C05犬種・猫種別ケア

シャーペイはなぜ顔のシワの汚れが起きやすいのか。顔のシワから考える

公開日 2021年8月17日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、短い毛としわのある犬が落ち着いて伏せている
シワは顔だけに並んでいるわけではありません。数えてから順番を決めると、毎日のケアが回ります。写真:Pexels/Pixabay

シャーペイの顔を拭き終えたあと、その手のまま首の後ろへ指を滑らせてみてください。あごの下から肩にかけて、同じようなシワがもう何本か並んでいます。顔で見つけた汚れは、たいていそこにも同じだけたまっています。シャーペイのシワは、顔で終わりません。そのうえ、この犬種の毛は短くて硬い。柔らかい毛の犬種とは、シワの内側で起きていることが違います。なぜそうなるのかを先に説明してから、数えて順番をつける手順へ進みます。

シャーペイのシワは顔で終わらない|同じ汚れが体にも出ます

シャーペイという名前は、中国南部の言葉で「砂のような皮」を指すと言われます。手のひらでなでたときのざらついた感触が、そのまま名前になった犬種です。畑や家のまわりで人と暮らしてきました。もうひとつよく知られているのが、皮膚がゆるく余っていることです。この余りが、体のあちこちでシワになります。

子犬のうちは、全身がシワにおおわれています。成長して体格ができてくると、余りは少しずつ減っていきます。それでも、顔、あごの下、首、肩、しっぽのつけねにはシワが残る子が多い。減るというより、決まった場所に集まっていく、という言い方のほうが近いと思います。

シワが並んでいるということは、閉じた場所が並んでいるということです。シワの内側には、外の空気が入りにくい。そこに皮脂と、抜けた毛と、外から付いたものが集まります。顔で汚れが出る仕組みは、首でも肩でも同じように働きます。場所が違うだけで、起きていることは同じです。

顔のシワと、体のシワ シャーペイでは、顔で起きていることが体のシワでも同じように起きています。違うのは気づかれやすさだけなので、手は顔にばかり集まります。 気づかれやすさと、たまる量は別です 顔のシワ 目に入るので気づく 毎日手が入りやすい 浅いものと深いものがある 口や目に近く、加減が要る 体のシワ 毛に紛れて気づかれない 手が後回しになる 座る・伏せるたびに閉じる 首輪や寝床の縁が重なる 同じ日に、同じだけたまっています
同じ手順が、体のシワにも必要になります。
Note顔だけを丁寧にやると、かえって続きません

顔のシワは目に入るので、つい時間をかけたくなります。ところがシャーペイの場合、同じ汚れが体のシワにも同じだけたまっています。顔に10分かけて体をやらないより、顔に2分、体に2分のほうが結果は変わります。この記事が拭き方ではなく数えるところから始まるのは、そのためです。

短くて硬い毛が、シワの内側で皮膚に当たっている

もう一つ、シャーペイのシワを考えるときに外せないのが被毛です。この犬種の毛は短く、そして硬い。1本1本がまっすぐで、指でなでると逆立つような手ざわりがあります。柔らかく長い毛なら、シワの内側で毛は寝て、向かい合った皮膚のあいだの緩衝になります。硬い毛は寝ません。

シワが閉じると、内側の毛は向かい合った皮膚に当たります。犬が動くたびに、その毛先が皮膚をこすります。シャーペイのシワの中では、汚れがたまるのと同時に、毛が当たっています。柔らかい毛の犬種とは、ここが違います。同じ「シワのケア」という言葉でも、やることが変わってくる理由がここにあります。

だから拭き方も変わります。柔らかい布で表面をなでるだけでは、シワの内側の毛は動きません。かといって強くこすれば、硬い毛が皮膚に押しつけられます。やることは、こすることではなく、シワを開いて中の毛の向きを戻すことです。開けば、当たっていた毛先は外を向きます。

柔らかい毛の犬種と、シャーペイ|シワの中で起きていることの違い
柔らかい毛の犬種シャーペイ
シワの内側の毛寝て、緩衝になる立ったまま、皮膚に当たる
汚れのたまり方毛にからんで留まる毛と皮膚のあいだに落ちる
拭いたときの手ごたえ布に汚れが移る布が毛の上を滑る
効いてくる手毛ごと汚れを拭き取るシワを開いて毛の向きを戻す
換毛期の変わり方抜け毛が毛の中に残る短い抜け毛がシワの底に落ちる

換毛期の話を一つ足しておきます。シャーペイの抜け毛は短く硬いので、床に落ちると刺さるように感じます。同じ毛が、シワの底にも落ちています。春と秋は、シワを開いてブラッシングの手を入れる回数を増やしてください。とかすというより、底にたまった短い毛を外へ出す作業になります。

まずシワを数える|シャーペイのシワの汚れに順番をつける手順

ここから手順です。シャーペイのシワの汚れは、全部を毎日やろうとすると必ず途中で止まります。数が多いからです。だから最初にやるのは、拭くことではなく数えることになります。

数えるのは1回で足ります。紙に体の場所を書き出して、シワの本数を横に書く。それだけで、毎日どこから手をつけるかが決まります。犬を立たせたまま、明るい場所で、片手で体を支えながら進めてください。

  1. 顔から順に、指を入れて数える

    鼻の上、目の下、口の横。指の腹を入れて、底まで届くものを1本と数えます。底に指が届かないものは、深いシワとして別に印をつけてください。この段階では数えるだけで、拭くのはあとです。

  2. あごの下から首、肩へ下りながら数える

    顔が終わったら、そのまま下へ進みます。あごの下は、水を飲んだあとの湿りが残る場所です。首の後ろは首輪の下と重なります。ここまでで、顔より本数が多いことに気づく方が多いと思います。

  3. しっぽのつけねと、脇・内股を確かめる

    どれも、座ったり伏せたりしたときに閉じる場所です。立たせた状態では開いているので、いつもの姿勢に戻してから指を入れてください。姿勢によって、閉じる場所は変わります。寝ている時間が長い子は、伏せた形で確かめます。

  4. 本数ではなく、閉じている時間で並べ替える

    ここが順番づけの中心です。本数の多い場所ではなく、1日のうちで閉じている時間が長い場所を上に置きます。顔のシワは動くたびに開きますが、しっぽのつけねは座っているあいだずっと閉じたままです。

  5. 上から3か所に印をつける

    毎日やるのは3か所までにしてください。4か所目からは、2日に1回、週に1回と落としていきます。3か所なら、朝か夜のどちらかで終わります。終わる分量にしておくことが、続けるための条件になります。

Point数えた紙は、1枚あれば足ります

毎回数え直す必要はありません。季節が変わったときと、体格が変わったときだけ見直せば足ります。子犬から成犬になる時期は、シワのある場所そのものが動きます。紙を見返して、上位3か所が変わっていないかを確かめてください。順番が変われば、毎日のケアの中身も変わります。

上位3か所だけ|家でできる毎日のケアの手順と頻度

順番が決まったら、あとは同じことを繰り返すだけです。シャーペイのシワの汚れは、1回の丁寧さより、同じ場所に手が戻ってくる頻度で変わります。1か所30秒、3か所で90秒。この分量から始めてください。

  1. シワを指で開いて、底が見える状態にする

    片手で皮膚を寄せて、シワを開きます。閉じたまま布を当てても、底には届きません。開いてから、底が見えることを確かめてください。ここを飛ばすと、あとの手順が全部、表面をなでるだけの作業になります。

  2. 開いた底を、押さえるように拭く

    こするのではありません。布を当てて、軽く押さえて、離す。これを底に沿ってずらしていきます。硬い毛は、こするほど皮膚に押しつけられます。押さえて離すだけで、底に落ちた汚れは布のほうへ移ります。

  3. 拭いたあとは、開いたまま少し置く

    すぐ閉じると、湿りが中に残ります。10秒でかまいません。開いて置くところまでが、1か所分の手順です。あごの下と首は、水を飲んだあとにも同じことをしておくと、夜まで持ちます。

  4. 換毛期は、開いたあとにブラシを入れる

    春と秋は、シワの底に短い抜け毛が落ちます。開いた状態で、底に沿って軽くブラシを滑らせてください。とかすためではなく、落ちた毛を外へ出すためのブラッシングです。力はほとんど要りません。

  5. 毎日、同じ順番で、同じ場所から始める

    顔から始めると、顔だけ丁寧になって体で力尽きます。上位3か所のうち、いちばん後回しになりがちな場所から始めてください。順番を固定すると、できなかった日にどこを飛ばしたかが分かります。

上位3か所と、それ以外|家でできる毎日のケアの頻度
上位3か所4か所目以降
頻度毎日1回2日に1回〜週に1回
1か所の時間30秒ほど気づいたときに
やること開く・押さえて拭く・開いたまま置く開いて底を見る
換毛期に足すこと開いた状態でブラシを入れる回数を1段だけ上げる
やらないこと閉じたまま強くこするまとめて1日でやろうとする
Cautionこすらない、湿ったまま閉じない

シャーペイのシワで避けたいのは、こすることと、湿ったまま閉じることの2つです。硬い毛は、こすれば皮膚に当たります。湿ったまま閉じれば、外の空気が入りません。汚れが落ちるまで強くこするという進め方はしないでください。落ちなかったぶんは、翌日にもう一度で足ります。

布に含ませているものについても書いておきます。シワの底は、シャーペイが自分ではどうにもできない場所です。前足も舌も、開かないかぎり底までは入りません。人が開いている数十秒だけが、その面が外に出ている時間です。うちで使っているのは mofuwa スキンケアミスト です。電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられているので、口の横やあごの下のシワのように、閉じたあとで舐められる場所も、同じ布のまま続けて進められます。乾いた布は硬い毛の上を滑るので、上位3か所を同じ手ごたえで拭ききれません。含ませてから、開いた底へ押さえるように当てて、離す。シワの中へ直接吹きかけて、そのまま閉じないでください。

同じシワが順番の上に戻ってくるとき、頻度を上げる前に見ること

手順どおりに続けていても、同じシワばかりが順番の上に戻ってくることがあります。そのときに頻度だけを上げるのは、たいてい遠回りになります。回数ではなく、そのシワが閉じている理由のほうを見てください。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

シワの底が赤い、じくじくしている、においが強くなった、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が抜けて地肌が広く見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家でのケアを続ける前に動物病院にご相談ください。シワの底は外から見えないぶん、変化が進んでから気づくことがあります。迷ったら早いほうを選んでください。

相談に行くときは、数えた紙、いま上位3か所にしている場所、いつから戻るようになったかを持って行ってください。この3つがあると、毎日のケアで届く範囲なのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。気になるシワは開かずに、そのまま連れて行くほうが、もとの状態が伝わります。

シャーペイと暮らすうえで、シワが減ることはありません。皮膚が余っている作りだからです。全部に毎日手を入れることはできませんが、閉じている時間の長い3か所を決めることはできます。数えて、順番をつけて、開いて、押さえて、開いたまま置く。顔で覚えたこの手順が、そのまま体のシワにも使えます。

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よくある質問

シャーペイのシワは、顔だけ拭いていれば足りますか?
顔だけでは足りません。あごの下、首の後ろ、肩、しっぽのつけねにもシワが並んでいて、閉じた場所という条件は顔とまったく同じです。同じ日に、同じだけ汚れがたまっています。顔に10分かけるより、顔と体に2分ずつ回すほうが、毎日のケアとしては続きます。
シワの中は、ぬらした布で強く拭いたほうがきれいになりますか?
こするのは避けてください。シャーペイの毛は短くて硬いので、こするほど毛が皮膚に押しつけられます。布を当てて、軽く押さえて離す。これを底に沿ってずらすだけで、落ちる汚れは布のほうへ移ります。落ちなかったぶんは翌日にもう一度で足ります。拭いたあとは、開いたまま10秒ほど置いてから手を離してください。
毎日のケアは、1日に何回やればいいですか?
上位3か所を1日1回で足ります。4か所目からは、2日に1回から週に1回まで落としてください。頻度を上げても、そのシワが閉じている理由が変わらなければ、同じ場所が戻ってきます。回数を増やす前に、首輪の位置や寝る向きなど、閉じている時間を長くしているもののほうを探すと早く進みます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。