C09シーン別・暮らし

いっしょに寝る、シニア猫と暮らす人はどうしている?

公開日 2021年8月14日|文=mofuwa編集部

明るい寝室で、白いシーツの上に淡いクリーム色の猫が丸くなって眠っている
老猫が同じ面に長くいるほど、確かめる場所は1か所に絞れます。全体を触る必要はありません。写真:Anete Lusina/Pexels

老猫が夜に布団へ上がってくる回数は、7歳の頃と12歳の頃で、はっきり増えます。暖かい面を選ぶからです。若い頃は窓辺も、棚の上も、日の差す床も選べました。跳ぶ回数が減ると、確実に暖かい場所が人の布団だけになります。ペットと一緒に寝るという言い方は同じでも、中身は「触れている時間が延びた」という話に変わっています。時間が延びたのなら、手を入れる場所は体ではなく寝具の側です。この記事では、そうなる理由を先に、朝に1か所だけ確かめるやり方と週の担当の決め方を後に置きました。

暖かい面を選ぶから、夜に来る回数が増える|老猫と一緒に寝る毎日の前提

猫は一日の中で、暖かい場所を何度も選び直しています。朝は東側の窓、昼は日の当たる床、夕方は家電のそば。この選び直しには、移動と、跳び上がることが必要です。老猫になると、その2つの回数が減ります。棚の上や窓辺の高い場所が候補から外れると、残るのは床の高さと、人の寝具です。

しかも老猫は、体の側でも暖かさを保ちにくくなっています。動く量が減り、毛づくろいの回数も減り、被毛の間に空気をためる働きが落ちます。選べる場所が減ることと、自分で暖かさをつくりにくくなることが、同じ時期に重なります。だから、夜のあいだにいちばん暖かい面へ寄っていく。ペットと一緒に寝ている家では、それが人の布団です。

ここで起きているのは、回数と時間の両方の変化です。若い頃は、夜中に1、2回来て、しばらくすると別の場所へ移っていました。老猫になると、来る回数が増えるうえに、一度乗ってから離れるまでの時間が長くなります。朝まで同じ位置にいる日も出てきます。1晩あたりで見ると、寝具に触れている時間は数時間ぶん延びていることになります。

同じ「一緒に寝る」でも、若い頃と老猫では中身が違う
若い頃老猫になってから
暖かい場所の候補窓辺・棚の上・床・寝具床の高さと、人の寝具が中心
夜に布団へ来る回数1〜2回増える。夜のうちに何度も
1回あたりの滞在時間短い。すぐ移動する長い。朝までいる日もある
触れている面毎晩変わる同じ面に寄りやすい
自分で整える量毛づくろいで足りている届かない場所が出てくる

一緒に寝るとは、同じ布に同じ時間だけ触れている、ということです。触れている時間が延びれば、その面に移るものも増えます。抜けた被毛、皮脂、口のまわりの湿り、爪の先が削れたもの。どれも一晩ぶんは目に見えない量ですが、時間が2倍になれば、同じ場所に残る量も変わります。ペットと一緒に寝る家で手を入れる場所が体ではなく寝具になるのは、変わったのが時間のほうだからです。

Note毎日、老猫の体を触って確かめる方向へ行かないでください

触れている時間が延びたと聞くと、その子の体のほうを毎日点検したくなります。ただ、老猫にとって、毎日体を触られる時間が増えることは、それ自体が負担になります。同じ姿勢でいる時間が長い子ほど、抱え直されるのを嫌がります。寝具の側は何度触っても、その子の一日は変わりません。先に手を入れるのは、人の側にあるものからです。

朝、その子が寝ていた面を1か所だけ手で確かめる|老猫と一緒に寝る日のやり方

やり方は、朝の30秒で終わる形にします。ペットと一緒に寝る家では、夜のうちに手を入れることができません。その子が離れたあとの、まだ温かい面が、いちばん情報を持っています。温度も湿りも、数分でわからなくなります。起きたその場でやってしまうのが、続けるうえでいちばん楽です。

  1. 手順1:起きたらすぐ、その子が寝ていた面に手のひらを当てる

    掛け布団の上からではなく、実際に体が乗っていた面に直接当てます。確かめるのは、温かさが残っているか、湿っているか、毛が集まっているかの3つだけです。目で見て探さないでください。夜のうちに毛が入り込んだ面は、光の当たり方では見えません。手のひらは、面全体の差を一度に拾えます。

  2. 手順2:寝具を3つに分けて、その日は1か所だけ選ぶ

    枕まわり、体の脇、足元。この3つに分けます。老猫がその夜いちばん長くいた場所は、たいてい1か所に決まっています。3か所とも同じようにやると続きません。手のひらを当てて、温かさがいちばん残っていた場所を、その日の1か所にします。決め方はこれだけで足ります。

  3. 手順3:毛が集まっている面と、湿っている面を分けて考える

    毛が集まっているのは、体が長く乗っていた面です。湿っているのは、口のまわりや、肉球が触れていた場所です。この2つは同じ場所とは限りません。毛の側は掃除の話ですが、湿りの側は乾く時間の話になります。分けておくと、次の手順で担当を決めるときに迷いません。

  4. 手順4:掛け布団をめくって、20分そのままにする

    起きてすぐ畳まないでください。人と老猫の2つぶんの熱と湿りが残っている面は、めくって空気を通すだけで条件が変わります。朝の支度をしているあいだ、置いておくだけで足ります。20分たってから整えれば、日中に湿ったままの面が残りません。天気の悪い日でも、めくる作業は室内でできます。

  5. 手順5:気づいたことを、1行だけ書く

    日付と、その日の1か所と、気づいたこと。「8/14 足元 毛が多い」くらいで十分です。毎日のケアの記録ではなく、あとで比べるための1行です。2週間ぶん並ぶと、その子が寄っている面が固定されているのか、動いているのかが見えてきます。ここが、あとで相談するときにいちばん役に立ちます。

この手順が、その子の体に何もしないところから始まっているのは意図的です。老猫は、自分でできる量が減っているぶん、人が代わる範囲が広がっています。ただし、広げる先は体への手数ではなく、その子が長くいる場所のほうです。ペットと一緒に寝る毎日で、人の側から動かせるものはここに集まっています。

寝具のどこを、いつ手当てするか|週の担当を決める手順

寝具は1枚ではありません。シーツ、敷きパッド、掛け布団のカバー、毛布。層ごとに、老猫が触れている時間がまったく違います。それなのに全部を同じ頻度で洗おうとするので、続かなくなります。ペット用の寝具を別に用意している家でも、老猫が選ぶのは人の側の面のほうです。触れている時間の長い順に、担当する曜日を割り振ってしまうほうが早いです。

層ごとの、触れている時間と週の担当
層老猫が触れている時間週の担当
シーツ(体が直接乗る面)いちばん長い。毎晩週2回。曜日を決める
掛け布団の上側上に乗る子は長い週1回。上に乗らない子は不要
敷きパッドシーツ越し。中くらい2週に1回
毛布・ひざ掛けその子が選んだときだけ汚れたときだけ
枕カバー枕元で寝る子は長い人の都合の頻度でよい

担当を決めるときのコツは、「毎日やる1つ」と「週に1回でいい3つ」を先に分けてしまうことです。毎日やるのは、手順4の「めくって20分置く」だけ。あとは全部、曜日の側に預けます。老猫と一緒に寝る家では、朝に使える時間が読めません。毎日の分量を1つに固定しておくと、忙しい朝でも欠けません。

  1. シーツを替えない日は、面の向きを変える

    シーツを洗う日でなければ、敷きパッドごと180度回してください。それだけで、その夜に体が乗る面が入れ替わります。30秒で終わります。老猫は寝る位置を大きく変えないので、向きを変えると同じ場所に集まり続けることがなくなります。

  2. 取り替えを、その子がいない時間に済ませる

    老猫は寝具の変化に敏感です。目の前で全部はがすと、その夜の落ち着き先が無くなります。日中、その子が別の場所で寝ているあいだに替えてしまうほうが、夜の様子が変わりません。替えたあと、前のシーツを1枚だけ畳んで足元に置いておくと、においの手がかりが残ります。

  3. 香りの強い柔軟剤に寄せない

    においが変わると、布団へ来なくなる子がいます。寝具の手当てのつもりで、その子が来る場所そのものを変えてしまうことがあります。無香料に寄せておくほうが、老猫と一緒に寝る家では扱いやすいです。

老猫が自分から起き上がって伸びをする、あの数十秒だけは、抱え直さずに体へ手が届きます。あごの下も、背中の真ん中も、夜のあいだ寝具に押しつけられていた側が、そのまま人のほうを向いています。だからここで体に置くものは、寝具と同じ物差しで選ぶことになります。mofuwa スキンケアミストは、中身が電解水だけで、香りを足していません。開けた直後にわずかに塩素のようなにおいを感じることがありますが、香りそのものを重ねてはいないので、その子が覚えている寝床のにおいを別のものに置き換えることにはなりません。柔軟剤で布団へ来なくなる子がいる家では、これが最初の条件になります。コットンに含ませて、朝いちばんに手のひらを当てた面と、その面に触れていた側だけをなでる。全身をやる必要はありません。ペットと一緒に寝る毎日のケアでは、嫌がる日はその日にやめてかまいません。被毛と皮膚のことは、明るい時間に短く済ませるほうが続きます。

Pointつまずくのは、たいてい「全部を同じ日にやろうとしたとき」

週末に寝具を全部はがして洗い、平日は何もしない。この形がいちばん続きません。老猫と一緒に寝る家で寝具に触れている時間は、平日も週末も同じだけ延びています。週2回のシーツと、毎日20分めくること。この2つだけ残せば、あとの層は遅れても戻せます。やることを増やさずに、置く場所を曜日に移すのが、この手順の目的です。

布団へ来る回数が変わった夜|家でできる観察

ここまでは、寝具に触れている時間が延びたことを前提に組んだ話でした。逆に、回数そのものが急に変わったときは、寝具の側の話ではありません。暖かい面を選ぶ行動は、その子の体の状態と直結しています。ペットが夜にどこにいたかを毎朝1か所だけ見ているのは、この変化に気づくためでもあります。増え方と減り方の両方が、家でできる観察の対象になります。

Caution早めに相談したほうがよいとき

寝ていた面が毎朝濡れている、水を飲む量が急に増えた/減った、体重が落ちてきた、食べ残しが続く、寝ている場所から動かない、触ると嫌がる場所ができた、においが変わった。いずれかに当てはまるときは、寝具の手当てを増やす前に動物病院にご相談ください。老猫は、変化が出てから進むまでが早いことがあります。1行メモを2週間ぶん持っていくと、いつからどう変わったかをその場で伝えられます。迷ったときは早いほうを選んでください。

老猫と一緒に寝ることをやめる必要はありません。変わったのは、同じ布に触れている時間の長さのほうです。その子が暖かい面を選んだ結果として、夜のあいだずっと同じ場所にいる。だとしたら、人の側でできるのは、朝いちばんにその面を1か所だけ手で確かめて、週のどこかに担当を置いておくことです。ペットと一緒に寝る家の毎日のケアは、それくらいの分量で回ります。手を増やすのではなく、触れている時間が延びたぶんだけ、寝具の側に受け皿を作っておく。この記事で書きたかったのは、その1点です。

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よくある質問

老猫が夜中に何度も動くので、人のほうが眠れません。別の部屋で寝てもらうべきでしょうか。
人の側の事情については踏み込みませんが、別々にする前に試せることが1つあります。ベッドの足元に、その子だけの寝場所を作って、そこを人の体温が伝わる位置に置くことです。老猫が布団へ来る理由が暖かさなら、同じ暖かさが別の場所にあれば、そちらを選ぶことがあります。数日で切り替わらないときは、無理に移さないでください。ペットと一緒に寝る形を続けながら、寝具の担当だけ決めておくやり方も選べます。
寝具を買い替えるなら、どんな素材を選べばいいですか。
素材そのものより、洗えるかどうかと、乾く速さで選ぶほうが実際的です。老猫は同じ面に長くいるので、その面を週に2回替えられるかどうかが、そのまま毎日の負担になります。毛が刺さりにくい平らな織りのものは、抜けた被毛を払い落としやすい傾向があります。厚い毛足のものは暖かい代わりに、乾く時間が長くなります。一緒に寝る面を1枚だけ替えやすいものにしておくと、あとの層は据え置けます。
夏はエアコンを使うので、布団へ来る回数が減りました。冬と同じやり方でいいですか。
回数が減った時期は、担当の頻度を落としてかまいません。触れている時間に合わせるのが、この手順の考え方です。ただし、朝に手のひらを当てる30秒だけは残しておいてください。夏は湿りのほうが残りやすく、毛の量よりも乾く時間が問題になります。冬に回数が戻ったら、シーツの担当を週2回に戻す。老猫と一緒に寝る家では、季節で分量を上下させるほうが1年続きます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。