C05犬種・猫種別ケア
チャウチャウのプラッシュコート|脇や内股の蒸れを毎日のケアで防ぐ
チャウチャウの脇の毛を左右に分けて、根元まで指を入れてみたことがありますか。表面はさらりと乾いているのに、指先だけが生あたたかい。蒸れは、目で見つけるより先に、この手ざわりで分かります。外から見ているぶんには、この毛はふわふわで、隙間だらけに見えます。ところが根元では、空気がほとんど動いていません。見た目と中身が上下で入れ替わっている——チャウチャウと暮らすうえで、ここがいちばん大事なところです。この記事は、その手ざわりの話から始めます。
ふわふわの毛を分けた指先が、生あたたかい
チャウチャウを抱きしめたときの手ざわりは、ぬいぐるみのようだ、とよく言われます。指を毛の中へ押し込むと、途中まではすっと入っていきます。そこで止まる。地肌の少し手前に、指が進まなくなる層があります。そこから先が、地肌までのわずかな距離です。
その層を越えて指先を地肌まで届かせると、体温がそのまま伝わってきます。背中なら、それでも空気がわずかに動いている感じがある。脇と内股は違います。同じ体の上でも、脇と内股だけは、指先が生あたたかいまま止まります。表面はさらさらしているのに、根元だけが違う。ここに気づけるかどうかで、そのあとの毎日が変わります。
多くの飼い主が最初に気づくのは、においです。においというより「洗ったばかりなのに、前と違うにおいがする」という気づき方をします。ただ、においがしてくるのは、湿った状態がしばらく続いたあとです。においより早く教えてくれるのは、指先の温度です。順番を入れ替えるだけで、気づく日が何日か早くなります。
- 指先の温度:地肌に触れたとき、脇と内股だけが生あたたかい
- 湿り気:表面は乾いているのに、根元だけ指がしっとりする
- 毛の戻り方:分けた毛が起き上がらず、分け目が残ったままになる
- におい:ここまで来ると、湿った状態がしばらく続いています
- 気にするしぐさ:脇や内股をなめる、後ろ脚でかきに行く
においで気づくのは、悪いことではありません。ただ、においは結果です。チャウチャウの蒸れは、地肌に指が届いた瞬間の温度で分かります。脇に指を入れて、背中と比べる。10秒あれば足ります。においを待たずに済むようになると、毎日のケアでできることが増えます。
毛が垂れずに立ち上がる|チャウチャウの被毛の背景にあるもの
チャウチャウの被毛は、プラッシュコートと呼ばれます。プラッシュは毛足の長い布地のことです。毛が体に沿って寝るのではなく、体から垂直に近い角度で立ち上がっている。その様子から、この名前がついています。横から見たときに体の輪郭が丸く見えるのは、毛が立っているからです。
チャウチャウは、中国の北部で古くから人の暮らしのそばにいた犬種です。冬の冷え込みが厳しく、乾いた風の吹く土地でした。毛が立ち上がっていると、毛と毛のあいだに空気の層をつくって、それを抱え込んだままにできます。寝ている毛は風を受け流しますが、立っている毛は空気をためこみます。寒く乾いた土地では、これが体を守る作りになりました。
立っている毛を下から支えているのは、綿のような下毛です。下毛が密に詰まっているから、上の毛がまっすぐ立てる。立ち上がった毛は、毛先の側では大きく離れていますが、根元では隙間なく詰まっています。被毛の断面としては、上が広がって下が詰まった形です。
- 毛が立つ:体から垂直に近い角度で立ち上がります
- 下毛が密:綿のような下毛が、上の毛を支えています
- 上は広く、根元は詰まる:隙間があるのは毛先の側だけです
- 換毛期の量が多い:春と秋に下毛がまとまって抜け、根元に残ります
この作りは、生まれた土地では理にかなっていました。話が変わるのは、湿度の高い場所へ来てからです。日本の梅雨から夏にかけての湿度は、チャウチャウの背景にある土地とはまったく違います。空気をためこむ作りは、湿った空気もそのままためこみます。ためこむこと自体は変わらないのに、ためこむ中身が変わる。ここが出発点です。
見た目と中身が逆になっている|チャウチャウの蒸れが起きる理由
外から見て、チャウチャウの毛は隙間だらけです。毛先が立って広がっているので、指を差し込む余地がいくらでもあるように見えます。これだけふわふわしているのだから、風は通っているだろう。そう考えるのは自然なことで、実際そう思っている飼い主は多いと思います。
ところが、空気が通る必要があるのは毛先ではありません。地肌のすぐ上です。そこは下毛で埋まっています。見た目でいちばん空いているところと、空気が通ってほしいところが、上下で入れ替わっているのです。これが、チャウチャウで蒸れが起きる理由です。
そのうえで、脇と内股にはもう一つ条件が乗ります。ここは面と面が合わさる場所です。前脚の内側と胸、後ろ脚の内側どうしが、立っているときも伏せているときも触れています。立ち上がった毛は、押しつぶされると起き上がるのに時間がかかります。つぶれた毛はしばらく寝たままで、そのあいだ、根元の空気は入れ替わりません。
| 背中・体の側面 | 脇・内股 | |
|---|---|---|
| 毛の向き | 立ち上がったまま | つぶされて寝ている |
| 空気の入れ替わり | 動くたびに少しずつ入れ替わる | 面が合わさって止まる |
| 乾き方 | 表面から順に乾いていく | 根元だけ最後まで残る |
| 湿度が高い日 | 毛先が重くなる | 根元の湿りが引かない |
| 手の届き方 | 上からのブラッシングで届く | 毛を分けないと届かない |
| 気づき方 | 見て分かることがある | 指を入れないと分からない |
こうして並べてみると、「風通しがよさそうだから大丈夫」という判断が、チャウチャウではいちばん危ないことが分かります。判断の材料が、実際に蒸れている場所とは別のところから取られているからです。毛先の様子を見て決めるのではなく、指を入れて地肌の温度で決めてください。手が届いたところだけが、判断の材料になります。
根元に空気が入る10秒をつくる|チャウチャウの蒸れへの考え方
では、何を変えられるのか。毛の作りは変えられません。変えられるのは、根元に空気が入る時間を、1日のどこかにつくることだけです。これが、チャウチャウの蒸れに対する考え方の中心になります。
湿りが気になると、洗う回数を増やしたくなります。ここは順番が逆になりやすいところです。洗いすぎは、地肌のうるおいを一緒に持っていきます。そのうえチャウチャウの被毛は、乾ききるまでに時間がかかります。洗った回数だけ、根元が湿ったままの時間が増えていく。洗いすぎで蒸れが軽くなることは、まずありません。
洗う回数を増やすより、毛を分ける回数のほうを増やすと、根元の条件は動きます。手順にすると、次の4つです。
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脇と内股の毛を、手で左右に分ける
両手の指を毛の中へ入れて、左右へ開きます。地肌が見える線をつくって、そのまま10秒ほど置いてください。とかすのではなく、開いて置いておくだけです。それだけで、止まっていた空気が入れ替わります。前脚を軽く持ち上げると、脇は開きやすくなります。
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湿度の高い日は、分ける回数を増やす
梅雨から夏にかけて、部屋の湿度が高い日は朝と夜の2回にします。湿度は、その日の条件としていちばん大きく動くものです。湿度計を1つ、犬が寝ている場所の高さに置いておくと判断が早くなります。人の顔の高さと床の近くでは、数字が違います。
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ブラッシングは、毛先ではなく根元を目当てにする
立ち上がった毛の表面をなでても、下毛には届きません。毛を分けて、地肌の側から外へ向かってとかします。換毛期は、抜けた下毛が根元に残って詰まりをつくるので、この時期だけは回数を増やしてください。抜けた毛を運び出す係を、人が代わっている形です。
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濡れた日は、乾かしきるところまでを1セットにする
雨の散歩で濡れた日、洗った日は、乾かしきるまでが1回のケアです。表面が乾いていても、脇と内股に指を入れて根元を確かめてください。ここで確かめないと、乾いたつもりのまま夜になります。チャウチャウは毛の量があるぶん、表面と根元の差が大きく出ます。
チャウチャウは体が大きく、毛の量もあります。全身を毎日というやり方は、まず続きません。脇と内股の4か所だけ、と決めてしまうほうが回ります。抱き寄せる、前脚を上げる、といったふだんの動作にくっつけてしまうと、思い出さなくてもできるようになります。続く形にするほうが、1回の丁寧さより効いてきます。
毛を分けた手を離すと、立ち上がった毛はすぐ元に戻ります。根元が開いていられるのは、指が入っているあいだの数秒だけです。だから、その数秒のうちに置いていけるものを選びます。mofuwa スキンケアミストは高機能性電解酸化水100%で、水分の浸透については、精製水を相手にした自社の検証で35倍という数値が出ています(特定の条件下で測られた値で、家庭での結果を約束するものではありません)。数秒しか開けていられない場所では、届く速さがそのまま届く範囲になります。使うときは、布に含ませるのではなく、分けた根元へ直接。脇と内股の4か所を、1か所につき一度ずつ。そのあと、すぐに毛を閉じないでください。指を抜いたまま少し置いて、根元に空気が通ってから手を離します。順番は、抱き寄せて前脚を上げたついでの脇が先、伏せたときの内股があとです。
地肌の温度と湿り気で気づく、チャウチャウの変化
毎日触っていると、いつもと違う日が分かるようになります。見ておきたいのは、湿っているかどうかそのものより、いつもと比べてどう変わったかです。チャウチャウは毛の下が外から見えないので、変化のほうが手がかりになります。
- 朝に分けたのに、昼にはもう湿っている:空気の入れ替わる速さが落ちています
- 分けた毛が起き上がらず、分け目が残る:根元が湿って、毛が寝たままになっています
- 片側だけ湿っている:寝る向きや、いつも当たっているものを思い出してください
- 地肌が赤い、ぶつぶつしている:被毛ではなく、皮膚のほうに変化が出ています
- その場所をなめる、かむ:蒸れより先に、気にしている理由のほうを見てください
地肌が赤い、じくじくしている、においが強くなった、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家でのケアを続ける前に動物病院にご相談ください。チャウチャウは毛の量が多く、変化が進んでから見えてくることがあります。迷ったら早いほうを選んでください。
動物病院で話すときのために、いつから気づいたか、片側か両側か、その週に洗った日と濡れた日をメモしておいてください。この3つがあると、その場で切り分けられることが増えます。毛を刈って見せる必要はありません。どこを分ければ見えるかを伝えられれば足ります。
チャウチャウの毛は、寒く乾いた土地で体を守るためにこの形になりました。日本の湿度の中では、同じ作りがそのまま蒸れの条件になります。作りを変えることはできませんが、根元に空気が入る10秒を、1日のどこかに置くことはできます。ふわふわに見える表面ではなく、指先が届いた地肌のほうで決める。チャウチャウと暮らすうえで、これがいちばん確かな手がかりになります。
Product
mofuwa スキンケアミスト
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
