C03使い方・お手入れ手順

フィンガータイプの上手な持ち方

公開日 2022年3月23日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色のソファに座った人の膝の上で落ち着いている薄い色の犬
片手がその子を支えていると、ボトルを持つ手は残り1本になります。写真:https://kaboompics.com//Pexels

ソファに座って膝にのせた子の背へ、10回押すつもりでボトルを構えたら、3回目で指がヘッドの端から滑りました。フィンガースプレーの使い方でつまずくのは、量でも回数でもなく、この押し切れていない1回が10回のうちに何回まざるかです。しかも出なかった回と、出ていたのに地肌まで届いていなかった回は、見た目で区別がつきません。片手がその子を支えているあいだ、こちらに残っているのは1本の手と、その指1本だけ。まず10回押して、内訳を数えるところから分けていきます。

10回のうち何回そのまま出たか|フィンガースプレーの使い方の目安を決める前に

ここでいうフィンガースプレーとは、ボトルの上のヘッドを指で押し下げて霧を出す形のものです。握って引くレバー式とは、力のかかる向きが違います。レバー式は手のひら全体で引くので、多少持ち方がずれても引き切れます。指で押し下げる形は、力をかける場所が指先の一点しかないぶん、のせる位置が数ミリずれただけで押し切れなくなります。

だから使い方を考える前に、10回押して内訳を数えます。膝の上にその子をのせ、片手で体を支えたまま、いつもの距離から背中へ向けて10回。出た回と、出なかった回と、出たのに毛の表面で止まった回を、その場で3つに分けて数えます。出た回数が8回の人と4回の人とでは、直す場所がまったく別になります。

10回の内訳から、次に確かめる条件を選ぶ
10回のうちその回に起きていたこと次に確かめる条件その場でできること
8回以上そのまま出た持ち方はすでに安定している霧が届いた場所が毛か地肌か距離を1つ近づけて、同じ10回を数え直す
5〜7回押し切れていない回がまざる指がヘッドのどこにのっているか指を中心へ移し、そのまま5回だけ試す
4回以下押す前から力が横へ逃げている手首の向きとボトルの傾き支える手を組み替えて、持つ手を替える
数える前にその子が動いた回数そのものが取れていない音か、霧の向きか、体勢かその回は様子見にして、翌日に数え直す

この10回は、その子のためではなく、こちらの手のために数えます。フィンガースプレーの使い方の目安は、1日に何回押すかではなく、押した回のうち何回がそのまま届いたかのほうにあります。10回のうち4回しか届いていない持ち方で回数だけ増やすと、増えるのは押した数と、その子が膝の上でじっとしている時間の長さだけになります。

紙は1枚で足ります。日付、そのまま出た回数、止まった回数、その子が動いた回数の4つだけ。3日そろえば、内訳が毎回同じところで崩れているのか、日によって変わるのかが分かります。毎回同じ場所で崩れているなら持ち方の問題で、日によって違うならその日の条件の問題です。

出ない・ずれる・届かない・離れる|フィンガースプレーの見分け方は4つに分かれる

うまくいかない回は、4つのどれかに当たります。4つとも見た目は「うまく使えていない」で同じですが、起きている場所が違うので、やることも別々になります。順番に切り分けます。

4つの分かれ方と、それぞれで動かすもの
起きていること確かめ方起きている場所動かすもの
そもそも霧が出ない音はしたか。指が最後まで下りたか指とヘッドのあいだ指をヘッドの中心へ。爪先ではなく指の腹で
出るが向きがずれる霧が毛ではなく空気中へ散っていないか手首とボトルの角度ボトルを立て、手首をまっすぐに戻す
毛にはつくが地肌まで届かない毛をかき分けて、下が乾いていないか距離と毛の厚み毛を指で分けてから、分けた線へ向けて押す
押した瞬間にその子が離れる離れたのは音の直後か、霧のあとかその子と道具のあいだ手のひらに出してから運ぶ形へ切り替える
押してから地肌に届くまでに、どこで止まるか 指がヘッドを押し切れずに止まる回と、霧は出ているのに毛の表面で止まる回では、見えている結果が同じでも原因が違います。前者は指の位置、後者は距離と毛の分け方で変わります。 押す 指の腹 出る 霧の粒 届く 地肌まで 指がのる位置 角度と距離 押すところで止まる 指がヘッドの端にのる 最後まで押し切れない 届くところで止まる 毛の表面で止まり地肌へ行かない 近すぎて1か所に溜まる
同じ「うまくいかない」でも、止まっている場所が違います。

4つのうち、いちばん多く取り違えられるのが3つ目です。霧は見えているので、こちらは届いた気になります。ところが毛の厚い子では、押した量の大半が毛の表面で止まります。手のひらで毛をかき分け、地肌の見える線をつくってから、その線へ向けて押す。同じ1回でも、届く場所が変わります。フィンガースプレーの見分け方で確かめるのは、出たかどうかではなく、下まで行ったかどうかです。

4つ目を、その子の性格や慣れの問題にしないでください。同じ子でも、音で離れる日と、顔の側へ霧が流れた日とでは、離れるまでの早さが違います。離れた回が3回続いたら、原因を1つに決める前に、音・向き・体勢のどれを変えた日だったかを紙に書き足します。条件が分かれば、そこだけ替えられます。

犬が半歩下がったら、その回は様子見|フィンガースプレーを持ち替える回数を減らす

犬が半歩下がった回は、その場で押し直さずに様子見にします。下がったのは離れたい合図ではなく、こちらの手とボトルの位置が、その子の視界の中で動いたからということが多いからです。ここで追いかけて押すと、次の回は構えた時点で下がるようになります。

様子見にした回も、数には入れます。10回のうち、そのまま出た回・止まった回・様子見にした回。この3つの内訳が、次の日に何を変えるかを決めます。様子見の回が増えているのに出た回数だけを見ていると、持ち方は直っているのにその子が離れていく、という食い違いが起こります。

持ち替えの回数も1つ数えておきます。1回のケアで2回以上持ち替えているなら、順番のほうを組み直します。ボトルを置く場所をその子の反対側の膝の上にして、毛を分ける手と押す手を固定する。持ち替えが1回に減るだけで、下がる回が目に見えて減ります。フィンガースプレーの使い方で最初に削るのは、押す力ではなく、手が動く回数です。

指が滑る前に出ているサイン|フィンガースプレーの使い方を持ち方から直す

指がヘッドから滑る回には、その前に出ているサインがあります。3つとも、押す前の構えの段階で見えます。滑ってから直すより、構えたところで1つ戻すほうが早く済みます。

  1. 1|指の腹を、ヘッドの中心にのせる

    爪先や指の先端でのせると、押し下げる力の一部が横へ逃げます。腹でのせると、力が真下に入ります。サインは、押す前にヘッドの縁が指に当たっている感触があるかどうか。縁に当たっていたら、その回は端にのっています。

  2. 2|手首をまっすぐにして、ボトルを立てる

    手首が内側に入ると、ボトルは自然に傾きます。傾いた状態では霧が横へ出て、毛ではなく空気中へ散ります。サインは、自分の指先とボトルの口が一直線に見えるかどうかです。

  3. 3|支える手を先に決めてから、持つ手を決める

    その子を支える側を先に決めます。右側で支えるなら、ボトルは左手。逆にすると、押すたびに腕がその子の顔の前を通ります。サインは、構えたときに自分の腕がその子の目線を横切っているかどうかです。

  4. 4|毛を分ける線を先につくってから、押す

    押してから分けると、霧はすでに毛の表面で止まっています。先に指で分けて地肌の線をつくり、その線へ向けて1回。分けた指はそのまま置いておくと、次の回も同じ場所へ届きます。

  5. 5|1か所ぶんが終わったら、10回の内訳を書く

    書くのは4つの数字だけです。そのまま出た回、止まった回、様子見にした回、持ち替えた回。3日ぶん並べると、直したのが持ち方だったのか、条件だったのかが分かります。

この持ち方で毎日使っているのは mofuwa グルーミングスプレーです。犬も猫も体から脂が出るので、ゆうべ拭いたところに、翌日にはもう汚れが乗っています。毎日シャンプーはできず、サロンにも毎日は通えません。その毎日を成り立たせるためにつくられた1本なので、吹きかけてブラシを通すところまでで1回が終わります。手のひらに出してから運ぶ持ち方にも替えられるので、音で下がる子にはその形が向きます。

Caution内訳が持ち方で説明できなくなったとき

そのまま出た回数が増えているのに、離れる回だけが日ごとに増えていく/同じ部位でだけ、毎回下がる/触れた場所を、こちらが手を離したあとに長くなめている/毛を分けた線の地肌が赤い、さわると熱い/においが先週と変わった。こうした内訳の崩れ方は、持ち方や距離では説明がつきません。痛みやかゆみが下にあると、同じ持ち方でも離れる回だけが増えていきます。3日ぶんの4つの数字と、どの部位で起きたかを書いた紙を持って、動物病院で体のほうを見てもらう日をつくってください。数字が並んでいれば、いつから、どこで変わったのかがそのまま伝わります。

中身のほうも、持ち方の話につながっています。このスプレーは還元水が100%で、香りもアルコールも入っていません。だから手のひらに多めに出しても、量を細かく数えずに済みます。地肌まで届かなかった回の分を、手のひら経由でそのまま補えるのは、この形だからです。余分な皮脂は電解水となじんで乳化するので、押した回数が少ない日でも、手のひらに汚れが移ってきます。※本製品は飲用ではありません。

様子見にしていい日と、続ける日|フィンガースプレーの使い方を毎日の形にする

部位によって持ち方を変えると、1回の持ち替えが減ります。同じ持ち方で全身を回ろうとするから、途中で手を組み替えることになります。部位ごとに、押すか、手のひらへ出して運ぶかを先に分けておきます。

部位ごとの持ち方と頻度の使い分け
部位押すか、手のひらへ出すか頻度の置き方様子見にする合図
背中・腰そのまま押す。分けずに届く毎日、散歩のあとに1回押す前に体をひねる
後ろ足のつけ根毛を分けてから押す毎日、背中の続きで1回足を強く引く
胸・前足手のひらへ出して運ぶ1日おきに1回顔を背ける
顔まわりを避けた首すじ手のひらへ出して運ぶ様子を見ながら2日に1回半歩下がる
おなか側その子が横になった日だけ姿勢が開いた日に1回起き上がる

表の右端が、その日をどうするかを決める合図です。合図が出た部位は、その回で終わりにして、翌日に同じ部位からやり直します。同じ部位で3日続けて合図が出たら、持ち方ではなく置き方を変えます。膝の上から床へ、床からその子の寝床の横へ。場所を1つ替えるだけで内訳が戻ることがあります。

ブラシとの組み合わせも、順番だけ決めておきます。グルーミングスプレーが先、ブラシがあと。乾いた毛にブラシを入れると静電気で毛が浮き、絡んだ一瞬でその子が動きます。動いた回は、押した回数に関係なく内訳を崩します。10回の数字が安定してきたら、押す回数を増やすのではなく、届いた場所を1か所ずつ広げてください。

今日は、膝の上で背中に3回だけ押して、その内訳を紙に書くところで終わりにしてかまいません。ボトルは、次に座る場所のそばに置いたままにしておきます。1週間ぶんの数字が並んだとき、変わっているのは押した回数ではなく、そのまま届いた回の割合のほうです。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

霧が出るまで何回も押してしまいます。押しすぎになりませんか。
押した回数より、出なかった回が続いた原因のほうを先に見てください。指がヘッドの端にのっていると、何回押しても同じところで止まります。指の腹を中心へ移して5回だけ試し、それでも出ない回が半分を超えるなら、持つ手を替えます。量そのものは、手のひらに出して使う分も含めて細かく数えなくてよい中身なので、出てしまった分を気にして回数を減らす必要はありません。
ボトルを振ってから使ったほうがいいですか。
振る手順は、この1本には決まっていません。振る動作はその子の目の前で物が動く時間を長くするので、膝の上に乗せた状態ではむしろ下がる回が増えます。構えてから押すまでの動きを短くするほうが、内訳は安定します。使う前にやることを1つ足すなら、振るよりも、毛を指で分けて地肌の線をつくるほうに時間を使ってください。
猫でも同じ持ち方でいいですか。
持ち方は同じで構いませんが、押したときの音で離れる子が犬より多くなります。10回のうち様子見にした回が半分を超えるなら、押す形をやめて、手のひらに出してから運ぶ形へ全部切り替えてください。数える数字も、そのまま出た回ではなく、手のひらから運べた場所の数に変わります。猫は自分で毛づくろいをする時間が長いぶん、1回に触れる場所は1か所で足ります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。