C11比較・選び方
多頭飼いに選ぶ基準
3頭ぶんのタオルを洗濯機に入れたところで、シャンプーの残りが1頭ぶんしかないことに気づく。浴室に立つ前に、順番も、乾かす場所も、だれから始めるかも決まっていません。多頭飼いのケア用品は、1本の性能では決まりません。工程の数に頭数を掛けた回数のほうで決まります。1頭で5分の差は、3頭では15分の差になって返ってきます。この記事では、工程の数・浴室にいる時間・1本を全頭で回せるかの3つで、多頭飼いのケア用品を比べます。
頭数ではなく、工程の数を先に数える|多頭飼いのケア用品は掛け算で比較する
多頭飼いで増えるのは、頭数そのものではありません。工程の数に頭数を掛けた回数です。1頭を洗うときの手順を分解すると、濡らす・洗う・すすぐ・仕上げのものをつける・流す・乾かすで6つ前後になります。3頭なら18回です。1つの工程を5分と見ても、3頭で90分。多頭飼いのケア用品を比べるときは、1回の性能ではなく、掛け算のあとの数字で比べます。
- 洗う日の工程:1頭6工程が、3頭で18工程。1工程を減らせば3回ぶん減ります
- 帰宅後の工程:足をふく、体をひと通り整える。散歩が別々なら、1日のうちに3回に分かれます
- 毎日の工程:ブラシを通す、汚れた場所を拭く。頭数ぶんの時間が、そのまま毎日の予定に乗ります
- 片づけの工程:タオル、置き場所、補充。ここだけは頭数を掛けても1回で済ませられます
1頭で暮らしている家なら、工程が1つ多くても5分の差にしかなりません。多頭飼いでは、その5分に頭数が掛かります。3頭で15分、4頭なら20分。1回の差としては小さくても、毎日続く形にすると1週間で2時間近くになります。多頭飼いのケア用品で最初に見るのは、その道具が工程をいくつ持っているかです。
もう1つ、掛け算にならないものもあります。置き場所と補充の手間です。1本を全頭で回せるなら、置き場所は1か所のまま、残量の確認も1回で済みます。子ごとに分けると、本数も置き場所も頭数ぶんに増えます。掛け算になる工程と、1回で済む工程を分けて数えると、どこを削ればいいかが先に見えます。
1本を回すか、子ごとに分けるか|犬と猫がいる家の多頭飼いの使い分け
多頭飼いの使い分けを決めているのは、体格でも年齢でもなく、1本を全頭で回せるかどうかです。犬と猫が同じ室内で暮らしている家では、ここがはっきり分かれます。猫は起きているあいだの多くを毛づくろいに使い、犬も相手の体をなめます。つまり、1頭に使ったものは、その子の口にも、同居している子の口にも入る前提で選ぶことになります。
もう1つ、多頭飼いに固有の条件がにおいです。犬も猫も、自分のにおいが残っている状態を好みます。香りのついたものを1本で全頭に回すと、家の中のにおいが同じ方向にそろいます。多頭では、においは飾りではなく、だれがどこにいたかを知るための情報です。そろえてしまうと、相手を確かめる手順が1つ増えます。1本を回すなら無香料のものを選ぶ、というのは好みの話ではなく、共有できる条件のほうです。
実際の家では、どちらかに寄せきる必要はありません。毎日くり返す工程は全頭で1本を回し、気になる場所に使うものだけ子ごとに分ける。この分け方なら、掛け算になる側の工程は1本で受けとめられます。多頭飼いのケア用品の使い分けは、商品ごとに決めるのではなく、毎日くり返すかどうかで決めます。
浴室にいる時間と、待っている子の数|工程の数で多頭飼いの選び方が決まる
3頭を同じ日に洗うと決めた時点で、いちばん長く待つ子が必ず1頭出ます。その待ち時間は、1頭あたりの工程の数で決まります。洗う工程のあとに仕上げのものをつける工程が入ると、1頭につき10分前後が足されます。3頭なら30分。待っている子は、その30分を浴室の外で、水の音を聞きながら過ごすことになります。
| 3頭で効いてくるもの | 工程が2つの日(洗う+仕上げ) | 工程が1つの日(洗うだけ) |
|---|---|---|
| 浴室にいる合計時間 | 1頭25分×3頭=75分 | 1頭15分×3頭=45分 |
| 最後の子が待つ時間 | 50分 | 30分 |
| 1頭ごとに乾かし始めるまでの間隔 | 10分あく | 5分あく |
| 使う品の種類 | 洗うもの・仕上げるものの2種類 | 1種類 |
| 翌日に残る作業 | 乾ききらない面が出やすい | その日のうちに終わる |
| ★結論|3頭では | 1工程の差が3倍で返ってくる | 先に減らす工程を1つ決める |
表の最終行が、多頭飼いの選び方そのものです。1頭の家なら、工程を1つ増やしても10分の話で終わります。3頭では30分になり、その30分は待っている子の時間として積み上がります。削る対象は、洗い方の丁寧さではなく工程の数です。丁寧さを落とさずに工程だけ減らせるかどうかが、多頭飼いのケア用品を見るときの分かれ目になります。
待ち時間のあいだ、外にいる子が何をしているかも見ておいてください。ドアの前で行き来している、鳴いている、先に洗い終えた子のにおいを確かめている。多頭では、洗われている1頭より、待っている2頭のほうが長く緊張しています。浴室にいる時間を30分短くするというのは、その2頭の緊張を30分ぶん短くすることでもあります。
工程が1つ減ると、3頭ぶん減る|多頭飼いに合うケア用品の見分け方
mofuwa モイストシャンプーは、工程を1つ減らすためにつくられたシャンプーです。洗ったあとにごわつくから、戻すための工程が要る。この順番を、洗う側から組み替えてあります。使っている洗浄成分はアミノ酸系で、量も少なめです。ふつうなら泡立ちが落ちるところを、原料の水に電解水を使うことで補っています。電解水そのものに汚れを浮かせる働きがあるので、少ない洗浄成分でも泡が立ち、落としすぎずに洗えます。
落としすぎないので、洗い上がりがごわつきません。ごわつかないので、戻すための工程が要らなくなります。1頭につき1工程、3頭なら3回ぶん、浴室にいる時間がそのまま短くなります。多頭飼いのケア用品を見分けるときに効いてくるのは、機能が多いことより、工程を増やさないことです。
無香料である理由も、多頭の家では意味が変わります。ペットは自分のにおいを好み、余分なにおいは負担になります。3頭を同じ日に洗って全員が同じ香りになると、その日の夜は互いを確かめ直すところから始まります。洗い上がりのにおいを足さないというのは、多頭では相手を確かめる手順を増やさないということです。
洗う日以外の毎日は、別の1本で受けます。帰宅後にブラシを通す工程には mofuwa グルーミングスプレーを全頭で回せます。犬も猫も、体から脂を出すので、昨日きれいにした背中も今日には汚れています。洗う日の工程を1つ減らし、それ以外の日の工程は全頭で1本にまとめる。この2つで、多頭飼いの1週間はかなり平らになります。
モイストシャンプーを選ぶときの確かめ方は単純です。使ったあとに、もう1本を手に取る場面があるかどうか。そこがなければ、工程は1つ減っています。3頭でその差を確かめると、浴室の時計が30分ぶん違って見えます。
同じ工程で洗っているのに、1頭だけ乾くまでの時間が倍かかる/3頭で同じ日に始めたのに、1頭だけ2週間たっても地肌のべたつきやフケが残る/これまで嫌がらなかった工程を、1頭だけ途中で中断するようになった。多頭で暮らしていると、他の子と並べられるぶん、こうした差には早く気づけます。どの子の、どの工程が、いつから何分長くなったかを書き出して、動物病院で診察の枠を取ってください。3頭ぶんの記録を並べると、その子だけに起きていることなのか、家全体の条件が動いたのかを分けて見てもらえます。
最後に入る子がいちばん長く待っている|順番を決めてから1本を決める
順番を決めないまま始めると、いつも同じ子が最後になります。最後の子は、いちばん長く待ち、いちばん疲れた手で洗われます。順番は道具より先に決まる条件で、しかも毎週入れ替えられます。多頭飼いの習慣づくりで先に手をつけるのは、ここです。
- 順番を毎回入れ替える:前回いちばん最後だった子を、次はいちばん先にします。待ち時間の合計が頭数ぶんに分かれます
- 待つ場所を室内の別の部屋にする:浴室のドアの前で待たせると、水の音を聞きながらの待ち時間になります
- 洗う日を頭数で割る:3頭を1日にまとめず、2日に分ける。1日あたりの工程が減り、乾かす場所の取り合いもなくなります
多頭飼いのケア用品は、1本の良し悪しで決まる前に、その1本が何回くり返され、だれが何分待つかで決まります。順番と工程の数を紙に書いてから、あらためて1本を選んでください。掛け算の形が見えていれば、どこを削ればいいかは自分で決められます。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 頭数が多い家では、洗う間隔をあけたほうがその子の負担は減りますか。
- 間隔をあけると1回あたりの汚れが増えて、1頭にかかる工程の時間が伸びます。多頭ではその伸びに頭数が掛かるので、結果として浴室にいる合計時間は変わらないか、かえって長くなります。間隔をあけるより、洗う日を頭数で割って1日あたりの頭数を減らすほうが、その日の工程は軽くなります。3頭なら、2頭と1頭に分ける形です。合計の回数は同じでも、1日の中で待つ子の数が1頭減ります。
- 犬と猫で、同じシャンプーを使ってもいいのでしょうか。
- 見るところは3つです。舐めることを前提につくられているか、香りが足されていないか、洗い上がりに別の工程が要らないか。この3つが揃っているものは、犬にも猫にも同じように使えます。ただし洗う頻度は分けてください。猫は自分で毛づくろいをするので、犬と同じ間隔で洗う必要はありません。同じ1本を共有しながら、使う回数だけ子ごとに変えるのが、多頭飼いでは現実的です。
- 3頭を1日で洗いきれません。途中でやめても大丈夫ですか。
- やめて構いません。ただし、やめる場所を先に決めておいてください。洗う工程の途中でやめると、濡れた体が残ります。頭数の切れ目でやめれば、次の子は別の日にそのまま始められます。1頭目を終えて乾かし終わった時点で、その日は終わり。残りの2頭は翌日にします。多頭飼いで続くのは、最後までやりきる計画ではなく、途中で止められる区切りを持っている計画のほうです。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
