C05犬種・猫種別ケア
ブルテリアのケア|かゆがるしぐさを減らす3つの習慣
朝、毛布をめくると、ブルテリアがもぐり込んだままの形で出てきます。体を何かに押しつけて眠る子が多い犬種で、しかも毛が極端に短いので、押しつけていた面の硬さが、そのまま地肌まで伝わります。だからかゆみを考えるときも、この犬種ではまず、昨夜どの面で寝ていたかが先に来ます。毛の層をクッションとして持っている犬種とは、同じ床で同じ時間眠っても、皮膚に当たっている力が違うからです。変えられるのは、体のほうではなく面のほうです。この記事では、硬い面で寝た日とやわらかい面で寝た日を比較して、かゆがるしぐさの出る場所が下になっていた側と一致するかどうかを見る方法と、そこから組み立てる3つの習慣をまとめます。
ブルテリアの被毛は、皮膚のクッションになっていません
ブルテリアの背中に手のひらを置くと、毛の感触より先に、皮膚の温度が返ってきます。この犬種の被毛は極端に短く、硬く、体にぴたりと寝ています。指を立てて分けようとしても、分かれるほどの長さがありません。被毛と地肌のあいだに、厚みがないということです。
毛が担っている役目のひとつは、外から当たるものと皮膚のあいだに入ることです。長い毛や下毛を持つ犬種では、体と床のあいだに毛の層が挟まります。当たった力は、その層の中で少し散ります。ブルテリアには、この散らす層がほとんどありません。当たった力は、散らずにそのまま地肌へ届きます。
そこへ、この犬種の眠り方が重なります。ブルテリアには、体を何かに押しつけて眠る子、布の下にもぐって出てこない子が多くいます。しかも体つきががっしりしていて、体重のわりに体が密です。長い時間、同じ側を下にして、強く押しつけている。こうなると、下になっていた面が何だったかで、地肌に届いた力が大きく変わります。
- 毛が短い:体と床のあいだに、力を散らす層が入りません
- 体が密で重い:同じ面積に、かかる力が集まりやすくなります
- 押しつけて眠る:接している時間が、1日のうちで長くなります
- もぐる子が多い:もぐった先の面が、実際に当たっている面になります
だからブルテリアのかゆみを考えるときは、体のどこかに原因を探しにいく前に、その子が何の上で寝ていたかを見ます。肘や肩、腰のあたりのように、もともと出っぱっている場所には力が集まりやすいのですが、それより先に効いてくるのは、下になっていた側がどちらだったかのほうです。今日は右を下にしていた、昨日は左だった。この差が、そのまま出る場所の差になります。
後ろ足でかく動きだけを数えると、取りこぼします。なめる、噛む、床やソファの角に体をこすりつける、寝ている途中で急に起き上がる。ブルテリアは体が大きく、後ろ足が届かない場所ではこすりつけるほうを選びます。しぐさの種類より、そのしぐさがどこに向かっていたかを覚えておいてください。あとで、下になっていた側と突き合わせます。
硬い面とやわらかい面、どっちで寝た日か|ブルテリアのかゆみを分ける条件
同じ子、同じ季節、同じ食事でも、寝ていた面が違えば条件が入れ替わります。硬い面というのは、フローリング、タイル、玄関の土間、薄いマット。やわらかい面というのは、厚みのある敷物、たたんだ毛布、沈むタイプのベッド。この2つを分けて、朝の様子を比較してみてください。
| 見るところ | 硬い面で寝た日 | やわらかい面で寝た日 |
|---|---|---|
| 地肌に届く力 | 接している一部分に集まる | 体の面全体に散る |
| 起きた直後の跡 | はっきり残り、消えるまで数分かかる | 跡がつかないか、すぐ消える |
| しぐさが出る場所 | 下になっていた側に寄る | 決まった側に寄らない |
| 出る時間帯 | 起きてすぐ、動き出す前 | 時間帯がばらける |
| 左右の差 | 日によって左右が入れ替わる | 左右の差が出にくい |
| 空気が乾いた日 | 同じ場所が続けて出る | 日によって場所が変わる |
| 確かめ方 | 下になっていた側を上にして見る | しぐさの回数だけを数える |
どっちがよい、という表ではありません。読み取ってほしいのは、しぐさの出た場所と、下になっていた側が一致しているかどうかです。一致していれば、面の硬さで説明のつく範囲にいます。一致していなければ、面を変えても場所は動きません。この見分け方ひとつで、次に何を試すかが変わります。
季節も、この比較に絡んできます。暑い時期のブルテリアは、ひんやりする硬い面を自分から選びます。玄関の土間、洗面所の床、日の当たらない廊下。夏は、硬い面で寝ている時間が自然に伸びます。反対に寒い時期は、もぐれる場所へ移ります。季節が変わったときに出方が変わったなら、体の側ではなく、寝る場所が移ったことを先に疑ってください。
湿度も条件のひとつです。空気が乾く時期は地肌のうるおいが下がり、同じ面で寝ていても出方が強くなることがあります。ここで注意したいのは、乾いているからといって洗う回数を増やさないことです。洗いすぎは、地肌のうるおいをさらに減らす方向にはたらきます。湿度が下がる時期にやることは、洗う回数を増やすことではなく、寝る面を見直すことのほうです。
ブルテリアは白い被毛の子が多く、跡がついていても写真では薄く写ります。手のひら全体を当てて、まわりより温かい場所を探すほうが確実です。指先ではなく、手のひらの中央から手首寄りの面を使ってください。わずかな差を拾えます。左右を続けて当てて比べると、片側だけ違うことに気づきやすくなります。
習慣1|触るのは犬ではなく、長く当たっている面のほう
3つの習慣は、続く間隔がそれぞれ違います。1つ目は、一度決めてしまえば毎日やることのない習慣です。手を入れる相手も、犬ではなく部屋のほうになります。
まず、その子が長く寝ている場所を数えてください。家の中に3つも4つも寝床があると、昨夜どの面だったのかが読めなくなります。いちばん長く使っている場所をひとつに決めて、そこだけを整えます。残りをなくす必要はありません。読む対象をひとつにする、という意味です。
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手のひらを押しつけて、沈み方を確かめる
体重をかけて押したときに、指の第一関節が沈むくらいを目安にしてください。まったく沈まないものは硬すぎます。逆に手首まで沈むものは、体が傾いて別の場所へ力が集まります。ブルテリアは体が重いので、人の手で沈まないものは、その子の下でも沈みません。
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もぐる子は、もぐった先の面も同じにする
毛布の下に入る子では、実際に地肌が当たっているのはその下の面です。上に毛布をかけても、下がフローリングのままなら条件は変わりません。上ではなく、下を替えてください。
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季節が変わったら、一度だけ見直す
夏に硬い面を選ぶようになったら、その場所のほうへ薄い敷物を足します。冷たさを取り上げてしまうと、その子は別の硬い場所へ移るだけです。選んでいる場所を否定せず、そこに一枚足すほうがうまくいきます。年に2回、季節の変わり目だけで足ります。
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洗う回数は、この習慣に含めない
かゆがるから洗う、という順番にすると回数が増えていきます。ブルテリアは毛が短いので、汚れた場所だけを拭けば済む日が多い犬種です。全身を洗う回数は、汚れた日数で決めてください。洗いすぎは、地肌のうるおいを減らす方向にはたらきます。
洗う回数を増やさずに毎日やれることは、習慣2の朝のひとなでと同じ時間に入ります。順番だけ守ってください。先に手のひらで跡と温かい場所を確かめて、そのあとに使う。逆にすると、濡れた地肌では温度の差が拾えなくなります。確かめ終わってから、mofuwaのグルーミングスプレーを下になっていた側へ行き渡らせ、ラバー製のブラシを毛の向きに沿って動かします。ブルテリアの毛は短いので水分が表面で止まり、朝の数十秒のうちに乾きます。
舐めても問題のない水でできているところが、この犬種とは相性のいい点です。ブルテリアは体をこすりつけたあと、同じ場所をそのままなめます。なめる前提で置けるものかどうかが、毎朝使えるかどうかを決めます。量を気にしなくていいので、肘や肩のように力が集まる場所には、たっぷりかけてかまいません。ただしグルーミングスプレーを足しても、全身を洗う回数は汚れた日数で決める——習慣1の4番目は動かさないでください。
寝る面と洗う回数と道具を、同じ週に全部変えてしまうと、何が効いたのか分からなくなります。変えるのは一度にひとつだけ。ブルテリアのかゆみは日によって波があるので、2〜3日では判断できません。2週間ほど同じ条件で置いてから、次を考えてください。
習慣2と習慣3|起きた直後のひとなでと、面を1行だけ残す記録
2つ目は毎日の動作、3つ目は書き残す作業です。どちらも短く、片方だけでは意味が薄い。この2つは組みで使ってください。
習慣2は、朝いちばんに行います。起き上がる前か、起きた直後に、下になっていた側を上にして、手のひら全体で毛の向きに沿ってなでる。探すのは、まわりより温かい場所と、跡が残っている場所の2つだけです。時間が経つと跡は消えてしまうので、この習慣は朝でなければ成り立ちません。夜に同じことをしても、当たっていた面の情報は残っていません。
ブラッシングを組み込むなら、この朝の時間がいちばん収まります。ブルテリアの被毛は短いので、ほどく作業はありません。ラバー製のように面で当たるものを、毛の向きに沿って軽く動かすだけで足ります。ブラッシングをしながら、もう片方の手のひらを地肌に当てる。こうすると、なでる工程を別に取らずに済みます。
習慣3は、かゆがった日だけの記録です。毎日書く必要はありません。書くのは3つ、日付、下になっていた面、しぐさが向かっていた場所。1行です。「11/14 フローリング 右の肘」で足ります。これを2週間ためると、一致している日と、一致していない日が並びます。
| 並んだ形 | 読めること | 次に動かすもの |
|---|---|---|
| 硬い面の日にだけ、同じ側に出る | 面の硬さで説明がつく範囲 | 寝る面を替えて、2週間置く |
| 面を替えても、同じ場所に出る | 下になっていた側とは無関係 | 動物病院で相談する材料にする |
| やわらかい面の日にも出るが場所が動く | 面以外の条件が混ざっている | 季節と湿度の変化を書き足す |
| 書く日が週に増えていく | 回数そのものが増えている | 様子見の期間を延ばさない |
この表がそのまま、次の一手を選ぶための見分け方になります。並べてみるまでは、どっちなのか分かりません。覚えていられる、と思っていても、1週間前にどの面で寝ていたかは思い出せないものです。1行だけなので、続きます。
1つ目は季節に一度の見直し、2つ目は毎朝の数十秒、3つ目はかゆがった日だけ。3つとも毎日にすると、どれも中途半端になって続きません。間隔が違うからこそ、忙しい週でも2つ目だけは残ります。ブルテリアのかゆみは日ごとの波があるので、長く続く形にしておくほうが、結果として多くのことが分かります。
寝る面を変えても、しぐさの場所が動かないとき
ここまでは、下になっていた面の硬さで説明のつくかゆみの話でした。面を替えて2週間置いても場所が動かないなら、この記事の範囲を出ています。次のようなときは、家で条件を替え続けるより、動物病院に相談するほうが早く進みます。
- やわらかい面に替えても、同じ場所に出る:下になっていた側では説明がつきません
- 下になっていない側にも、同じように出ている:当たっている力の話ではないということです
- かゆがるしぐさが、日に日に増えている:増え方が速いときは、様子見の期間を延ばさないでください
- 同じ場所をなめ続けて、毛が薄くなってきた:被毛の量の変化は、家では追いきれません
- 赤みが引かない、においがある、じくじくしている:手ざわりだけで判断しないでください
- 触ると痛がる、体をこわばらせる:なでる手を、その場で止めてください
地肌の赤みが引かない、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が薄くなってきた、元気や食欲が落ちている。この並びのどれかが出ていたら、面を替えながら様子を見るのはそこで打ち切って、獣医師に診てもらってください。ブルテリアは毛が短いぶん、地肌の変化が早く目に入ります。気づけたことを、そのまま持って行ってください。
相談に行くときは、習慣3で書いた1行をそのまま持って行きます。いつから、どの面で寝た日に、どの場所に出たか。この並びは、診察室で見えている状態だけでは分からない経過を伝えます。白い被毛の子なら、明るい窓際で撮った写真も役に立ちます。当日に洗ってから行くのはやめてください。洗うと、赤みの出ている範囲も跡の残り方も伝わらなくなります。
ブルテリアの毛の短さは、この犬種の体そのものです。変えることはできませんし、変える必要もありません。変えられるのは、その体が毎晩どんな面に押しつけられているかのほうです。面をひとつに決めて、朝にひとなでして、かゆがった日だけ1行残す。3つの間隔が違うからこそ、この組み合わせは長く続きます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
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特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- ブルテリアのかゆみは、寝床を替えれば減りますか?
- 下になっていた側としぐさの場所が一致している日が多いなら、面を替えることで出方が変わる範囲にいます。まず2週間、同じ条件で置いてみてください。替えてもしぐさの場所が動かないときは、面の硬さでは説明がつかないので、動物病院にご相談ください。何をいつ替えたかを1行残しておくと、そのまま相談の材料になります。
- 毛が短いので、ブラッシングはあまり必要ないと思っていました。
- ほどく作業という意味では、ほとんど必要ありません。ブルテリアでブラッシングが役に立つのは、地肌に手を近づける口実になるからです。ラバー製のように面で当たるものを毛の向きに沿って動かしながら、もう片方の手のひらを当ててください。温かい場所や跡の残り方を、毎朝ついでに拾えます。
- 空気が乾く季節だけ、かゆがることが増える気がします。
- 乾く時期は地肌のうるおいが下がるので、同じ面で寝ていても出方が変わることがあります。ここで洗う回数を増やすと、洗いすぎで地肌のうるおいがさらに減る方向へ進みます。増やすのではなく、その季節にどこで寝ているかを見てください。夏にひんやりした硬い面へ移る子も、冬にもぐる子もいます。寝る場所が移った時期と重なっていないかを、先に確かめます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
