C09シーン別・暮らし
ソファとカーペット、はじめて犬を迎えた人はどうしている?
ソファの座面を手のひらでなでたら、指の腹に短い毛が5本ついてきました。目で見たときには、そこに毛はありませんでした。布の面に落ちた毛は、繊維のあいだに入り込んで、上からは見えなくなります。初めて犬を迎えた人がまず困るのは、量が多いのか少ないのか、比べる相手がいないことです。掃除をしても減った気がしない。減っていないのか、そもそもこれが普通なのかも分からない。この記事では、ソファとカーペットで毛がどうなっているかを先に書いて、そのあとで、最初の1か月に自分の家の基準を作る手順を並べます。数える相手は、よその家ではなく、先週の同じ場所です。
ソファに刺さった毛と、床に落ちた毛は別のもの|初めて犬を迎えた家で毎日の量が分からなくなるところ
フローリングに落ちた毛は、見えます。平らな面の上に横たわっているので、光の当たり方で線として浮かびます。掃除機をかければ、かけた前後の違いも目で分かります。ソファとカーペットでは、この2つがどちらも成り立ちません。布は平らな面ではなく、細い糸が立って並んでいる面だからです。
犬の毛は、片方の端が細く、もう片方が太くなっています。落ちた毛が布に当たると、細いほうの端から繊維のあいだに入り、そこで止まります。上に乗っているのではなく、刺さって立った状態で残ります。座ったり立ったりするたびに、その毛はさらに奥へ押し込まれます。ソファの座面で毛が見えないのは、少ないからではなく、見える向きに残っていないからです。
初めて犬を迎えた人にとって、ここがいちばん判断しにくいところです。掃除をした直後にもう一度粘着ローラーをかけると、また毛が取れる。何回やっても終わらないので、多すぎるのではないかと感じます。実際には、布の奥に入った毛が、人が座ったりその子が乗ったりするたびに、少しずつ表に戻ってきているだけです。
- 布の目が粗い:毛が入り込む深さが深くなり、一度で取れる量が減ります
- 起毛している:表面に細い糸が立っているので、毛が横向きに絡んで止まります
- その子がいつも同じ場所に乗る:ソファの中でも、量は半分だけに偏ります
- カーペットの毛足が長い:床より深く沈むので、歩いただけでは表に戻ってきません
- 暖房で空気が乾いている:静電気で毛が布に張りつき、はらっても落ちません
もうひとつ、量そのものが日によって動きます。犬の毛が抜ける量は、季節、室温、その子の年齢、被毛の作り、寝ている場所で変わります。だから「1日に何本までが普通」という数字は、どこにも存在しません。初めて犬と暮らす人が探しているのはその数字ですが、探しても出てきません。出てこないので、多いのか少ないのか分からないまま、掃除の回数だけが増えていきます。
毛の量に一般的な正解がない以上、比べる相手は自分の家の先週になります。同じソファの、同じ場所を、同じ回数で見たときに取れた量。これを1か月ぶん並べると、その子の「ふつう」が真ん中に出てきます。初めての1か月は、掃除の記録ではなく、基準を作るための1か月だと考えてください。ここができると、あとは増えたか減ったかだけで判断できます。
最初の1か月、同じ場所を同じ回数で見る|ソファとカーペットの毛を数える手順
手順は5つです。大事なのは中身より、1か月変えないことのほうです。場所・道具・回数・時刻の4つを固定します。途中で1つでも変えると、その日から前の週と比べられなくなります。初めて犬を迎えた家では、掃除のやり方を試している途中だと思いますが、この1か所だけは触らないでおいてください。
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手順1:場所を1か所だけ決める
ソファ全体ではなく、その子がいつも乗っている側の座面、半分だけにします。カーペットも同じで、ソファの前の1畳ぶんなど、範囲を決めてください。全体を見ようとすると、日によって範囲が変わり、量も変わります。1か所に絞ると、毎日30秒で終わります。
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手順2:道具と回数を固定する
粘着ローラーを1本決めて、毛の流れと関係なく、同じ向きに3往復と決めます。強さも同じ。掃除機を使う日も使わない日もあると量が動くので、この1か所については粘着ローラーだけにしてください。道具を替えたくなったら、1か月終わってからにします。
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手順3:やる時刻を、毎日の中の同じ場所に置く
夜のごはんのあと、寝る前、朝出かける前。どこでも構いませんが、1か月同じにします。昼と夜では、その子がソファに乗っていた時間が違うので、取れる量も違います。時刻を固定すると、その差が消えます。
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手順4:はがしたシートを見て、3段階でメモする
本数は数えません。薄い・ふつう・びっしりの3段階だけにします。スマートフォンでシートの写真を1枚撮って、カレンダーに丸・三角・二重丸をつけるだけで足ります。初めての人ほど、細かく記録しようとして3日でやめてしまいます。3段階なら1か月続きます。
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手順5:7日目・14日目・30日目に、写真を並べて見比べる
毎日見ていると差が分かりません。1週間ぶんの写真を横に並べると、多い日と少ない日がはっきり分かれます。30日目に並べたとき、真ん中あたりに集まっている量が、その子の「ふつう」です。ここが、初めて犬と暮らす家に作れる、唯一の基準になります。
| 1か月固定するもの | 動かしていいもの | |
|---|---|---|
| 場所 | ソファの座面、いつも乗る側の半分 | ソファのほかの場所は自由に掃除して構いません |
| 道具 | 粘着ローラー1本だけ | 床やほかの部屋は掃除機でも構いません |
| 回数 | 同じ向きに3往復 | 取り切りたい日は、記録のあとで追加します |
| 時刻 | 毎日おなじ時間帯 | 旅行などで抜けた日は、空欄のままにします |
| 記録 | 薄い・ふつう・びっしりの3段階 | 気づいたことがあれば1行だけ足します |
1か月続けると、副産物がひとつ出てきます。取れた量が多い日に、前の日に何があったかが分かるようになります。暖房を入れはじめた日、雨で濡れて帰ってきた日、来客があって興奮していた日。毎日の記録が並んでいると、量が動いた理由のほうが先に見えます。ここまで来ると、ソファの毛は掃除の問題ではなく、その子の一日の記録になります。
多い日と少ない日を分けるやり方|初めてでもソファの毛に線が引けるところ
記録が壊れるつまずきは、だいたい3つです。どれも「もっときれいにしたい」という方向から起きます。掃除としては正しい手ですが、基準を作っている1か月のあいだは、量の比較を壊します。初めて犬を迎えた家では、この3つが全部同時に起きることがあります。
| やりがちなこと | 起きること | そのかわりにやること |
|---|---|---|
| 取れなかった日に回数を増やす | 多い日ほど数字が大きくなり、差が消える | 3往復で止めて、記録のあとに追加でかける |
| 途中で道具を替える | 取れる量が道具の性能で動いてしまう | 1か月は替えない。試すのは別の場所で |
| 日によって場所を広げる | 面積が変わり、量の比較ができなくなる | 決めた半分だけ。ほかは自由に掃除する |
3つに共通しているのは、手を増やすほど、量が分からなくなるということです。初めての1か月にやることは、毛を減らすことではありません。どのくらい落ちるのが自分の家の普通なのかを知ることです。減らす手は、基準ができてからいくらでも足せます。順番を逆にすると、いつまでも「これで合っているのか」が分かりません。
1か月ぶんが並んだら、多い日に線を引きます。写真を見て、びっしりに丸をつけた日だけカレンダーから抜き出してください。そこに何か共通点があるかを見ます。毎年決まった時期に毛がまとまって抜ける犬は多いので、月をまたいで増えているなら、それは季節の側の理由です。特定の曜日に集まっているなら、生活の側の理由になります。
- 暖房を入れた週から増えた:室温と乾燥が動いた時期です。加湿と、ソファに敷く布の見直しが先です
- 雨の日の翌日に増える:乾ききらないまま寝ていると、毛が布に張りつきやすくなります
- 来客や外出のあとに増える:興奮した日に抜ける量が動くことがあります。連続していないか見てください
- 春と秋にまたいで増えている:季節の変わり目です。1か月では終わらないので、記録を続けてください
- 理由が見あたらず、毎日びっしりが続く:量ではなく出かたを見る段階です。次の見出しへ進んでください
座面のいつも乗る側に、洗える布を1枚かけておくやり方があります。毛が布の奥まで刺さらないので、粘着ローラーで取れる割合が上がります。ただし、1か月の記録の途中で始めないでください。条件が変わって、前の週と比べられなくなります。始めるなら、30日目に基準を作り終えてからです。そこから先は、布を替えた日の量が新しい基準になります。
毎日のケアの側でも、ひとつだけ足せることがあります。暖房を入れた週から量が増える家では、動いているのは毛ではなく、地肌のほうです。そしてソファに当たる面、つまり背中から腰にかけては、その子の口も後ろ足も届きません。乾いてきていても、本人にはどうにもできない帯がここに1本あります。mofuwa スキンケアミストは電解水100%です。地肌に置くものとしては、水しか乗りません。布に含ませて、背中から腰まで毛の流れに沿って1往復なでる。浮いていた毛が布のほうへ移るので、シートに乗る本数もそのぶん減ります。散歩から帰ったあとの30秒でできます。ただし、始めるのは30日目に基準を作り終えてからにしてください。条件が1つ増えると、その日を境に前の週と比べられなくなります。基準ができたあとなら、始めた日の量が新しい基準になるだけです。
量ではなく毛の出かたが変わったとき|ソファとカーペットで家でできることの外側
1か月の記録は、量を見るためのものです。ただ、量が同じでも、毛の出かたが変わることがあります。こちらは掃除やケアの話では扱えません。ソファとカーペットは、その子が一日でいちばん長く体を預けている面なので、変化がいちばん早く残る場所でもあります。粘着ローラーのシートを見るとき、次の点だけ一緒に見てください。
- 短く切れた毛が混ざる:自然に抜けた毛ではなく、途中で切れた毛です。かいている場所がないか探してください
- 毛の根元側に白いものがついている:抜け方が普段と違うことがあります。回数ではなく状態の話です
- フケが一緒に取れる:地肌の乾きが進んでいることがあります。暖房の期間と重なっていないか見てください
- ソファの決まった一角だけ量が多い:体の同じ面をいつも当てている場所です。その面の地肌を見てください
- その子がソファやカーペットに体をこすりつける:毛の量より先に、かゆみのほうを見る段階です
- 地肌が見えるほど薄くなった場所がある:量ではなく、生えている側の変化です
地肌が広く見えている、赤くなっている、じくじくしている、においがある、同じ場所をなめ続けている、触ると痛がる、短く切れた毛が急に増えた、フケが1週間以上続けて増えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、掃除の回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。初めて犬を迎えた人ほど、これが普通なのか判断がつかず、様子を見る時間が長くなります。迷ったときは早いほうを選んでください。
相談に行くときは、粘着ローラーのシートの写真、増えはじめた日、その週の室温や暖房の状況の3つを持っていってください。1か月の記録があると、「いつからいつもと違うか」がその場で伝わります。初めての診察では、これが言えるかどうかで話の進み方が変わります。写真は撮りためたもののうち、いちばん量が少ない日と多い日の2枚で足ります。
ソファとカーペットの毛は、犬と暮らしていればなくなりません。布に刺さって止まる以上、掃除の道具をどれだけ変えても、ゼロにはならないからです。初めての1か月にやることは、ゼロにすることではなく、真ん中を知ることです。同じ場所を、同じ回数で、同じ時刻に見る。それを30日並べれば、多い日と少ない日の線が自分で引けるようになります。その線ができたあとは、毎日の掃除は減らして構いません。基準さえ持っていれば、増えた日にだけ手を足せます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- ソファのカバーは、どんな布だと毛が刺さりにくいですか?
- 織りが詰まっていて、表面に毛足が立っていない布のほうが、奥まで入り込みにくくなります。起毛したものや目の粗いものは、毛が横向きに絡んで止まります。ただし、素材を替えても落ちる量そのものは変わりません。取りやすくなるだけです。替えるときは、1か月の記録が終わってからにしてください。途中で替えると、その日を境に量が動いて、前の週と比べられなくなります。
- 毛がまとまって増える時期は、年に何回ありますか?
- 多くの犬で春と秋に動きますが、室内で暮らしていると、暖房や照明の影響でずれることがあります。回数を覚えるより、記録した月を残しておくほうが役に立ちます。翌年の同じ月と見比べれば、その子にとっての増える時期が分かります。初めての1年は、増えるたびに驚くと思いますが、2年目からは前年の記録が基準になります。
- 掃除機と粘着ローラーは、どちらを先に使えばいいですか?
- ソファやカーペットのように毛が刺さる面では、先に粘着ローラーで表に出ている毛を取り、そのあとで掃除機をかけるほうが取り残しが減ります。逆にすると、吸い口が布の表面をなでて、毛を奥へ押し込むことがあります。ただし、量の基準を作っている1か月は、決めた1か所については粘着ローラーだけにしてください。道具が2つ混ざると、その日の量がどちらの結果か分からなくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
