C09シーン別・暮らし
ドッグカフェ、多頭飼いの人はどうしている?
ドッグカフェのテーブルの下で1時間過ごすあいだに、入口ですれ違った子、隣の席、通路をはさんだ向かい、途中で入れ替わった席。顔を合わせる犬は、ふつうに3組から5組になります。この数は、1頭で行っても2頭で行っても変わりません。変わるのは、そのにおいを受け取る体のほうです。多頭飼いで出かけた日に家へ持ち帰るのは、店内で会った他の犬のにおいで、それが玄関を上がった瞬間から全頭のあいだで回りはじめます。この記事では、なぜそうなるのかを先に書きます。そのあとで、玄関で全頭をいったん止める手順を書きます。1頭でも先に上がってしまうと、この手順は成り立ちません。
会う犬の数は、頻度より頭数で増える|多頭飼いがドッグカフェから持ち帰るもの
ドッグカフェの店内で、その子が実際に他の犬と近い距離になる回数を数えてみます。入口ですれ違うのが1組、隣のテーブルが1組、通路をはさんだ向かいが1組。1時間ほど座っていれば、席が入れ替わってもう1〜2組。1回の来店で、だいたい3組から5組です。この数は、連れて行ったのが1頭でも3頭でも、ほとんど変わりません。店内にいる他の犬の数は、こちらの頭数では動かないからです。
変わるのは、その3〜5組のにおいを受け取る面の数です。2頭で行けば、同じ相手のにおいを2つの体が別々に持ち帰ります。3頭なら3つです。多頭飼いのドッグカフェは、会う犬が増える場面ではなく、受け取る面が頭数のぶんだけ増える場面です。店内での過ごし方をどれだけ工夫しても、この掛け算そのものは減りません。減らせるのは、持ち帰ったあとの動き方のほうです。
そして、持ち帰ったにおいは玄関で止まりません。多頭飼いの家では、犬どうしが同じソファに乗り、同じ床で伸び、順番に同じ寝床を使います。1頭が持ち帰った他の犬のにおいは、その日のうちに家の全頭へ回ります。連れて行ったのが2頭でも、家に3頭いれば、3頭ぶんの被毛に薄く広がります。留守番していた子のにおいがその日いちばん変わった、ということも起こります。
ドッグカフェの頻度を落とせば済む、という考え方は、ここではあまり働きません。月に1回でも、その1回で室内に入る量は頭数の掛け算で決まるからです。頭数が多い家ほど、行く回数を減らすより、帰宅後の一区切りをきちんと作るほうが効きます。回数を我慢する話にすると、出かけること自体が続かなくなります。
| 連れて行った頭数 | 店内で会う相手 | 持ち帰る面 | 室内で回る先 |
|---|---|---|---|
| 1頭 | 3〜5組 | 1つ | その1頭と、留守番していた子 |
| 2頭 | 3〜5組 | 2つ | 全頭。ソファと寝床を順に使うため |
| 3頭 | 3〜5組 | 3つ | 全頭。玄関で待つ時間も長くなる |
- においを受け取る面が、頭数のぶんある:会う相手の数は同じでも、持ち帰る体が2つ、3つになります
- 玄関から先は、犬どうしで移し合う:同じソファ、同じ床、同じ寝床を順番に使います
- 連れて行っていない子にも回る:留守番していた子がいちばん変わることもあります
- 室内のにおいの変化に、飼い主が気づきにくい:一緒に帰ってくるので、人の鼻のほうが先に慣れます
- 1頭ずつ手をかけると、時間が頭数で割られる:後半の子ほど短くなり、いちばん後ろの子が毎回同じ扱いになります
多頭飼いの家は、もともと家の中のにおいが混ざっています。だから、いつもと違うにおいが1つ増えても、出どころがすぐには分かりません。ドッグカフェの日に入ってくるのは、家のどの子のものでもないにおいです。それが数時間かけて全頭に薄く広がるので、翌日には「なんとなく家全体が違う」という形になります。出どころを探すより、入ってくる場所を1か所に決めてしまうほうが早く片づきます。
玄関で全頭をいったん止める|ドッグカフェから帰った日の手順
手を入れる場所は、玄関の上がり口ひとつに絞ります。ドッグカフェから帰った日にやることは多くありません。大事なのは何をするかより、全頭がそろうまで誰も上がらない、という一点です。多頭飼いでこの手順が効くかどうかは、ほぼここだけで決まります。1頭でも先に室内へ入れば、その子が床とソファへ運んでしまい、残りの子にどれだけ丁寧に手を入れても、家の中はもうつながっています。
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出かける前に、上がり口へ置くものを用意しておく
布を頭数ぶん、ふた付きの入れ物を1つ。帰ってきてから探しに行くと、そのあいだに誰かが上がります。多頭飼いの帰宅後で足りなくなるのは時間ではなく、手のほうです。手が2本しかない前提で、先に置いておけるものは全部置いておきます。ドッグカフェへ出かける支度のついでに済ませてください。
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ドアを開ける前に、リードを1本にまとめて持ち替える
多頭飼いの玄関では、ドアが開いた瞬間がいちばん動きます。リードを手から離さないまま、全頭を上がり口の手前に止めます。ここが唯一の関所です。線を引く場所を毎回同じにすると、数回で犬の側が覚えます。覚えたあとは、止める作業そのものがほとんど要らなくなります。
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他の犬に触れた場所から手を入れる
店内で他の犬のにおいが最初につくのは、鼻先、口のまわり、前脚、胸のあたりです。ここを布で押さえるように拭きます。範囲はこの4か所までに決めてしまってください。頭数があるほど、1頭あたりの範囲を狭くしたほうが最後まで同じ手数で回せます。上がり口に置いておくのは、頭数ぶんの布と、mofuwa のグルーミングスプレーです。含ませて4か所を通すだけなので1頭あたり1分で、3頭いても順番が最後になった子まで同じ手が届きます。なめても差し支えない基準でつくられているため、口のまわりから始めても、頭数ぶん続けても、量を気にせず吹きかけられます。
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終わった子を、先に部屋へ入れない
多頭飼いでいちばん崩れやすいのがここです。1頭終わるたびに上げてしまうと、その子はたいてい玄関へ戻ってきます。まだ手を入れていない子とそこで顔を合わせるので、1頭ぶん戻ります。終わった子は、上がり口の手前で待たせます。待てない子がいる家では、玄関のすぐ内側にサークルを置いて、そこまでを関所の内側と決めてください。
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全頭そろってから、まとめて上げる
室内に入る時刻を1つにそろえます。そのあと、その日いちばん長く体をつけていた場所を1か所だけ拭いてください。ソファなら座面、床ならいつも伸びている一角です。1か所と決めておくと、頭数が増えても帰宅後の作業が増えません。全部やろうとした週から、この手順は続かなくなります。
この5つで、ドッグカフェの日にかかる時間は多頭飼いでも15分前後に収まります。頭数で割られて短くなるのは1頭あたりの時間ですが、範囲を鼻先まわりに絞ってあるので、短くても手は届いています。時間を増やすのではなく、手を入れる範囲を狭くして、線を引く場所を固定する。多頭飼いの帰宅後は、この組み立てのほうが最後まで同じ質で回ります。
玄関の関所が崩れる3か所|多頭飼いがドッグカフェの日に家でできること
手順そのものは短いのに、実際にはうまくいかない日があります。うまくいかないときの原因は、たいてい犬の側ではありません。崩れるのは決まって3か所で、3つとも多頭飼いの家に特有のものです。先に知っておくと、その日のうちに立て直せます。
| 崩れ方 | そこで起きていること | 家でできること |
|---|---|---|
| 家族が先にドアを開けて迎えに出る | 上がり口という線が消えて、1頭が室内へ入る | 出かける前に「全頭そろうまで上げない」と伝えておく |
| 留守番していた子が玄関まで来る | 手を入れていない体と、家にいた体が玄関で触れ合う | 留守番の子は別室かサークルに。上げるときに合流させる |
| 後半の子ほど、かける時間が短くなる | 毎回いちばん後ろの子だけが雑になる | 週ごとに順番を入れ替える。布を頭数ぶん先に出しておく |
1つめは、人の側の問題です。多頭飼いの家は玄関がにぎやかになるので、迎えに出たくなります。ただ、ドアが開いた瞬間に人が入ると、犬は上がり口の線を越えていいと判断します。ドッグカフェの日だけは、迎えに出ない。これを家の中で先に決めておくと、手順の8割は守れます。
2つめが、多頭飼いでいちばん見落とされます。連れて行かなかった子は、玄関の音を聞いて必ず来ます。そこで顔を合わせると、店内で会った他の犬のにおいが、いちばん近い距離でその子に移ります。留守番していた子は、外に出ていないのに、その日いちばんにおいが変わることがあります。別室に入れるのが難しければ、玄関に背を向ける位置にベッドを1つ置くだけでも距離が変わります。
3つめは、時間の割られ方です。多頭飼いでは1頭あたりの時間が頭数で割られるので、後半になるほど手が速くなります。問題は速くなること自体ではなく、毎回同じ子が最後になることです。順番を固定していると、その子だけが何十回も雑に扱われることになります。週ごとに先頭を入れ替えるか、玄関に貼った紙に順番を書いておいてください。
疲れている日にできることを、あらかじめ決めておきます。おすすめは「鼻先と前脚だけ、全頭ぶん」です。1頭を丁寧にやって残りを飛ばすと、飛ばした子から室内へにおいが入るので、結局その日の全頭に回ります。多頭飼いで守るべきなのは深さより、全頭に同じ手が届いているかどうかのほうです。範囲は削っていいので、頭数は削らないでください。
ドッグカフェに行かない週の毎日|においが全頭に回る道を1本ずつ減らす
ここまでは出かけた日の話でした。最後は、出かけていない週にやっておくことです。多頭飼いの家でにおいが全頭へ回るのは、犬どうしが同じ布を順番に使っているからです。その道は、ドッグカフェへ行っていない日のうちに減らせます。毎日の習慣にしておくと、出かけた日の負担がそのぶん軽くなります。
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寝床の布を、頭数ぶんに分けておく
多頭飼いでは、寝床が空いていればどの子でも入ります。布が共有になっているぶん、においも共有になります。1枚を頭数で使い回すのをやめて、洗う日をずらせる枚数にしておく。これだけで、回る道が1本減ります。同じ柄で揃えず、色を分けておくと洗濯のときに迷いません。
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ソファと、いつも伸びている一角に布を1枚置く
犬が体をつけている時間がいちばん長いのは、床とソファです。布を1枚はさんでおけば、洗う対象がソファそのものから布に変わります。洗えるものを、いちばん長く触れる場所に置いておく。室内のにおいで動かしやすいのは、家具ではなく布のほうです。
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1日1頭、1か所だけ手を入れる
毎日全頭の全身をやろうとすると、頭数が多い家ほど早く止まります。グルーミングスプレーを1本、犬が集まる場所の近くに置いておくと、この粒度が続きます。今日はこの子の口のまわり、明日はこの子の前脚、という回し方です。3頭いれば、3日で1周します。ドッグカフェの日にやる範囲と同じ場所を選んでおくと、その日だけ特別なことをしなくて済みます。
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月に一度、布をまとめて洗う日を決める
寝床の布、ソファの布、玄関に置いてある布。洗う日をばらばらにすると、洗っていない布から回り直します。日付を決めて、まとめて入れ替えてください。多頭飼いでは枚数があるので、月の初めの土曜日というように、曜日で決めるほうが続きます。
こうして道を減らしておくと、ドッグカフェから帰った日にやることが玄関の15分だけで済みます。出かけた日に頑張るのではなく、出かけていない週に道を減らしておく。頭数が多いほど、この順番のほうが楽になります。習慣にしてしまえば、次に出かける日を決めるときの気持ちも軽くなります。
帰宅後のケアを続けていても、同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、耳を気にしてかいている、においの質が変わって強くなった、元気や食欲が落ちている。こうした変化があるときは、ドッグカフェの日の手順を増やす前に、動物病院にご相談ください。多頭飼いの家では、変化が出ている子と、そのにおいをもらっているだけの子が混ざります。どの子から始まったかを分けるためにも、早めに相談したほうが早く片づきます。
多頭飼いでドッグカフェへ行くこと自体は、頭数が理由でむずかしくなるものではありません。増えるのは店内で会う犬の数ではなく、そのにおいを持ち帰る面の数です。だから手を入れる場所も、店内ではなく玄関になります。全頭がそろうまで上がらない、という線を1本引く。それができれば、あとは範囲を狭くして、出かけていない週に道を1本ずつ減らしていくだけです。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
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商品ページを見るよくある質問
- 多頭飼いですが、毎回1頭ずつ連れて行くほうがいいですか?
- 頭数を減らせば持ち帰る面は減りますが、留守番している子との差が大きくなり、玄関で顔を合わせた時点で結局回ります。1頭ずつにするかどうかは、その子が店内で落ち着いていられるかで決めてください。においの側から言えば、何頭で行っても、上がり口で全頭をそろえて止められるなら結果はほとんど変わりません。
- ドッグカフェで席についているあいだに、できることはありますか?
- 床に敷くものを1枚持っていくと、座って過ごした跡と体のあいだに1枚はさめます。あとは、他の犬に近づく回数をこちらから増やさないくらいです。店内でできることは多くありません。多頭飼いで結果が変わるのは店内ではなく、帰ってから玄関で線を引けるかどうかのほうです。
- 帰った日に、全頭をまとめて洗ったほうがいいですか?
- その日のうちに全頭を洗う必要はありません。頭数があるほど乾かしきるまでの時間が長くなり、洗うことで家の中の作業が増えます。玄関で鼻先まわりに手を入れて、体をつけていた場所の布を替えるところまでで足ります。洗う日は、ドッグカフェの日と切り離して決めてください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
