C12Q&A・豆知識
次亜塩素酸とは?濃度とpHで性質が変わる
次亜塩素酸とは、塩素からできる弱い酸の一種です。ここまでが定義で、これ以上短くはなりません。ただし、この言葉のややこしさは定義の外にあります。次亜塩素酸は水の中で形を変え、pHが動くと「次亜塩素酸として存在している割合」そのものが変わります。濃度も、製品によって桁が違います。つまり「次亜塩素酸だから◯◯だ」という言い方が、そもそも成り立ちにくい言葉です。この記事では、次亜塩素酸とは何を指すのか、濃度とpHで何がどう変わるのか、そこから何は言えないのか、そして家で確かめられるのはどこかを順に開きます。犬や猫のまわりでこの言葉を見たときに、何を読み取ればいいのかまで書きます。
次亜塩素酸とは、何を指している言葉ですか
もう一度、定義から置きます。次亜塩素酸とは、塩素からできる弱い酸の一種です。化学式では HClO と書き、塩素・水素・酸素が1つずつつながった、とても小さな分子とされています。塩素を水に溶かしたときなどに、水の中にできる形のひとつです。
ここで押さえておきたいのは、次亜塩素酸は「水の中にあるときの形」の名前だということです。砂糖や塩のように、瓶に入れて棚に置いておける固体ではありません。水があって、そこに塩素の仲間が溶けていて、そのうちの一部がこの形になっている——という関係で成り立っています。だから、水の側の条件が変わると、次亜塩素酸として存在している量も変わります。
「とは」を問う記事なので、言い換えも並べておきます。次亜塩素酸とは、塩素系の物質が水に溶けたときに現れる、電気を帯びていない形のこと。次亜塩素酸とは、酸としてはたらきが弱く、水の中で相手を選びやすい形のこと。どの言い換えにも「水の中で」という条件が必ず入ります。この条件を外すと、意味が変わってしまう言葉です。
塩素と酸素がつながった酸には、酸素の数によっていくつかの段があります。多いほうから過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、そして酸素がいちばん少ないものが次亜塩素酸です。「次亜」は、亜のさらに下、という並びの位置を指しているだけの言葉です。強い・弱い、安全・危険といった意味は、この接頭語そのものには入っていません。名前から性質を読もうとすると、ここで最初のつまずきが起きます。
pHが変わると、水の中では何がどう入れ替わるのですか
ここがこの記事の中心です。塩素の仲間が溶けた水の中では、pHによって3つの形の割合が入れ替わるとされています。3つとは、溶けた塩素そのもの、次亜塩素酸、そして次亜塩素酸イオンです。どれか1つだけが存在するのではなく、混ざった状態で、割合だけが動きます。
| pHのあたり | 主になる形 | 次亜塩素酸として存在する割合 |
|---|---|---|
| 3より下 | 溶けた塩素(気体として抜けやすい形) | 減っていく |
| 5〜6 | 次亜塩素酸 | ほとんどを占める |
| 7.5あたり | 次亜塩素酸と、そのイオンが半々 | およそ半分 |
| 9より上 | 次亜塩素酸イオン | ごくわずか |
この表とグラフから読めることは1つです。「次亜塩素酸を使っています」と書かれていても、その水のpHが分からなければ、次亜塩素酸がどれだけあるのかは分からない。pHが1つ動くだけで、割合は大きく振れます。同じ名前で呼ばれている液体でも、中身の内訳が違うということが、ふつうに起こります。
もう一つ、時間の条件もあります。塩素の仲間が溶けた水は、光と熱と空気に触れると、時間とともに形が変わっていくとされています。開けたばかりのときと、しばらく置いたあとで同じとはかぎりません。次亜塩素酸とは、置いておける物質の名前ではなく、条件の上に成り立っている状態の名前だ——という最初の話が、ここで効いてきます。
同じ名前でも、濃度はどれくらい違うのですか
濃度は ppm(百万分率)や mg/L で表されます。製品によって、この数字は桁の単位で違います。数十のものもあれば、数百のものもあります。台所で道具に使うことを想定したものと、空間に向けて使うことを想定したものでは、そもそも設計が別です。にもかかわらず、どちらのラベルにも同じ「次亜塩素酸」という言葉が載ります。
- 数字が書いていない:濃度が分からないので、他のものと比べようがありません
- 「有効塩素濃度」と書いてある:塩素の仲間の合計を指す数字です。次亜塩素酸だけの量ではありません
- 「〜ppm以上」とだけある:下限は分かりますが、上がどこまでかは分かりません
- 希釈して使う前提のもの:使うときの濃度は、薄め方でこちらが決めることになります
- 時期によって表示が変わっている:同じ商品名でも、中身が同じとはかぎりません
2つめが、いちばん誤解されやすいところです。有効塩素濃度は、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンなどをまとめて数えた数字とされています。つまり、同じ有効塩素濃度でも、pHが違えば次亜塩素酸の形をとっている量は違う。濃度とpHはセットで見ないと意味を持たない、というのはこういう理由です。数字が1つだけ書いてあるとき、その数字だけでは中身は決まりません。
この記事は、どの濃度なら使ってよい、という線を引くためのものではありません。そこは、その製品を作った人と、その子を診ている人の領域です。ここで書いているのは、表示に並んだ言葉が何を指しているかという、言葉の側の整理だけです。
「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」は、同じものですか
別のものです。名前が似ているので混ざりやすいのですが、水の中で立っている位置が違います。次亜塩素酸ナトリウムは固体の塩の一種で、水に溶かすとアルカリ性に寄ります。アルカリ性に寄るということは、さきほどの表の右側——次亜塩素酸イオンの割合が高いほうに位置するということです。
| 次亜塩素酸水 | 次亜塩素酸ナトリウム | |
|---|---|---|
| 何であるか | 水の中に次亜塩素酸を含む液 | 塩の一種。水に溶かして使う |
| pHの寄り | 酸性から中性に近いところ | アルカリ性に寄る |
| 主に存在する形 | 次亜塩素酸の割合が高い | 次亜塩素酸イオンの割合が高い |
| 用途の書かれ方 | 食品分野の規格があるものもある | 衣類の漂白や、器具に使うものが多い |
| 家で読む場所 | 有効塩素濃度とpHの表示 | 用途欄と使用上の注意 |
ここで大事なのは、どちらが良い・悪いという話にしないことです。用途が違うものを、用途どおりに使うかどうかという話でしかありません。次亜塩素酸ナトリウムは危険なので、次亜塩素酸水を選びましょう——こういう置き換えをすると、条件を全部落としたことになります。読むべきは名前ではなく、その製品の用途欄です。
犬や猫のまわりでこの2つの言葉を見る場面は、たいてい掃除まわりです。床、トイレまわり、食器、ケージ。体に使うものとして書かれているのか、器具や環境に使うものとして書かれているのかを、用途欄で分けてください。次亜塩素酸という言葉が同じでも、そこから先は別の製品です。
確かめられていることと、そこからは言えないことの線はどこですか
確かめられていることから書きます。塩素の仲間が溶けた水では、pHによって存在する形の割合が変わる。これは化学の教科書に載っている一般的な関係で、製品ごとの主張ではありません。もう一つ、製品の側で「どの条件で、どの菌に対して、何秒後にどうなったか」を試験機関で調べたデータを出しているものがある。ここまでが、確かめられている側です。
では、そこからは何が言えないのか。この記事でいちばん書いておきたいのは、こちらのほうです。
- 「次亜塩素酸だから◯◯」とは言えない:濃度とpHが分からなければ、中身の割合が決まりません
- 試験の結果を、家の中の話にそのまま移せない:試験は条件を固定して行うもので、床の上や体の上とは違います
- ある菌で調べた結果を、別の菌に広げられない:調べた対象の外へは伸ばせません
- 時間の条件を外せない:何秒後に調べたか、という条件を落とすと数字の意味が変わります
- 安全かどうかを、成分名だけでは決められない:濃度・用途・使う相手が抜けています
書いてはいけない言い方も、そのまま並べておきます。次亜塩素酸なら何でも除菌できます/次亜塩素酸だから犬や猫に使っても安全です/次亜塩素酸は危険なので使ってはいけません。3つとも、条件を落としているという点で同じ形をしています。肯定の側も否定の側も、条件を落とせば同じように成り立たなくなります。
犬や猫の皮膚が赤い、同じところをなめ続けている、毛が抜けた、目をしょぼつかせている——こうした変化が出ているときに、成分名を調べて選び直すのは順番が逆になります。まず動物病院にご相談ください。何かをつけたあとで様子が変わったときは、その容器ごと持っていくと、表示にある濃度・pH・用途をその場で見てもらえます。誤って口や目に入った可能性があるときも同じです。
家で確かめられるのは、濃度・pH・用途の3つだけです
実際に手元でできることは、多くありません。ラベルの3か所を読むこと。それだけです。成分名だけを見て判断しようとするから難しくなるので、読む場所を3つに固定してしまいます。
-
濃度が数字で書いてあるかを見る
ppm または mg/L の表示です。書いていなければ、他のものと比べる手がかりがありません。「有効塩素濃度」と書いてあるときは、塩素の仲間の合計を指している、と読みます。
-
pHの表示を探す
「弱酸性」「微酸性」「アルカリ性」といった言葉か、数値そのものが書かれています。ここが分かって初めて、濃度の数字が意味を持ちます。どちらか片方しかないときは、片方しか分からないと考えてください。
-
用途欄を読む
体に使うものなのか、器具や床に使うものなのか。次亜塩素酸という言葉が同じでも、ここで別の製品に分かれます。対象動物の記載があるかどうかも、あわせて見ておきます。
-
分からなければ、問い合わせ先に聞く
販売者名と連絡先が書かれていれば、濃度とpHは聞けます。毎日のケアで使い続けるものなら、一度聞いておく価値があります。答えが得られないものを、疑問を残したまま使い続けないほうが素直です。
この4段のどこかで詰まったら、そこで止めてかまいません。次亜塩素酸とは何かを完全に理解しなくても、表示が3つそろっているかどうかは読めます。知りたいのが「うちで使っていいものかどうか」であれば、化学の理解より、この3つがそろっているかどうかのほうが先に役立ちます。
mofuwaが使っているのは、還元水と酸化水という2つの電解水です
混同を避けるために、こちら側の整理も書いておきます。mofuwaの製品に使っているのは、水を電気分解してつくる電解水です。次亜塩素酸水として売られている製品とは、名前が指しているものが違います。次亜塩素酸は、ここまで見てきたとおり、水の中にある塩素の形につけられた名前でした。こちらが名乗っているのは、その水をどうつくったかのほうです。指しているものが違うというだけで、良い悪いの話にはなりません。読む場所が濃度・pH・用途の3つであることも、こちら側だけ例外にはなりません。
水を電気分解すると、陰極(カソード)側と陽極(アノード)側で性質の違う水ができます。陰極側にできるのがアルカリ側に寄った高機能性電解還元水、陽極側にできるのが酸性側の高機能性電解酸化水です。mofuwaは、この2つを商品によって使い分けています。油と乳化して汚れを落とすほうが還元水、浸透と保湿のほうが酸化水、という分かれ方です。どちらか片方だけを使っているわけではないので、「酸性側だから次亜塩素酸と同じ」「アルカリ側だから別もの」という読み方は、どちらも成り立ちません。酸化・還元という言葉も、強い弱いや安全危険を指しているわけではありません。名前から性質を読もうとすると、ここでもう一度つまずきます。
この三室ダブルイン型の電解分解技術は、特許5253483として登録されています。ただし、特許は「技術が新しいものとして登録された」ということであって、効果を証明した書類ではありません。ここは線を引いておきます。数字のほうも同じで、電解効率——投入した水がどれだけ電気分解されたかを指す言い方です——について、一般的な飲料用アルカリイオン水が約20%とされるのに対し、この方式でつくる原水はほぼ100%まで電解されているとされています。何と比べた数字かを外すと、この20%と100%も意味を失います。
最後に、この記事の物差しを、こちら側の製品にも当てておきます。容器の裏に何が書いてあるかを読めるのは、家の中でこちらだけです。その子は、表示を読んでから使うかどうかを決められません。だから、読む行が少ないほど、判断は早く終わります。毎日のケアに使うものとしては mofuwa スキンケアミスト があります。中身は高機能性電解酸化水100%で、水以外に足しているものがありません。アルコールも、香料も、界面活性剤も、着色料も、防腐剤も入っていないので、読む行が、用途と容量のところで終わります。そのうえで、この記事の基準どおりに書いておきます。手元の資料に、この水のpHと濃度の数字はありません。だから、ここには書きません。数字が必要になったときに読む場所は、こちらの製品でも同じで、容器の表示と問い合わせ先です。名前で決めない、というのは、自社の製品についても変わりません。
次亜塩素酸とは何かを、3つの数字に畳んで持ち帰る
最後に、この記事を1枚に縮めます。次亜塩素酸とは、塩素からできる弱い酸の一種で、水の中にあるときの形の名前です。そして、その水のpHが動けば、次亜塩素酸の形で存在している割合そのものが動きます。だから、名前だけでは何も決まりません。
| 条件 | 分かること | 欠けたときに言えなくなること |
|---|---|---|
| pHの表示 | どの形が主になっているか | 次亜塩素酸がどれだけあるか |
| 濃度の表示 | 他のものと比べられる | 強いか弱いかの位置づけ |
| 用途の表示 | 体に使うのか、器具に使うのか | そもそも使う場所が合っているか |
| 試験の条件 | 何秒後に、何を調べたか | その結果が指している範囲 |
| 対象動物の記載 | 誰を想定して作られたか | 犬や猫に向けたものかどうか |
右の列を通して読むと、この言葉の性質が見えてきます。次亜塩素酸という名前は、条件がそろって初めて意味を持つ言葉です。疑問に思ったときに調べるべきなのは、名前の由来ではなく、その製品に条件が書かれているかどうか。知りたいことの中身は、たいていそこにあります。
そして、条件をどれだけ読み込んでも答えが出ないものが1つ残ります。うちの子の皮膚と被毛に合うかどうかは、ラベルには書かれていません。毎日のケアで気になることが出てきたときは、その容器を持って動物病院にご相談ください。表示を読む力は、選ぶところまでを助けます。その先は、その子を診られる人に渡してください。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
