C09シーン別・暮らし
賃貸でにおいが気になる人のための犬と猫の同居|5分で終わらせるケア
帰宅して玄関の扉を開けた3秒間だけ、部屋のにおいがはっきり分かります。その3秒で届くのは、たいてい犬の側から出ているにおいです。ところが同じ部屋で、床に近い高さまで身をかがめて嗅ぐと、まったく別のにおいが出てきます。こちらは猫の側から来ています。犬と猫の同居では、においが1つではなく2つあります。賃貸の部屋は窓が1面にしかないことが多く、廊下も短い。2つのにおいは早い段階で混ざり、混ざったあとは、どちらに向けた手も届かなくなります。犬のにおいに向けた手を打っても猫の側は動かず、猫のにおいに向けた手を打っても犬の側は残る。この記事では、犬と猫の同居で賃貸のにおいを扱うときに、においを1つとして数えず、2つに分けて嗅ぐという話を書きます。
玄関の3秒と、床から30センチ|犬と猫の同居で、賃貸のにおいが2つある背景
犬のにおいは、体そのものから出ています。被毛と皮膚の上にある皮脂が、時間とともに変わっていく。出どころが体の表面全体なので、においは面として広がります。犬が部屋を横切るだけで、通った空気にそのまま乗ります。だから玄関を開けた3秒で届くのは、ほとんどが犬の側です。
猫のにおいは、出どころが違います。猫は自分で毛づくろいをして体の表面を管理しているので、体そのものからのにおいは犬より弱い。代わりに、においは決まった場所に点で出ます。トイレ、食器のまわり、口のまわり、あごを何度もこすりつけている家具の角。近づいて嗅がないと分からないかわりに、その一点だけは濃い。
この違いが、賃貸で犬と猫の同居をしている人の感覚を混乱させます。部屋全体がにおうと感じているとき、鼻が拾っているのは犬の側です。そこで犬に向けた手を打つと、部屋の第一印象は変わります。ところが数日たつと、また気になり始める。今度気になっているのは猫の側なのに、同じ手をもう一度打とうとしてしまいます。
| 犬の側 | 猫の側 | |
|---|---|---|
| 出どころ | 被毛と皮膚の皮脂。体の表面全体 | トイレ、食器、口のまわり、こすりつける場所 |
| 広がり方 | 面。空気に乗って部屋全体へ | 点。半径50センチほどで濃い |
| 気づく場所 | 玄関を開けた最初の3秒 | 床から30センチまで近づいたとき |
| 強くなる条件 | 湿ったとき、気温が上がったとき | 時間がたったとき、量が増えたとき |
| 残る場所 | カーテン、ソファ、寝具などの布 | 床、家具の角、器のまわり |
| 手の入れ方 | 体の拭き取りと、空気の入れ替え | 場所そのものを1か所ずつ |
賃貸の間取りは、この2つを早く混ぜます。玄関から居間までが短く、扉で仕切られていない。窓が1面にしかないと、開けても空気が出ていく先がありません。犬の側の面のにおいが部屋にとどまり、猫の点のにおいの上に重なる。重なった時点で、鼻は2つを1つとして受け取ります。
混ざったにおいを1つとして扱うと、手はどうしても大ざっぱになります。部屋じゅうに何かをまくか、窓を開けて待つか。どちらも、犬の側にはいくらか届いて、猫の側にはほとんど届きません。猫の点のにおいは場所に固定されているので、部屋の空気を動かしても、その一点は動かないからです。犬と猫の同居で、賃貸のにおいがなかなか片づかない理由はここにあります。
面のにおいと、点のにおいは、消え方が違う|賃貸で犬と猫の同居のにおいが混ざる理由
犬の側のにおいは、時間とともに質が変わります。出たばかりの皮脂はにおいがほとんどありません。空気に触れて時間がたつうちに変わり、そこへ雑菌が関わると、においとして立ち上がってきます。だから犬の側では、出どころを取るより、出てからの時間を短くするほうが効きます。帰宅後に体の表面を拭くことに意味があるのは、この時間を切っているからです。
猫の側は、時間の効き方が逆です。点のにおいは、放っておいた時間の長さがそのまま濃さになります。拭き取りの回数を増やすより、1回の間隔を短くするほうが変わります。犬の側と同じつもりで「今日はまとめてやる」という組み立てにすると、猫の側だけが取り残されます。
混ざったときに何が起きるか。強いほうが、弱いほうを覆い隠します。面のにおいのほうが量として大きいので、犬の側が濃い日は、猫の点のにおいが鼻に届きません。ところがこれは、猫の側が薄くなったという意味ではない。覆われているだけです。だから犬の側に手を入れて部屋が軽くなった数日後に、隠れていた点のにおいが表に出てきます。
賃貸の部屋には、混ざるのを早める条件が3つそろっています。1つめは、換気の出口が少ないこと。窓が1面にしかないと、空気は入るだけで抜けません。開けている時間が長くても、部屋の中で回っているだけになります。2つめは、布の多さです。限られた広さにカーテン、ソファ、寝具、ラグが並ぶと、面のにおいはそこへ移って残ります。3つめは、犬と猫の生活圏が重なっていること。広い家なら分かれる導線が、賃貸では同じ床とソファの上で交わります。
| 条件 | 起きていること | その日にできること |
|---|---|---|
| 窓が1面しかない | 空気が入るだけで抜けない | 玄関の扉を少し開け、対角に出口をつくる |
| 布の面積が広い | 面のにおいが布へ移って残る | 洗える布を1枚だけ、曜日を決めて洗う |
| 生活圏が重なる | 犬の面と猫の点が同じ場所に載る | 猫の器とトイレを、犬の通り道から外す |
| 帰宅後に人がいない時間が長い | 出てからの時間が伸びる | 帰宅後の拭き取りを、玄関で先に済ませる |
3つめについて、少し補足します。犬と猫の同居では、猫が高い場所へ、犬が床の側へと生活圏を分けることがよくあります。ところが賃貸では、その高い場所そのものが限られている。結果として、猫の点のにおいが出る場所が、犬が毎日通る導線の上に載ってしまいます。器の位置を1メートル動かすだけで、2つの重なりはかなり減ります。物を増やさずに済む手なので、最初に試す価値があります。
1日に2回、高さを変えて嗅ぐ|犬と猫の同居を賃貸で続けるための考え方
手を打つ前に、分けて嗅ぐところから始めます。においを1つとして数えているうちは、どこに手を入れても結果が読めません。やることは難しくありません。嗅ぐ高さと時刻を、2回に分けるだけです。道具も要りません。
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帰宅した3秒で、立ったまま嗅ぐ。これが面の側
扉を開けて、荷物を置く前です。この3秒を過ぎると、鼻が部屋に慣れて分からなくなります。ここで感じるにおいが犬の側の強さで、10段階のいくつかだけ覚えておいてください。数字は正確でなくて構いません。前の日と比べられれば足ります。
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10分たってから、床から30センチの高さで嗅ぐ。これが点の側
部屋に慣れてからのほうが、かえって点のにおいは分かります。猫のトイレ、食器のまわり、猫があごをこすりつけている家具の角。この3か所だけを、順に近づいて嗅ぎます。賃貸ではこの3か所が2メートル以内に並んでいることが多いので、10秒で回れます。
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週に1度、布に鼻を寄せる
カーテンの裾、ソファの座面、犬の寝床。部屋全体ではなく、布1枚ぶんで比べると差が分かります。ここは面の側の記録です。部屋の第一印象が変わらなくても、布のほうが先に動いていることがあります。
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2つの数字を、1行だけ書き残す
「玄関3、床の3か所は器のまわりが強い」。この程度で足ります。1週間ぶん並べると、どちらが動いてどちらが動いていないかが読めます。犬と猫の同居では、この2列があるかどうかで手の当たり方がまったく変わります。
分けて記録したら、手も2系統に分けます。面の側に効くのは、体の拭き取りと空気の入れ替えです。帰宅後、玄関で犬の体の表面を拭く。出てからの時間を切る手です。空気のほうは、窓を1つ開けるだけでは足りません。玄関の扉を少しだけ開けて、部屋の対角に出口をつくると、賃貸でも空気は通ります。
その毎日を受け持つ道具が、mofuwa グルーミングスプレーです。帰宅後、玄関で犬の背中から体の横へ直接吹きかけて、毛の流れに沿ってなでます。皮脂は毎日出るので、面の側の手当ても毎日の側にあります。舐めても問題のない基準でつくられているため、犬がそのあと自分で体をなめる場所にも、かける量を気にせず使えます。猫には、触らせてくれる範囲だけを猫用の布に移してから当ててください。布は犬と猫で分けます。同じ布を持ち替えると、面のにおいを点の側へ、点のにおいを面の側へ、こちらの手で運ぶことになります。グルーミングスプレーの容器は1本で足りるので、分けるのは布のほうだけです。
点の側に効くのは、場所そのものを1か所ずつ扱うことです。猫の器は、食事のたびに拭く。トイレのまわりは、床の側を先に。あごをこすりつけている家具の角は、週に1度でかまいません。部屋全体にまくのではなく、半径50センチの中だけを扱う。点のにおいは場所に固定されているので、この範囲で足ります。
| 面の側(犬) | 点の側(猫) | |
|---|---|---|
| 何に手を入れるか | 体の表面と、布 | 場所そのもの。器・トイレ・角 |
| 間隔 | 帰宅後、1日1回 | 回数より間隔。器は毎食後 |
| 空気の扱い | 入口と出口の2か所をつくる | 空気ではほとんど動きません |
| 効いたと分かる場所 | 玄関を開けた3秒 | 近づいて嗅いだとき |
| 変化が出るまで | その日のうち | 2〜3日 |
面と点を同時に動かすと、どちらが効いたのか分からなくなります。1週目は犬の側だけ、2週目は猫の側だけ。賃貸で犬と猫の同居をしていると、早く片づけたくて両方に手を伸ばしがちですが、順番に動かしたほうが結局は早いです。1週間の記録が2列あるので、どちらが動いたかは数字で読めます。
2週間で、においの順位が入れ替わる|犬と猫の同居で、賃貸に起きる変化
面の側に手を入れて1週間たつと、玄関の3秒はたいてい軽くなります。ここで多くの人が戸惑うのが、そのあと、別のにおいが気になり始めることです。悪くなったわけではありません。覆っていた面のにおいが下がって、隠れていた点のにおいが表に出てきただけです。犬と猫の同居では、この順位の入れ替わりが2週間のうちに起きます。
入れ替わりを「後戻り」と読み違えると、手が元に戻ります。犬の側にもう一度同じ手を打ち、変わらないので回数を増やす。増やしているのは、すでに下がっている側の手です。2列で記録していれば、ここは間違えません。玄関の数字は下がったまま、床の3か所だけが上がっている、と読めるからです。
| 時期 | 玄関の3秒(面) | 床から30センチ(点) | そのとき何をするか |
|---|---|---|---|
| 1〜3日目 | 変わりません | 変わりません | 記録だけ。手はまだ増やしません |
| 4〜7日目 | 少し下がります | 変わりません | 面の側の手を、そのまま続けます |
| 8〜10日目 | 下がったまま | 上がって感じられます | 順位が入れ替わった合図です |
| 11〜14日目 | 下がったまま | 点の側に手を入れ始める | 器・トイレ・角の3か所だけ |
もうひとつ、賃貸ならではの変化があります。部屋の中で、においの強い場所が移動します。面のにおいが下がると、布に残っていたぶんが相対的に目立ちます。カーテンの裾やソファの座面が、部屋の中でいちばん強い場所になることがある。ここは体を拭いても動きません。洗う曜日を決めて、1枚ずつ回してください。犬と猫の同居では、布の枚数がそのまま残る量になります。
季節でも順位は動きます。気温と湿度が上がる時期は、面の側が先に立ち上がります。犬の体が湿ったまま室内へ入る回数が増えるからです。逆に空気が乾く時期は、面の側が落ちて、点の側が前に出ます。同じ手を1年やっていても効き方が違って感じられるのは、この入れ替わりのせいです。記録が2列あれば、季節の動きも読めます。
ここまでは、においの強さが上下する話でした。強さではなく、質が変わったときは別です。甘い、酸っぱい、これまでとまったく違う、部屋ではなく特定の一か所だけが強い。あわせて、地肌が赤い、じくじくしている、フケが増えた、同じ場所をなめ続けている、耳を気にしている、食欲や元気が落ちている。いずれかがあるときは、拭き取りの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。犬と猫の同居では、どちらの子から出ているのかが分かりにくくなります。質の変化は2列の数字には出てこないので、気づいた日付を記録の横に書き添えてください。
相談に行くときは、2列の記録をそのまま持って行ってください。いつから、どちらの側が、どのくらい変わったか。犬と猫の同居という条件と、賃貸で空気の抜ける先が限られているという条件は、こちらから伝えないと出てこない情報です。どちらの子のにおいなのかが分からないときは、そのことも含めて話してください。
犬と猫の同居で賃貸のにおいを扱うとき、いちばん役に立った考え方は、においを1つとして数えないというところにありました。面と点は、出どころも、広がり方も、効く手も違います。玄関の3秒と、床から30センチ。この2つを分けて嗅ぐようになると、部屋のにおいは「気になる/気にならない」ではなく、2つの数字として扱えるようになります。数字になれば、どちらに手を入れる週なのかは、迷わずに決められます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
