C02技術・エビデンス
アミノ酸系洗浄剤が「やさしい」と言われる理由
2回洗ったのに、乾かしているあいだに指の腹へまた脂がついてくる。アミノ酸系洗浄剤に切り替えた最初の月に、いちばん多く聞くのがこの話です。肌にやさしいと書かれたものを選んだのに、落ちていない気がする。この居心地の悪さは、選び方を間違えたから起きているのではありません。アミノ酸系洗浄剤の「やさしい」は、皮膚のたんぱく質をほどく力を弱めてあるという意味で、その弱さは油をはがす速さにもそのまま出ます。やさしさと落ちの速さは、同じつまみの両端にあります。だから乗り換えたあとに変わるのは、製品だけではなく、洗っている時間の長さと、洗う日の置き方のほうです。
2回洗っても指に脂が戻ってきた夜|アミノ酸系洗浄剤に替えた人の経験から始める
ボトルの成分表に「ココイルグルタミン酸Na」や「ラウロイルメチルアラニンNa」と書かれていれば、それがアミノ酸系洗浄剤です。アミノ酸系洗浄剤とは、アミノ酸を原料にしてつくられた洗浄成分のことを指します。定義はここまでで、やさしいという評価は定義のなかには入っていません。それでも多くの製品がこの成分名を前面に出しているのは、やさしさの中身を説明しなくても伝わるようになったためです。
切り替えた人の経験は、だいたい同じ順番で進みます。1か月目、泡の立ちが前より控えめなことに気づく。2か月目、背中の毛を乾かしながら、指の腹にうっすら脂が戻ってくるのに気づく。3か月目、洗う回数を1回増やすか、洗っているあいだの時間を延ばすかで迷いはじめる。この順番そのものが、アミノ酸系洗浄剤という設計の説明になっています。
ここで製品を疑う前に、確かめておきたいことが1つあります。落ちていないと感じているのは、汚れでしょうか、それとも脂でしょうか。泥や砂のような固形の汚れは、洗浄成分の強さよりも水の量と流し方で決まります。指に残るのは脂のほうです。犬も猫も、皮膚から脂を出し続けます。人よりも分泌する量が多く、洗った当日の夜から、毛の根元でまた薄い膜がつくられ始めます。ここを混ぜて考えると、洗浄剤の選び直しが終わらなくなります。
つまり、アミノ酸系洗浄剤を使った人がぶつかっているのは、製品の当たり外れではありません。脂は毎日出ているのに、洗う日は週に1回か2回しかない、という頻度の差のほうです。そのうえで、1回あたりに落とせる量が控えめな洗浄剤を選んだ。差し引きが合わなくなるのは、計算として自然な結果です。
たんぱく質をほどく力を弱めてある|アミノ酸系洗浄剤がやさしいと言われる理由の中身
洗浄成分が皮膚に負担をかけるとき、実際に起きているのは、皮膚の表面をつくっているたんぱく質の形がほどけることです。たんぱく質は、細長い鎖が折りたたまれて立体の形をつくっています。強い洗浄成分はこの折りたたみに割って入り、形をほどいてしまいます。ほどけた場所は水分を抱えられなくなり、乾いたあとにごわつきやつっぱりとして出てきます。やさしい・きついという言い方は、感覚の話に聞こえますが、指しているのはこの現象です。
アミノ酸系洗浄剤は、この割って入る力を弱めた設計です。洗浄成分の水になじむ側にアミノ酸を使うと、皮膚のたんぱく質と近い性質になり、割って入るのではなく、そばに並ぶ形で落ち着きます。やさしいと言われる理由は、ここにあります。ただし、割って入る力は、汚れの油をはがすときにも使われている力です。片方だけを弱めることはできません。
洗濯で考えると分かりやすくなります。ウールやカシミヤを洗う洗剤は、生地のたんぱく質をほどかないように働きを弱めてあります。だから襟の皮脂汚れは一度では落ちず、押し洗いの時間やつけおきが要ります。同じ汚れを、台所用の強い洗剤で洗えば数十秒で落ちますが、そのときには生地のほうも一緒に傷みます。アミノ酸系洗浄剤が犬のシャンプーで置かれている位置は、このおしゃれ着用洗剤とほぼ同じです。
| 洗浄成分の設計 | たんぱく質への働き | 油をはがす速さ | 洗い上がりに出ること |
|---|---|---|---|
| 割って入る力が強い | 折りたたみがほどけやすい | 速い | 短時間で落ちるが、ごわつきが出やすい |
| 割って入る力が弱い | そばに並ぶだけで済む | 遅い | ごわつきは出にくいが、時間が要る |
| 洗浄成分を入れない | たんぱく質には働かない | 油そのものになじませて浮かせる | 落とす対象が脂に寄る |
表の3行目は、洗浄成分を使わずに油を落とす道です。アルカリ側に寄せた水は、油となじんで乳化を起こします。たんぱく質の折りたたみに手をつけないまま、油の側だけを動かせるので、ほどく力と落とす速さのつり合いという問題そのものが出てきません。アミノ酸系洗浄剤の理由を理解すると、この3行目が何をしているのかも、同じ物差しの上で読めるようになります。
時間か回数のどちらかを払う|犬と猫のケアでアミノ酸系洗浄剤と付き合う考え方
落ちる速さが控えめだと分かったら、足すものは2つしかありません。1回あたりの時間か、洗う回数です。ところが犬と猫の場合、この2つはどちらも上限がすぐそこにあります。浴室で立っていられる時間には限りがあり、洗う回数を増やせば、そのぶん皮膚から脂を奪う機会も増えます。人のシャンプーなら「よく泡立てて3分置く」で済む調整が、そのまま持ち込めません。
時間の側を延ばすとき、実際に延ばせるのは図の中ほどの区間だけです。泡をのせる前と、すすぎに入ったあとは削れません。そして中ほどの区間を延ばすということは、その子が動かずに耐えている時間を延ばすということでもあります。ここを無理に引っぱると、次に洗う日の抵抗が強くなり、結局2週間あとの1回が成立しなくなります。時間は、思っているほど自由に使える変数ではありません。
- 時間を足す:地肌に届いてからの区間だけを1分か2分延ばします。その子が立っていられる長さが上限です
- 回数を足す:洗う日を増やすと、脂を奪う機会も増えます。地肌の乾きが出ていない子に限った手です
- あいだを埋める:洗う日と洗う日のあいだに、脂だけを動かすケアを挟みます。洗浄成分を使わないやり方です
3つ目が、いちばん無理のない考え方です。アミノ酸系洗浄剤を選んだ時点で、1回で落とせる量は控えめに設定されています。その設定を動かさずに差し引きを合わせるなら、回数でも時間でもなく、洗う日のあいだの日数を短く感じさせるほうへ手を入れることになります。週に1回の洗いを、6日ぶんの脂をまとめて落とす日にするのではなく、1日ぶんか2日ぶんを落とす日にする。同じ製品のまま、1回の仕事量だけが軽くなります。
毛の内側まで水が入る|アミノ酸系洗浄剤で洗った翌日から起こせる変化
洗う日のあいだを埋めるものに洗浄成分を足してしまうと、アミノ酸系洗浄剤を選んだ意味が薄れます。やさしさを買ったのに、あいだの日にきつい成分を重ねることになるからです。ここで使えるのが、洗浄成分を含まない水そのもので脂を動かすやり方です。
mofuwa グルーミングスプレーは、高機能性電解還元水という電解水だけでできています。三室ダブルイン型の電気分解(特許5253483)でつくる水で、アルカリ側に寄っているため、毛と地肌についた油となじんで乳化が起きます。たんぱく質の折りたたみに手をつけないまま、脂の側だけを浮かせるので、洗う日に落としきれなかったぶんを、翌日から少しずつ動かせます。
この水にはもう1つ、毛の側で起きることがあります。社内で行った毛髪の断面観察では、塗布した瞬間に水がキューティクルの層を越え、その内側のコルテックス、さらに芯にあたるメデュラの領域まで届き、メデュラ領域から膨潤している様子が確認されています(※自社調べ)。表面に乗るだけでなく、毛の内側に浸透しているという観察結果です。アミノ酸系洗浄剤で洗ったあとの毛は、必要なものを残したぶん、水分を抱えられる状態が保たれています。そこへ浸透する水を毎日重ねると、翌日以降の手ざわりの変化として出てきます。
使い方は難しくありません。ブラシを通す前に、毛の流れと逆の向きから根元へ吹きかけ、そのまま梳かします。乾いた毛のまま使えるので、浴室に入れる必要がありません。その子がじっとしている時間を求められないぶん、毎日続けられます。mofuwa グルーミングスプレーは口に入る量を気にせず使える水準まで安全性を下げてあるので、猫のように全身をなめる子にも量を絞らずに使えます。
アミノ酸系洗浄剤を選ぶという判断は、1回の洗いに求めることを下げる判断でもあります。下げたぶんをどこで埋めるかまで決めて、はじめて選び方が完成します。週に1回の浴室の数分を増やすのではなく、乾いた毛のまま触れる1分を毎日置く。やさしい洗浄剤を選んだ理由を、洗ったあとの6日間にも通しておくという考え方です。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
