C05犬種・猫種別ケア

ウエストハイランドホワイトテリアはなぜかゆがるしぐさが起きやすいのか。ワイヤーコートから考える

公開日 2021年11月9日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、白い剛毛の被毛をもつ小型のテリアが落ち着いて座っている
白い被毛は、気にしていた場所を色として残します。読むのは今日の様子ではなく、過ぎた日数のほうです。写真:Josh Sorenson/Pexels

前足の甲だけ、白いはずの毛が薄い赤茶色に変わっていました。左だけです。右は真っ白のままでした。ウエストハイランドホワイトテリアと暮らしていると、この色の差に気づく日があります。毛を分けて地肌を見ても、その場では赤みが見あたりません。なめているところも、掻いているところも、見ていないのです。それでも色は残っています。かゆみを感じていた時間が、毛の色として体に書き残されているからです。全身が白いこの犬種では、いつ、どこを、どれだけ気にしていたかを、あとから読み返せます。この記事では、なぜかゆがるしぐさが起きやすいのかをワイヤーコートの作りから説明したうえで、色の位置と濃さを読む手順に進みます。

硬い毛が地肌をふさぐ|ウエストハイランドホワイトテリアでかゆがるしぐさが長引きやすい理由

ウエストハイランドホワイトテリアの被毛は、表面が硬くまっすぐな毛で、その下に細く柔らかい毛が入っています。スコットランドの岩場と藪の中で働いていた犬種です。外側の硬い毛が枝や雨をはじき、内側の柔らかい毛が体温をつくる。この二層で、外の厳しさから体を守る作りになっています。

守りが強いということは、外からの当たりだけでなく、人の目や指も通しにくいということです。硬い毛は密に立っているので、上から見ても地肌が見えません。なでても、地肌の乾きや湿り気は手に伝わってきません。かゆみが始まっている場所を、人が最初に見つけられないのです。

見つけられない時間が長くなると、その子は自分でその場所を気にし続けます。なめる、噛む、床にこすりつける。かゆみそのものが強いというより、気にしている時間が積み上がっていく。ウエストハイランドホワイトテリアでかゆがるしぐさが長引きやすいのは、この時間差のほうに理由があります。

洗いすぎにも注意が要ります。かゆがるしぐさが増えると洗う回数を足したくなりますが、硬い毛の下の地肌は、洗うたびにうるおいを持っていかれます。乾いた地肌は、わずかな当たりでも気になりやすくなります。部屋の湿度が下がる季節に洗う回数まで増やすと、条件が二重に重なります。

Note見つけにくい犬種では、見つけ方のほうを変える

毎日じっと観察していれば気づけるかというと、そうはいきません。硬い毛が地肌を隠している以上、その場を見る方法では追いつかないからです。ウエストハイランドホワイトテリアには、その場を見なくても分かる手がかりがあります。それが、白い毛に残る色です。

白い毛に残る赤茶色は、今日の様子ではなく過ぎた日数の記録です

なめた場所の毛は、時間がたつと白から薄い赤茶色へ変わっていきます。噛んだ場所、前足でこすった場所も同じです。ついた直後は湿っているだけで、色はまだありません。色が出てくるのは、そのあとです。だから毛についた赤茶色は、いま起きていることではなく、少し前に起きていたことを示しています。

この時間差が、白い被毛の犬種で手がかりになります。人がその場を見ていなくても、体のほうに記録が残っているからです。留守にしていた時間も、夜眠っていた時間も含めて、どこを、どれだけ気にしていたかが、色として体に書き出されている。他の色の犬では、同じことが起きていても毛の色に紛れて読めません。

位置の読み方には、ひとつ決まりがあります。色が出るのは、その子の口が届く場所だけです。前足、後ろ足、内股、脇、しっぽ。背中の真ん中には色がつきません。背中を気にしているときは、色ではなく、床や家具にこすりつけるしぐさのほうに出ます。色が読めるのは体の一部だけだと、先に知っておいてください。

濃さは、1回の強さではなく、積み重なった回数を映します。うっすら色づいた場所は、何日か前に少し気にしていた場所。根元まで濃く染まっている場所は、何日も続いている場所です。かゆみの強さを測るのではなく、続いた長さを測っていると考えると読み違えません。

色の位置と濃さを読む|明るい窓辺で3分の手順と順番

読む手順は、毎日のブラッシングの前に組み込むと続きます。特別な道具は要りません。要るのは明るい自然光と、口の届く場所を回る順番だけです。電球の下だと、薄い色が飛んで見えなくなります。晴れた日の窓辺か、明るい玄関先で行ってください。

  1. 前足の甲、指の間から始める

    いちばん色が出やすい場所です。足をそっと持ち上げ、指と指のあいだの毛を左右に開いてください。甲の上と、指の間で、色の濃さが違うことがあります。濃いほうを起点として覚えます。左右の足を続けて見て、差があるかどうかも確かめてください。

  2. 内股、脇、しっぽのつけねを、同じやり方で開く

    口が届いて、なおかつ皮膚どうしが近づく場所です。毛を分けて、根元の色を見ます。ここは湿気もこもりやすいので、色と一緒に、においも覚えておいてください。1周まわして、色のある場所を数えます。数えるだけで、その週の広がり方が分かります。

  3. 濃さを3段階でメモする

    「うっすら」「はっきり」「根元まで」の3つで足ります。数字より言葉のほうが続きます。場所と濃さを1行で書いてください。『左前足の甲・はっきり』で十分です。写真を撮るなら、毛を分けた状態で、同じ明るさ・同じ距離で撮ると比べられます。

  4. 境目がぼやけているか、止まっているかを見る

    色のふちが白い毛へにじむように広がっていれば、いまも続いている最中です。ふちがくっきりしていて、そこから外が真っ白なら、いったん止まったあとです。広がっている場所から先に手を入れてください。止まった色は、毛が伸びるにつれて外へ出ていきます。

  5. 1週間後に、同じ場所を同じ手順で見る

    色の読み方は、1回では意味を持ちません。前回のメモと並べて、濃くなったのか、広がったのか、外側へ移動したのかを比べます。濃さが変わらず、位置だけ毛先側へずれているなら、その場所はもう気にしていません。同じ根元で濃くなっているなら、続いています。

Pointブラッシングは、色を見た場所から始める

毎日のブラッシングを、いつも背中から始めていませんか。ウエストハイランドホワイトテリアでは、色の出ていた場所を最初に触る順番にしてください。体力も集中力も、始めの1分がいちばん残っています。硬い毛を分けて根元まで届かせる作業は、後半に回すと雑になります。順番を変えるだけで、届く深さが変わります。

色を読んだあとに家でできることは、地肌のうるおいと風の通りを戻すことに絞られます。毛を分けて根元まで指を入れ、湿気がこもっていないかを確かめる。洗った日は、根元まで乾かしきる。部屋の湿度は、その子が寝ている高さで測る。気にする時間が長引きにくい条件を、毎日の側からそろえていくという組み方です。

毎日のブラッシングの前に入れる一手が、mofuwa グルーミングスプレーです。布に含ませ、色を見た場所から毛の表面をなでてから始めると、硬い毛の滑りがそろって、道具が根元まで入ります。ウエストハイランドホワイトテリアで手数がかかるのは、硬い毛を分けて地肌まで届かせるところなので、滑りがそろっているかどうかで3分の中身が変わります。色のついた場所に直接吹きかけて、湿ったままにしないでください。

グルーミングスプレーは、舐めても問題のない基準でつくられているので、量を気にせず使えます。前足の甲や指の間は、その子が口をつける場所です。洗う回数を足すと地肌のうるおいまで持っていかれるので、毎日きれいにしておきたい場所は、道具を持つ前のこの一手で回していくほうが無理がありません。

白い毛につく色には、その子がつけた跡と、外からついた色があります

白い被毛は記録をよく残しますが、記録が多すぎるという困りごともあります。かゆみと関係のない色も、同じように残るからです。ここで読み違えると、気にしていない場所を毎日触ることになります。手順がつまずくのは、たいていこの3か所です。

白い毛についた色を、出どころで見分ける
その子がつけた跡外からついた色
色の始まり毛の根元から毛先へ向かう毛の表面や毛先だけにつく
出る場所口の届く範囲に限られる口が届かない場所にも出る
形面としてにじむ線や点、まだらになりやすい
洗ったあとすぐには落ちないその日のうちに落ちることが多い
よくある出どころなめる、噛む、前足でこする食器のふち、散歩の土、寝床の色移り
読み方濃さと境目を追う同じ日に他の場所も見て確かめる

つまずきの1つ目は、口のまわりです。ここは食器に当たる場所でもあり、よだれの通り道でもあります。口のまわりの色だけで、かゆみの話を組み立てないでください。あごの下と、口角の外側を見比べて、外側にも同じ色があるかを確かめます。

2つ目は、前足の指の間です。散歩から帰った日は、土の色が入っています。土は毛の表面に乗るので、根元を開くと白いままのことが多い。読むのは根元の色です。散歩のあとに足を拭く習慣があるなら、拭いた翌日に見ると読み違えにくくなります。

3つ目は、洗いすぎです。色を落としたくて洗う回数を増やすと、地肌のうるおいが減って、かゆがるしぐさのほうが増えることがあります。色は、落とすものではなく読むものです。いったん止まった色は、毛が伸びるにつれて外へ出ていきます。落とすより、これから伸びてくる毛に色がつかない条件をつくるほうが早く終わります。

Caution色を落とすために、こすらない

赤茶色の跡をきれいにしようとして、同じ場所を強くこするのは避けてください。硬い毛の下には、すでに気にしていた地肌があります。こすれば、その地肌にさらに当たります。人用の洗浄剤や漂白の作用があるものを毛につけるのも避けてください。色は時間と毛の伸びで外へ出ていきます。

1週間で色がどれだけ広がったか|家で読み続ける範囲の線引き

ここまでは、白い毛の色を手がかりに読む話でした。色の濃さや広がりが、1週間ごとに目に見えて進んでいるときは、家で読み続ける段階ではありません。ウエストハイランドホワイトテリアのかゆみは、地肌が硬い毛に隠れているぶん、変化が進んでから気づくことがあります。

Caution色ではなく、地肌のほうを先に見てほしいとき

地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、眠れないほど気にしている、元気や食欲が落ちている。どれかに当てはまるときは、色を読む手順を続けるより先に動物病院にご相談ください。1週間ぶんのメモがあれば、それだけで相談は成り立ちます。

受診のときは、色のある場所、濃さの3段階、いつからその色に気づいたか、1週間前と比べてどう変わったかを伝えてください。白い被毛は、この4つを言葉にしやすい犬種です。毛を分けて撮った写真を、同じ明るさで数枚持っていくと、経過がそのまま伝わります。色を落としてから行く必要はありません。落としてしまうと、読める情報が消えます。

ウエストハイランドホワイトテリアと暮らすうえで、白い被毛は手入れの手間でもあり、同時にいちばん分かりやすい手がかりでもあります。その場を見ていなくても、体のほうが記録を残してくれる。硬い毛が地肌を隠すぶん、この記録を読む習慣が効いてきます。毎日のブラッシングの前に3分。色の位置と濃さを見て、広がっている場所から手を入れる。それだけで、気づくまでの日数がずいぶん縮まります。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

商品ページを見る

よくある質問

ウエストハイランドホワイトテリアの毛が赤茶色になるのは、汚れですか?
外からついた汚れのこともありますが、その子自身がなめたり噛んだりした跡として残ることもあります。見分けは色の始まりで、根元から毛先へ向かって色がついているなら、その子がつけた跡です。表面や毛先だけに乗っている色は、外からついたものであることが多くなります。
色を落とせば、かゆみも落ち着きますか?
色は結果として残ったもので、原因ではありません。落とそうとして同じ場所をこすると、気にしていた地肌にさらに当たることになります。いったん止まった色は、毛が伸びるにつれて外へ出ていきます。落とすことより、毛を分けて地肌の湿り気と乾きを確かめるほうを先にしてください。
背中を気にしているようですが、色が出ません。どう見ればいいですか?
色が残るのは、その子の口が届く範囲だけです。背中の真ん中には出ません。背中のときは、床や家具にこすりつけるしぐさ、体をよじる回数、寝ている姿勢の変化を数えてください。地肌が赤い、においがある、毛が抜けているといったときは、動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。