るい室内で、大きな体の犬が落ち着いて伏せている
口元がたるんだ体では、よだれは床まで届かず、胸のいちばん厚い毛のところで止まります。写真:Mia X/Pexels

ソファに座ったセントバーナードの胸に顔を近づけると、首のうしろよりも先に、そこからにおいが来ます。口元がたるんでいて、よだれが落ちる。落ちたよだれは床まで届かず、胸のいちばん厚い毛のところで止まります。そこで乾き、また上から新しいよだれが落ちてくる。セントバーナードの体臭として感じているにおいの多くは、この胸で乾いたよだれのにおいです。体そのもののにおいと、胸のにおい。この記事は、その2つを別々に嗅いで比べる話です。

よだれが胸の毛で止まる|セントバーナードの体臭が生まれる場所

朝に口のまわりを拭いたのに、夕方にはもうにおう。セントバーナードと暮らしている方から、この順番の話をよく聞きます。口の下も、あごのたるみの内側も拭いた。それでも数時間で戻ってきます。拭いた場所と、においが出ている場所がずれています。回数を増やしても、ずれたままなら結果は変わりません。

口元がたるんでいる犬では、口を閉じていても唇の内側に水分が残ります。歩けば揺れ、水を飲んだあとはまとまって落ちます。落ちたよだれは、床まで一直線には行きません。前脚の付け根の少し上、体の正面でいちばん毛が密になっている面で止まります。胸のいちばん厚いところです。

そこで乾きます。乾いたところへ、また上から新しいよだれが落ちてくる。同じ面で、濡れると乾くが1日に何度も繰り返されます。繰り返しが続いた毛は、湿ったまま時間が過ぎる面になります。空気が動かず、湿りが抜けない面は、雑菌が増えやすい条件がそろった場所です。セントバーナードの体臭として感じているにおいの多くは、ここで作られています。

犬の体のにおいというと、まず皮脂が思い浮かびます。もちろんセントバーナードにも皮脂は出ていて、それ自体は体を守るために要るものです。ただ、皮脂のにおいは体の広い面から、うすくゆっくり立ちます。胸のよだれのにおいは、一か所から近づくと強く立ちます。立ち方が違うものを、同じ「体臭」とひとくくりにしていると、拭く場所も回数も決められません。まず出どころを2つに分けるところから始めます。

Note拭いても戻るのは、拭いている場所が違うからです

口のまわりを拭くのは正しい手当てです。ただ、よだれがいちばん長くとどまっているのは、口ではなく胸です。口を拭いた直後でも、胸の毛には乾いたよだれがすでに層になって残っています。においが数時間で戻るときは、拭き取りの回数を増やす前に、拭いている場所のほうを見直してください。

体のにおいと胸のにおい|セントバーナードの体臭を2か所に分ける比較

やり方そのものは簡単です。1日1回、背中と胸に、別々に鼻を近づけます。順番は背中が先、胸があとです。逆にすると、胸のにおいが鼻に残ったまま背中を嗅ぐことになり、比較になりません。どちらも毛の表面ではなく、毛を左右に分けて根元に近づけてください。

体のにおいと胸のにおいの比較
体のにおい(背中・腰)胸のにおい(前脚の付け根の上)
出どころ皮膚と毛から少しずつ立つ落ちたよだれが乾いた面
立ち方面として、うすく広がる一点から、近づくと強い
濃くなるきっかけ洗ってからの日数水を飲んだ回数、食事の回数
強く出る場面湿度の高い日、寝床で長く過ごした日食事のあと、遊んだあと
主な手の入れ方換気と、寝床の洗濯胸だけの拭き取り
変わるまでの時間数日かけて動くその日のうちに動く
体のにおいと、胸のにおい セントバーナードの体臭は、出どころが2つあります。背中と胸を別々に嗅ぐと、その日どちらが強いかがはっきりします。 1日1回、背中を先に、胸をあとに嗅ぎます 体のにおい 背中と腰から、うすく広がる 洗ってからの日数で濃くなる 湿度の高い日に強く出る 手を入れる先:換気と寝床 胸のにおい 前脚の付け根の上から立つ 水を飲んだ回数で濃くなる 食事のあとに強く出る 手を入れる先:その日の拭き取り どっちが強いかで、その日にやることが変わります
同じ体の中で、変わるまでの時間がまるで違う2つです。

この2つは、変わるまでの時間がまるで違います。胸のにおいは、その日のうちに動きます。拭けば下がり、水を飲めばまた上がる。一方で体のにおいは、洗ってからの日数と部屋の湿り具合でゆっくり動くので、今日拭いても今日は変わりません。だから、においが強い日に何をするかは、どっちが強いかで決めたほうが早く届きます。

よだれが落ちる先は、胸だけではありません。食器のふちと、寝床の布にも同じものが移っています。食器は毎日洗っていても、ふちの裏側や置き台の縁は見落としがちです。寝床は、胸が当たる面がいつも同じなので、そこだけ色が変わっていることがあります。においの出どころを数えるときは、体の外にあるこの2つも一緒に数えてください。

今日はどっちが強いか|鼻を近づける順番と、嗅ぎ分けの条件

比べるときは、条件をそろえないと結果が動きます。同じ部屋、同じ時間帯、同じ順番。この3つだけ決めてください。夕方の散歩から帰ったあと、と決めてしまうのがいちばん続きます。次の順で進めます。

  1. 先に部屋の換気を5分だけする

    部屋の空気がこもっていると、犬のにおいなのか部屋のにおいなのか分からなくなります。窓を2か所開けて、空気の通り道をつくってから始めてください。換気は比べるための下ごしらえであり、同時に体のにおいそのものを下げる手でもあります。

  2. 背中の真ん中を、毛を分けて嗅ぐ

    毛の表面ではなく、指で毛を左右に分けて地肌の近くに鼻を寄せます。うすく広がる感じがするなら、それが体のにおいです。強さは「弱い・ふつう・強い」の3段階で十分です。細かく分けるほど、翌日と比べにくくなります。

  3. 前脚を軽く上げて、胸の毛を分けて根元を嗅ぐ

    胸のいちばん厚い面を、指2本で分けます。乾いたよだれが層になっていると、毛が板のように寄っていることがあります。ここで強く立つなら、胸のにおいのほうが勝っている日です。嫌がる子には無理をせず、立ったままの姿勢で正面から分けても構いません。

  4. どっちが強かったかを、一言だけ書き留める

    「背中」「胸」「同じくらい」の3つで足ります。1週間書くと、その子の体臭がどちらの側に寄っているかが見えてきます。数字も写真も要りません。続けられる形にしておくことのほうが大事です。

Point胸が強い日は、拭き取りがその日のうちに届きます

胸が勝っている日は、やることが1つに決まります。ぬるま湯で湿らせた布を固くしぼって、胸の面を毛の流れに沿って拭く。そのあと、乾いた布で押さえて水分を移してください。こすらないこと、そして濡れたまま終わらせないことの2つだけ守れば十分です。湿ったまま置くと、条件が振り出しに戻ります。

背中のほうが強い日は、拭いてもその日は変わりません。手を入れる先は体ではなく、部屋と寝床です。換気を長めにとり、寝床の布を洗い、犬が長くいる場所の空気を動かす。結果が出るまで数日かかりますが、そのぶん戻りも遅くなります。同じくらいの日は、胸の拭き取りだけ先にやって、寝床の洗濯を週の予定に入れておくと回ります。

胸を毎日拭くと決めると、布を湿らせるものも選べます。乾いて層になったよだれは、水だけでは緩みにくいからです。mofuwa グルーミングスプレーを布に含ませ、毛の流れに沿って胸の面をなでてください。アルカリ電解水が余分な皮脂や油と乳化するので、毛に残っていたものが布のほうへ移ります。舐めても問題のない基準でつくられているため、胸のように口が届く場所でも量を気にせず湿らせられます。セントバーナードの胸は面積が広いので、量を数えなくていいことがそのまま続けやすさになります。濡らしたら、その日のうちに乾かしきるところまでを1セットにします。

胸が勝つ時期と、体が勝つ時期|セントバーナードの体臭が入れ替わるとき

同じ子でも、どっちが強いかは時期で入れ替わります。入れ替える条件は、気温と湿度、それと水を飲む量です。暑くなると水を飲む回数が増え、口元から落ちる量も増えます。湿度が上がると、胸の面が乾ききる前に次が落ちてきます。逆に空気が乾いた時期は、落ちたよだれが早く乾くので、胸のにおいは弱く出ます。

時期によって、強く出る側が入れ替わる
時期起きていること強く出やすい側
雨の続く時期湿度が高く、胸の面が乾ききらない胸のにおい
暑い時期水を飲む回数が増え、落ちる量が増える胸のにおい
空気が乾く時期落ちたよだれが早く乾く体のにおい
寒くて窓を開けない時期換気が減り、部屋と寝床に残る体のにおい
換毛の進む時期抜けた毛が胸の面に留まる両方が同時に上がる

表のいちばん下だけ、少し性質が違います。抜けた毛が胸の面に留まると、よだれを抱えたまま体の上に残ります。この時期は、拭き取りの前にブラシで抜けた毛を運び出しておくと、拭くべき面が出てきます。順番を逆にすると、濡れた毛が固まって、かえって取りにくくなります。

その運び出しは、空気が乾いた時期ほど手間取ります。静電気で毛がブラシに巻きつき、胸の面まで届く前に止まってしまうからです。グルーミングスプレーはブラッシングスプレーとしても使えるので、梳かす前に胸と前脚の付け根をひと吹きで湿らせておくと、毛が散らずにブラシへ乗ります。運び出したあとで拭けば、拭くべき面が最初から見えています。体が大きい犬ほど、毎日きれいにしてあげたいという気持ちは、道具の手軽さに左右されます。

Note洗う回数を増やす前に、時期を確かめてください

セントバーナードの体臭が強くなると、まず思いつくのは全身を洗うことです。ただ、体の大きな犬を洗うと、乾ききるまでの時間も比例して長くなります。乾ききらない時間が長いほど、湿ったままの面が増えます。洗う回数を上げるより先に、胸の拭き取りと換気で足りる時期かどうかを見てください。洗うと決めた日は、乾かす時間を先に確保してから始めてください。

時期の違いは、記録があると1年目から使えます。3月と7月と11月に、3日ずつでかまいません。どっちが強かったかと、その日の天気を並べて書いておく。翌年の同じ時期に読み返せば、その子の体臭がどの条件で動くのかが自分の言葉で分かります。犬種として言えることより、その子で確かめたことのほうが役に立ちます。

拭いた日にも下がらないとき|条件では説明のつかない変化

ここまでは、よだれと湿りと換気で説明のつくにおいの話です。条件で説明がつくということは、条件を外せば動くということでもあります。胸を拭いた日にいったん下がる、換気した週に弱くなる。そういう動きがあるなら、この記事の枠の中にいます。

動かないとき、あるいは動き方がおかしいときは、別の見方をしてください。次のような変化です。

Caution強さではなく、においの質が変わったとき

においの質が変わった、片側だけが強い、地肌が赤い・じくじくしている、毛が抜けて地肌が広く見える、触ると痛がる、よだれの量が急に増えた、食べ方が変わった、元気や食欲が落ちている。この並びに1つでも心当たりがあるときは、家での拭き取りを足すより先に、動物病院で診てもらってください。毎日の記録を持っていけば、それがそのまま経過の説明になります。

相談に行く前に、いつからか、体と胸のどっちが強いか、拭いてどれくらいで戻るか、家で使っているものは何かをメモしてください。1週間書き留めた「背中・胸・同じくらい」の記録があれば、それがそのまま経過の説明になります。においは診察室で再現できないので、家で数えた回数と場所が、いちばん確かな手がかりになります。

セントバーナードと暮らしていて、においがゼロになることはありません。口元がたるんでいて、胸の毛が厚いという作りを持っているからです。消そうとするより、どこから来ているのかを分けておく。体のにおいと胸のにおい。今日はどっちが強いのか。それが分かっていれば、夕方に届いた一瞬のにおいに、慌てなくて済むようになります。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

セントバーナードの体臭は、洗う回数を増やせば弱くなりますか?
回数を増やしても、においの出どころが胸のよだれなら結果は大きく変わりません。体が大きいぶん乾ききるまでの時間も長くなるので、湿ったままの時間が増えて、かえって戻りが早くなることもあります。全身を洗う回数より、胸の面を毎日拭くことと、部屋の換気のほうが先です。
口のまわりを毎日拭いているのに、においが残ります。
よだれは口から落ちて、胸のいちばん厚い毛のところで止まります。口を拭いた直後でも、胸には乾いたよだれが層になって残っていることが多いので、拭く場所を胸まで広げてみてください。あわせて、食器のふちと寝床の布にも同じものが移っています。
体のにおいと胸のにおいは、どうやって見分ければいいですか?
背中を先に、胸をあとに、毛を分けて根元に鼻を近づけます。うすく広がるように感じるのが体のにおい、一点から近づくと強く立つのが胸のにおいです。強さは弱い・ふつう・強いの3段階で書き留めれば十分で、1週間続けるとどちらに寄っているかが見えてきます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。