C04悩み解決
シニア期の泥汚れ|若い頃と同じケアでは追いつかない
犬が歩くとき、前足が地面を蹴ると泥は後ろへ跳ね上がります。若いうちは歩幅が広いので、その泥は後ろ足が来る前に落ちています。歩幅が狭くなると、後ろ足が前足の跳ね上げた泥を踏むようになります。シニア期に泥汚れが落としにくくなったと感じるのは、泥汚れの量より、つく場所が変わったからです。若い頃はお腹についていた泥が、いまは後ろ足の内側としっぽのつけ根に集まります。まず、どこが変わったのかから整理します。
後ろ足が、前足の泥を踏んでいる
シニア期の泥汚れは、量ではなく位置の話になります。犬が歩くとき、前足が地面を蹴ると泥が後ろへ跳ね上がります。若いうちは歩幅が広いので、跳ね上がった泥は後ろ足が到達する前に落ちます。だから泥は、跳ね上がった高さのままお腹に当たる。若い子のお腹が汚れるのは、この経路です。
歩幅が狭くなると、この距離が縮まります。前足が跳ね上げた泥の上に、後ろ足がそのまま置かれる。踏んだ泥は後ろ足の裏から内側へ上がり、左右の後ろ足が近い分だけ、内股としっぽのつけ根に寄せられていきます。跳ね上がる勢いも弱くなるので、お腹まで届かなくなります。
| 若い頃 | シニア期 | |
|---|---|---|
| 歩幅 | 広い。跳ねた泥が落ちてから後ろ足が来る | 狭い。跳ねた泥を後ろ足が踏む |
| 主に汚れる場所 | お腹、胸、前足 | 後ろ足の内側、内股、しっぽのつけ根 |
| 汚れ方 | 点々と飛ぶ。乾けば落ちやすい | こすりつけられて広がる。毛の根元まで入る |
| 気づきやすさ | 見える場所なので、すぐ分かる | 体の下側と後ろなので、見ないと分からない |
いちばんの問題は、新しく汚れる場所が、飼い主から見えない位置だということです。お腹は抱き上げれば見えます。しっぽのつけ根と後ろ足の内側は、意識して覗き込まないと目に入りません。「汚れがひどくなった」ではなく「見ていなかった場所に溜まっていた」ということが起きます。
つく場所が変われば、拭く場所も変わる
泥汚れがつく場所が変わったぶんだけ、拭く場所を移します。手順を増やす必要はありません。いままでお腹に使っていた時間を、そのまま後ろへ移すだけです。順番も、後ろから前に変えます。
-
しっぽのつけ根から始める
いちばん奥まで泥が入っている場所です。しっぽを持ち上げて、根元の毛をかき分けて見てください。ここを最後に回すと、すでに乾いて固まってしまいます。
-
後ろ足の内側を、上から下へ
内股からかかとに向けて、毛の向きに沿って拭きます。左右の足を1本ずつ。同時にやろうとしないでください。立っている時間を短くするためです。
-
後ろ足の裏と、指のあいだ
踏んだ泥の入口です。指を1本ずつ広げて確かめます。ここが残っていると、拭いた場所にまた泥が移ります。
-
最後に前足とお腹を、軽く
シニア期にはこの範囲の汚れは減っています。減った場所に若い頃と同じ時間をかけないでください。その分の時間を、後ろに回します。
後ろ足の内側は、立たせないと届きにくい場所です。ただ、シニア期は立っていられる時間が短くなります。横になった姿勢のまま上側の足だけ拭き、反対を向いてもらってもう片方、という進め方でも届きます。その子が楽な姿勢を先に決めてから始めてください。
洗う回数は、増やせない
泥汚れが落ちにくいからと、汚れる場所が奥になったなら、洗う回数を増やせばいい。そう考えたくなりますが、シニア期はここが増やせません。理由は3つあります。
- 体力:シャンプーは、立つ・濡れる・乾かすという工程が続きます。若い頃と同じ時間をかけると、終わったあと長く動けなくなることがあります
- 体温の下がりやすさ:濡れた状態が続くと体が冷えます。歳を重ねると、下がった体温が戻るまでの時間が長くなります
- 立っていられる時間:後ろ足で体を支える時間が短くなります。洗っている途中で足が滑る、座り込む、ということが起きます
つまり、洗う回数を増やすのではなく、1回の洗う日を短くして、あいだの日に落とせる量を増やすほうへ向かうことになります。
| やること | かける時間 | |
|---|---|---|
| あいだの日(帰宅後) | 乾かしてから、はたく。後ろから順に布で拭く | 5分ほど |
| 洗う日 | 全身。後ろ足の内側としっぽのつけ根を先に | その子が立っていられる範囲で |
後ろ足の内側としっぽのつけ根は、その子が自分では届かない場所です。若い頃は体をひねって口が届いていた場所でも、体がかたくなると、そこだけ手入れが止まります。洗う日にここから先に洗うのは、そのためです。
mofuwa モイストシャンプーは、洗浄成分をアミノ酸系のものだけにして、量そのものも抑えています。足りないぶんの泡立ちは、原料の水に使っている電解水が補います。落としすぎないので、洗い上がりを戻すためのトリートメントが要りません。
シニア期に短くしたいのは、洗っている時間よりも、浴室で立っていられる時間のほうです。塗って、すすいで、また流すという往復が1つ消えるだけで、後ろ足で体を支える時間が数分ぶん減ります。泥汚れが集まる後ろ足の内側としっぽのつけ根から始めておくと、いちばん時間のかかる場所を、立っていられるうちに済ませられます。
歩幅が変わったときに、見ておきたいこと
ここまで歩幅が狭くなることを前提に書いてきましたが、歩幅が変わること自体は、汚れの話ではありません。汚れる場所が変わったことに気づいたなら、それは歩き方が変わったという合図でもあります。
- 左右で汚れ方が違う:片側の足の使い方が変わっている可能性があります
- 数か月のあいだに急に変わった:加齢による変化は、もっとゆっくり進みます
- 後ろ足の指の外側だけ、いつも汚れる:足を引きずっているときの当たり方です
- 散歩の途中で座り込むようになった:距離ではなく、支えていられる時間の問題かもしれません
足を引きずる、片足をかばう、立ち上がるのに時間がかかる、階段を避けるようになった、触ると痛がる場所がある、しっぽのつけ根や内股の皮膚が赤い・においが変わった。いずれかに当てはまるときは受診してください。歩き方の変化は、家庭のケアで様子を見る対象ではありません。
受診の前に、いつから気づいたか、どちらの足か、散歩の距離と時間に変化はあるかをメモしてください。歩いている様子を後ろから短く動画に撮っておくと、診察室では見せられない普段の歩き方が伝わります。
毎日の5分を、どこに使うか
洗う回数を増やせない以上、あいだの日の質を上げるしかありません。やることを足すのではなく、見る場所を移すだけです。泥汚れが集まる場所は、もう分かっています。
-
散歩から帰ったら、まず乾かす
泥がついたまま拭こうとしないでください。乾いた泥は落ちますが、濡れた泥は伸びます。タオルで水分だけ取って、そのまま少し置きます。
-
乾いたら、後ろから順にはたく
しっぽのつけ根、後ろ足の内側、足の裏。手で軽くはたくだけで、乾いた泥の大半は落ちます。ブラシを使うなら毛の向きに沿って動かします。
-
残ったところだけ、布で拭く
全身を拭かないでください。触られている時間そのものが、シニア期には負担になります。はたいて落ちなかった場所だけに絞ります。
-
週に一度、しっぽのつけ根を見る
汚れではなく、皮膚を見ます。赤くなっていないか、においが変わっていないか。ここは自分でも見にくく、その子も舐めにくい場所です。飼い主が見るしかありません。
3番目の工程で使う布は、固く絞ってください。濡らす範囲を最小限にしたい時期なので、広い面をいちどに湿らせないことです。拭いたあと、乾いた面でもう一度なでて水分を残さないところまでを1組にします。寝床に泥汚れを持ち込む量は、この一手間で変わります。
はたく場所を後ろへ移すと、最初の数日は手が余ります。余った時間は、しっぽのつけ根をもう一度見ることに使ってください。ここを毎日見ていると、泥汚れがついた日とつかなかった日の差が、そのまま歩いた場所の記録になります。半年ぶん続けたころには、同じ散歩道でも、その子が最近どこを選んで歩いているかが分かるようになります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- シニアになってから、シャンプーの頻度は減らすべきですか?
- 頻度そのものより、1回にかかる時間を短くすることを先に考えてください。立っている時間、濡れている時間、乾かす時間のどこが負担になっているかで、変えるところが変わります。持病がある子は、動物病院で相談してから決めてください。
- 後ろ足の内側を触らせてくれません。どうすればいいですか?
- 無理に押さえないでください。まず横になっている姿勢のまま、上側の足に手を置くところから始めます。1日に片足ずつでも構いません。痛みがあって嫌がっているのか、慣れていないだけなのかは自己判断せず、痛がる様子があれば受診してください。
- 泥がついた場所を、ドライヤーで乾かしてもいいですか?
- 熱を長く当てないでください。シニア期は熱さを避けて動くこと自体が負担になります。タオルで水分を取ってから自然に乾くのを待つほうが、体への負担は少なくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
