C09シーン別・暮らし

雨の日の散歩を楽にする、敏感肌の子と暮らす人の毎日の習慣

公開日 2021年9月25日|文=mofuwa編集部

明るい窓辺で、白い毛の犬が淡い色の敷物の上に静かに伏せている
帰ってから減らせるのは手の回数ですが、濡れる面積のほうは、玄関を出る前に決まっています。写真:https://kaboompics.com//Pexels

雨の日の散歩から帰って、玄関でその子の背中に手のひらを置くと、手は濡れます。ところが手のひらで分かるのは、そこまでです。腹の下側に指を入れると、毛の根元まで水が届いていて、そこだけ体温で温かくなっている。ここを乾いた布で押さえて、また指を入れて、まだ湿っていて、もう一度押さえる。敏感肌の子と暮らしていると、この「もう一度」が続けられません。拭くという行為そのものが、皮膚をこする回数だからです。濡れたまま置いておくこともできず、手数を増やすこともできない。この記事は、その両方が立たない日をどう回すかという話です。動かせるのは、拭く回数ではなく、そもそも濡れる面積のほうでした。

玄関で足踏みしている5分間|雨の日の散歩から帰って、手が止まる理由

雨の日の散歩から戻ると、玄関で数分が過ぎます。上がってしまえば床が濡れる、けれど拭き終わる気配もない。この数分のあいだ、手のほうは動いているのに、判断のほうが止まっています。あと1回押さえるべきか、もう十分か。敏感肌の子と暮らしていると、この判断がいつまでも決まりません。

理由は単純で、濡れは表面と地肌の2層に分かれているからです。背中に手を当てて分かるのは表面のことだけです。毛の表面が濡れているだけの場所と、毛の根元まで水が届いている場所では、乾くまでの時間が数倍ちがいます。表面だけなら、部屋に入って30分ほどで乾きます。根元まで届いていると、季節によっては2時間近く湿ったままになります。

ここで敏感肌という条件が効いてきます。乾かすために手を増やす、というのが自然な発想です。布を替えて3回、4回と押さえていく。ところが拭くという動作は、そのまま皮膚をこする回数です。敏感肌の子と暮らす家では、触る回数そのものが条件になります。回数を増やせば湿っている時間は短くなりますが、こすれる回数のほうが増える。どちらを取っても、片方が悪くなります。

かといって、濡れたまま置くわけにもいきません。毛の中に水が残ったまま体が床につくと、その面だけ風が通らなくなります。雨の日の散歩が続く週は、それが毎日くり返されることになる。回数も増やせない、放置もできない。玄関の5分は、この二つのあいだで身動きが取れなくなっている時間です。

Note困っているのは「濡れ」ではなく「乾くまでの時間」です

雨の日の散歩でつらいのは、濡れること自体ではありません。濡れた場所が乾くまでの時間が長く、そのあいだ手を出せないことのほうです。この見方に切り替えると、やることが変わります。拭いて水を取り去るのではなく、乾くまでの時間が短くなる条件をつくる。敏感肌の子と暮らす家では、後者のほうが手数を増やさずに済みます。

回数と面積は別のもの|敏感肌の子と暮らす人の、雨の日の散歩の考え方

ここから考え方を一つ入れ替えます。帰宅後にできることは「何回触るか」ですが、それとは別に「どれだけの広さが濡れて帰ってくるか」という変数があります。回数は増やせなくても、面積のほうは減らせます。そして面積は、帰ってきてからでは動かせません。玄関を出る前に決まっています。

面積の中身を分けると、雨の日の散歩で濡れる面は2種類あります。上から降ってきて濡れる面と、下から跳ねて濡れる面です。この2つは、量も、含んでいるものも、乾くまでの時間も違います。そして雨具が覆っているのは、たいてい前者だけです。敏感肌の子と暮らす人が困っているのは、覆われていないほうの面です。

上から降って濡れる面と、下から跳ねて濡れる面 雨の日の散歩では、体の上側と下側で濡れ方が違います。上からの雨は毛の表面で止まりやすく、下からの跳ね返りは泥を含んで地肌まで届きます。敏感肌の子と暮らす家で手がかかるのは、下側のほうです。 雨具が覆っているのは、たいてい左側だけです 上から降って濡れる面 背中・頭・肩の上側 きれいな雨。泥は少ない 毛の表面で止まりやすい 乾くまで30分ほど 下から跳ねて濡れる面 腹の下側・内股・脚の内側 路面の泥と細かい砂を含む 毛の根元まで届く 乾くまで2時間近くかかる日も 手数を減らしたいなら、右側の面積を出る前に小さくします
同じ「濡れた」でも、上と下では乾くまでの時間が数倍ちがいます。

下から跳ねる水の量は、歩き方と場所で大きく変わります。同じ雨の日でも、草の生えた路肩を歩いた日と、平らな舗装だけを歩いた日では、帰宅後に手を入れる範囲が別ものになります。草は自分が水をためているので、脚が触れるたびに水を移してきます。舗装の上を歩いていれば、跳ね返るのは自分の脚が落とした水だけです。

同じ雨の日の散歩でも、条件で濡れる面積が変わります
条件濡れる面積帰宅後に手を入れる場所
草の生えた路肩を歩く広い脚の内側全体、腹の下側、胸の前
平らな舗装だけを歩く狭い脚の先と、腹の下側の一部
降っている最中に出る中くらい上側は雨具の中。下側だけ
やんだ直後に出る広い路面に残った水がいちばん跳ねます
同じ道を往復する広い同じ水たまりを2回通ることになります

この表の右の列を見ると、条件しだいで手を入れる場所が「下側の一帯だけ」に絞れることが分かります。絞れれば、1回で終わります。敏感肌の子と暮らす家にとって、これが回数を増やさずに済ませる道筋です。拭く技術を上げるのではなく、拭かなければならない範囲のほうを、出る前に小さくしておきます。

出る前の3分で決まること|雨の日の散歩に持ち込む5つの変化

実際に何をするか、順に書きます。どれも玄関を出る前です。合計で3分ほど、帰ってからの15分を短くするための3分だと考えてください。敏感肌の子と暮らす人にとって、この3分は触る回数に数えなくて済みます。濡れていない体に短く触れるだけだからです。

  1. 毛の流れを、出る前にそろえておく(30秒)

    出発前に、背中から腰、脇腹まで手のひらで一方向になでます。乱れて立っている毛は水を抱え込みますが、寝ている毛の上は水が流れて落ちます。道具を使わなくて構いません。手のひらの面で、毛の流れに沿って数回。ここで力を入れないでください。整えるのが目的で、汚れを落とすのが目的ではありません。

  2. 雨具は丈ではなく、腹側が覆われているかで選ぶ

    背中を長く覆う形の雨具は多いのですが、実際に手がかかるのは下側です。腹の下側と前脚の付け根まで回り込んでいるかどうかだけを見てください。合わないなら、胴の下側にもう一枚あてる形でも足ります。上から降る雨より、下から跳ねる水を止めるほうが、帰宅後の時間に効きます。

  3. 降っている最中に出る。やんだ直後を避ける

    路面にいちばん水が乗っているのは、雨がやんだ直後です。空からは落ちてこないのに、地面の水は残っている。この時間帯がもっとも跳ね返りが多くなります。降っているあいだに短く出て、やんだら家にいる。雨の日の散歩の時間を、天気予報ではなく路面の状態で決める、ということです。

  4. リードを短く持ち、歩く線を自分で決める

    リードが長いと、その子は水たまりと草の上を自由に選びます。短く持つと、歩く線を人の側で決められます。草の生えた路肩を外して、平らな面を選ぶだけで、脚の内側が濡れる範囲が変わります。引っぱるという意味ではありません。並んで歩く距離を近くする、という意味です。

  5. コースを往復にせず、一筆書きにする

    往路で通った水たまりを、復路でもう一度通ることになります。短くても構わないので、行きと帰りで違う道を通る形にしてください。同じ場所を2回通らないだけで、持ち帰る水と泥の量は目に見えて変わります。雨の日の散歩は、距離より経路の形のほうが効きます。

帰ってきてからの手順も、あわせて短くしておきます。玄関で乾いた布を用意し、こするのではなく、当てて数秒置き、離す。面で押さえて水を移す動きです。同じ場所を往復させないでください。布は途中で持ち替えて、乾いた面を当てます。湿った布で押さえても、水は移りません。

順番は下から上です。脚の先、脚の内側、腹の下側、胸の前。ここまでで、雨の日に濡れて帰ってくる面のほとんどが終わります。背中は最後に一度なでるだけで足ります。上から降った雨は毛の表面で止まっているので、部屋の空気だけで乾きます。敏感肌の子と暮らす家では、この「やらない場所」を決めておくことが、そのまま手数を減らすことになります。

Point乾かすときは、風を当てる場所を1か所に絞る

全身に風を当てようとすると時間がかかり、その子も動いてしまいます。前脚の付け根、ここ1か所だけに風を当ててください。雨の日の散歩でいちばん乾きにくく、面と面が合わさって風が通らない場所です。ここが乾けば、残りは部屋の空気で追いつきます。弱い風で、離して、1〜2分。熱い風を近くから当てないでください。

ひと月続けて残ったもの|雨の日の散歩の経験を、次の季節へ引き継ぐ

この形をひと月ほど続けると、いくつかが習慣として残り、いくつかは自然に消えます。残るのは、出る前の30秒と、帰ってからの下から上の順番です。消えるのは、玄関で足踏みしていた5分のほうです。判断が止まらなくなるのは、拭き終わりの基準が「どこまで」ではなく「どこを」に変わったからです。

記録の付け方も書いておきます。難しくする必要はありません。雨の日の散歩から帰った日だけ、カレンダーに「上」「下」「両方」の3文字のどれかを書きます。2週間ぶんたまると、その子がどの条件でどこまで濡れて帰るのかが、はっきり見えるようになります。草の路肩を歩いた日だけ「両方」になっている、というような偏りが出てきます。

2週間ぶんの記録から、次に変える条件を1つ決める
記録の偏り次に変える条件
「下」が続いている歩く線。草の生えた路肩を外してみる
「両方」が続いている雨具。腹側が覆われているかを見直す
「上」だけで終わっている変えなくて構いません。いまの形が合っています
日によってばらばら出る時間帯。やんだ直後を避けているか

帰ってから、脚の内側と腹の下側は、その子が自分でなめる場所です。人が布を当てるより先に、舌のほうが届きます。敏感肌の子ほど、濡れて冷えた面を気にして、同じところをなめ続けます。ここに何かを使うなら、なめられたあとで困らないものである必要があります。

mofuwa スキンケアミストは、電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。口に入る想定でつくられた水なので、なめる面にそのまま当てられます。雨の日の散歩から帰ったら、下から上の順番のいちばん最初、脚の先と脚の内側に使ってください。敏感肌の子と暮らす家では、体に直接吹きかけず、布に含ませてから当てます。ここは路面の泥を含んだ水が届いている面なので、先にきれいな水へ置き換えておくと、そのあと自分でなめても、道の泥が口に入りません。押さえて数秒置き、乾いた面に持ち替える。動きはこれまでと同じで、布に含ませるものが変わるだけです。

雨の日の散歩が続く週は、これを毎日やって構いません。手順が1つ増えるわけではなく、いま使っている布に含ませるものが変わるだけだからです。触る回数も、押さえる面積も、これまでと同じ。敏感肌の子と暮らす家で続くかどうかは、いつもそこで決まります。

Caution早めに動物病院へご相談いただきたいサイン

雨の日の散歩のあとに同じ場所をなめ続ける、脚の内側や腹の下側が赤い、地肌がじくじくしている、においが強くなった、触ると痛がる、毛が抜けて地肌が見えている、乾いたあとも掻き続けている。いずれかに当てはまるときは、拭き方や道具を見直す前に動物病院へご相談ください。敏感肌の子は、同じ条件でも変化が早く出ます。雨が続く時期は、様子を見る日数を短めにとってください。

受診の前には、いつからか、雨の日だけか、左右のどちらかの3つを持って行ってください。先ほどの3文字の記録があると、この3つがそのまま揃います。毎日のことなので、覚えておこうとすると必ず忘れます。書いてあるほうが早く伝わります。

雨の日の散歩は、これからも毎年、同じ時期にまとまってやってきます。減らせるのは拭く回数ではなく、濡れて帰ってくる面積のほうでした。出る前の30秒と、歩く線と、出る時間帯。動かしたのはこの3つだけで、帰ってからの手順は増えていません。敏感肌の子と暮らす家で続く形は、たいてい、こちら側にあります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。