C09シーン別・暮らし

犬と猫の同居を楽にする、大型犬と暮らす人の毎日の習慣

公開日 2022年1月15日|文=mofuwa編集部

淡い色の床に大きな白っぽい犬が寝そべり、その上の棚にクリーム色の猫が座っている
同じ部屋にいても、体のある高さが違います。床に残るものと、高い場所に残るものは別のものです。写真:Helena Jankovičová Kováčová/Pexels

帰宅後の居間で、大型犬は床のいちばん真ん中に伸びて寝ていて、猫は本棚の上からそれを見下ろしていました。距離にすると、水平には1メートルも離れていません。けれど垂直には、1メートル以上あります。犬と猫の同居というと、仲がいいかどうか、追いかけないかどうかの話になりがちです。ただ、大型犬と暮らしている家で毎日効いてくるのは、性格よりも体格差のほうです。片手で持ち上がらない体は、自分で選んだ場所から動きません。その結果、犬は下、猫は上、という住み分けが室内に固定されます。この記事は、犬と猫の同居を高さで分けて考えると毎日の手当てがどう変わるか、という読みものです。

同じ居間にいて、目線が1メートル離れている|大型犬と猫の同居で毎日する経験

犬と猫の同居がうまくいっている家ほど、この場面が毎日くり返されます。大型犬は床にいて、猫は床より高いところにいる。それぞれが好きな場所にいるだけなので、こちらは何も困っていません。困っていないので、その高低差が室内の条件を決めていることに、しばらく気づきません。

帰宅後の順番も毎回同じです。玄関の扉を開けると、まず大型犬が来ます。体重があるぶん足音が先に届き、こちらが靴を脱ぐ前に玄関へ体が入ってきます。猫は、そこには来ません。廊下の棚の上か、居間の窓辺の高い場所から、こちらが上がってくるのを待っています。犬と猫の同居では、この「迎え方の高さの違い」が毎日の最初の場面になります。

居間に入ると、大型犬は床に伏せます。体高のある子が伏せると、背中の高さは30センチ前後。立ち上がると、背中が70センチ近くまで上がります。テーブルの天板とほぼ同じ高さです。つまり大型犬が体で触れているのは、床から70センチまでの帯ということになります。この帯より上に、その子の体が入ることはほとんどありません。

猫のほうは逆です。床にも降りてきますが、1日のうち長い時間を、床より高い場所で過ごします。犬と猫の同居では、この傾向がさらに強く出ます。大型犬の体が届かない高さが、猫にとっては落ち着ける条件になるからです。ソファの背もたれ、本棚の上、冷蔵庫の上、窓辺の細い台。うちの子はどこが好きか、と思い返すと、たいてい床から1メートルより上に集まっています。

Note仲の良し悪しの話ではありません

犬と猫の同居の記事は、たいてい相性や慣らし方の話になります。ここで書いているのは、うまくいったあとの、毎日の室内の話です。2頭が落ち着いて暮らせている家でも、高低差そのものは消えません。大型犬は自分で高い場所へ上がりませんし、猫は自分で高い場所を選びます。仲が良くなるほど、それぞれが自分の高さでくつろぐ時間が長くなります。

犬の跡が床に、猫の跡が高い場所に残る背景|大型犬との同居で室内が上下に分かれる理由

高さが分かれると、体が持ち込んだものの落ちる場所も分かれます。犬が外から持ち帰ったものは床に、猫が室内で移したものは高い場所に残ります。これが、犬と猫の同居で掃除の手が足りなくなる背景です。同じ部屋を掃除しているつもりで、実際には片方の高さしか触っていないことがあります。

犬の側から見ます。散歩から帰った大型犬の体で、外のものが乗っているのは足の裏、指のあいだ、おなか、胸、尾のつけ根。どれも、体のいちばん下の面です。体が大きいぶん、地面に近い面の面積も広くなります。帰宅後にその子が居間まで歩けば、その面に乗っていたものは、通り道の床へ順に置かれていきます。さらに、大型犬は壁ぎわを歩くときに体側を壁にこすります。床から40〜60センチのあたりに、うっすらとした帯ができるのはこのためです。

猫の側は、外のものをほとんど持ち込みません。室内で暮らしていれば、運んでいるのは自分の毛と皮脂です。猫は高い場所へ上がるときに、必ずどこかへ体重をかけ、顔をこすりつけます。棚の角、扉のふち、窓枠、階段の手すり。犬と猫の同居で「なぜここだけ黒ずむのか」と思う場所は、たいてい猫の顔の高さにあります。床の掃除をどれだけ丁寧にやっても、この帯には手が入りません。

高さの帯ごとに、誰の跡が残っているか
床からの高さそこにいるのは残っているもの
0〜30センチ大型犬が伏せている帯外から持ち帰ったもの。足跡と抜け毛
30〜70センチ犬が立つ/猫が座る帯両方の跡が重なる。ソファと椅子の座面
40〜60センチの壁ぎわ大型犬の体側が当たる帯こすれた跡。毛と皮脂が線状に残る
70センチ〜1メートル猫が通る帯肉球の跡と、顔をこすった跡
1メートルより上猫だけの帯抜け毛。人の目が届かないぶん、時間がたっている
犬の側と猫の側で、残る場所が分かれます 大型犬は床から70センチまでの帯で暮らし、外から持ち帰ったものを床に置いていきます。猫は床より高い帯で暮らし、自分の毛と皮脂を棚や扉のふちに残します。重なるのは座面の高さだけです。 重なるのは、床から40〜70センチの帯だけです 犬の側(床から70センチまで) 外から持ち帰ったものが乗る 足跡は通り道の床に置かれる 壁ぎわ40〜60センチにこすれた帯 手を入れる時間:帰宅後すぐ 猫の側(床より高いところ) 運んでいるのは自分の毛と皮脂 棚の角と扉のふちに顔の跡 高いほど、気づくのが遅れる 手を入れる時間:降りてきたとき 掃除の面積ではなく、高さの帯で分けて考えます
犬と猫の同居では、同じ部屋が上下2つの領域に分かれています。

もう1つ、大型犬ならではの条件があります。体が大きいほど、歩いたときに動かす空気の量が増えます。床に置かれた軽いものは、その子が通るたびに舞い上がります。舞い上がったものは、そのまま床へ戻るとはかぎりません。棚の上や窓辺の細い台にも乗ります。犬と猫の同居で、猫しか行かないはずの高い場所に犬の毛が乗っているのは、猫が運んだからではなく、床から上がってきたからです。

だから、においの残り方も上下で分かれます。床の側は外から持ち帰ったもののにおい、高い側は皮脂が時間をかけて変わっていくにおいです。前者は帰宅後にはっきりして、時間とともに薄れます。後者は毎日少しずつ積もるので、いつからとは言えません。犬と猫の同居で「部屋のにおいが取れない」と感じるとき、動かしているのが床の側だけになっていることがあります。

室内を高さで3つに区切る|大型犬と猫の同居を楽にする毎日の習慣と考え方

ここからが、変えられる条件の話です。考え方はひとつで、部屋を広さではなく高さで区切ります。床から30センチまでが犬の帯、30〜70センチが重なる帯、それより上が猫の帯。犬と猫の同居では、この3つに手を入れる時間帯が違います。時間帯まで決めてしまうと、毎日の習慣として残ります。

高さの3層と、手を入れる時間帯
帯誰のものいつやるか毎日の所要
床〜30センチ大型犬帰宅後すぐ。玄関から1メートル2分
30〜70センチ犬と猫が重なる夜、座る前に布を1枚替える30秒
壁ぎわ40〜60センチ大型犬の体側週1回。線に沿って一往復1分
70センチより上猫猫が降りてきている時間に。週2回3分

順番には理由があります。掃除としては上から下が原則ですが、帰宅後の床だけは例外で先にやります。外から持ち帰ったものは、玄関から1メートルの範囲で止められるかどうかで、その日の室内が決まるからです。ここで止めそこねると、大型犬が歩くたびに舞い上がり、猫の帯まで届きます。玄関の床は掃除というより、通せんぼだと思ってください。

  1. 帰宅後:玄関で、犬の足先だけを済ませる

    大型犬は抱え上げられないので、床に立たせたまま手を入れます。こちらが低い台に腰かけて、その子の足をひとつずつ持ち上げるほうが、かがむより続きます。指のあいだを軽くはさむように拭き取って、4本で1分。おなかと胸まではやりません。ここは玄関で止めるための作業で、体をきれいにする作業ではありません。

  2. 帰宅後:玄関から1メートルの床を、その場で拭く

    犬が通ったあとの床です。面積は畳1枚ぶんもありません。この1メートルを毎日やるかどうかで、居間の床の状態が変わります。大型犬は歩幅が広いので、外のものが最初に置かれる場所は玄関のすぐ先に集中します。1分で足ります。

  3. 毎日:重なる帯に、布を1枚敷いておく

    ソファの座面、椅子の座面、ベッドの上。犬と猫の同居で、両方の体が同じ面に触れる唯一の場所です。ここに布を1枚敷いておくと、掃除する面が「布1枚」に置き換わります。夜、座る前に替えるだけ。30秒です。犬の毛と猫の毛が混ざるのはこの帯だけなので、ここを布で受けておくと、他の帯の手間が増えません。

  4. 週2回:猫の帯は、その子が降りてきた時間にやる

    猫がいるあいだに高い場所へ手を伸ばすと、その子はその場所を使わなくなることがあります。降りてきて、床や膝にいる時間を待ってください。棚の角と扉のふち、窓枠。顔をこすりつける場所は決まっているので、そこだけで足ります。脚立を出すほど高い場所は、月に1度で構いません。

  5. 週1回:壁ぎわの帯を、線に沿って一往復

    大型犬の体側が当たる、床から40〜60センチのところです。壁全体ではなく、その子がいつも通る側の壁だけ。ソファの裏、廊下の片側、扉の枠。線になって見えてくるので、見えた線をなぞるように一往復させれば終わります。

犬と猫の同居では、体への手当ても高さで分かれます。大型犬は片手で持ち上がらないので、こちらが下がって床で向き合うことになります。猫は自分から膝に来るので、高さはその子が決めます。この違いを認めてしまうと、道具の置き場所も決まります。犬用の布は玄関に、猫用の布はソファの横に。取りに行くために立ち上がる回数が、そのまま続くかどうかを決めます。

体のほうも、同じ高さの割り方で手が入ります。mofuwa スキンケアミストは、地肌に向けて使うミストです。大型犬が伏せている時間が長い床に近い面、つまりおなかと胸は、こちらが下がって見上げないと見えません。そこへ直接吹きかけて、毛の流れに沿って手のひらでならす。水だけの処方で清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、そのあとその子が自分でなめる場所にも、足の指のあいだにも、耳の内側にも同じように使えます。猫のほうは、膝に降りてきた時間に背中を一往復。被毛の側を整えるのがグルーミングスプレー、地肌の側に届けるのがスキンケアミストで、下の帯と上の帯をこの2本で分担できます。

Point高さで分けると、やらない場所が決まります

この3層の組み方でいちばん効くのは、やる場所が決まることではありません。今日はやらなくていい高さが決まることです。犬と猫の同居で手が回らなくなるのは、部屋全体を一度にきれいにしようとするからです。帰宅後は床の帯だけ、夜は重なる帯だけ。猫の帯は今日ではない。そう決めてしまえば、毎日の作業は合計で5分を超えません。

高さでは説明のつかない変化に気づいた日は、掃除の話ではありません

ここまでは、体格差と高さで説明のつく話でした。その説明から外れる変化に気づいたときは、部屋の側ではなく、その子の側を見てください。犬と猫の同居では、比べる相手が家の中にもう1頭いる、という利点があります。同じ日の同じ部屋で、片方だけが違う。それが、いちばん早い手がかりになります。

Cautionこの子だけが違う、と思えた日の線

地肌が赤い、じくじくしている、においの質が変わった、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、上がる・降りる・立ち上がるといった動作が変わった、食欲や水を飲む量が変わった。いずれかに当てはまるときは、掃除や拭き取りを増やす前に動物病院にご相談ください。犬と猫の同居では、もう1頭と比べて「この子だけ」と思えた時点が、いちばん早いタイミングです。その状態が2日続いているなら、高さの話ではありません。

相談に行くときは、どの高さで気づいたかを添えてください。床でくつろいでいるときに見えたのか、高い場所から降りてきたときに見えたのかで、その子の動作の情報が一緒に伝わります。大型犬は体が大きいぶん、床に伏せているあいだは体の下側が見えません。猫は高いところにいるあいだ、おなかも足の裏も見えません。この2頭は、見えていない面がそれぞれ逆です。だから毎日の習慣の中に、犬なら立たせて下から見る時間、猫なら膝に乗せて足の裏を見る時間を、少しだけ挟んでおくと変化に早く気づけます。

犬と猫の同居を楽にする方法として、たいてい語られるのは距離の取り方です。逃げ場を作る、食事の場所を分ける、寝る場所を離す。どれも間違っていませんが、それは同居が始まった最初の数か月の話でもあります。暮らしが落ち着いたあとに毎日効いてくるのは、水平の距離ではなく垂直の距離のほうです。大型犬と暮らす家では、この高低差がとくにはっきりします。犬は下、猫は上。持ち込むものが違い、残る場所が違い、手を入れられる時間帯も違う。同じ部屋をひとつの平面として掃除しようとすると、どちらかの帯が毎回抜け落ちます。

室内を高さで3つに区切って、それぞれに時間帯を割り当てる。犬と猫の同居で毎日続いている家は、たくさんやっている家ではなく、今日はどの高さに手を入れるかを決めている家です。帰宅後の2分は床の帯に、夜の30秒は重なる帯に。猫の帯は、その子が降りてきた日に。大型犬と猫が同じ部屋で1メートル離れて過ごしているという事実は変えられませんが、その1メートルを3つに割ることはできます。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。