C05犬種・猫種別ケア

ポインターはなぜ耳の汚れが起きやすいのか。短毛から考える

公開日 2021年6月22日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、短い毛の犬が静かに伏せている
短い被毛と薄い耳は、頬とのあいだにすき間をつくりません。汚れの条件は、風の入らない時間の長さです。写真:Pexels/Pixabay

ポインターの耳を持ち上げると、頬に触れていた面が、手のひらのようにわずかに湿っています。薄い耳と短い被毛のせいで、この犬種の耳は頬にぴたりと合わさります。厚みのある耳や、ふちに飾り毛のある耳には、そこにわずかなすき間があります。ポインターの耳には、それがありません。空気が入れ替わるのは、その子が頭を上げたときだけです。だから耳の汚れは、掃除の回数よりも、風の入らない時間の長さで決まります。この記事では、なぜそうなるのかを先に書いて、そのあとに家でできる、耳を開けて風を通す手順を並べます。

ポインターの耳は、頬とのすき間を持ちません

散歩から帰ったところで、ポインターの耳を一度持ち上げてみてください。汚れが目につくのは、たいてい耳の入り口の奥ではありません。頬に当たっていた耳の面と、その耳が当たっていた頬のほうです。この2つの面は、寝ている時間もふくめて、一日のほとんどを合わさったまま過ごしています。

ポインターの耳は、垂れ耳のなかでも薄いほうです。耳の外側にも内側にも長い毛がなく、被毛そのものが短いので、耳の重さが素直に下へかかります。厚みのある耳や、ふちに飾り毛のある耳は、その厚みと毛の分だけ頬から浮きます。浮いたところが、そのままわずかなすき間になります。ポインターの耳には、その浮きをつくるものがありません。

すき間がなければ、空気は動きません。皮脂と、走ったあとに残る湿り気が、合わさった面のあいだにとどまります。耳の汚れは、外から運ばれてくるより先に、この面で溜まりはじめます。入り口をのぞいてもきれいに見えるのに、耳を裏返すと湿っている、というのはそのためです。

もうひとつ、体格が関係します。ポインターは胸が深く脚が長いので、立っているときの頭の位置が高い犬です。地面に鼻をつけて追い続けるより、顔を上げて風のにおいを取るという使われ方をしてきた犬種でもあります。だから草や土が耳の先から入ってくる量は、地面に近い犬種ほど多くありません。そのかわり、頭を上げたその瞬間だけが、耳に風の入る時間になります。

耳が閉じている時間と、開く瞬間 ポインターの耳は、頭を下げているあいだ頬に合わさったままです。頭が上がった数秒だけ、合わせ面に風が入ります。人が手を貸せるのは、その開く時間を一日に何回か増やすところです。 密着 頬の面 こもる 皮脂 開く 数秒 空気が動かない 頭を上げる 閉じたままの時間 合わせ面に湿りが残る 抜けた短い毛も残る 開けて風を通す 持ち上げて10秒待つ 乾かしてから戻す
耳の汚れを決めているのは、拭いた回数より、開いていた時間の合計です。

この4つを重ねると、ポインターの耳の汚れは「汚れが入ってくる」というより「出ていく時間がない」ことで起きている、と見えてきます。だとすれば、手の入れどころは掃除の回数ではありません。一日のうちで、耳が開いている時間を何回つくれるかのほうです。

Note耳の中には手を入れません

この記事で書くのは、耳を持ち上げたときに外から見える面までです。耳の穴には、綿棒も指も入れません。奥は自分では見えず、押し込んだものを引き返させることもできない場所です。奥のほうが気になるときは、家で確かめようとせず、耳の中まで見られるところで診てもらってください。

耳を開けて風を通す|家でできる5つの手順

やり方は、拭くところから始めません。先に開けて、そのあとで拭きます。閉じたまま布を差し込むと、合わさった面の湿り気を奥へ押し広げることになります。順番を入れ替えるだけで、同じ道具でも結果が変わります。ポインターの耳は薄いので、力もほとんど要りません。

  1. 耳を持ち上げて、10秒そのままにする

    耳のつけねを持たず、耳の先のほうを指2本で軽く起こします。そのまま10秒、何もしないで待ってください。この10秒が、合わさっていた面に風を入れる時間です。嫌がる子には、名前を呼んで頭が上がった瞬間に合わせると、待たせずにすみます。

  2. 頬に当たっていた面を、乾いた布で一度なでる

    耳の裏側と、その耳が当たっていた頬の側です。こするのではなく、湿り気を布に移すつもりで一度だけ通します。短い被毛は毛先が硬いので、往復させると地肌に当たります。片道で足ります。

  3. 見える範囲だけを、湿らせた布で拭く

    耳を起こしたときに、目で見えている面までです。耳の穴には入れません。布は、指に巻いてから軽く湿らせてください。びしょ濡れの布を当てると、そのぶん乾くまでの時間が延びます。

  4. 閉じる前に、乾かす時間をつくる

    拭いたらすぐ耳を戻したくなりますが、ここが分かれ目です。もう10秒、起こしたまま待ちます。手であおいでもかまいません。濡れた面を合わせて閉じると、開ける前より湿った状態から一日が始まります。

  5. 左右を同じ手順で見て、違いを1行だけ書き留める

    片側だけ湿っている、片側だけにおう、といった差は、あとから思い出せません。日付と「右が湿っている」程度で足ります。1行の記録が、相談のときにいちばん役に立ちます。

一日のうち、耳が開く時間をどこにつくるか
場面やることかける時間
朝、名前を呼んだとき頭が上がった数秒、耳を起こしたまま待つ10秒
散歩から帰ったあと頬に当たっていた面を一度なでて、乾かす1分
ブラッシングのついでに耳のまわりの被毛を起こして、風を入れる30秒
寝る前手の甲を当てて、湿っていないかだけ見る10秒

4つを全部やる必要はありません。朝と寝る前の2回でも、合計すれば一日20秒は耳が開きます。毎日のケアは、長くやることより、日をあけないことのほうが効いてきます。散歩のあとだけを完璧にやって、次は5日後、という形にならないようにしてください。

Pointブラッシングの前後に組み込むと、思い出さなくても回ります

短毛のポインターは、ブラッシングにかかる時間がもともと短い犬種です。ブラシを置いたら耳を起こす、と順番で決めてしまうと、別の作業として覚えなくてすみます。mofuwa のグルーミングスプレーはブラッシングスプレーでもあるので、ブラシを持つ前に一度使っておけば、そのままの流れで耳へ手が移ります。換毛期は抜けた毛が合わせ面に残りやすいので、この時期だけ回数を増やすのも手です。

毎日のやり方でつまずくのは、閉じるまでの数秒

手順そのものより、終わり方でつまずくことのほうが多い場所です。拭いた直後に耳を戻してしまうと、合わせ面は開ける前より湿った状態になります。汚れが減らないので回数を増やす、増やすほど湿る、という順番になりがちです。

よくあるつまずきと、直し方
つまずき起きること直し方
拭いてすぐ耳を戻す湿った面を合わせて閉じることになる戻す前に10秒だけ起こしておく
綿棒を奥へ入れる見えない場所へ押し込む形になる見える面までにして、奥は病院へ
短毛だから拭けば終わりと思う換毛期の短い毛が合わせ面に残る耳の裏と頬の両方をなでる
片側だけを見ている左右の差に気づくのが遅れる同じ手順で必ず両方を見る
気になって回数を増やすこすりすぎて地肌が傷む回数より、開けている時間を足す
Caution奥へ入れない、強くこすらない

耳の汚れを早く落とそうとして、綿棒を奥へ入れる・爪で削る・強くこするは、どれも避けてください。耳の中は自分では見えません。押し込んだものを、家で引き返させることはできません。取れないものを見つけたときは、そのまま動物病院に持っていくほうが早く終わります。

合わせ面を拭くところで使っているのが、mofuwa グルーミングスプレーです。耳に直接吹きかけるのではなく、布に含ませてから、耳のまわりや頬の被毛をなでるように拭きます。散歩から帰ったあと、頬に当たっていた面に残った湿り気を、片道一度で布へ移すための一手です。無香料なので、においの変わり方を手がかりにしている耳のそばでも、もとのにおいを覆いません。清涼飲料水の規格基準をクリアした水でできているので、口に近い頬の側に使う量を控えずにすみます。使ったあとは、この記事の手順どおり、閉じる前に乾かす時間をつくってください。

頭を上げる回数が減ったとき|ポインターの耳で手入れの範囲を超える変化

ここまでは、手入れで届く範囲の話でした。頭を上げる回数そのものが減ってきたときは、別の見方をしてください。ポインターにとって顔を上げる姿勢はごく自然なものです。それが減る、片側にばかり傾ける、頻繁に振る、といった変化は、耳のあたりに何か起きているときのサインになります。

Caution耳の中を見てもらったほうがいいとき

耳を触ると痛がる、頭を振り続ける、耳のふちや地肌が赤い、じくじくしている、においがはっきり変わった、頭をいつも同じ側に傾けている、元気や食欲が落ちている。ひとつでも見つかったら、家で汚れを落とそうとせず、左右のどちらか、気づいてから何日たったかを控えて、動物病院で耳の中を診てもらってください。ポインターの耳は頬に合わさっているので、家から見えるのは持ち上げた面までです。耳を起こして10秒待つ手順は、そのあいだも毎日続けてください。

相談に行く前には、いつから気づいたか、左右のどちらか、においや湿り気がどう変わったかの3つをメモしてください。手順のところで書いた1行の記録が、そのまま使えます。前の日に念入りに拭いてしまうと、もとの状態が分からなくなります。気になった日は、拭かずにそのまま連れて行くほうが伝わります。

ポインターと暮らしていると、耳の汚れはゼロにはなりません。頬に合わさる作りをしているからです。合わさっていること自体を変えようとせず、開く時間を一日に何回かつくる。やり方はそれだけで、道具も布1枚で足ります。10秒待てるかどうかが、次の1週間の差になります。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

ポインターの耳は、毎日拭いたほうがいいですか?
拭く回数を増やすより、耳を起こして風を通す回数を増やすほうが向いています。この犬種の耳は薄く、被毛も短いので、こする回数が増えるとそのぶん地肌に当たります。乾いた布で一度なでて、閉じる前に10秒乾かす。これを毎日のケアに組み込むところから始めてください。
短毛なのに耳の汚れが目立つのは、体質のせいでしょうか。
体質の良し悪しというより、耳が頬に合わさる作りによるものです。厚い耳や飾り毛のある耳には、頬とのあいだにわずかなすき間ができます。ポインターの耳にはそれがないので、空気が動かない時間が長くなります。汚れの量ではなく、出ていく時間の少なさを見てあげてください。
綿棒で耳の奥まで掃除してもいいですか?
おすすめしません。耳の中は外から見えず、押し込んだものを家で引き返させることができません。手を入れるのは、耳を起こしたときに目で見えている面までにしてください。奥が気になる、においが変わった、頭を振るといったときは、動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。