C05犬種・猫種別ケア
イングリッシュセッターのケア|毛のもつれを減らす3つの習慣
散歩から帰った日の夜、胸元の毛をほどこうとすると、指先が小さな硬いものに当たることがあります。草の種、細い枝の先、乾いた土。イングリッシュセッターのもつれは、芯にこれを抱えていることがよくあります。この犬種の飾り毛は、耳、胸、脚の裏、腹、しっぽと、体の下側へ向かって垂れています。もともとは草や地面から体を守るためについている毛です。守るということは、外のものを受け止めるということでもあります。だから外を歩いた日と、家で過ごした日とでは、同じ場所のもつれでも中身が変わります。この記事では、その2つを比較しながら、もつれを減らす3つの習慣を書きます。
イングリッシュセッターの飾り毛に、外のものが入る条件
イングリッシュセッターの体を横から見ると、輪郭の下側だけに毛が長く垂れているのが分かります。耳、胸、前脚の裏、腹、後ろ脚の裏、しっぽ。この犬種の飾り毛は、そろって下を向いています。背中やわき腹の毛は、同じ日に同じだけ外を歩いていても、そこまで長くなりません。
この形には理由があります。鳥を探して草地を歩き回る仕事をしてきた犬種なので、体の下側は、常に草や低い枝が当たる面です。そこに長い毛が垂れていれば、地肌へ届く前に受け止められます。飾り毛は飾りのためというより、体を守るために伸びた毛だと考えたほうが、もつれの理由がはっきりします。
そして、受け止めるということは、そこで止まるということです。草の種や小さな枝は、垂れた毛のあいだに入り込み、外へ落ちません。犬が歩けば毛は前後に揺れ、そのたびに毛どうしが撚られて、入り込んだものを中心に巻いていきます。イングリッシュセッターのもつれには、芯があります。
- 耳の飾り毛:頭を下げて草に鼻を入れたとき、いちばん先に触れる場所です
- 胸元:正面から受けるので、細かいものが奥まで入り込みます
- 前脚と後ろ脚の裏:歩くたびに前後へ動き、撚りがかかり続けます
- 腹:草の高さと同じ位置にあり、湿った日は土までつきます
- しっぽ:振る動きが加わるので、入ったものが根元へ向かって移動します
被毛そのものは、絹に近い細さでまっすぐです。細い毛は少ない力で絡むので、芯になるものが一度入ると、その周りにあっという間に毛が集まります。もつれが育つ速さを決めているのは、毛質より、芯があるかどうかです。そしてその芯は、外から持ち帰ったものであることが多い。
イングリッシュセッターの飾り毛は、若いうちは短く、育つにつれて量が増えていく子が多いです。去年と同じやり方で足りているかを、季節の変わり目に一度だけ見直してください。毛の量が増えると、同じ散歩でも入り込むものの量が変わります。
外を歩いた日と、家にいた日|もつれの中身を比較する
同じ胸元のもつれでも、その日どこにいたかで、中に入っているものが変わります。中身が違えば、手を入れる順番も変わります。ここでは、イングリッシュセッターが外を長く歩いた日と、家の中で過ごした日を並べて比較します。どちらが多いか、ではなく、どちらの日だったかで手を変える、という使い方をしてください。
| 外を歩いた日 | 家にいた日 | |
|---|---|---|
| もつれの芯 | 草の種、小枝、乾いた土 | 抜けた毛と、絡んだ毛先どうし |
| 出やすい場所 | 胸元、脚の裏、腹 | 腹としっぽの根元、耳の内側 |
| 手ざわり | 中心に硬いものがある | 全体がやわらかく、面で広がる |
| 育つ速さ | その日のうちに固まる | 数日かけて少しずつ締まる |
| 最初にやること | 芯を取り出す | 毛先にうるおいを足す |
| とかす向き | 毛先から、少しずつ根元へ | 根元を支えて、毛先を通す |
見落としやすいのは、外を歩いた日のもつれがその日のうちに固まることです。家にいた日のもつれは数日かけて締まっていくので、翌日でも間に合います。ところが芯のあるもつれは、犬が歩いているあいだじゅう撚られ続けているので、帰ったときにはもう小さな塊になっています。同じ「明日でいいか」が、外の日だけ通用しません。
雨の日や、朝露のある時間に歩いた日は、さらに条件が変わります。湿った飾り毛は毛どうしが張りつくので、乾いていく過程でそのまま固まります。濡れた日は、乾かしきってからとかすのではなく、乾ききる前に一度分けておくほうが後が楽です。ブラッシングの時間を増やす話ではなく、置くタイミングをずらす話だと考えてください。
どっちのもつれか|芯に何があるかの見分け方
その日の記憶をたどらなくても、イングリッシュセッターのもつれは触れば見分けがつきます。芯があるかどうかは、指の腹で分かります。次の順でみてください。犬を立たせたまま、片手で体を支え、もう片方の手だけで触ります。ブラシは、この段階ではまだ持ちません。
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もつれを、指の腹で軽くつまむ
力を入れずに、上下からはさむだけです。中心に硬い一点があれば、外から持ち帰ったものが入っています。全体が均一にやわらかいときは、抜けた毛と毛先どうしの絡みです。この時点で、この先の手が分かれます。
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もつれの位置が、毛先寄りか根元寄りかを見る
毛先寄りで止まっているうちは、家でほどける範囲です。根元まで来ているときは、下の地肌が引っぱられています。指を1本、もつれと地肌のあいだに滑り込ませてみてください。入らないなら、無理に引かないでください。
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左右と、前後の脚を同じ手順で比べる
片側だけにもつれが集まっているときは、いつも同じ向きに草へ入っているか、寝るときの向きが決まっているかのどちらかです。左右の差は、その子の歩き方や暮らし方を教えてくれます。
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耳の飾り毛を、最後にたしかめる
耳は自分で見えないので、毎回後回しになりがちな場所です。飾り毛の下から指を入れて、まっすぐ下へ抜けるかを見ます。抜けないときは、根元の側から順に、手で分けておきます。ここでコームを入れると、耳ごと引くことになります。
細くまっすぐな被毛は、光の当たり方で表面がつやのまま見えます。立ったまま上から見ても、飾り毛の内側は見えません。床に座って犬を横に立たせ、下から見上げる形にすると、垂れた毛のあいだが開いて確かめやすくなります。1日に全部を見ようとせず、今日は胸元、明日は脚の裏、と分けてかまいません。
もつれを減らす3つの習慣|取り出す・向きを変える・季節で足す
ここから、イングリッシュセッターと暮らす日々の話にします。3つ挙げますが、大きさはそろえていません。1つ目は帰ったその場での一手、2つ目は道具の使い方、3つ目は季節ごとの条件です。同じ粒度で並べると、どれも同じくらい面倒に見えてしまいます。実際にかかる手間はそれぞれ違います。
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習慣1|帰ったら、ほどく前に取り出す(1回2分)
玄関で、胸元と脚の裏を手で下から上へなでます。指に当たったものは、その場でつまんで抜きます。とかすのは、取り出したあとです。芯の入ったもつれをブラシで通そうとすると、芯ごと根元へ押し込むことになります。この2分が、その夜のブラッシングを短くします。
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習慣2|飾り毛だけ、コームの向きを変える(毎日のブラッシング)
背中は上から下へ、いつもどおりで足ります。飾り毛は毛先の側から入れて、少しずつ根元へ上げていく持ち方に変えてください。根元から一気に通すと、途中のもつれを地肌の側へ引き寄せます。もつれを見つけたら、根元を指ではさんで固定してから、毛先だけを動かします。
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習慣3|乾く季節と、抜ける季節で足すものを変える(年に2回の見直し)
空気が乾く時期は、とかすほど毛先に静電気が起きて寄っていきます。この時期はとかす前にうるおいを足して、毛先の滑りをそろえてから始めてください。換毛期は逆に、抜けた毛が飾り毛の中に留まって芯になります。乾く季節は足す、換毛期は運び出す。やることが入れ替わります。
3つの習慣のうち、2つ目と3つ目に効いてくるのが mofuwa グルーミングスプレーです。無香料で、ブラッシングの前にも、散歩から帰ったあとにも使えます。布に含ませて、飾り毛の表面を毛先の方向へなでてからとかしてください。とかす前に滑りをそろえておくと、細くまっすぐな毛がコームの歯で引き合うぶんが減ります。舐めても問題のない基準でつくられているので、胸元や脚の裏のように自分で口が届く場所にも、量を気にせず使えます。濡らした日は、その日のうちに乾かしきるところまでを1セットにします。
毎日きれいにしておきたい、という側から入って構いません。イングリッシュセッターの飾り毛は下を向いているぶん、外のものを毎日受け止めます。だから、手を入れる間隔も毎日のほうに寄ります。グルーミングスプレーはブラッシングスプレーとしてもそのまま使えるので、乾く季節に毛先が立ち上がって寄るぶんも、同じ一手で落ち着きます。毎日やれる形にしておくことが、週末にまとめてほどく時間をいちばん短くします。
芯のあるもつれを早く取ろうとして、引き抜く・ハサミを入れるのはどちらも避けてください。もつれの下では地肌が持ち上がっているので、毛だけを切っているつもりでもハサミの先が皮膚に届きます。芯が硬い、取り出せない、根元まで来ている。このどれかに当てはまるときは、そのままサロンか動物病院に場所を伝えてください。
芯が抜けないもつれと、皮膚を見るタイミング
ここまでは、手でほどける範囲の話でした。芯が抜けないもつれは、もつれの話としてではなく、その下の皮膚の話として見てください。草の種のように先の尖ったものは、毛のあいだで止まらずに地肌の側へ進むことがあります。指で押して犬が振り向いたら、その場で手を止めます。
- 芯が指でつまめない深さにある:地肌の側へ入っている可能性があります
- 同じ一か所だけ、何度ももつれが戻る:ハーネスや寝床の縁が当たり続けていないか見てください
- その場所を、なめる・かむ・床にこすりつける:もつれより先に皮膚のほうを見てください
- ほどいたあとの地肌が赤い、においがある:湿ったまま続いた結果として起こることがあります
- 触ると嫌がる、声を出す:痛みがあるときは、その日のブラッシングをそこで終わりにします
もつれの下の地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、指でつまめない深さに硬いものがある、元気や食欲が落ちている。ひとつでも見つかったら、自分でほどこうとせず、動物病院で飾り毛の下を見てもらってください。飾り毛の下は外から見えないぶん、変化が進んでから気づくことがあります。指でつまめない硬さが2日たっても残っているなら、週末を待たずに時間をつくってください。
相談やトリミングの前には、どこを歩いた日か、もつれの場所、いつから気づいたかの3つをメモしてください。この3つがあると、外から持ち帰ったものが芯にあるのかどうかを、その場で切り分けられます。ほどけなかったもつれは、無理に触らずそのまま連れて行ってください。途中まで引いた跡があると、もとの深さが分からなくなります。
イングリッシュセッターと暮らすうえで、飾り毛のもつれはゼロにはなりません。外のものを受け止めるためについている毛だからです。もつれを起こさない体にするのではなく、その日の条件でやることを入れ替える。外を歩いた日は取り出す、家にいた日は毛先を通す。この2つを使い分けるだけで、週末にまとめてほどく時間はずいぶん短くなります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 毎日ブラッシングしているのに、イングリッシュセッターのもつれが減りません。
- 回数の問題ではなく、順番の問題であることが多いです。芯に草の種や小枝が入ったもつれは、ブラシを通すほど芯が根元の側へ移動します。散歩から帰ったら、とかす前に胸元と脚の裏を手でなでて、指に当たったものをその場で抜いてください。取り出してからとかす、という順番に変えるだけで結果が変わります。
- 飾り毛は短く切ってしまってもいいですか?
- 長さを整えること自体は珍しくありませんが、家のハサミで切るのはおすすめしません。飾り毛の下では地肌が持ち上がっていることがあり、毛だけを切っているつもりでも先が皮膚に届きます。長さを変えたいときは、トリミングサロンに場所と理由を伝えて相談してください。
- 外を歩いた日と家にいた日で、どっちのもつれか分からないときは?
- 指の腹で軽くつまんでみてください。中心に硬い一点があれば外から持ち帰ったものが芯になっています。全体が均一にやわらかければ、抜けた毛と毛先どうしの絡みです。硬い一点があるほうは、その日のうちに手を入れてください。やわらかいほうは翌日でも間に合います。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
