C05犬種・猫種別ケア
ケアーンテリアのワイヤーコート|フケを毎日のケアで防ぐ
被毛の手入れのやり方を変えて、ちょうど1か月が過ぎたころでした。抱き上げたあと、黒いセーターの肩に白い細かいものが散っています。ケアーンテリアと暮らしていると、フケはこういう出かたをすることがあります。洗い方を変えたわけでも、その週に急に冷え込んだわけでもありません。変わったのは、被毛そのものへの手の入れ方だけでした。剛毛の犬種には、古い毛を抜いていく、短く刈る、そのままにしておく、という選び方があります。どれを選ぶかで、地肌の上に残るものが変わります。この記事は、ケアーンテリアのフケを、その選択のあとに出てくるものとして読み直していく話です。
被毛の手入れを変えた翌月、黒い服の肩で気づいた
その年の秋まで、ケアーンテリアの被毛は、伸びきった古い毛を指と道具で少しずつ抜いていく手入れで整えていました。時間はかかりますが、仕上がりは硬さの残る毛並みになります。ただ、抜いていく手入れは体を長く押さえることになるので、今回から短く刈る手入れに変えてもらいました。仕上がりはきれいでした。手ざわりも柔らかくなって、抱き上げやすくなったくらいです。
変化に気づいたのは、そこから1か月ほどたった11月のはじめでした。抱き上げたあとの黒いセーターの肩に、白い細かいものが散っています。払えば落ちます。翌日また同じだけつきます。体をなでても、赤みらしいものは見あたりません。かゆがるしぐさもありません。それでもフケだけが増えている。
季節のせいだろうか、と最初は考えました。11月は空気が乾きはじめる時期です。けれど前の年の同じころに、こんなふうにはなりませんでした。洗う回数も、使っているものも、部屋の湿度も、去年と変えていません。この1か月で変えたのは、被毛の手入れの選び方だけでした。
ケアーンテリアのフケを、皮膚の側の話としてだけ読むと、この時期のずれが説明できません。1か月前に手入れを変えて、そのあとにフケが出はじめている。順番があるということは、そこに理由の道筋があるということです。まずは、この犬種の被毛がどういう作りをしているかから見ていきます。
フケが出はじめたとき、つい新しく何かを足したくなります。その前に、この1〜2か月で変えたものを紙に書き出してみてください。食べているもの、洗う回数、寝ている場所、部屋の湿度、そして被毛の手入れのやり方。変えていないものが並ぶほど、変えたものが浮かび上がります。ケアーンテリアの場合、被毛の手入れは見落とされやすい欄です。
抜けて入れ替わる毛と、切って残る毛|ケアーンテリアの被毛という背景
ケアーンテリアの被毛は、上と下で作りが違います。表面は硬くて張りのある毛、その下に細くて柔らかい毛が入っています。スコットランドの岩場で、風と雨と地面のこすれを受けながら働いていた犬種です。外側の硬い毛が当たりを受け止め、内側の柔らかい毛が空気を含んで体を守る。この二層で成り立っています。
ここで大事なのは、表面の硬い毛の入れ替わり方です。剛毛は、伸びきると根元のほうがゆるんで、外から力を加えれば抜ける状態になる子が多い。伸び続けて切らなければならない毛とも、季節でどっと落ちる毛とも違う入れ替わり方です。だから剛毛の犬種には、古い毛を抜いていくという手入れの仕方が昔からあります。毛の作りに合わせた手入れとして残ってきたものです。
一方、刈るという手入れでは、毛は抜けません。伸びきった古い毛が根元に残ったまま、長さだけが短くなります。表面はそろって見えますが、地肌の上の状態は前と同じです。しかも新しい毛は、その古い毛の間から伸びてきます。抜くと切るは、仕上がりが似ていても、地肌の上に残るものがまるで違います。
- 硬い上毛:伸びきると根元がゆるみます。抜けば外へ出て、切れば残ります
- 柔らかい下毛:季節の変わり目にゆるみます。上毛が詰まっていると外へ出られません
- 地肌までの距離:残っている毛の量で変わります。距離が長いほど風が届きません
- 手入れの選び方:抜く・刈る・そのままにする。どれも成り立つ選び方です
ケアーンテリアと暮らしている方が「どちらが正しいのか」と迷うことがありますが、正しい・正しくないという話ではありません。体の負担、通う間隔、その子が押さえられるのが平気かどうか、家でどこまで手をかけられるか。条件で決まります。決めたあとで、その選び方に合わせて毎日を組み直せば足ります。
抜く・刈る・そのままにする|地肌の上に残るものが入れ替わる
3つの選び方で、地肌の上に何が残るかを並べてみます。フケという言葉でひとくくりにすると同じに見えますが、どこに溜まってから落ちてくるのかが、選び方ごとに違います。落ちてくる場所が違えば、気づくきっかけも変わります。
| 古い毛を抜いていく | 短く刈る | そのままにする | |
|---|---|---|---|
| 毛の入れ替わり | ゆるんだ毛が外へ出る | 毛は残ったまま短くなる | ゆるんだ毛が中に留まる |
| 地肌までの距離 | 近くなる | 短いが、根元の毛は残る | 遠いまま |
| 風と湿気 | 通りやすくなる | 上は通り、根元は詰まりやすい | 根元にこもりやすい |
| フケの出かた | 細かく、散って落ちる | 根元に溜まってから落ちる | 毛の間に隠れて見えにくい |
| 気づく場所 | 手や服につく | ブラシの目に残る | 毛を分けたときだけ見える |
| 毎日で足すこと | うるおいを減らさない | 根元まで指を入れて分ける | 風の通り道をつくる |
この記事の場面で起きていたのは、表のいちばん右から2番目の列でした。抜いていく手入れをやめて短く刈ったので、それまで外へ出ていた古い毛が、根元に残ったままになった。短く見えるので、上からは詰まっているように見えません。けれど地肌のすぐ上には、前より多くのものが留まっています。そこへ乾いた季節が重なって、根元に溜まっていたものが、まとまって落ちはじめた。フケが増えたように見えたのは、この順番です。
逆の入れ替わりも起こります。刈る手入れから、古い毛を抜いていく手入れに変えた直後は、たまっていたものが一度に外へ出るので、数日から1週間ほど、いつもよりフケが目につくことがあります。これも手入れを変えたあとの通り道です。ここで慌てて洗う回数を増やすと、地肌の側のうるおいまで一緒に減らしてしまいます。
どちらの向きの変化でも、見る場所は同じです。落ちてきたフケの量ではなく、根元にどれだけ残っているか。ケアーンテリアの硬い毛は上でそろって見えるので、毛を左右に分けて地肌の線をつくらないと、根元の状態が分かりません。分けたときに、細かいものが毛の根元にしがみついているなら、そこが今の起点です。
選んだ手入れに合わせて、そのあとの毎日を組み直す
毎日のケアの中身は、選んだ手入れによって変わります。同じブラッシングでも、抜いていく手入れの子と、刈った子とでは、届かせたい深さが違います。フケを防ぐためにできることは、どちらの選択でもありますが、力の入れどころが入れ替わります。
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刈る手入れを選んだなら、根元まで指を入れる日をつくる
毛は短くても、根元には古い毛が残っています。ブラッシングを表面だけで終わらせると、そこに手が届きません。週に2〜3日でいいので、毛を左右に分けて地肌の線をつくり、指の腹で根元をなでてください。細かいものが指につくなら、そこにブラシを短く入れます。強くこすらず、同じ場所は1回にとどめます。
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抜いていく手入れを選んだなら、直後の1週間はうるおいを減らさない
古い毛が外へ出た直後は、地肌までの距離がいちばん近くなっています。風も届きますが、乾きも届きます。この時期に洗う回数を増やすと、うるおいの減り方が速くなります。洗う日を増やすより、部屋の湿度を50%前後に置くほうが、この1週間には効きます。
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そのままにしておく選択なら、風の通り道を人がつくる
手入れを入れないという選び方も成り立ちます。ただし根元は詰まりやすくなるので、1日1か所、毛を分けて地肌を見る場所を決めてください。背中、腰、脇、後ろ足のつけね、と日替わりで回します。分けたときの地肌の色と、においを覚えておくと、変化に早く気づけます。
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洗う回数は、フケの量で決めない
フケが増えると洗いたくなりますが、洗いすぎは地肌のうるおいを持っていきます。フケの量ではなく、汚れとにおいで洗う日を決めてください。洗った日は、根元まで乾かしきるところまでを1セットにします。半乾きのまま毛の間に湿気が残ると、根元にこもります。
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季節で足すのは、洗うことではなく湿度と時間
空気が乾く時期は、ブラッシングの回数を増やすより、1回にかける時間を短く区切って、日数のほうを増やすほうが続きます。3分を週2回より、1分を週5回です。加湿器を置くなら、犬が寝ている場所の高さで湿度を測ってください。人の顔の高さと、床の近くでは数字が変わります。
「11月2日、刈る手入れに変更」。この1行があるだけで、あとからフケが出たときに、時期のずれを読み取れます。ケアーンテリアの被毛は、変えた結果が翌月に出てくることがあります。その場で気づけないぶん、書いたものが手がかりになります。サロンで手入れの内容を変えたときは、次のトリミングまで持ち越して覚えておく必要がありません。
この記事でいちばん手が届きにくいのは、根元です。毛を左右に分けて地肌の線をつくったとき、その線を見ているのは、開いた手の側だけです。指を離せば、上からは硬い毛がそろっているようにしか見えません。だから、分けている数秒のあいだに何を置くかで、その日の手入れの中身が決まります。そこで置いているのが mofuwa スキンケアミスト です。使っている電解水は、水の浸透について、精製水と比べて35倍という測定値が出ています(試験条件つきの実測値)。ケアーンテリアのように上の毛が硬く、地肌までの距離があるコートでは、表面で止まらないことが、そのまま置く理由になります。コットンに含ませて、分けた地肌の線にそって当てます。当てたらすぐ閉じずに数秒そのままにして、それから毛を戻して風を通します。根元まで指を入れる日を週に2〜3日つくるなら、その同じ日に置いてください。手入れの回数を増やさずに、分けた日の中身だけが1つ増えます。
フケの量ではなく、出はじめた時期のほうを伝える
ここまでは、被毛の手入れの選び方で説明のつくフケの話でした。手入れを変えていないのに出はじめた、変えてから2か月以上たっても減らない、そういうときは別の見方に切り替えてください。皮膚の側で起きていることは、毛の手入れの話では説明できません。
- フケと一緒に、地肌の赤みやにおいがある:毛を分けたときの色とにおいを覚えておいてください
- 同じ場所だけに、繰り返し出る:全身ではなく一か所に寄っているときは、位置を記録します
- かゆがるしぐさが増えている:かく、なめる、床にこすりつける。回数と時間帯を数えます
- 毛が根元から抜けて、地肌が広く見える:手入れの選択とは別のことが起きています
- 元気や食べる量が落ちている:皮膚だけの話として見ないでください
地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家でのケアを増やす前に動物病院にご相談ください。硬い毛に覆われているぶん、地肌の変化は進んでから気づくことがあります。迷ったら早いほうを選んでください。
相談するときは、被毛の手入れを最後に変えた日と、その内容、フケに気づいた日、落ちてくる場所を伝えてください。この4つがそろっていると、手入れの選択のあとに出てきたものなのか、そうでないのかが、その場で切り分けられます。フケの量を言葉で説明するのは難しいので、黒い布に落として写した写真があれば、それも持っていってください。
ケアーンテリアのフケを、毎日のケアで防ぐという言い方をするとき、そこには前提がひとつあります。どの手入れを選んだのかが決まっていること。抜いていくのか、刈るのか、そのままにするのか。選択が決まれば、地肌の上に何が残るかが決まり、そこから毎日の重点も決まります。順番はいつも、選び方が先で、毎日のケアがあとです。手入れを変えた月には、毎日のほうも一緒に組み直してください。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
