C04悩み解決

シニア期のブツブツした湿疹|若い頃と同じケアでは追いつかない

公開日 2021年7月26日|文=mofuwa編集部

飼い主に背中をなでられているシニア期の犬
シニア期のブツブツは、まず「何なのか」を確かめてから触ります。写真:Samson Katt/Pexels

シニア期に出たブツブツは、ケアの前に「これは何か」を確かめる段階が必要です。若い頃なら湿疹として様子を見てよかったものが、年齢が上がると別のものである可能性が加わります。見た目では区別がつきません。だからこの記事では、手当ての手順より先に、確かめ方と記録のしかたを置きます。

まず、何なのかを確かめる

皮膚に出る小さな膨らみは、見た目が似ていても中身が違います。シニア期では、若い頃には考えなくてよかったものが選択肢に入ります。飼い主さんが家で見分けることはできませんし、見分ける必要もありません。必要なのは、確かめる場を持つことです。同じ大きさ、同じ色、同じ手ざわりに見えても、そこに至った理由が違えば扱いも変わります。見た目という情報は、家庭で得られるもののなかではいちばん頼りにしたくなりますが、いちばん当てになりません。

とくに次の場合は、ケアの話をする前に動物病院で確かめてください。短期間に増えている、大きくなっている、色が変わっている、硬い、かゆがっていない。最後の項目は見落とされがちですが、かゆがっていない膨らみは、皮膚の炎症とは限りません。かゆみは皮膚が刺激を受けているときに出るサインなので、それが無いということは、刺激とは別の理由でそこが膨らんでいる可能性が残るということです。かゆがらないぶん本人も気にせず、飼い主さんの側も急ぎではないと感じます。気づいてから相談までの時間がいちばん延びやすいのが、この「かゆくない膨らみ」です。

Note「様子を見る」を決めるのは、確かめたあと

確かめたうえで様子を見るのと、確かめずに様子を見るのは別のことです。一度診てもらってからなら、家庭でのケアの範囲もはっきりします。迷っている時間のほうが、負担が大きくなります。

手が届きにくくなり、手のいる場所が増えている

確かめたうえで「皮膚の側の問題」となった場合、シニア期では条件そのものが変わっています。同じケアで追いつかない理由がここにあります。

シニア期に変わる条件と、その影響
変わること起きること
寝ている時間が長い同じ場所が長く接し、風が通らない時間が延びる
体をひねりにくくなる自分で届く範囲が狭くなり、手入れが行き届かない場所が増える
毛が細くなり、量が減る皮膚が直接ものに当たるようになる
姿勢を保つ時間が短いシャンプーやブラッシングが、以前より負担になる
丸まって過ごす時間が増える皮膚どうしが重なる場所ができ、そこだけ湿った状態が続く
皮膚が薄く、乾きやすくなる以前と同じ力で拭いても、刺激として届きやすくなる

共通しているのは、手をかける側の作業が難しくなっているのに、手をかけるべき場所が増えているという点です。だから「同じようにやっているのに」という感覚になります。やり方を増やすのではなく、変えるところです。手をかける時間を延ばすと、本人の負担のほうが先に来ます。1回を短くして日を分ける、立たせずに済む姿勢に変える、自分で届かない場所から先にまわす。やることの総量ではなく、割り振りを変えるほうが現実的です。

家でできるのは、記録すること

触ることより、記録するほうが役に立ちます。診察のときに、飼い主さんにしか出せない情報になるからです。

  1. 位置を、体の図に書き込む

    簡単な絵で構いません。数と場所が残っていることが大切です。記憶では、増えたかどうかが分かりません。背中を上から見た形をひとつ描いて、そこに丸を打つだけで足ります。左右どちら側か、背骨からどのくらい離れているかが分かれば、次に見るときに同じ場所を探せます。

  2. 同じ場所を、同じ角度で撮る

    毛を分けて、地肌が見える状態で。硬貨を横に置くと大きさが伝わります。週に1回で十分です。毛を分けた状態は片手では作りにくいので、家族に押さえてもらうか、クリップで留めると安定します。角度は厳密でなくて構いませんが、撮る場所と明るさは毎回そろえたほうが比べやすくなります。

  3. 気づいた日を書く

    正確でなくて構いません。「先月の中頃」で足ります。増える速さの手がかりになります。

  4. 触ったときの感じをメモする

    硬いか柔らかいか、動くか動かないか、触ると嫌がるか。言葉で残しておくと、次に触ったときに比べられます。

この4つがそろっていると、診察の内容が変わります。とくに「増えているかどうか」は、家でしか分からない情報です。診察の場で見えるのは、その日その時点の状態だけだからです。1か月前と比べてどうか、という軸は、記録があってはじめて足せます。記録は、確かめる場に持ち込むための材料であって、家で判断するためのものではありません。

触れてよい範囲と、触れ方

確かめたうえで、日常のケアを続けてよいと言われた場合の触れ方です。

確かめた結果として、動物病院で塗るものや飲むものが出ることもあります。塗り薬は、塗ったところを舐めてしまって、朝塗ったものが昼には残っていないことがあります。飲むものについては、肝臓の負担が気になるという声を、シニア期の飼い主さんからよく聞きます。診断も処方も動物病院で受けるものですが、そのあいだを家で埋めるものには、舐めても問題のない基準でつくられていることが要ります。mofuwa スキンケアミストは高機能性電解酸化水100%で、その一点を満たすためにつくられています。

使うのは、上の「湿らせて、押さえるように拭く」のところです。シニア期の犬は自分で届く範囲が狭くなるぶん、届く場所は前より念入りに舐めます。膨らみそのものは避けて、そのまわりの毛と地肌を mofuwa スキンケアミストで湿らせ、乾いた布で水分を取ってください。寝床に接している側から先に手を入れると、風が通らない時間がいちばん長い場所から順に片づきます。炎症や出血がある場合は使用せず、獣医師にご相談ください。

かゆがらないブツブツを、安心の材料にしない

シニア期の変化としてまとめてしまうと、見落とすものがあります。

Caution数・大きさ・色のどれかが動いたとき

短期間に数が増えた、大きくなってきた、色が変わった、硬い、動かない、出血している、じゅくじゅくしている、脱毛を伴う、痛がる、かゆがっていないのに膨らみだけがある、元気や食欲が落ちている、体重が変わった。この中のどれかが動いたときは、記録と写真を持って動物病院で確かめてください。家でのケアをやめる必要はありませんが、膨らみの上には手を入れないでください。

とくに「かゆがっていない」ことを安心の材料にしないでください。かゆみがないことは、皮膚の炎症ではないという意味であって、問題がないという意味ではありません。「痛がらない」「本人はいつもどおり」も同じです。犬も猫も不調を表に出しにくく、生活の様子が変わらないことと、体の側で何も変わっていないことは、別のことです。

また、シニア期は1年に1回の健康診断のときにまとめて相談するのではなく、気づいたときに写真を持って行くほうが確実です。増える速さそのものが、判断の材料になります。

家で続けるのは、この2つです。週に1回、同じ場所を同じ角度で撮る。横になったまま片側ずつ、5分で拭いて乾かす。どちらもシニア期の体に負担をかけない範囲に収まっていて、続けたぶんだけ、次の診察で出せる材料が増えます。

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よくある質問

シニア期のブツブツは、様子を見てもいいですか?
確かめたうえで様子を見るのと、確かめずに様子を見るのは別のことです。短期間に増えている、大きくなっている、色が変わった、硬い、かゆがっていない、のいずれかがあるときは、自己判断せず動物病院にご相談ください。
かゆがっていないので、大丈夫でしょうか。
かゆみがないことは安心の材料になりません。皮膚の炎症ではないという意味であって、問題がないという意味ではないためです。膨らみだけがあるときこそ、一度確かめてください。
ブラッシングやシャンプーは続けていいですか?
確かめたうえで問題がなければ続けて構いませんが、膨らみそのものには触れないでください。横になったまま片側ずつ、1回5分以内で区切ると負担を抑えられます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。