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猫用と犬用、中身は何が違う?

公開日 2021年10月15日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で並んで休んでいる、淡い色の猫と淡い色の犬
同じ棚に並ぶケア用品でも、作るときに置かれた前提は同じとはかぎりません。写真:Samson Katt/Pexels

猫用と書かれたケア用品を裏返すと、成分の並びより先に目に入るのは、対象動物を書いた小さな一行です。犬用と猫用の違いは、入っているものの違いというより、作るときに置いた前提の違いです。猫用は、その子が自分の体をなめることを前提に組み立てられています。犬用は、その前提の置き方が違います。だから、成分表を並べて見比べても違いはうまく読めません。家で確かめられるのは、対象動物の記載があるかどうかの1点です。この記事では、犬用と猫用の違いがどこに出るのか、表示のどこを見れば分かるのか、記載がないときはどうするのかを、8つの問答で開きます。毎日のケアの手順まで含めて、迷う場所をひとつずつ潰していきます。

犬用と猫用の違いは、成分表のどこに出るのですか

先に答えを書きます。成分表には、ほとんど出ません。犬用と猫用を2本並べて裏面を読み比べても、書かれている成分名の多くは重なります。水があり、保湿の成分があり、pHを整える成分がある。名前だけを見比べているかぎり、違いは見つからないことのほうが多いはずです。

では違いはどこにあるのか。同じ名前の成分でも、どれくらいの量を入れるか、どのくらいのpHに合わせるか、香りをつけるかどうかは、表示に出る細かさが限られています。成分表は多い順に並べる決まりがあっても、何パーセント入っているかまでは書かれないのがふつうです。つまり、家庭の側から成分表で違いを読み取ろうとしても、材料が足りません。

だから、見る場所を変えます。その製品が誰のために作られたのかは、成分表ではなく、対象動物を書いた一行に出ます。犬用と猫用の違いを知りたいというときに、いちばん確実に読めるのはここです。成分の知識がなくても読めますし、書いていなければ「書いていない」ということ自体が情報になります。

Note成分表は「何が入っているか」の表で、「誰のためか」の表ではありません

成分表は、その製品に何が使われているかを示すためのものです。誰に使うことを想定して作ったかは、成分表の役割ではありません。ここを取り違えると、成分名が同じだから中身も同じだろう、という読み方になります。犬用と猫用の違いを探すときは、成分表の外側にある表示のほうを先に読んでください。

猫用が「なめることを前提にしている」とは、具体的に何を指しますか

猫は、起きている時間の約3割を毛づくろいに使うとされています。人が犬にブラシを入れる時間が1日5分だとすると、起きている時間に対しては1パーセントほどですから、桁が2つ違います。猫用のケア用品は、この3割の上に置かれます。体につけたものは、そのあとほぼ確実に舌が通る。ここが、猫用という言葉の中身です。

「なめることを前提にする」というのは、心構えの話ではありません。作る側から見ると、次のような具体的な条件になります。

最後の1つは成分の話ではないのに、結果にはっきり効きます。途中でやめた日は、体の片側にだけ残ります。残った側をその子がなめる回数は、全身に均等につけた日より増えます。猫用と表示されたものが、容器や出し方まで含めて考えられがちなのは、こういう順番で効いてくるからです。毎日のケアという言葉の中身が、犬とは少しずれます。

念のために書いておくと、犬がなめないわけではありません。前足も、届く範囲の被毛も、犬はよくなめます。違いは「なめる/なめない」ではなく、体のどこまで舌が届くかと、その回数です。猫は自分の体のほとんどに届き、しかも1日に何度も通します。前提として置く重さが変わるのは、そのためです。

犬用は、どういう前提の置き方をしているのですか

犬用の前提は、外から乗ったものを落とす側に寄ります。散歩に出れば、地面の砂と、草の粉と、路面の油分が足の裏と腹に乗ります。雨の日には水が跳ね、夏には草むらの汁がつきます。猫の暮らしでは毎日は起きないことが、犬では毎日起きます。だから、想定している汚れの量が違います。

もう一つ、体格の幅があります。体重で20倍以上の開きがある動物を、ひとつの「犬用」でまかなうことになります。猫の体重差はここまで広がりません。1回に使う量の目安を書きにくい、というのは犬用の側の事情です。

犬用と猫用で、前提として置かれている条件の違い
条件犬用が置きがちな前提猫用が置きがちな前提
体に乗るもの外から乗る砂・草・路面の汚れ室内のほこりと、自分の唾液
舌が届く範囲前足と腹まわりが中心背中と尾のつけ根以外のほぼ全身
人が手をかける回数散歩のあとに1日1〜2回その子自身が1日じゅう繰り返す
体格の幅体重で20倍以上の開きがある開きが比較的せまい
嫌がったとき最後まで一周できることがある途中で終わり、片側にだけ残る
香りつけることがあるつけない方向に寄りやすい

この表は、犬用のほうが雑だとか、猫用のほうが慎重だという話ではありません。置いた前提が違うので、同じ言葉でも中身が違う、というだけです。「よく落ちる」と書いてあったとき、犬用の文脈では外から乗ったものを指し、猫用の文脈では皮脂と唾液の跡を指していることがあります。違いを読むときは、言葉の意味そのものが動くと思っておいてください。

ここで一度、線を引いておきます。この記事は、どちらを使ってよい、どちらはだめ、という判断をするためのものではありません。皮膚や被毛に気になる変化が出ているときは、製品の表示を読み比べるより先に、動物病院にご相談ください。表示の読み方は、あくまで何も起きていない日の選び方の話です。

家で確かめられるのは、パッケージのどこですか

1点だけです。対象動物の記載があるかどうか。「犬用」「猫用」「犬猫用」「小動物にも」——どういう書き方でもかまいません。誰に使うものかを、その製品が自分で名乗っているかどうかを見ます。名乗っているなら、その前提で作られたと読めます。名乗っていないなら、こちらには判断の材料がありません。

  1. 表面の商品名のまわりを見る

    「犬用」「猫用」は、商品名の前後か、ロゴのすぐ下に置かれることが多い場所です。ここに書いてあれば、いちばん強い表示と考えて差し支えありません。

  2. 裏面の「用途」または「使用目的」を見る

    成分表の上か下に、短い一文で書かれています。体に使うのか、床や道具に使うのかがここで分かれます。対象動物と用途は、セットで読みます。

  3. 「使用上の注意」に動物名が出てくるか見る

    表面に書いていなくても、注意書きのほうに「犬・猫以外には使用しないでください」といった形で出ていることがあります。ここまで見て初めて、記載なしと判断します。

  4. 問い合わせ先が書いてあるかを確かめる

    販売者名と連絡先が書かれていれば、分からないことは聞けます。表示で分からなかったときの最後の一手は、書いた人に聞くことです。毎日のケアに使うものなら、一度聞いておく価値があります。

順番に意味があります。表面 → 用途 → 注意書き → 問い合わせ先。この順で読むと、途中で答えが出れば止められます。裏面の細かい字から読み始めると、時間がかかるわりに結論が出ません。犬用と猫用の違いを店頭で判断したいときは、この4段だけ覚えておけば足ります。

「犬猫用」と両方書いてあるものは、どちらの前提で作られていますか

両方に使えると書いてあるものは、厳しいほうの前提に合わせて作るのが自然な流れです。猫が使うことを想定に入れた時点で、なめることが前提に入ります。犬だけを想定した設計のまま「猫にも」と書き足すのは、作る側から見て通しにくい。だから犬猫用という表示は、猫側の条件をくぐった印として読めます。

ただし、表示だけでそこまで確かめられるわけではありません。「両方に使える」と書いてあることは分かりますが、どういう検討を経てそう書いたかは、パッケージの外にあります。ここが、家で読める情報の限界です。犬猫用と書いてあれば、どんな使い方をしても大丈夫です——このように読み替えてしまうと、表示の意味を超えます。

表示の書かれ方と、そこから読めること/読めないこと
表示読めること読めないこと
猫用なめる前提を置いて作られているその子の皮膚に合うかどうか
犬用犬に使う想定で作られている猫に使ったときにどうなるか
犬猫用両方を想定に入れて作られているどちらを基準に量を決めたか
ペット用(動物名なし)人用ではない、ということだけどの動物を想定したか
記載なし何も読めない対象動物・用途・使う場所のすべて

右の列を見てください。どの表示でも、「その子に合うかどうか」は読めません。表示が答えるのは、作った側が誰を想定したかまでです。その先——うちの子の皮膚と被毛にどうか——は、表示の担当範囲の外にあります。ここを混ぜないことが、犬用と猫用の違いを扱ううえでいちばん大事なところです。

対象動物の記載がない製品は、どう扱えばいいですか

記載がないというのは、使えないという意味ではなく、判断の材料が手元にないという意味です。ここを混ぜると、必要以上に怖がるか、逆に何でも同じだと考えるかのどちらかに振れます。材料がないときにやることは決まっていて、材料を取りに行くか、材料のあるものに替えるかの2つです。

最後の1つだけ、性質が違います。皮膚が赤い、同じ場所をなめ続けている、毛が抜けた、元気の落ち方が続いている。こうした変化が出ているときは、犬用と猫用の違いを調べている場合ではありません。使ったものの容器を持って、動物病院にご相談ください。何をつけたかが分かると、その場での切り分けが早くなります。

Caution表示の読み方は、受診の代わりにはなりません

この記事で書いているのは、何も起きていない日に、毎日のケア用品をどう選ぶかという話だけです。皮膚や被毛に変化が出ているとき、口に入れたかもしれないとき、いつもと様子が違うときは、表示を読み比べるより先に動物病院にご相談ください。犬と猫では体のつくりが違うので、同じ見た目の変化でも意味が変わります。判断は、その子を診られる人に渡してください。

毎日のケアの手順そのものは、犬と猫で違いますか

違います。使うものが同じでも、手順は別に組みます。犬は散歩から帰ったところが起点になり、足の裏と腹まわりから始めます。猫は外から乗るものが少ないぶん、起点が「その子が自分でやりきれない場所」に移ります。背中の真ん中と、尾のつけ根です。同じ製品を使っても、手を置く順番が違うということになります。

同じものを使っても、犬と猫で変わる手順
犬の場合猫の場合
始める場所足の裏 → 腹 → 背中背中の真ん中 → 尾のつけ根
1回にかける時間散歩のあとの3〜5分その子が座っていられる30秒ずつ
やめどき全身を一周したところ尾が動き始めたところ
布の使い方面を替えながら一往復手のひらに含ませて、なでる形で
やらない日雨で外に出なかった日決めなくてよい。毎日少しずつ

水を使わない日のケアに使うものとしては、mofuwa グルーミングスプレーがあります。犬にも猫にも使えるものとして作られていて、無香料で、界面活性剤を使っていません。ブラッシングの前に布へ含ませて、毛の流れに沿って一往復させる。洗える日と洗えない日の差を、毎日のほうで埋めておくという使い方です。乾燥が気になる季節に、置く場所を絞ってなじませたいときは、mofuwa スキンケアミストのように部分に使うものもあります。

どちらを選ぶにしても、確かめるところは変わりません。対象動物の記載があるか。用途が、体に使うものとして書かれているか。この2つが読めれば、犬用と猫用の違いで迷う場面はかなり減ります。中身の成分を暗記する必要はありません。

犬用と猫用の違いを、棚の前の3秒で判断できる形に畳む

ここまでの問答を、棚の前で使える形に縮めます。読むのは、対象動物・用途・問い合わせ先の3つだけ。成分表は読まなくてかまいません。読んでも、犬用と猫用の違いはそこには書かれていないからです。

棚の前で見る3つと、そこで決まること
見る場所見つける言葉決まること
商品名のまわり犬用/猫用/犬猫用どの前提で作られたか
裏面の用途欄体に使う/道具や床に使うそもそも体につけるものか
注意書き動物名の指定表示なしと判断してよいか
販売者欄連絡先の有無分からないときに聞けるか
その子の皮膚の状態表示には書かれていない動物病院で相談する

最後の行だけ、表示の外に置いてあります。犬用と猫用の違いをどれだけ正確に読めても、うちの子に合うかどうかは表示から出てきません。そこは、その子を診られる人の領域です。表示の読み方は、選ぶところまでを助けます。使ったあとに何かが起きたときは、迷わず動物病院にご相談ください。

もう一度だけ、答えを置いておきます。犬用と猫用の違いは、中身より前に置かれた前提の違いです。猫用はなめることを前提に組み立てられ、犬用は外から乗るものを落とす側に寄ります。そして、その違いを家で確かめる方法はひとつだけ——対象動物の記載があるかどうか。ここだけ覚えておけば、毎日のケアで迷う回数が減ります。

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特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。