C11比較・選び方

シニアに選ぶ基準

公開日 2022年1月12日|文=mofuwa編集部

明るい部屋でクリーム色のマットに伏せている年老いた犬と、そのそばにいる猫
老犬に何を選ぶかは、手が動いている分数ではなく、その子が姿勢を保っている分数で決まります。写真:Ricardo Oliveira/Pexels

冬の朝、老犬が伏せている寝床の横に座って、ブラシを持ったまま3分がたちました。体を起こしてもらわないと背中側へ手が届かず、起こせばそのまま座り直すのに1分かかります。老犬のケア用品の選び方で最初に見るのは、中身が何かではなく、その子が同じ姿勢でいられる分数と、1回のケアで姿勢を何回変えることになるかのほうです。手が動いている時間が3分でも、立たせたままなら、その子の体には6分ぶんの負担が乗っています。

同じ姿勢でいられる分数で決める|老犬のケア用品で、合うものの見分け方

若い頃は「何をするか」で道具を選べました。老犬では「その姿勢が何分もつか」で決まります。同じブラッシングでも、伏せたままできる子と、立たせないと背中へ手が届かない子では、体にかかっている時間がまったく違います。手が動いているのは3分でも、立っているのが6分なら、その子が使ったのは6分です。老犬のケア用品の選び方は、この上乗せぶんを数えるところから始まります。

合うかどうかの見分け方は、パッケージの表示ではなく、家の床の上で1回やってみれば出ます。見るのは次の4つです。

4つのうち、老犬でいちばん見落とされるのが4番目です。乾かす10分は、手を動かしていないのに、その子は姿勢を保ち続けています。飼い主の側の体感では「今日は10分しかかけていない」となりますが、その子の記録では、立位か座位を10分保った日になります。翌日に伏せている時間が伸びていたら、それはケアの中身ではなく、この10分のほうです。

分数と、姿勢を変える回数。この2つで並べ直すと、家にあるケア用品は3つに分かれます。寝床の上で終わるもの、座らせて行うもの、立たせてから始まるものです。次の節で、この3つのあいだに何が起きているのかを書きます。

寝床の上で終わる工程と、立たせてから始まる工程|老犬のケア用品に出てくる違い

老犬で先に落ちるのは、体力よりも、後ろ足で踏ん張っていられる長さです。前足は最後まで残ることが多く、立ち上がる動作そのものは何とかできます。続かないのは、立ったままでいることのほうです。だから同じ工程でも、立位が含まれるかどうかで、その子にとっての重さが変わります。

寝床の上で終わる工程では、姿勢を変える回数が0回です。座らせて行う工程は、伏せから座りへ、終わって座りから伏せへで2回。立たせてから始まる工程は、伏せ・座り・立ちと上がって、終わってから同じだけ下りるので、最低でも4回になります。回数が2倍になるのではなく、1回あたりの負担が上の姿勢ほど重いので、体感では4倍近くに開きます。

滑る床の上だと、ここにもう1つ乗ります。フローリングで立たせると、後ろ足が横に流れないように踏ん張り続けることになり、立っているだけで力を使います。老犬のケア用品を選ぶときに、道具の側ばかり見ていると、この床の条件が抜け落ちます。同じ道具でも、敷物の上でやるか床の上でやるかで、その子が使う力は変わります。

猫でも同じ構造になります。高齢の猫では、抱き上げられて保定されること自体が、姿勢を4回変えるのと同じ重さになります。自分で選んだ姿勢のまま終わる工程が、いちばん軽いということです。老犬と老猫のケア用品に共通する違いは、中身ではなく、その子に姿勢を選ばせたままでいられるかどうかに出ます。

Note手が動いた分数と、姿勢を保った分数を別々に書く

記録を付けるなら、2つの数字を分けて書いてください。手が動いていた分数と、その子が姿勢を保っていた分数です。前者が3分でも、後者が13分の日があります。2週間ぶん並べると、伏せている時間が伸びた日の前日に、後者の長い日が来ていることが見えてきます。老犬のケア用品を入れ替えるかどうかは、この後者の数字が決めます。

分数・姿勢を変える回数・中断できるか|老犬のケア用品を条件の列で並べて使い分ける

3つの段を、選ぶときに見る条件で横に並べます。比べるのは道具の性能ではなく、その工程をやっているあいだ、その子の体に何が起きているかです。老犬でも老猫でも、この並べ方は変わりません。

老犬のケア用品を、どの段へ寄せるか
見る条件寝床の上で終わる段座らせて行う段立たせてから始まる段
姿勢を変える回数0回2回4回以上
その子が使う分数手が動いている分数だけ手の分数に座位の分数が乗る手の分数に立位と移動が乗る
途中で中断できるかいつでも。翌日に続けられる1度なら戻せる始めたら終わらせる
乾かす時間要らない要らない10分以上
支える人の数1人で足りる1人。床が滑らなければ2人いると安全になる
置く頻度毎日でよい週に2〜3回分数を数えてから決める
結論の行老犬のケア用品は、まずこの段へ寄せる上の段で面が残ったときだけ月の回数を先に決めてから入れる

いちばん下の行が、この記事の選び方の答えです。使い分けとは、3つを均等に持つことではなく、いちばん軽い段へ寄せられるだけ寄せて、残った面だけを上の段へ渡すことです。老犬では、上の段を減らしたぶんだけ、毎日の回数を増やせます。回数が増えると、1回に触る面が減り、1回の分数も短くなります。ここが循環しはじめると、同じ1週間で体に手が入る回数が2倍以上になります。

寄せる順番を間違えると、逆の循環に入ります。立たせる工程を月に4回置くと、その前後2日は伏せている時間が伸び、伸びたぶん毎日の段が飛びます。飛んだぶん汚れが溜まり、次の立たせる工程が長くなる。老犬のケア用品の使い分けは、上の段の回数を減らすためにこそ、下の段を毎日置くという組み方になります。

風呂そのものが負担になる子に|mofuwa がグルーミングスプレーを寝床の側へ置いた背景

寝床の上で終わる段に置けるものとして、mofuwa グルーミングスプレーがあります。吹きかけて、ブラシを通す。伏せたままの姿勢で届く面は、そのまま伏せたまま終わります。乾かす工程がないので、姿勢を保つ分数の上乗せもありません。姿勢を変える回数は0回のままです。

この商品がある理由は、洗う回数を減らすためではありません。毎日きれいにしてあげたい、というところから来ています。犬も猫も、体から脂を出し続けます。きれいにした翌日には、もう同じところが汚れています。老犬ではここに、寝ている時間が長いという条件が加わります。体の同じ面だけが寝床に触れ続けるので、汚れも脂も一方の面に偏ります。毎日きれいにしたい理由が、若い頃よりむしろ増えている時期です。

そのうえで、シニアの犬や猫にとっては風呂そのものがストレスになります。ここは、できない子という話ではありません。そうしないほうがいい子です。湯船に入れないという選択を先に取って、そのぶん毎日の段を厚くする。老犬のケア用品の選び方として、この順番で組めるかどうかが分かれ目になります。

かけすぎたかどうかを判断する時間が要らないのも、分数の話に直結します。中身の水は、飲料用の水に課される規格に照らして検査したものです。舐め取られる前提で量を数えずに済むぶん、手が止まる回数が減り、1回に姿勢を保っている分数がそのまま短くなります。老犬のケアで手が止まるのは、たいてい「これ以上かけていいのか」で迷う場面です。その迷いが1本ぶん消えます。

落ちる仕組みは、アルカリ電解水と油がなじんで乳化することによります。汚れのもとになっている余分な脂と一緒に外れて、地肌に要る皮脂は残ります。老犬では地肌の乾きが出やすいので、強く落とすものを毎日当てると翌日に響きます。落ちる量が汚れの量のほうに合ってくれると、毎日の段に置いたままで季節を越えられます。

冬にもう1つ足せる役割があります。mofuwa グルーミングスプレーはブラッシングスプレーでもあるので、静電気の起きにくい状態でブラシを通せます。乾いた部屋で、寝床の布と毛が擦れて静電気が出ている時期は、ブラシが引っかかるぶんだけ1回の分数が伸びます。引っかかりが減ると、同じ面を通すのにかかる時間が短くなります。分数で選ぶという観点では、ここも数字に乗ってきます。

Caution伏せたまま触れていた面が、2週間で減ったとき

先月まで伏せたまま5分触れていたのに、同じ面で2分ももたなくなった。伏せたまま届いていた面が、2週間で4面から2面へ減った。寝床に触れている側の毛だけが、同じ2週間で薄くなっている。この3つは、道具を軽いほうへ替えても、回数を減らしても動きません。姿勢を保てた分数と、触れた面の数を書いた紙ごと、かかりつけの動物病院へ持っていってください。2週間ぶんの数字は、その場で見た1回の様子より多くを伝えます。

立てなくなった週ではなく、立つのをやめた週|老犬のケア用品を見直す時期

見直す合図は、立てなくなった日ではありません。立てるけれど、自分からは立たなくなった週です。そこから先は、同じ道具を使っていても、その子が払っている分数のほうが増えていきます。見直す週を先に3つ書いておくと、変化が起きた日に道具を買い替えるという遠回りをしなくて済みます。

3つの週と、そこで数え直すもの
時期その週に起きていること数え直すもの
寝る場所が1か所に固定された週体の同じ面だけが、1日の大半で寝床に触れ続ける寝床に触れている面の数。ここが毎日の段の対象になる
段差を避けて回り道するようになった週姿勢を変えること自体にかかる秒数が伸びている伏せから立つまでの秒数。前の月と比べる
部屋が乾きはじめた週静電気とフケが同じ週に出て、ブラシが引っかかる同じ面を通すのにかかる分数

3つのどれも、その子が弱ったから見直すのではなく、条件の側が動いた週です。老犬のケア用品の選び方を年齢で決めようとすると、この3つの週が全部同じ年に来ないので、対応が後手になります。ここで見るのは道具の良し悪しではなく、分数と面の数の2つだけにします。見るものを2つに絞ると、3つの週のどこでも同じ手順で確かめられます。上の段を月に何回入れるかも、この2つの数字から出てきます。

先にやっておけるのは、その子が伏せたままでいられた分数を1回だけ計って、紙の端に書くことです。3分なのか、8分なのか。その数字が、老犬のケア用品の選び方をほとんど決めます。棚の前で比べるより、寝床の横で計った1回の数字のほうが、この時期は正確です。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

何歳からを老犬として考えればいいですか。
年齢よりも、姿勢を変える速さで見るほうが、選び方には直結します。目安は、伏せから立ち上がるまでにかかる秒数です。若い頃は1秒かかりません。これが3秒を超えはじめたら、立位を含む工程の回数を数える時期に入っています。小型犬と大型犬では年齢の目盛りが違いますが、この秒数はどちらでも同じように使えます。年齢で区切ると、同じ12歳でもまったく違う2頭に同じ手順を当てることになります。
猫の場合も、犬と同じ考え方でいいですか。
軸は同じで、数える対象が姿勢から場所へ移ります。猫は自分で寝る場所を選び直すので、見るのは「1日のうちに何か所を使っているか」です。若いうちは家の中で5か所も6か所も移動しますが、年を重ねると2か所、1か所と減っていきます。減った時点で、体の同じ面が同じ布に触れ続けます。犬で面の数を数えるのと同じことを、猫では場所の数で数えると、同じ結論にたどり着けます。
毎日やるほど時間が取れません。回数を減らして1回を丁寧にするのは間違いですか。
老犬では、1回を長くするほうが上乗せの分数を増やします。5分を週2回と、90秒を毎日では、手が動く合計はほぼ同じですが、その子が姿勢を保つ合計は後者のほうが短くなります。時間が取れない日は、面を減らして構いません。今日は背中の上だけ、明日は前足まわりだけ、と分けても、1週間で同じ面積に届きます。分ける前提で組むと、続かない日があっても計画のほうが壊れません。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。