C02技術・エビデンス

生菌不活性化試験の読み方|「検出されず」の意味

公開日 2022年1月2日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の木の床で、前足をなめている白い猫
試験の一行は、条件を外すと意味が変わります。洗濯表示と同じ読み方をする欄です。写真:Aleksandr Nadyojin/Pexels

資料の表の右端に、「検出されず」という5文字が縦に並んでいます。生菌不活性化試験の結果を書く欄です。ここには本来、数字が入ってもよさそうに見えます。何割減った、いくつになった、という書き方のほうが、比べるには便利だからです。それでも結果の欄には数字が入らず、「検出されず」という言葉が入ります。この記事では、生菌とは何を数えた言葉なのか、なぜ率で書かないのか、検査時間30秒・60秒とは何の秒数なのかを、8つの問いに分けて開いていきます。読む順番は、洗濯表示を読むときとほとんど同じです。

生菌とは何を指す言葉ですか|数に入るのは、増えることができたものだけ

生菌とは、生きている菌のことです。ただ、菌は目で見えないので、生きているかどうかを直接は確かめられません。そこで、栄養のある培地の上に置いて、決められた温度でしばらく待ちます。増えた菌はやがて目に見える塊になり、その塊を1つずつ数えます。塊を作れたものが生菌、作れなかったものは数に入りません。

ここから、生菌という言葉の性格が1つ決まります。数えているのは菌の総数ではなく、増える力が残っていたものの数です。死んだ菌がいくつ残っていても、この数には出てきません。試験の名前に入っている「不活性化」も、同じところを指しています。数を消すことではなく、増える力が残っているかどうかを見る、という意味です。

犬や猫の暮らしに引きつけると、この差は小さくありません。においや汚れのもとになるのは、増えていく側です。生菌という言葉が使われている資料は、その増える側だけを見ている、という断りを最初から置いていることになります。読むときは、この断りを外さないでください。

「検出されず」はゼロという意味ですか|生菌の疑問がいちばん集まるところ

違います。「検出されず」が言っているのは、その回の数え方では見つからなかった、ということだけです。試験では、検体をそのまま数えるのではなく、段階的に薄めてから、決められた量だけを培地にまきます。まく量は、たとえば0.1ミリリットルというごく少ない量です。もとの液に菌がわずかに残っていても、まいた分の中に入らなければ、皿には何も出てきません。

この「これより少ないと数えられない」という境目は、装置の性能ではなく、その回の薄め方とまいた量で決まります。つまり「検出されず」は、下限より下だったという位置の話です。ゼロが確かめられた記録ではありません。生菌の話でいちばん多い疑問がここで、資料をていねいに読む人ほど、この一点で止まります。止まるのが正しい読み方です。

Note結果の言葉を、別の言葉に置き換えないでください

「検出されず」を紹介するときに起きやすいのが言い換えです。この水は菌をゼロにします、すべていなくなりました。どちらも、試験が見た範囲の外に出ています。書ける形は、試験条件と検査機関を添えて「検査時間30〜60秒後に生菌が検出されず」と、結果の言葉のまま置くところまでです。長く感じても、この形がいちばん短い正確な書き方になります。

なぜ「何%減った」と書かないのですか|生菌の数が出せない欄の埋め方

この欄の見出しは「生菌不活性化率」です。率と書いてあるのに、入っているのは「検出されず」という言葉のほうです。率を出すには、始めの数と、残った数の両方が要ります。始めの数は分かります。試験の開始時点で、どれだけ入れたかを決めているからです。出せないのは、残ったほうの数です。

見つからなかったときに書けるのは、「下限より少なかった」までです。本当に1つも残っていないのか、下限のすぐ下に残っていたのかは、この数え方では区別できません。分子に置く数が決まらないので、割り算そのものが成り立ちません。だから率の欄に率が入らず、「検出されず」という結果の言葉が入ります。数字がないのは手抜きではなく、出せないものを出さなかった跡です。

同じ欄に入りうる3つの書き方と、それぞれが言っていること
書き方成り立つ条件言えていること
99.9%減少残った数が数えられた始めの数と残った数の比
検出されず残った数が下限より少なかったその回の数え方では見つからなかった
変化なし始めとほぼ同じ数が残った増える力が残っていた

3つを並べると、真ん中だけが性格の違う欄だと分かります。上と下は数の話で、真ん中は数え方の話です。生菌の資料を読むときは、この行がどちらの種類かを先に見分けてください。数の欄なら比べられますし、数え方の欄なら、比べる前に下限のほうをそろえる必要が出てきます。

検査時間30秒・60秒は、何を計った秒数ですか|洗濯表示と同じ読み方をする欄

セーターの内側についている洗濯表示には、桶の絵の中に40という数字が入っています。あれは「40℃以下の水で洗えば縮まない」という条件であって、洗濯機の性能の目盛りではありません。50℃で洗ったらどうなるかは、あの表示には書かれていません。条件を外した先のことは、書いた人も確かめていないからです。

生菌不活性化試験の「検査時間30秒」「検査時間60秒」も、同じ性格の欄です。この秒数は、検体を採った時刻を指しています。30秒で何かが完了した、という速さの記録ではありません。10秒後がどうだったか、5分後にどうなっていたかは、その回では採っていないので分かりません。時刻を増やしたければ、採る回数を増やした別の試験が要ります。

この試験が見ている時刻と、見ていない時間 検体を採った時刻だけが記録に残ります。その前後の時間は、同じ試験では観察されていません。 対象によって、採る時刻の置き方は変わります 0秒 開始時点の菌数を決める 比べる相手はここの数です 30秒 細菌・真菌で検体を採る この時刻の検体で数える 60秒 ウイルスで検体を採る 採る時刻が対象ごとに違う その先 採っていない時間 1時間後も翌日も記録がない
点として採った時刻が2つあるだけで、線としての持続は測られていません。

だから「30秒で」という言い方だけを取り出すと、洗濯表示から40という数字だけを抜き出したのと同じことになります。秒数は、結果とセットで初めて意味を持つ条件の一部です。試験条件のもとで、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されず。この一続きで1つの記録だ、と考えてください。

犬の体の上でも同じことが起きますか|生菌の試験が測っていない範囲

測られていません。この試験が見ているのは、実験室の容器に入れた検体1つぶんの中身です。犬や猫の被毛の上には、皮脂があり、汗があり、その日に乗った砂やほこりがあります。容器の中には、そのどれもありません。条件が違うところで同じことが起きるかどうかは、この試験からは読めません。

この4つを先に決めておくと、資料が読みやすくなります。言えることより、言えないことのほうが、暮らしの側では大きく変わります。生菌が検出されずという一行は、外側の4つについては何も言っていない。そう区切って受け取るほうが、あとから読み返したときに揺れません。

これは商品の説明ですか|水の検証と、商品の話が別の欄にある理由

商品の説明ではありません。生菌不活性化試験で調べられたのは、ワンテンスの電解水そのものです。検査機関も、その水を対象に検査を行っています。名前が併記されているのは、条件を決めた側と確かめた側が別だと分かるようにするためです。江東微生物研究所、日本食品分析センター、ユニオンバイテック、日本繊維製品品質技術センターの4つが、対象ごとに分かれて実施しています。

だから、主語だけを商品名に入れ替えた書き方はできません。このスプレーが30秒で菌をゼロにしますのような形は、水の検証を商品の働きの言い切りに変えたものです。確かめられたのは水の側で、商品の側で確かめたことにはなりません。

そのうえで、商品を選ぶときに見る欄も、この資料の中にあります。mofuwa スキンケアミストは高機能性電解酸化水100%で、水そのものが清涼飲料水の規格基準に照らして調べられている側の品です。こちらは中身についての欄で、秒数も条件もついていません。口のまわりや指のあいだのように、その子が数秒後に舌を通してしまう場所へ置く1本を選ぶときは、スキンケアミストのような中身の欄のほうを読むことになります。条件つきの数値は、家の床や被毛の上まで届きません。

特許5253483との関係を知りたいときは|生菌の数え方とは別の系統にある話

つながっていません。特許5253483は、水の作り方が新しいものとして登録された、ということを示す番号です。登録されたのは構造と方法であって、できあがった水がどう働くかは、番号からは読めません。生菌不活性化試験は、その逆で、できあがった水を外から観察した記録です。作り方と観察は、確かめている対象が最初から違います。

同じ資料に並ぶ3つの欄。それぞれが答えている問い
欄何に答えているか答えていないこと
特許5253483水の作り方が新しいものとして登録されたことできた水が何をするか
生菌が検出されず試験条件下で、その時刻に見つからなかったこと家の中・体の上・その後の時間
清涼飲料水の規格基準への適合水の中身に何が入っていないか使い方と、体の上で起きること

3つの欄を1つの文にまとめると、どこかで一段、言葉が飛びます。別々に読んで、別々に置いておくのが、この資料の正しい扱い方です。生菌の結果を知りたいときは真ん中の行だけを、中身を知りたいときは下の行だけを見る。そうすると、どの行がどこまでを言っているかが、後から読み返しても崩れません。

3行に畳んだ読み方|「検出されず」という5文字を家に持ち帰る

通しで整理します。1行目、生菌とは培地の上で増えることができた菌のことです。2行目、「検出されず」はゼロの証明ではなく、その回の数え方で見つからなかったという位置です。3行目、検査時間30秒・60秒は、検体を採った時刻です。この3行を持っていれば、電解水にかぎらず、試験条件つきで書かれたどの一行でも、範囲を区切って受け取れます。

家に持ち帰るところまで書いておきます。資料の読み方が変わっても、その子の毎日は変わりません。見るのは、手ざわりと、乾くまでの時間と、いつもと違う場所をなめていないかの3つです。試験の一行は、この3つのどれも代わりに見てはくれません。数字の側から暮らしを決めない、というのが、「検出されず」という5文字を読んで残ることだと思います。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。