C04悩み解決
静電気が出たときの家庭ケア|順番を変えるだけで変わる
静電気の対処法を探すと、毛に何をつけるか、どのブラシを買うかという話に行き着きがちです。ですが順番を変えるだけで、同じ道具でも起きかたが変わります。この記事では、手を入れる順を「環境 → 道具 → 手 → 毛」に固定します。毛は結果が出る場所であって、原因のある場所ではないからです。
なぜ、この順番でないと意味がないのか
静電気の対処法が順番で決まるのには、理由があります。静電気は、乾いた空気の中で、ものが擦れ合い、たまった電気の逃げ場がないときに起きます。この3つのうち、毛に手を加えて変えられるものはありません。乾いているのは部屋、擦れているのは道具、逃げ場を作れるのは飼い主の手です。毛は、その結果が出る場所です。
順番が大事なのは、後ろの手が、前の手の上でしか働かないからです。乾いた部屋のままブラシを替えても違いは感じられませんが、部屋が湿っていれば同じブラシでも変わります。ひとつずつ比べるのではなく、土台から順に積んでください。
①環境:部屋の湿りを、先に作る
対処法の1つ目は、体ではなく部屋です。最初にやるのは部屋です。ブラッシングを始める20〜30分前に、部屋の空気に水分を足しておきます。直前ではなく前もって、が要点です。空気が水分を含むには時間がかかるので、始めると同時に加湿器をつけても、終わるころにようやく効きはじめます。
- 洗濯物を、その部屋に干す:いちばん手軽で、道具もいりません。ブラッシングをする部屋に干してください。別の部屋では届きません
- 入浴のあと、浴室のドアを開けておく:夜にケアをする家庭なら、これだけで足ります
- 濡らしてかたく絞ったタオルを、椅子の背にかける:狭い範囲だけ湿らせたいときに向きます
- 加湿器を使う:あるなら20〜30分前に運転を始めます。その子が近づきすぎない位置に置いてください
目安は湿度40〜60%です。温湿度計をケアをする部屋に置き、「乾いていると感じたら」ではなく「40を切っていたら」で判断すると、毎回同じ条件で始められます。秋から冬は暖房を入れた瞬間から下がるので、暖房と加湿はセットで考えます。
ここで毛に霧吹きで水をかけるで済ませると、表面だけが濡れて、乾くときに同じ状態へ戻ります。部屋の空気を先に変えると、乾く速さそのものが変わります。
②道具、③手、④毛の順に進める
部屋が整ったら道具です。擦れたときに電気がたまりやすい素材から、たまりにくい素材に替えます。そのあと自分の手を湿らせ、最後に毛へ進みます。
| 素材 | 静電気の起きやすさ | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 金属ピン | 起きやすい | もつれをほぐす。乾いた日は最初に使わない |
| プラスチック | 起きやすい | 抜け毛集め。仕上げには向かない |
| 獣毛(豚毛・猪毛) | 起きにくい | 仕上げ。毛の流れを整える |
| 木製ピン | 起きにくい | 地肌までとかす。長毛の子に |
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②ブラシを、獣毛か木製に持ち替える
全部を買い替える必要はありません。最初のひと通りだけを獣毛か木製にし、金属ピンはもつれた場所だけに使います。
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③自分の手を洗い、軽く拭いて湿ったままにする
拭き取りすぎず、しっとりしている程度で構いません。たまった電気が飼い主の手を通って逃げやすくなります。手が乾いていると、触るたびに毛の側にたまります。
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③金属に一度触れてから、その子に近づく
ドアノブや椅子の脚に触れ、自分にたまっている電気を先に逃がします。近づいた瞬間にパチッとくるのは、多くの場合、飼い主側にたまっているためです。
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④手のひらで、背中から順に触れる
ブラシより先に、湿った手のひらで撫でます。背中、胸、脇の下、内股の順です。ひと通り触れてからブラシを入れます。
手を先に入れる理由はもうひとつあります。静電気で嫌な思いをした子は、ブラシを見ただけで逃げるようになります。手から入ると、道具が近づく前に体勢を整えられます。
逆効果になりやすい、よくある順番
対処法そのものは正しいのに、効かない並べ方があります。順番を守らないと、ひとつひとつは正しい手でも噛み合いません。次の4つは、どれも順番だけが問題です。
- 乾いた部屋で、いきなりブラシを入れる:もっとも多い形です。1回目でパチッときた時点で、その子は残りの時間ずっと身構えます
- 暖房を入れた直後に始める:暖房は空気を乾かします。暖房と加湿を同時に始め、20〜30分待ってから触ってください
- ドライヤーの直後にブラシを入れる:温風は毛と空気の両方を乾かします。少し間をあけるか、風の当たっていた面から順に手で触れてください
- 人用の静電気防止スプレーを毛に使う:その子はなめます。人の衣類向けのものを毛や皮膚に使わないでください
痛みを感じた場所を続けて触ると、その子はブラッシングそのものを嫌がるようになります。一度手を止め、湿らせた手のひらで撫でるところまで戻ってください。同じ日に無理に終わらせるより、翌日に部屋を整えてやり直すほうが早く済みます。
服を着せている子は、服の素材も擦れる相手のひとつです。脱がせた直後は、とくに電気がたまっています。脱がせてすぐブラシを入れず、少し時間をおいてから手で触れてください。
順番ではなく、毛そのものが変わっているとき
順番を整えても変わらないときは、原因が空気の乾燥ではなく、皮膚や毛の状態にあることがあります。静電気は毛がぱさついているときに起きやすいので、毛そのものが変わっていないかを見てください。
湿度を40以上に保てない日は、部屋の側だけでは足りません。そのときは、④の工程そのものを道具で持ちます。mofuwa グルーミングスプレー はブラッシングスプレーでもあるので、手のひらに2〜3回押して広げ、背中、胸、脇の下、内股の順に撫でてから、そのままブラシへ移れます。擦れる面が乾いていない状態で梳かせるので、④を毎日同じ形にできます。内股まで手を伸ばす順番ですが、中身は清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、そのあと舐めに来る子でも量をためらわずに済みます。④に グルーミングスプレー を置いてしまえば、湿度計が40を切る季節も、手順は環境→道具→手→毛のままです。
フケが急に増えた、毛がごわつく・切れやすくなった、同じ場所をかき続ける・なめ続ける、皮膚が赤い、部分的に毛が薄くなった、においが変わった、触られるのを急に嫌がるようになった、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家庭でのケアを続ける前に動物病院にご相談ください。乾燥の季節と重なると、静電気のせいだと思って様子を見てしまいがちです。
受診の前に、いつから、部屋の湿度はどのくらいか、使っているブラシとシャンプーは何かをメモしてください。順番を変えてからの日数も伝えると、家でできることをやったうえでの相談だと分かります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 加湿器がありません。何から始めればいいですか?
- 洗濯物を、ケアをする部屋に干してください。道具がいらず、20〜30分で空気が変わります。入浴の習慣がある家庭なら、風呂上がりに浴室のドアを開けておくだけでも足ります。加湿器はその次で構いません。
- ブラシは買い替えたほうがいいですか?
- 順番を変えてからで構いません。部屋が乾いたまま道具だけを替えても違いを感じにくいからです。1週間、部屋を先に湿らせてブラッシングし、それでも起きるようなら仕上げ用に獣毛のブラシを1本足してください。
- 猫にも同じ順番でいいですか?
- 環境と手の順番は同じです。ただし猫は近づく気配に敏感なので、金属に触れて自分の電気を逃がす工程をより丁寧にやってください。ブラシは、猫が自分から体を寄せてくるまで持たないほうが続きます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
