C11比較・選び方
大型犬に選ぶ基準
ホームセンターの棚の前で、同じ商品の大きいほうの容量を手に取って、いちど戻す。30キロを超える体に1本がどれくらい持つのか、その場では見当がつきません。大型犬のケア用品でつまずくのは、選んだものを毎日使いきれるかどうかのほうです。効いてくるのは、1回のケアで手が触れる面がいくつあるかです。背中、脇腹、胸、前脚と後ろ脚、しっぽ、尻まわり。中型犬までなら一続きの動きで回れた範囲が、体が大きくなると同じ手つきでは回りきれません。この記事では、かかる分数・人の手が何本要るか・途中でやり直せるかの3列で、大型犬のケア用品を並べ替えます。
体重の数字より、触る面がいくつあるか|大型犬のケア用品に出る違い
大型犬のケアが中型犬までと違ってくるのは、力が要るからではありません。同じ手順を、より多くの面でくり返すことになるからです。背中の毛並みを一度なでるだけでも、肩から腰までで手を2回置き直します。そこに脇腹、胸、前脚2本、後ろ脚2本、しっぽ、尻まわりが続きます。中型犬までなら一続きの動きで回れた範囲が、大型犬ではおよそ10の面に割れます。面が増えると、1回にかかる時間が伸びるだけでなく、途中でやめたときに残る「片側だけ済んだ状態」も増えていきます。
- 背中と腰:面積がいちばん広く、毎日のケアで最初に手をつける場所。ここだけで中型犬1頭ぶんの面積になります
- 脇腹と胸:立ったままでは手が入りにくい面。その子が体重を預けてくると、そこで手が止まります
- 脚4本:同じ作業が4回ぶん。散歩から帰ったあとに汚れが残るのもここです
- 尻まわりとしっぽ:毎日は触らない面。間隔が開くほど毛が絡み、次に触る日の時間が長くなります
面の数が増えると何が変わるのか。1回のケアを最後まで通せる確率が下がります。10面のうち6面まで進んだところでその子が立ち上がれば、その日は6面で終わりです。中型犬なら同じ中断でも残りは2面ですから、翌日にまとめて取り返せます。大型犬のケア用品を選ぶときに見るのは、1回で全部を終わらせられる道具かどうかより、中断されたところから再開できる道具かどうかです。
被毛の量も、面の数と同じように効いてきます。毛が厚い犬種では、表面をなでている手が皮膚まで届いていないことがあります。届いていない面は、毎日ケアしているつもりでも、汚れも絡みもそのまま残ります。面を数えるというのは広さを測ることではなく、皮膚まで手が届いた面がいくつあったかを数えることです。大型犬のケア用品を比べるときは、この「届いた面の数」で比べてください。
浴室まで歩かせるか、いま居る場所で済ませるか|大型犬のケア用品の使い分けは移動で決まる
大型犬では、道具より先に場所が決まってしまいます。10キロまでの子なら、抱えて洗面台まで運べます。運べる体は、ケアの場所をこちらが選べます。30キロを超えると、その子が自分で歩いて移動してくれないかぎり、ケアはその子がいま居る場所で始めるしかありません。ここが、大型犬のケア用品の使い分けを決めている条件です。
- 移動が要るもの:全身を洗う、乾かす。浴室まで歩いてもらう必要があり、断られたらその日は成立しません
- 移動が要らないもの:ブラッシング、汚れた面だけを拭く。寝ている場所のとなりで始められます
- 移動の途中で止まるもの:足先だけのつもりが全身になる場面。玄関で止められるかどうかで、そのあとの30分が変わります
分数そのものより、その分数のあいだ、その子が同じ場所にいてくれるかのほうが問題になります。60分の工程は、途中で立ち上がられると濡れた体だけが残ります。10分の工程は、5分で中断されても、翌日に残りの面から始められます。週に1回の60分と、毎日の10分は、同じ「ケア」という言葉で呼んでいても、前提にしている協力の量が違います。大型犬では、この前提の差がそのまま続くかどうかの差になります。
分数・人の手・やり直せるか|3列に並べて大型犬の選び方を決める
大型犬のケア用品を選ぶときに並べるのは、商品の名前ではなく次の3つの列です。1回にかかる分数、そのあいだに要る人の手の数、途中でやめてもやり直せるか。この3列で並べ替えると、毎日の側に置くものと、月に1度でいい側に置くものが自然に分かれます。
| ケアの場面 | 1回にかかる分数 | 要る人の手 | 途中でやめられるか |
|---|---|---|---|
| 浴室で全身を洗う | 60分前後 | 2人(支える人と洗う人) | できない。濡れた体を残せない |
| 洗ったあとに乾かす | 35分前後 | 1〜2人 | できない。生乾きの面が残る |
| 全身にスプレーしてブラシを通す | 10分前後 | 1人 | できる。面の途中で止められる |
| 汚れた面だけを拭く | 3分前後 | 1人 | できる。何度でも戻れる |
| 爪の周りや耳など細かい面 | 5分前後 | 1〜2人 | できる。1か所ずつ日を分けられる |
| ★結論|毎日の側に残るもの | 10分以内 | 1人で回せる | やめても戻れる |
表の最終行が、大型犬のケア用品の見分け方そのものです。3つの列のうち1つでも外れたものは、「やれる日にやるもの」の側へ移ります。やれる日にやるものは、面の数が多い体ほど間隔が開きます。間隔が開いた面は、次に触るときに毛が絡んでいて、前よりも長い時間がかかります。月の側に置くこと自体は問題になりません。毎日の側がからっぽになることだけが問題です。
もう1つ、回数の比で見ておくと迷いません。週1回の60分を1か月続けると4回、合計4時間です。毎日10分なら30回で5時間。合計の時間はほとんど変わらないのに、手が触れた面の数は10面×30回と10面×4回で、7倍以上ひらきます。大型犬の体で差がつくのは1回の丁寧さではなく、面に手が触れた回数のほうです。皮膚の様子を早く見つけられるのも、回数の多い側です。
毎日きれいにしてあげたい、が面の広さで止まるとき|大型犬に合うケア用品の見分け方
毎日の側に置く1本として、mofuwa グルーミングスプレーは、面の数が増えても手つきが変わらないようにつくられています。犬は体から脂を出します。昨日きれいにした背中も、今日には同じだけ汚れます。毎日きれいにしてあげたいという気持ちのほうは、体が大きくなっても変わりません。止まるのは気持ちではなく、10の面を毎日は浴室で回せないという条件のほうです。
この1本を毎日の側に置けるのは、落とす対象を絞ってあるからです。電解水が皮脂の油となじんで乳化するので、落ちるのは汚れのもとになっている余分な脂で、地肌に要る皮脂は残ります。10の面を回っても、皮膚から必要なものまで持っていかれません。だから翌朝も同じ10面に使えます。毎日の側に置く道具に求められるのは強さではなく、明日も同じ面に使えることです。
大型犬で効いてくるのは、量を気にせずに使えることです。背中だけで中型犬1頭ぶんの面積があるので、小型犬と同じ量では届きません。この1本は口の届く場所にかかっても困らない設計で、水から組み立てられています。面の広い体に、量を減らさずに使えます。吹きかけてブラシを通す、それだけの手順なので、10の面を10分で回せます。
グルーミングスプレーであると同時にブラッシングスプレーでもあるので、乾いた被毛にブラシを入れる前のひと吹きにもなります。静電気の起きにくい状態で梳かせると、毛の厚い犬種ほど1面あたりの時間が短くなります。毛の厚さで皮膚まで手が届かなかった面が、ここで届く面に変わります。s1で数えた「届いた面の数」が増えるのは、道具を強くしたときではなく、梳かしやすくしたときです。
10の面のうち1つか2つだけ、地肌の様子が気になる日もあります。脇の下や腹側など、こすれて赤みの出やすい面です。そうした面には mofuwa スキンケアミストを、その面にだけ使います。全身を回す1本と、面を指定して使う1本を分けておくと、気になる面が出た日も、毎日の手順そのものを組み替えずに済みます。
同じ面を毎日10分のケアに入れているのに、2週間たっても赤みやべたつきが同じまま/これまで10の面を10分で回れていたのに、同じ手順で倍の時間がかかるようになった/触られるのを嫌がる面が、先週までなかった場所に増えた。こうした残り方は、面の数や体の大きさでは説明がつきません。どの面が、何日前から、1日に何回のケアに入っていたかを書き出して、動物病院で診察の枠をひとつ取ってください。書き出した面の数と分数は、そのまま診察のときの材料になります。書いたものを持っていくと、家で続けているケアの側も一緒に見てもらえます。
明日の朝、同じ順番で回れるか|大型犬のケア用品を1つに絞る最後の1問
最後に残しておく問いは1つです。明日の朝、その順番をもう一度回せますか。大型犬のケア用品で行きづまるのは、性能が足りないときではなく、その日いちばん体力のある人にしか回せない手順を組んでしまったときです。1回の出来ばえではなく、回せる人の数で選びます。
- 面の順番を紙に書く:背中→脇腹→前脚→後ろ脚→尻まわり。順番が決まっていれば、中断されてもどこから再開するかで迷いません
- 2人が要る工程を毎日の側に置かない:支える人が必要な工程は月の側へ。毎日の側は1人で回せるものだけにします
- 1面だけの日をつくる:全部を回れない日は、汚れた面だけで終わりにします。面を数えているので、翌日どこから始めるかが分かります
大型犬のケアは、体の大きさに道具を合わせる話に見えて、その子と自分が毎日回れる面の数のほうに手順を合わせる話です。まず決めるのは、明日の朝に触る面を1つ選んでおくことだけで足ります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 大型犬用と書かれたケア用品を選べば確実ですか。
- 表示よりも、1回に使う量と手順の長さで見てください。容量が大きいだけで手順が同じなら、10の面を回るという条件は変わりません。見るのは3つです。1回に必要な量が入っているか、片手で持ったまま10面を回せるか、途中で置いても続きから始められるか。この3つが揃っていれば、表示に大型犬と書かれていなくても毎日の側に置けます。逆に、両手がふさがる形のものは、大型犬向けと書かれていても月の側の道具になります。
- 週末に1時間かけるのと、毎日10分では、どちらがその子のためになりますか。
- 1か月で比べると、合計の時間はほとんど変わりません。変わるのは手が面に触れた回数です。週1回なら1つの面に月4回、毎日なら月30回。同じ場所を30回触っていると、皮膚のべたつきや小さな傷に気づくのが早くなります。ただし週末の1時間が要らなくなるわけではありません。毎日の10分では届かない工程もあるので、月の側に残したまま、毎日の側を別に用意するのが現実的です。
- 2人いないと回せない工程は、1人で暮らしている場合あきらめるしかないですか。
- 工程ごと諦めるのではなく、面ごとに日を割ってください。全身を一度に洗うのは2人がかりでも、前脚2本を今日、後ろ脚2本を明日、というように面で区切れば1人で回せます。1日にかける分数を10分に固定して、その中に入る面だけをやります。大型犬では、この区切り方ができるかどうかで、1人でも続けられる範囲が決まります。順番を紙に書いておくと、どこまで進んだかを覚えておく必要もなくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
