C05犬種・猫種別ケア

ミニチュアプードルはなぜ毛のもつれが起きやすいのか。巻毛から考える

公開日 2021年7月20日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、巻いた毛の小型犬が柔らかい敷物の上でくつろいでいる
巻いた毛は、組み合う前にまず密になります。表面の見た目は、その段階ではまだ変わりません。写真:Alexas Fotos/Pexels

ミニチュアプードルの背中に指を立てて、根元まで下ろしてみる。すっと入る日と、途中で止まる日があります。止まった場所には、まだ毛玉ができていないことがあります。もつれには、毛が組み合う前に「巻きが詰まる」という段階があります。まだ絡んではいない。ただ、カールが密になっていて指が通らない。この段階なら、力を入れなくてもほどけます。ここでは、巻毛にその段階ができる理由を先に置いてから、詰まりを見分けて手を入れる順番へ進みます。

絡む前に、巻きが密になる|ミニチュアプードルのもつれが始まる段階

ミニチュアプードルの毛は、1本ずつがらせんを描いています。まっすぐな毛がそろって並ぶ被毛とちがって、自分のカーブと隣の毛のカーブが、1本のあいだに何か所も接しています。接する点が多いというのが、もつれの入口です。ただし、接しているだけではまだもつれではありません。

もつれと呼べるのは、2本以上の毛が組み合って、引いても離れなくなった状態です。その手前に、同じ場所の巻きが密になるだけの段階があります。らせんのピッチが詰まって、毛と毛のあいだの空間が狭くなる。指を入れると途中で止まるのに、毛はまだ組み合っていない。これを、この記事では「詰まり」と呼びます。

詰まりは、いくつかのことが重なって起きます。どれも巻毛では日常的に起きていることで、めずらしい出来事ではありません。

詰まりともつれは、手ざわりがはっきり違います。違いが分かると、その場でどちらの作業をすればいいかが決まります。

詰まりの段階と、もつれの段階のちがい
詰まりもつれ
毛どうしの関係近づいているだけ組み合っている
根元への指の通り途中で止まるそもそも入らない
毛先を軽く引くと毛が1本ずつ動く束のまま動く
ほどくのに要る力ほとんど要らない力が要る、または戻らない
表面の見た目変わらない面が波打つ、へこむ
1か所にかかる時間30秒ほど数分、またはほどけない

表の左の列にいるあいだに手を入れる。ミニチュアプードルのもつれで確実に効くのは、これだけです。右の列まで進んでしまうと、家でできることは急に減ります。毎日のブラッシングを長くするより、左の列で見つける回数を増やすほうが結果は変わります。

Note詰まりは、手入れを怠ったしるしではありません

巻毛は、放っておけば密になっていく作りを持っています。詰まりが見つかるのは、何かを失敗したからではなく、巻毛がその通りに働いているからです。だから目標は「詰まらせないこと」ではなく、詰まった場所を早いうちに見つけて、その日のうちにゆるめておくことになります。

まだ絡んでいないのに指が通らない|詰まりを見分けるコツ

詰まりは、目では探せません。表面の毛先はきれいに並んだままで、写真に撮っても写らないからです。見分けるのは手です。犬を立たせたまま、片手で体を支えて、もう片方の手だけを使います。次の4つを、いつも同じ順で回してください。

  1. 指を1本立てて、根元まで下ろす

    毛の上をなでるのではなく、毛のあいだに差し込んで地肌まで下ろします。すっと入れば、その場所はまだ空いています。途中で抵抗があるなら、そこが詰まりです。指1本ぶんずつ場所をずらしながら、面をたどってください。

  2. 止まった場所で、毛を左右に分けてみる

    親指と人差し指で毛を左右に開きます。地肌が線になって見えるなら、まだ詰まりの段階です。開こうとしても毛がついてきて、地肌が見えないなら、すでに組み合っています。ここが詰まりともつれの分かれ目になります。

  3. 毛先を2〜3本つまんで、ごく軽く引く

    1本ずつ動くか、束で動くかを見ます。束のまま動くなら、もつれの側です。引くのは1センチも動かせば十分です。力を入れて確かめる必要はありません。

  4. 左右の同じ場所を、同じやり方で比べる

    片側だけが詰まっているときは、寝る向き、いつも当たっているもの、いつも同じ側から抱き上げる癖などが背景にあります。左右差は、原因を思い出すための手がかりになります。

ミニチュアプードルで詰まりが出やすい場所には、かたよりがあります。耳の後ろ、首輪の下、あごの下、脇、内股、しっぽのつけね、後ろ足の飾り毛。いずれも、こすれるか、毛が動きにくいか、その両方の場所です。体の上側は目に入るので気づきやすく、下側は抱き上げないと分かりません。

Pointコツは、探す場所を毎回同じ順にすること

思い出した場所から触ると、確かめる場所が日によって変わります。耳の後ろ → 首 → 脇 → 内股 → しっぽのつけねのように順を決めて、その順でしか触らないと決めてしまってください。1周30秒ほどで終わります。順が固定されると、前と比べられるようになり、「先週はここが空いていた」という差が分かるようになります。

詰まった巻きは外側からゆるめる|1か所30秒の順番とやり方

詰まりをゆるめる作業は、毛玉を取る作業とは別ものです。組み合っていないので、ほどく必要がありません。やることは、密になった巻きのあいだに、もう一度空間をつくることだけです。力ではなく、順番で決まります。

  1. 根元を指ではさんで支える

    詰まっている場所の根元を、親指と人差し指ではさんで固定します。これをしないと、動かした力がそのまま地肌に伝わります。支えるのは、ゆるめるためではなく、皮膚を引っぱらないためです。

  2. 毛先の側から、目の粗いコームを浅く入れる

    コームは根元から入れません。毛先から2〜3センチのところに、歯の先だけを浅く入れます。深く入れないのが、この段階のやり方です。浅く入れて、そのまま毛先へ抜く。これを2〜3回くり返します。

  3. 1回で下まで下ろさず、半分の深さで止める

    毛先の側がほぐれたら、入れる位置を少しだけ根元寄りにします。半分の深さまで来たら、いったんそこで止めて、横へ1本ぶんずらしてください。同じ筋を深く掘るより、浅い層を横に広げるほうが早く済みます。

  4. らせんが1つ分ゆるんだら、次の場所へ移る

    指を入れ直して、さっきより深く入るようになっていれば、その場所は終わりです。完全にまっすぐにする必要はありません。1か所にかける時間は30秒を上限にしてください。それ以上かかる場所は、詰まりではなくもつれの側に入っています。

  5. 最後にもう一度、同じ順で指を入れて確かめる

    見分けのときと同じ順で回します。全部の場所で指が根元まで入れば、その日は終わりです。入らない場所が残っていたら、明日の最初にそこから始めます。今日ぜんぶ終わらせようとしないほうが続きます。

詰まりのときと、もつれになってからで変わるやり方
詰まりのときもつれになってから
先に持つもの指目の粗いコーム
コームを入れる深さ毛先から浅く根元を支えて毛先から少しずつ
進める向き横へ広げる毛先から根元へ上げる
1か所の上限30秒一度で終わらせない
終わりの目安指が根元まで入る束が1本ずつに戻る
終わらないとき翌日に回すサロンに場所を伝える

空気の乾く時期は、とかすほど毛先が広がって寄ります。mofuwa グルーミングスプレーは、グルーミングスプレーでありブラッシングスプレーでもある1本です。コームを浅く入れる前に、詰まっている場所のらせんへ行き渡らせておくと、毛先が静電気で寄らない状態から歯を入れられます。ミニチュアプードルは毛が伸びるぶん、同じ面積のらせんの数が増えていきます。原料の水は清涼飲料水の規格基準を通っているので、あごの下や内股のように口が届く場所でも、量を控えずに行き渡らせられます。30秒でゆるまなかった場所ほど、先に行き渡らせてから歯を入れ直してください。毛の表面をなでるだけで終わらせず、指で分けた根元の側まで届かせるのが、巻毛での当て方です。

Caution引っぱらない、ハサミを入れない

詰まりが取れないからといって、引き抜いたりハサミを入れたりしないでください。組み合った毛の下では、皮膚が引き上げられています。毛だけを切っているつもりでも、先が皮膚に届きます。力を入れてほどけば毛玉が治りますという進め方でも考えないでください。地肌が赤い、痛がるといったときは、手を止めて動物病院にご相談ください。

手を入れる頻度は、日数ではなく指の通りで決める

「何日おきにやればいいですか」と聞かれることがあります。ミニチュアプードルの場合、日数で決めると合いません。詰まりの進む速さが、毛の長さと季節と、その日の動き方で変わるからです。指が根元まで入るかどうかを毎日確かめて、入らない日だけ手を入れる。この決め方のほうが、結果として頻度が合います。

確かめること自体は30秒で終わるので、毎日やっても負担にはなりません。手を入れる頻度が上がるのは、次のような条件が重なった日です。

逆に、頻度を上げても変わらない場所が出てきたら、それは詰まりの話から外れています。毎日ゆるめているのに同じ一か所だけが翌日には戻る、ゆるめたあとの地肌が赤い、その場所を気にしてなめる。こういうときは、毛の側ではなく皮膚の側を見てください。

Cautionゆるめた翌日に、同じ一か所だけ戻るとき

詰まりや毛玉の下の地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、自分でほどこうとせず、動物病院にご相談ください。毛の下は外から見えないぶん、変化が進んでから気づくことになります。同じ一か所が何日続いているかを数えて伝えると、毛の側か皮膚の側かをその場で分けてもらえます。

相談やトリミングに行く前には、最後にカットした日、指が止まる場所、いつから止まるようになったかの3つをメモしてください。ほどけなかったところは、無理に触らずそのまま連れて行ってください。途中までほどこうとした跡があると、もとの状態が分からなくなります。

ミニチュアプードルのもつれは、ある日とつぜん現れるものではありません。絡む前に必ず、指が止まる時間があります。そこで30秒使えるかどうかで、次の1週間が変わります。毎日のブラッシングを長くするより、指を1本立てて根元まで下ろす、その1回を続けるほうが早いはずです。

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よくある質問

ミニチュアプードルのもつれは、毎日ブラッシングしていれば起きませんか?
回数だけでは決まりません。表面をとかしても、根元の側で巻きが密になっていることがあるからです。とかす前に指を1本立てて根元まで下ろし、止まる場所を探してからブラシを入れてください。止まった場所に手を入れないまま表面だけをとかすと、詰まりはそのまま残ります。
詰まりなのか毛玉なのか、見分けがつきません。迷ったらどうすればいいですか?
毛を左右に開いて、地肌が線になって見えるかどうかで分けてください。見えるなら詰まり、見えないなら組み合っています。それでも迷うときは、詰まりのやり方(毛先から浅くコームを入れて横へ広げる)で30秒だけ試して、進まなければ手を止めてください。強い力で確かめる必要はありません。
力を入れてほどいてしまいました。地肌を見ておくべきですか?
はい、その場で見てください。毛のあいだを開いて、赤み、こすれた跡、においがないかを確かめます。犬が同じ場所を気にしてなめる、触ると避けるといった様子があれば、その日は手を入れず、動物病院にご相談ください。次からは根元を指ではさんで支えてから、毛先の側だけを動かすようにしてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。