C12Q&A・豆知識
電解還元水とは?電気分解で還元側を取り出した水
水に電気を流すと、陰極側と陽極側に、性質の違う2種類の水が同時にできます。電解還元水と呼ばれているのは、このうち陰極側のほうです。定義を一文で書きます。電解還元水とは、水を電気分解して還元側を取り出した水のことです。よく聞かれるのは、アルカリ電解水との違いです。答えは、取り出し方の違いではありません。同じ手順を踏んでいても、投入した水がどこまで変えられているか、という程度のほうに差が出ます。そして、その程度を決めているのが電解槽の構造です。この記事では、電解還元水という言葉を8つの問答に分けて開きます。陰極側と陽極側で何が分かれるのか、三室ダブルイン型(特許5253483)という構造が何を仕切っているのか、特許が保証しているのはどこまでか、そして試験条件と検査機関つきで確かめられていることは何か。犬や猫のケア用品の表示にこの言葉を見つけたときに、何を読み取れるかまで書きます。
電解還元水とは、どういう水のことですか|一文の定義から
定義から書きます。電解還元水とは、水を電気分解して、還元が起きる側を取り出した水のことです。ここまでが定義で、これ以上は入りません。効き目も、用途も、原料も、定義には含まれていません。含まれているのは、電気分解という操作と、どちら側を取り出したかという2つだけです。
還元とは、化学で使われる言葉で、電子を受け取る側の変化を指します。反対の変化を酸化と呼びます。電気分解では、この2つが同じ装置の中で同時に起きます。陰極では還元が起き、陽極では酸化が起きる。片方だけを起こすことはできません。だから電解還元水をつくると、必ずもう一方の側の水も同時にできます。
この「同時にできる」という点が、言葉を理解するうえで大事なところです。電解還元水という名前は、水の中身を説明した名前ではなく、どちらから取り出したかを説明した名前です。陰極側から取ったから電解還元水、陽極側から取ったから電解酸化水。取り出し口の名前がそのまま呼び名になっている、と考えると読み違えません。
言葉の説明であって、何かの効き目を説明したものではありません。電解還元水とは何かという問いに答えられても、それを使うと何が起きるかという問いには、この記事は答えていません。後者は別の種類の情報で、試験条件と検査機関つきでしか書けないものです。§6でその線を引きます。
電気分解では、水のどちら側を取り出すと電解還元水になるのですか
陰極側です。電極のうちマイナス側をカソード、プラス側をアノードと呼びます。電解還元水ができるのはカソード側、電解酸化水ができるのはアノード側です。2つは同じ装置から、別々の出口を通って出てきます。同じ原水から、性質の違う2つの水が同時に取れる、という形です。
| 陰極側(カソード) | 陽極側(アノード) | |
|---|---|---|
| 起きている変化 | 還元 | 酸化 |
| 取り出した水の呼び名 | 電解還元水 | 電解酸化水 |
| 液性の傾き | アルカリ側へ寄る | 酸性側へ寄る |
| 同時にできるか | できる。片方だけは取れない | できる。片方だけは取れない |
ここでひとつ、実際の製品の話を書いておきます。mofuwa スキンケアミストに使われているのは、この2つのうち陽極側の高機能性電解酸化水で、mofuwa グルーミングスプレーに使われているのは陰極側、つまりこの記事で説明している高機能性電解還元水のほうです。電解還元水を説明する記事で反対側の話が出てくるのは奇妙に見えますが、同じ装置から同時に生まれる兄弟のような関係なので、片方だけを取り上げることができません。電解還元水という言葉を知ることは、その裏側にもう1つの水があると知ることでもあります。
なぜ用途で使い分けるのかというと、目的が違うからです。電解還元水と電解酸化水は、液性の傾きも、向いている場面も違います。「どちらが優れているか」という問いは、この2つには当てはまりません。同じ装置から出てくる、性質の違う2つの水です。どちらを使うかは、何に使うかで決まります。
アルカリ電解水と電解還元水は、何が違うのですか|取り出し方ではなく、どこまで変わったか
先に答えを置きます。取り出し方は同じです。違うのは、投入した水がどこまで変えられているか、という程度のほうです。アルカリ電解水も、水を電気分解してアルカリ側を取り出した水を指します。手順としては、電解還元水と同じ場所から出てきます。だから「取り出し方が違うから別物」という説明は、実態と合いません。
では何が違うのか。投入した水のうち、実際に電気分解を受けた割合が違います。この割合を電解効率と呼びます。一般的な飲料用アルカリイオン水についてよく言われる目安は約20%です。残りの8割ほどは、電気分解を受けていない、そのままの水として出口へ向かいます。ワンテンスが三室ダブルイン型(特許5253483)でつくる高機能性電解還元水は、ここがほぼ100%とされています。
この差を「効き目が5倍」と読むと、意味からずれます。割合が示しているのは強さではなく、混ざりものの少なさです。20%というのは、5分の1だけ変化した水と、5分の4のそのままの水が、同じ容器の中で混ざっているという状態です。液体としては1つに見えますが、中身は2種類あります。ほぼ100%というのは、その混ざりが小さいという意味になります。
| 一般的な飲料用アルカリイオン水 | ワンテンスの高機能性電解還元水 | |
|---|---|---|
| 取り出す側 | 陰極側 | 陰極側(同じ) |
| 電気分解を受けた割合の目安 | 約20%と言われる | ほぼ100%とされる |
| 残りはどうなっているか | 電気分解を受けていない水として混ざる | 混ざる量が小さい |
| 数字が示していること | どれだけ変化したかの割合 | 同じ |
| 数字が示していないこと | 使ったときに何が起きるか | 同じ |
この表の最後の2行は、意識して同じ内容にしてあります。割合の数字は、どちらの側でも「どれだけ変化したか」までしか言っていません。変化した割合が高いことと、使ったときに何かが起きることは、別々の情報です。電解還元水とは何かという問いに答えるとき、ここを混ぜないことがいちばん大事になります。
なお、この割合が高いことには、はっきりした利点が1つあります。濃度がばらつきにくい、という点です。混ざりものが小さければ、つくるたびの中身が近くなります。逆に混ざりが大きいと、同じ装置で同じようにつくっても、そのときどきで中身が動きます。電解効率が意味するのは、強さではなく、ばらつきの少なさのほうです。
なぜ電解槽を部屋で仕切るのですか|電解還元水に不純物を持ち込まないための形
ここから構造の話に入ります。水はそのままでは電気を通しにくいので、電気分解するには塩などの電解質を加えるのがふつうです。電解質とは、水に溶けてイオンになり、電気を通せるようにする物質のことです。ところが、加えた電解質に由来するものは、そのまま出てくる水にも残ります。電解水という技術が古くからあるのに、成分の基準を満たすものが広く出回っていなかったのは、この一点のためでした。
三室ダブルイン型(特許5253483)が解いているのは、まさにここです。やっていることをひとことで言うと、電解質を、できあがる水と同じ部屋に置かない、ということです。電解槽をカソード室・中間室・アノード室の3つに仕切り、電解質は真ん中の部屋にとどめます。両側の部屋には原水だけを入れて、あいだをイオン交換膜で区切ります。膜は、通す相手が決まっています。
「ダブルイン」というのは、水を2方向から入れる流し方を指しています。この流し方によって電解効率が上がり、できた水の性質が長く保たれるとされています。1方向から流すだけだと、電気分解を受けないまま通り抜ける水が出ます。通り抜けたぶんは、そのままの水として出口へ向かいます。約20%という水準の中身には、この通り抜けも含まれています。
部屋を分けたことには、副産物もありました。中間室に入れる電解質を選べば、出てくる水の性質を選べる、という点です。目的に応じてイオン種を変えられるので、同じ装置から違う性質の水がつくれます。構造の話が、いつのまにか「何がつくれるか」の話につながるのは、部屋を分けたためです。電解還元水という言葉の背後には、この形があります。
特許5253483は、電解還元水の何を保証しているのですか
先に線を引きます。特許5253483(三室ダブルイン型 電解分解技術)が登録しているのは、この構造と方法であって、できた水の働きではありません。特許は技術の登録であり、効果の証明ではありません。この2つは、数字や図の話をしているときにいちばん混ざりやすいところです。
- 特許が示していること:この構造と方法が、新しいものとして登録されていること
- 特許が示していないこと:この水を使うと何が起きるか
- 電解効率の数字が示していること:投入した水のうち、変化した割合
- 電解効率の数字が示していないこと:使ったときの結果や、その持続
- 試験の結果が示していること:その試験条件で、その時間に、何が観測されたか
- 試験の結果が示していないこと:家庭で同じ条件が再現されること
この6行を並べて書くのは、ひとつずつは正しい情報でも、つなげて読むと事実より大きな話になってしまうからです。特許があって、電解効率が高くて、試験の結果がある。それぞれは別の段の話をしています。3つを足しても、ひとつの結論にはなりません。足したくなったときは、いま自分がどの段にいるのかへ戻ってください。
そのうえで、構造から言えることもあります。電解質を別の部屋にとどめる形なので、電解質に由来するものが電解還元水に混ざりにくい。だから、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくれる、という点です。これは成分の基準の話であって、飲みものとしてすすめているわけではありません。原料の水を、どの基準に照らして選んでいるかという話にとどまります。
この言い方は、「その基準に照らして成分を選んでいる」という意味です。飲用をすすめるものではありませんし、ペット用のケア用品は飲むためのものではありません。基準の名前が出てくると、それだけで何かが証明されたように読めてしまいますが、証明されているのは成分がその基準の範囲にあること、それだけです。
電解還元水について、どんな試験条件で何が確かめられていますか
確かめられていることと、その条件を並べます。いずれも「その条件下でどうだったか」という形の情報で、日常の使い方について何かを約束するものではありません。ここを飛ばして数字だけを取り出すと、意味が変わります。
| 確かめられていること | 条件・出どころ |
|---|---|
| 検査時間30〜60秒後に、生菌が検出されなかった | 試験条件下での結果。検査機関は江東微生物研究所、日本食品分析センター、ユニオンバイテック、日本繊維製品品質技術センター |
| 精製水と比べて35倍とされる浸透のしやすさ | 自社検証による比較。比べた相手は精製水 |
| 清涼飲料水の規格基準をクリアした成分 | 成分の基準についての話。飲用をすすめるものではない |
| 洗浄力の比較で、乳化のしかたに差が出た | 皮脂に近いごま油を使った比較試験 |
| 電解効率がほぼ100% | ワンテンスの技術資料による数値 |
1行目について、言葉を選んで書いておきます。ここで報告されているのは、その試験条件で、その検査時間に、生菌が検出されなかったという観測です。製品を主語にして「除菌します」「菌をなくします」と書ける情報ではありません。試験と、日常の使い方は、条件がそろっていないからです。検査時間が30〜60秒という幅を持っているのも、対象によって条件が違うためです。
2行目の浸透についても、条件が要ります。35倍というのは自社検証による比較で、比べた相手は精製水です。倍率という書き方は、比べた相手と、何を測ったかが分からないと読みようがありません。大きな数字ほど、添える条件のほうが情報量を持ちます。
そして、ここからは言えません。家庭で使ったときに同じ結果が出ること、その子の体の上でどうなるか、時間が経ったあとどうなるか、保存したあとどうなるか。この4つは、上の表のどの行からも導けません。電解還元水という言葉の説明も、電解効率の数字も、特許の存在も、この4つには届きません。
犬や猫の暮らしで、電解還元水という言葉を知ると何が変わりますか
変わるのは、表示の読み方です。電解還元水と書かれているかどうかより、その言葉にどの条件が添えられているかを見るようになります。これは家で今日からできることで、専門的な知識も道具も要りません。見る場所は容器の裏の3か所です。
- どちら側の水か:還元側か酸化側か。書かれていない製品も多くあります
- 誰が調べたか:自社検証なのか、外部の検査機関なのか
- どういう条件で調べたか:試験条件・検査時間・比べた相手が書かれているか
- 用途の記載:何に使うものとして作られているか
- 対象動物の記載:犬や猫と書かれているか
3つ目が、いちばん見落とされるところです。条件の書かれていない数字は、大きくても読みようがありません。逆に、条件が添えられていれば、数字が控えめでも何を言っているかが分かります。電解還元水とは何かを知る値打ちは、ここに出ます。
製品の側の話も書いておきます。mofuwa グルーミングスプレーは、吹きかけてそのまま梳かすためのスプレーです。洗う日と洗う日のあいだに、布に含ませて足の裏から順に一往復させる、という使い方ができます。湯を沸かす工程も、乾かす工程も要りません。気になる部分だけになじませたいときは、mofuwa スキンケアミストを同じように布に取って使う選び方もあります。どちらも、この記事で説明した装置の陽極側から出てくる水を使っています。
電解還元水という言葉を製品の宣伝として読むのではなく、装置の構造を指す言葉として読むと、書かれていることと書かれていないことの区別がつきやすくなります。犬や猫のケア用品の棚には、似た言葉がいくつも並んでいます。どれが優れているかを言葉から決めることはできませんが、条件が書かれているかどうかは、その場で見分けられます。
電解還元水という言葉から、言えることと言えないことを並べる
最後に、8つの問答を1つの表に落とします。この記事で扱えたのは、言葉の定義と、それをつくる装置の構造と、条件つきで報告されている試験結果までです。その子の体で何が起きるかは、ここには含まれていません。
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| 電解還元水とは何か | 水を電気分解して、還元が起きる側を取り出した水 |
| どちら側を取り出すのか | 陰極側。陽極側からは電解酸化水が同時にできる |
| アルカリ電解水と何が違うのか | 取り出し方は同じ。投入した水がどこまで変わったかが違う |
| その程度は何で決まるのか | 電解槽の構造。三室ダブルイン型は電解質を別の部屋にとどめる |
| 特許は何を保証しているのか | 構造と方法の登録。できた水の働きではない |
| 何が確かめられているのか | 試験条件と検査機関つきで報告されている項目まで |
| そこから言えないことは | 家庭での再現、その子の体の上での変化、時間が経ったあと |
| 家で何を見ればよいか | 数字の大きさではなく、添えられている条件のほう |
この表を1行にまとめると、こうなります。電解還元水とは、装置のどちら側から取り出したかを指す言葉であって、性能を表す言葉ではありません。性能にあたるものは、そのつど試験条件と検査機関つきで示されるべき、別の情報です。言葉と情報を分けて置いておくと、棚の前で迷いにくくなります。
もうひとつ、書き添えておきます。この記事は、水の性質を説明したものであって、犬や猫の体について説明したものではありません。皮膚や被毛の状態は、水の側の知識からは決められません。読んだあとに何かを変えるとしたら、それは製品の選び方ではなく、表示の読み方のほうです。
地肌の赤み、脱毛、かゆがる回数の増加、湿ってべたついている、においの急な変化、痛がるそぶり、元気や食欲の低下。こうした変化があるときは、使うものを電解還元水と書かれたものに変えるかどうかを考える前に、動物病院にご相談ください。何をいつ使ったか、どの場所にどんな変化が出たかを書き出して持っていくと、その場で切り分けてもらえます。水の種類の話と、体の状態の話は、別々に扱ってください。
電解還元水という言葉が答えるのは、どちら側から取り出した水かというところまでです。そこから先は、試験の条件と検査機関の名前を見ることになります。ラベルの語だけで決めない、というのがこの言葉の扱い方です。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
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