C12Q&A・豆知識

界面活性剤とは?水と油をつなぐ分子

公開日 2021年11月19日|文=mofuwa編集部

明るく清潔な部屋で、淡い色の敷物の上に落ち着いて寝そべっている淡い色の犬
水と油は、放っておけば混ざりません。その境目で仕事をしている分子の話です。写真:Iza Ponchie/Pexels

皿に残った油は、水をいくらかけても流れないのに、洗剤を一滴落とすと水が白く濁って一緒に流れていきます。あの白い濁りをつくっているのが界面活性剤です。界面活性剤とは、水になじむ部分と油になじむ部分を両方もつ分子です。名前にある「界面」は、水と油のように混ざらないもの同士が接している面のことを指しています。ここまでは、辞書に書いてあるとおりです。この記事で書きたいのは、その先にある一行のほうです。界面活性剤は、汚れを落とすものというより、水と油をつなぐものだということ。つないでいるだけなので、つなぐ相手を選びません。落としたい脂も、残しておきたい脂も、同じように水の側へ運ばれていきます。犬や猫の皮膚の上では、その2種類の脂が同居しています。この記事では、定義から、役割をどう考えるか、洗ったあとに何が変わるか、そして選んでつなぐという発想の背景まで、順に開いていきます。界面活性剤を悪者にする話ではありません。役割の話です。

界面活性剤とは、水になじむ部分と油になじむ部分を両方もつ分子のこと

定義から書きます。界面活性剤とは、水になじむ部分と油になじむ部分を両方もつ分子です。この一文が、この言葉のほとんど全部です。水になじむ側だけを持つ物質はたくさんあります。油になじむ側だけを持つ物質もたくさんあります。両方を、1つの分子の中に同時に持っているところが、この物質だけの特徴になります。

名前のほうも読んでおきます。「界面」とは、混ざらないもの同士が接している面のことです。水と油を同じコップに入れると、上下に分かれて、まっすぐな境目ができます。あの境目が界面です。「活性」は、その面の性質を変えるはたらきを指しています。つまり界面活性剤とは、水と油の境目の性質を変える物質、という意味の名前です。汚れという言葉も、洗うという言葉も、名前の中には入っていません。

形については、マッチ棒にたとえられることが多い物質です。頭の側が水になじむ部分、細い尾の側が油になじむ部分。頭を水のほうへ、尾を油のほうへ向けて、境目にずらりと並びます。油の粒を尾で囲んで、頭を外側に向けた小さな球ができることもあり、この状態はミセルと呼ばれています。ここまでは、化学の教科書に載っているとおりの話です。

一覧を見て気づくのは、落とすために使われているものと、混ぜたままにしておくために使われているものが、同じ名前で並んでいることです。乳液は何も落としていません。マヨネーズも落としていません。それでも同じ物質の名前が出てきます。ここが、次の話への入口になります。落とすことは、この分子がやっている仕事の一面でしかありません。

犬や猫のケア用品にも、この分子は入っています。シャンプーが泡立つのも、汚れが水と一緒に流れていくのも、この分子のはたらきです。毎日のケアで手に取るものの裏面に、それらしい名前が並んでいるのを見たことがあると思います。言葉を知る値打ちは、その名前を怖がるためではなく、そこで何が起きているかを言えるようになるところにあります。

落とすものではなく、つなぐもの|界面活性剤の役割をめぐる考え方

洗剤の説明には、たいてい「落とす」と書かれています。ところが、分子の側でやっていることを言葉にすると、「つなぐ」のほうが正確になります。水になじむ側で水をつかまえ、油になじむ側で油をつかまえて、本来なら別々でいたはずの2つを、1つの分子が両端で持っている。落とすというより、手をつながせている、という絵になります。

ここで大事なのは、油そのものは分解されていないということです。油は油のまま、性質も変わらないまま、水の側へ移されています。皿の上から消えたように見えるのは、水と一緒に流れていったからです。「落ちた」というのは、実際には「運ばれた」ということです。運ばれた先が排水口なので、こちらからは消えたように見えます。

油が水の側へ移るまでの道すじ 分子の尾が油をつかまえ、頭が水の側を向きます。油はそのままの姿で、水と一緒に流れていきます。何かが壊れたり消えたりしているわけではありません。 油 皿の上 分子 両はし 水 流れる 尾でつかむ 頭が水側へ 「落とす」と読んだとき 油が分解されたと感じる そこで話が終わってしまう 「つなぐ」と読んだとき 油はそのまま水の側へ移る つなぐ相手の話に続く
落ちるという言葉が指しているのは、この移動のことです。
同じ場面を、2つの言葉で言い直す
よく使う言い方分子の側で起きていることそう読み直すと出てくる問い
油汚れを落とす油を水の側へ移す移した先はどこか
洗浄力が強いつなぐ力が強い、またはつなげる相手が多い何をつなげているのか
よく泡立つ空気と水の境目にも分子が並んでいる泡の量と、つなぐ力は別か
すすぎ残しがある運ばれきらなかった分子が残っているどれだけの水で流すのか
混ざらないものが混ざる水と油が分かれずに共存している落とす話ではない場面もある

表の3行目に、少し説明を足します。泡は、仕事の結果であって、仕事そのものではありません。泡が立つのは、水と空気の境目にも同じ分子が並ぶからです。だから、泡が多いことと、油を水の側へ移す力が強いことは、必ずしも一致しません。毎日のケアで泡の量を手がかりにしている人は多いはずですが、泡の量では、つなぐ力を測れません。

この考え方を持って製品の説明を読み直すと、書かれている内容の位置が変わります。「よく落ちる」という文は、「何を、どこへ、どれだけ運ぶか」という文に置き換えられます。置き換えたあとの文には、運ばれる側が何なのかという問いがついてきます。次のセクションで書くのは、その運ばれる側の話です。皿の上と、犬や猫の皮膚の上とでは、そこに乗っているものの中身が違います。

つなぐ相手を選ばないという性質|洗ったあとの変化がどこから来るか

分子には、判断する仕組みがありません。これは落とすべき汚れだ、これは残すべき膜だ、という区別を、分子の側は持っていません。油になじむ側がつかまえるのは、油になじむものであれば何でも同じです。相手を選ばないというのは、性能が低いという意味ではありません。相手を選ばないからこそ、どんな油汚れにも同じように使えます。

問題は、使う場所によって、そこに何が乗っているかが違うことです。皿の上に乗っているのは、たいてい落としたい油だけです。残しておきたい脂は、皿の上にはありません。だから、選ばないほうがむしろ都合がよく、速く終わります。ところが、犬や猫の皮膚と被毛の上では、2種類の脂が同居しています。

5つとも、化学の言葉でいえば油になじむ側の物質です。分子から見れば、同じ相手です。だから、時間のたった皮脂だけを狙って運んでいくということが、原理のうえでは起きにくくなります。上の2つを運ぶときに、下の3つも一緒に少し動きます。ここが、この言葉を知ったときに見えてくる場所です。

同じ性質が、場所によって意味を変える つなぐ相手を選ばないという性質は、皿の上では利点になります。犬や猫の皮膚の上では、そこに残しておきたいものがあるぶん、意味が変わってきます。 良し悪しではなく、場所の条件の話をしています 皿の上 乗っているのは油だけ 残しておきたい脂がない 選ばないほうが速く終わる 流す水の量に制限がない あとに何も残さなくてよい 皮膚と被毛の上 2種類の脂が同居している 膜の側は残しておきたい 選べたほうが都合がいい 流せる水の量に限りがある 乾く時間まで含めて考える 同じ分子が、場所を変えると別の顔に見えるのはこのためです
性質は同じです。変わっているのは、その下に何が乗っているかのほうです。

洗ったあとに出てくる変化も、この線から読み直せます。乾くのが早く感じる、地肌に粉が出る、数日でべたつきが戻ってくる。こうした変化は、強い洗剤を使ったから起きた、と読むより、運ぶ相手を選べていないから起きた、と読むほうが、次にやることが決まります。強さを下げる話ではなく、運ばれる中身を分ける話になるからです。

回数の話にもつながります。洗うたびに膜の側も少し動くのなら、洗う回数そのものが条件の1つになります。毎日のケアの中で、水を使う日と使わない日を分けておく理由は、ここにあります。この分け方は、洗うことを避けるためのものではありません。運ばれる量を、こちらで決めるためのものです。

Caution皮膚と被毛の変化は、言葉の定義では判断できません

地肌の赤み、脱毛、粉が急に増えた、同じ場所をなめ続けている、においが急に変わった、触らせてくれない。こうした変化があるときは、成分の名前を調べる前に動物病院にご相談ください。界面活性剤という言葉を知っておく値打ちは、家で判断するためではなく、何を記録して持っていけばいいかが分かるところにあります。使ったものの名前、洗った日、乾かし方。この3つを書いておくと、相談の場で切り分けてもらえます。

選んでつなぐという設計の背景|犬と猫の毎日のケアで積める経験

ここまでで、界面活性剤は相手を選ばない、という話をしてきました。選ばないことが前提なら、選ぶという発想がありうる。洗う側の道具には、昔からこの注文がついてきました。動かしたい脂だけを動かして、残したい脂は置いていく。同じ「脂」に対して、違う扱いをしてほしい、という注文です。

この注文に、測って答えようとした検証があります。ワンテンスの高機能性電解還元水では、皮脂に近い性質をもつごま油を使って、洗浄力を比べる試験が行われました。比べたのは、水道水とごま油、飲料用のアルカリイオン水と油、高機能性電解還元水とごま油の3条件です。東洋ビューティー/ウェーブコーポレーション調べによるもので、油がどれだけ乳化するかを見る形になっています。

ごま油を使った洗浄力の比較検証で見ているもの
見ているところ内容読むときの条件
何と比べたか水道水/飲料用アルカリイオン水/高機能性電解還元水の3条件比較の相手が3つ示されている
何を落とすと決めたか皮脂に近い性質をもつごま油泥や色素の話ではない
どう変わるか油がどれだけ乳化するかで比べる乳化=水の側へ移れる状態になること
何を残すと見たかセラミド・スクワランは落とさず、オレイン酸を選択的に乳化残す側と動かす側を分けている
誰が調べたか東洋ビューティー/ウェーブコーポレーション調べ検証条件のもとでの結果

この考え方は選択的乳化と呼ばれています。残しておきたい側は動かさず、動かしたい側だけを水になじむ状態へ持っていく、という選び方です。相手を選ばない道すじに対して、選ぶ側に立った道すじがある、という話です。これは検証条件のもとで確かめられた洗浄の性質についての話であって、皮膚や被毛の状態がどうなるかを言うものではありません。

もう1つ、この検証の背景にある数字にも触れておきます。飲料用のアルカリイオン水は、投入した水のうち電気分解を受けた割合——これを電解効率と呼びます——が約20%程度にとどまるとされ、乳化やけん化はほとんど起きません。ワンテンスの高機能性電解還元水は、この割合がほぼ100%です。上の表で3条件を並べていたのは、同じ「水」という言葉で呼ばれているものの中身が、この割合によってまったく違うからです。

ここで線を1本引いておきます。界面活性剤を使わないほうが優れている、という話ではありません。通っている道すじが違う、というだけの話です。界面活性剤は、1つの分子が両端で水と油をつかまえて運びます。電解水のほうは、分子を橋渡しに使わずに、水そのものの性質の側で油に働きかけます。界面活性剤フリーだから安心ですという言い方は、この2つを同じ物差しに乗せてしまうので、使いません。物差しが違うものは、優劣で並べられません。

毎日のケアの側に落とします。mofuwa グルーミングスプレーは、ここまで書いてきた「選ぶ側の道すじ」を、そのまま毎日のケアに置いた1本です。特許を取得した高機能性電解還元水を使い、無香料・界面活性剤不使用。分子を橋渡しに立てないので泡は立ちませんが、ここまで読んだあとなら、泡の量はつなぐ力の大きさとは別の話だと分かります。ブラッシングの前や、散歩から帰ったあとの足まわりに、布に含ませて一往復。動かしたい脂と置いておきたい脂が同じ皮膚の上に並んでいる、という前提から出発している道具なので、毎日くり返す前提で棚に置けます。地肌のほうに直接なじませたいときは、同じく界面活性剤を使っていない mofuwa スキンケアミストがあります。グルーミングスプレーは毛の上を一往復で通り、スキンケアミストは気になる一点にとどめて置く。どちらも、分子に橋渡しをさせない側の道具です。

最後に、この言葉を知ったことで明日から変わることを2つ書いておきます。1つは、泡の量で判断しなくなること。泡は境目に分子が並んだ結果で、運ぶ力の大きさとは別の話でした。もう1つは、「洗い流すもの」と「置いていくもの」を分けて考えるようになること。洗い流すものは、運んだあと自分も流れていく前提で作られています。置いていくものは、そこに残る前提で作られています。同じ棚に並んでいても、この2つは役割が違います。

定義に戻ります。界面活性剤とは、水になじむ部分と油になじむ部分を両方もつ分子。やっているのは落とすことではなく、つなぐこと。そして、つなぐ相手を選ばない。この3行を覚えておくと、犬や猫の毎日のケアで手に取るものの説明が、少しだけ立体的に読めるようになります。悪いものだと決めつける必要はありません。どこで、何を、どちらへ運んでいるのか。それを言えるようになれば十分です。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。