C12Q&A・豆知識
次亜塩素酸水はペットに安全?
同じ「次亜塩素酸水」という名前で並んでいる製品のあいだで、有効塩素の濃度が10ppmのものと80ppmのもの、pHが2.5のものと6.0のものが、どちらも同じ棚に置かれています。次亜塩素酸水と呼ばれるものは幅が広いので、ペットに安全とも危険とも、ひとくくりには言えません。判断は製品ごとにしかできず、そのときに確かめるのは濃度表示・pH・用途表示の3つです。この記事では、その3つをどう読むかを書きます。あわせて、試験で確かめられていることと、その試験からは言えないことを、1つのセクションを使って分けます。ペットの体の上で何が起きるかは、試験の条件の外側にある話だからです。最後に、mofuwaが使っている水が次亜塩素酸水とはどう違うのかも、混同されやすいところなので整理します。
次亜塩素酸水はペットに安全ですか
答えから書きます。「次亜塩素酸水はペットに安全ですか」という問いには、はいともいいえとも答えられません。答えを濁しているのではなく、問いの主語が定まっていないからです。次亜塩素酸水という言葉は、ひとつの製品を指す名前ではなく、ある成分を含む水の呼び名です。同じ呼び名の中に、濃度もpHも用途も違うものが並んでいます。
だから、答えられる形に問いを組み直します。「この製品は、この使い方で、この子に使ってよいか」まで絞ると、判断できる材料が出てきます。絞るために見るのが、濃度表示・pH・用途表示の3つです。この3つが書かれていない製品は、書かれていないという事実そのものが判断の材料になります。
先に、この記事が書かないことも決めておきます。ほかの会社の製品を名指ししてこの製品は危険ですとは書きません。自社の製品についてだから安全ですとも書きません。書けるのは、濃度・pH・用途表示という物の側の条件と、試験がどこまでを確かめたのか、という2つだけです。
次亜塩素酸水として売られているものの中には、有効塩素の濃度で数倍、pHで4近い開きがあるものが同居しています。pHは1違うと10倍違う対数の目盛りなので、pH2.5とpH6.0は「少し違う」ではありません。ペットに使う話をするとき、この幅を無視して1つの答えを出すと、その答えはどこかの製品に必ず当てはまらなくなります。
同じ次亜塩素酸という名前で、なぜ中身の違うものが並ぶのですか
理由は、名前が作り方でも濃度でもなく、含まれている成分の名前でついているからです。次亜塩素酸という物質を含む水であれば、濃度がいくつでも、pHがどこにあっても、その名前で呼べてしまいます。日本語の「お茶」が、緑茶も麦茶もまとめて指すのと同じ構造です。
実際、食品添加物として整理されている区分を見ると、次亜塩素酸水はpHの位置で3つに分けられています。強酸性・弱酸性・微酸性の3つで、それぞれpHと有効塩素の濃度の範囲が決まっているとされています。下の表は、その区分としてよく示される範囲です。製品のラベルが必ずこの区分に沿っているとは限らないので、ここでは「幅がこれだけある」という意味で見てください。
| 区分 | pHのおおよその範囲 | 有効塩素濃度のおおよその範囲 |
|---|---|---|
| 強酸性 | 2.2〜2.7あたり | 20〜60ppmあたり |
| 弱酸性 | 2.7〜5.0あたり | 10〜60ppmあたり |
| 微酸性 | 5.0〜6.5あたり | 10〜80ppmあたり |
この表から読めることは1つです。次亜塩素酸という言葉だけでは、pHが2.2の水も6.5の水も同じ名前で呼ばれてしまう、ということ。ペットの疑問として出てくる「大丈夫ですか」は、この幅のどこにいる製品の話なのかが決まらないと、答えが定まりません。
もうひとつ、名前とは別に濃度の幅もあります。10ppmと80ppmでは8倍違います。濃度が8倍違うものを、同じ名前で、同じ判断で扱うことはできません。ペット向けをうたっている製品でも、この数字が書かれていないことがあります。書かれていない場合、こちらから確かめる手段はありません。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは、ペットの話では何が別ものですか
名前が似ているので、ここでいちばん混同が起きます。次亜塩素酸水と、次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めたものは、別ものとして扱われます。成分として近い名前を持ちながら、pHの位置が反対側にあるためです。
次亜塩素酸ナトリウムの水溶液は、家庭では台所用の漂白剤として知られています。アルカリ性の側にあり、薄めても中性より上に位置します。一方、次亜塩素酸水は名前のとおり酸性の側にあります。ペットの疑問として「漂白剤を薄めれば同じですか」と聞かれることがありますが、同じにはなりません。位置が違うからです。
ここで押さえておきたいのは、どちらが優れているかという話ではないということです。用途が違う2つを、名前の近さだけで並べてしまうと、判断がまるごとずれます。ペットの体に使うかどうかを考えるときは、まず自分が手に持っているものがどちらなのかを確かめてください。ラベルの成分名を見れば書いてあります。
台所用や掃除用として売られているものは、床や器具に使うことを前提に濃度と用途が決められています。それを薄めてペットの体にかける使い方は、製品が想定していない使い方です。想定されていない使い方をしたときに何が起きるかは、その製品の試験では確かめられていません。ペットの疑問としてよく出るところなので、はっきり書いておきます。
買う前に確かめられるのは、濃度表示・pH・用途表示の3つです
ここがこの記事のいちばん実用的なところです。ペット用として次亜塩素酸を含む製品を手に取ったとき、家で確かめられることは3つあります。専門的な道具は要りません。ラベルを読むだけです。
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濃度表示があるか(有効塩素濃度/ppm)
数字が書かれているかどうかを、まず見ます。書かれていれば、その数字が作った時点の値です。書かれていなければ、こちらから確かめる手段はありません。ppmという単位で書かれていることが多く、ペット向けの製品では低めの数字が示されていることがあります。数字の大小そのものより、数字が書かれているかどうかが最初の分かれ目です。
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pHが書かれているか
pHは、酸性かアルカリ性かを0から14で示した位置の目盛りです。次亜塩素酸水は酸性の側にありますが、その中でも位置が違います。書かれていれば、s2の表のどのあたりにいる製品かが分かります。pHは強さの順位ではなく位置なので、低いほど強い・高いほど優しい、とは読めません。
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用途表示に、対象が書かれているか
「ペットに」「犬に」「猫に」と書かれているのか、「室内・調理器具に」と書かれているのか。ここがいちばん大きな線です。体に使う想定で作られていない製品には、体に使ったときの確認がありません。用途表示は、その製品が何を確かめてきたかの申告でもあります。
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誰の判断で使うのかを決めておく
3つを読んだうえで、最終的に使うかどうかを決めるのは飼い主です。持病がある、皮膚に変化が出ている、薬を使っている。こうした条件があるときは、使う前にかかりつけの動物病院にご相談ください。製品の表示は、その子の体の条件までは知りません。
3つのうち1つでも欠けていると、判断の材料が足りない状態になります。足りないまま使わない、という選び方も1つの答えです。ペットの疑問に対して「使わない」を選ぶのは、消極的な結論ではありません。確かめられないものを体にかけないというのは、条件が分からないときのいちばん確実な手です。
試験で確かめられていることと、そこからは言えないこと
ここは、この記事でいちばん書きたかったところです。次亜塩素酸をめぐる説明の多くは、試験の結果を根拠にしています。試験そのものは正しく行われていても、そこから言えることには範囲があります。範囲の外まで読んでしまうと、確かめられていないことを確かめたつもりになります。
まず、試験で確かめられていることのほうを書きます。試験は、決められた濃度の液を、決められた量の菌に、決められた時間だけ触れさせて、そのあと何が残っていたかを数えます。使うのは試験管やシャーレなどの決められた器で、温度も置き方も決められています。結果が「生菌が検出されなかった」であれば、それはその条件でそうだったという意味です。ここまでは確かなことです。
| 内容 | |
|---|---|
| 言える | 決められた濃度・時間・器の条件で、その結果が出たこと |
| 言える | 検査機関がその条件で測った、という記録があること |
| 言えない | 封を開けて数か月たった液に、同じ濃度が残っているか |
| 言えない | 床や被毛の上でも、同じ時間で同じことが起きるか |
| 言えない | その子の体の上で、なめる・こすれる・乾く、が加わったときにどうなるか |
| 言えない | その子の持病やアレルギーの条件で、どう変わるか |
言えない側を、もう少し具体的に3つに分けます。1つめは、保存後の濃度です。次亜塩素酸は、光・熱・時間で濃度が下がっていくとされています。ラベルの数字は作った時点の値なので、開封して置いてある液が、いま何ppmなのかは表示から読めません。詰め替えたり、別の容器に移したりすれば、なおさらです。
2つめは、実際に使う場面での持続です。試験は器の中で行われます。家の床や被毛の上は、乾く速さも、触れている時間も、器の中とは違います。とくに、被毛や皮脂、唾液、食べこぼしのような有機物があると、次亜塩素酸はそれと反応して消費されていくとされています。つまり同じ量をかけても、かける先によって残る量が違います。試験は、この違いを再現していません。
3つめは、その子の体の上での挙動です。犬も猫も、かけられたあとに動きます。なめる、こすりつける、振り払う、走る。どれくらいなめるか、目に入るか、噴霧したものを吸い込むかは、その子の性格と、そのときの状況で変わります。試験は行動を再現しません。だから、ペットの体に使ったときの話は、試験の結果からは直接には出てきません。
この段差を飛び越えた書き方が、いちばん見かける形です。試験で生菌が検出されなかったので、ペットに使っても除菌できますという文には、保存後の濃度・実使用での持続・体の上での挙動という3つの未確認が、まとめて隠れています。試験の結果は、試験の条件とセットでしか読めません。この記事でも、以降の数値はすべて条件と検査機関をつけて書きます。
犬や猫の体に使うとき、次亜塩素酸の疑問がいちばん出るのはどこですか
場所で分けると、疑問が集中するのは4か所です。口のまわり、目のまわり、耳の中、そして空気中。どれも「かけたあとに、その子が自分でどうにかできない場所」という共通点があります。
- 口のまわり:かけたあと、必ずなめます。なめる量を測る方法がありません
- 目のまわり:まぶたを閉じてもらえません。飛沫がどこへ行くかを制御できません
- 耳の中:入った液が出てきません。乾く場所ではないので、時間の条件が変わります
- 空気中(噴霧):吸い込む量を誰も測れません。人もペットも同じ空気を吸います
- 足の裏:ここだけは例外で、拭き取りに寄せれば量を決められます
この4か所について、この記事の立場をはっきり書きます。耳の中と目の中は、家庭でのケアの範囲ではありません。気になる状態があるなら、液を選ぶ前に動物病院にご相談ください。耳の中に何かを入れる判断は、外から見えない場所の状態を知っている人がするものです。
空気中への噴霧については、この記事では勧めません。理由は危険だからではなく、吸い込む量を測る方法が家庭にないからです。量が決められないものは、多いか少ないかの判断もできません。ペットは人より床に近いところで呼吸していて、体重あたりで吸い込む空気の量も違います。条件が違うものを同じ部屋で扱うことになります。
逆に、量を決められる使い方であれば、疑問は具体的な確認に変わります。布に含ませてから拭く、という形にすると、どこに、どれだけ、何秒触れるかを人が決められます。かけっぱなしにしないという1点だけで、確かめられないことがかなり減ります。
4か所のうち、口のまわりだけは、もう1つ別の筋道で答えが出せます。なめる量を測れないのなら、なめた量を数えなくていいものを選ぶ、という順番です。これは濃度やpHの読み方ではなく、何でできているかの話になります。mofuwa スキンケアミストは、電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。飲み物として売っているという意味ではなく、成分の基準の話です。口のまわりに使うものだけは、この記事で挙げた3つの表示に、もう1つ「なめたときにどうか」を足して選んでください。足の裏や寝床のまわりと違って、ここだけは拭き取りに寄せても、そのあとその子がどれだけなめるかを人が決められない場所だからです。
mofuwaが使っているのは、電気分解でできる2つの水です
混同されやすいので、ここで整理します。mofuwaのケア用品に使われている水は、次亜塩素酸水ではありません。電気分解でできる水は還元側と酸化側に分かれますが、mofuwaはその両方を、目的で使い分けています。グルーミングスプレーの系統は高機能性電解還元水(アルカリ側)で、油と乳化して汚れを落とす側。スキンケアミストの系統は高機能性電解酸化水(酸性側)で、浸透と除菌に向いた側です。
ここは正確に書いておきます。次亜塩素酸を含む水も、酸化側にあります。だから「反対側の水だから別もの」という説明の仕方はできません。次亜塩素酸水というのは次亜塩素酸を有効成分とする水の総称で、s2に書いたとおり、濃度とpHの幅が大きい一群を指す言葉です。この記事で言えるのは、mofuwaの水は三室ダブルイン型(特許5253483)でつくられ、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でできている、というところまでです。「同じ」か「違う」かを一語で括れるほど、次亜塩素酸水という言葉の指す範囲は狭くありません。
作り方の構造も書いておきます。ワンテンスの電解水は、三室ダブルイン型と呼ばれる電解分解技術(特許5253483)で作られています。電解槽がカソード室・中間室・アノード室の3つに分かれていて、あいだをイオン交換膜が仕切っています。電解質が中間室にとどまる構造のため、電解質に由来する不純物が、できあがった水に入りません。この構造があるので、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくることができています。飲み物として売っているという意味ではなく、成分の基準の話です。
数値も、条件つきで書きます。電解効率は、一般的な飲料用アルカリイオン水で約20%とされるのに対し、ワンテンスの原水はほぼ100%です。ここでいう電解効率は、投入した水がどれだけ電気分解されたかを指します。水分の浸透力は、精製水の35倍(自社検証)。比べた相手は精製水です。除菌の試験では、試験条件下で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されませんでした(江東微生物研究所/日本食品分析センター/ユニオンバイテック/日本繊維製品品質技術センターの各検査による)。この結果が言っているのは、s5に書いたとおり「その条件でそうだった」までです。
特許5253483は、三室ダブルイン型という作り方の構造に与えられた登録です。番号があることは、その構造が新しいものとして認められた記録であって、体に対して何かが起きることの証明ではありません。ペットのケア用品を選ぶときは、この2つを分けて読んでください。番号の多さで判断すると、確かめたつもりのまま話が進みます。
8つの答えを、棚の前の30秒に畳む|ペットと次亜塩素酸をめぐる整理
最後に、ここまでを買い物の場面に畳みます。棚の前で使える時間は、だいたい30秒です。その30秒でやることを3つに絞ります。1つめ、濃度表示を探す。2つめ、pHを探す。3つめ、用途表示に対象動物が書かれているかを見る。3つとも見つかったら、そこから中身の判断に進みます。1つでも見つからなければ、その日は保留にしてかまいません。
| 疑問 | この記事の答え |
|---|---|
| ペットに安全ですか | 製品ごとにしか答えられません。濃度とpHの幅が大きすぎます |
| 犬に使っても大丈夫ですか | 用途表示に対象動物が書かれているかが最初の線になります |
| 漂白剤を薄めれば同じですか | 別ものです。pHの位置が反対側にあります |
| 試験で生菌が出なかったなら大丈夫ですか | その試験条件でそうだった、までです |
| 開封して数か月たった液はどうですか | 濃度は表示から読めません。作った時点の値です |
| 部屋に噴霧してもいいですか | 吸い込む量を測る方法が家庭にありません |
| mofuwaは次亜塩素酸水ですか | 違います。ただし還元側・酸化側の両方を使っているので、片側だけの水ではありません |
そして、毎日の話に戻します。ペットの体まわりで毎日やることの大半は、除菌の話ではなく、汚れを持ち越さない話です。散歩から帰ったあとの足の裏、寝床のまわり、口のまわりの食べこぼし。ここは、布に含ませてから拭く形にすれば足ります。どこに、どれだけ、何秒触れさせるかを、人の側で決められるからです。棚の前の30秒で読む3つの表示は、買う日だけのものではありません。毎日どこに使うかまで決まって、はじめて読んだことになります。
最後にもう一度、この記事が答えていないことを書いておきます。その子の体にとってどうか、という問いには、この記事は答えられません。皮膚に赤みが出ている、同じ場所をなめ続けている、耳を振る回数が増えた、目やにが続いている。こうした変化があるときは、何をかけるかを選ぶ前に動物病院にご相談ください。液を替えて様子を見た2週間は、原因を確かめる2週間にはなりません。次亜塩素酸をめぐる疑問を調べている時間は、そのぶん相談に使えます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
