C04悩み解決
体のにおいが出たときの家庭ケア|順番を変えるだけで変わる
体臭の対処法として、まず体を拭く。これがいちばん戻りやすいやり方です。拭いた直後はにおいが薄くなるのに、夕方にはもう元どおり。そういう経験があるなら、順番が逆になっています。においは体から出て、その子が触れているものへ移り、そこからまた体へ戻ります。この記事では、触る順番を「においが移る順に、下流から上流へ」に組み替えます。やることの数は増えません。順番を変えるだけです。
拭いた直後だけ薄くなるのは、なぜか
体臭の対処法が戻りやすいのは、ここに理由があります。体のにおいは、皮膚から出た皮脂と、そこで増えた菌が作ります。見落とされやすいのは、そのにおいが、その子の体だけに留まっていないことです。皮脂は毛から布へ移ります。寝床、タオル、首輪の内側、着せている服。どれもその子が一日のうちで最も長く触れているものです。
布に移った皮脂は、洗われるまでそこに残ります。そしてその子が横になった瞬間、また毛へ戻ります。拭いた直後に薄くなるのは、その時点で毛の表面にあった分を取っただけだからです。
順番を変えるというのは、その子より先に、その子が触れているものを片づけるという意味です。上流(体)ではなく、下流(布)から上流へさかのぼります。
毎日ぜんぶをやる必要はありません。体を拭く日の朝に、布を洗濯機に入れておく。それだけで順番は変わります。同じ手間を、置く位置だけ変える話です。
① 寝床とタオル — 最初に手をつける場所
体臭の対処法は、ここから始めます。いちばん下流にあるのが、その子が眠る場所です。犬は一日の半分以上を横になって過ごします。体重がかかっている面ほど、皮脂が移ります。
| もの | 間隔の目安 | 見るところ |
|---|---|---|
| 寝床のカバー・敷いているタオル | 週に1回 | 中央と、あごを乗せる縁 |
| 体を拭くのに使う布 | 使ったその日 | 使い回すと、においを塗り直すことになる |
| ソファやラグの、決まった場所 | 月に1回 | 同じ場所にだけ横になる子は、そこが寝床と同じ |
| 車のシートに敷く布 | 乗せたあと | 閉め切った車内は、においがこもりやすい |
洗ったあと、完全に乾いてから戻してください。厚みのあるベッドは中の綿まで乾くのに丸一日かかります。洗ったのに前より気になるというときは、乾き切っていないことがほとんどです。洗えないベッドなら、その上に洗えるタオルを一枚敷いて、それだけを毎週洗ってください。接している面が洗える状態になっていれば同じことです。
② 首輪・ハーネス・服 — 一日中、体に触れているもの
寝床の次が、身につけているものです。ここが抜けやすいのは、外して洗う習慣がないからです。首輪は毎日つけっぱなしで、洗った記憶がない。よくあることです。
首輪は、皮膚に直接あたっていて、風が通らず、首の毛は厚い。においが濃くなる条件がそろっています。首輪の内側を鼻に近づけてみてください。体より強ければ、先に洗うものはこれです。
- 首輪:週に1回、ぬるま湯で手洗いして、完全に乾かす。予備をひとつ用意して交代で使う
- ハーネス:脇にあたる部分が最も汚れます。散歩で濡れた日は、その日のうちに乾かす
- 服:着せたまま一日過ごした服は、人の下着と同じ扱いで考える
- おむつやマナーベルト:交換のたびに、あたっていた皮膚を乾いた布で押さえる
革は乾くのに時間がかかり、生乾きのまま首に戻すと、そこが最も湿った場所になります。洗ったからきれいなはずではなく、乾いたかどうかで判断してください。
外したときは、その下の皮膚も一緒に見てください。首輪の下が赤い、脇の毛が薄い、そこだけにおいが違う。こういうときは、においの話ではなく皮膚の話になります。
③ 体、④ 乾かす — 最後に上流へ
布を片づけてから、ようやく体です。ここまで来ると、拭いた分がそのまま残ります。
-
背中から後ろへ、毛の流れに沿って拭く
固く絞った布で、押さえるように拭きます。こすらないでください。背中は皮脂が多く出る場所なので、ここから始めます。
-
脇・内股・首の下を、広げて拭く
この3か所は毛が重なって風が通りません。片手で毛を持ち上げて、皮膚の面に布を当ててください。上から撫でるだけでは届いていません。
-
足の裏と、指のあいだ
床のにおいがここから毛へ移ります。指を1本ずつ広げて拭いてください。
-
乾いた布で、押さえて水分を取る
ここが最後の手順です。拭いたあとに濡れたままにするのが、いちばん戻りが早くなります。乾いた布で押さえるか、風のあたる場所で少し過ごさせてください。
拭くのは週に2〜3回で十分です。頻度を上げるより、布を片づけてから拭くほうが長く保ちます。布は固く絞ってから当ててください。濡れた分が乾かずに残ると、④が台無しになります。
洗う日のほうは、回数ではなく中身で決めています。背中と首の後ろは、その子の口が届かない場所です。①から④まで下流をさかのぼってきて最後に残るのがここで、拭く日も洗う日も、この場所だけは人が代わります。うちが洗う日に使っているのは mofuwa モイストシャンプーで、アミノ酸系の洗浄成分を量も少なくして、足りないぶんを原料の水に使った電解水で補う作りです。落としすぎないぶん洗い上がりがごわつかないので、トリートメントの工程を足さずに済みます。この記事の順番でいうと、工程が1つ減ることには意味があります。体に残るものが1つ増えれば、その分もまた寝床とタオルへ移るからです。下流を減らすという考え方からすると、洗う日の工程が減ることは、そのまま布へ移るものが減ることになります。無香料にしてあるのは、ペットが自分のにおいを好むからです。体臭の対処法としても、においを覆う方向へ寄せずに済みます。
順番どおりにやっても、戻ってくるとき
体臭がすぐ戻るときは、対処法そのものが向きを外していることがあります。先に、順番を変えても効かないやり方を挙げます。どれもよく行われています。
- においの上に、においを重ねる:香りのついたスプレーを体にかける。元のにおいは残ったまま、混ざるだけです
- 同じ布を使い回す:昨日拭いた布で今日も拭くと、下流にあるものを上流へ戻していることになります
- 洗う回数だけを増やす:シャンプーの間隔を詰めても、寝床が同じままなら戻る先は変わりません
- 人用の消臭剤を寝床にかける:その子が顔をうずめる場所です。舐める前提のものではありません
この順番を1週間続けても濃さが戻るときは、家庭ケアの範囲を超えています。においの出方そのものが変わっている可能性があるためです。
特定の場所だけにおいが強い、皮膚が赤い・べたつく・かさぶたがある、同じ場所を舐め続ける・かき続ける、毛が薄くなってきた、耳や口のまわりからにおいが出ている、急ににおいが変わった、水を飲む量や食欲が変わった。いずれかに当てはまるときは、拭き方を変えるより先に動物病院にご相談ください。体のにおいは、皮膚だけでなく耳・口・おなかの状態が表に出ていることがあります。
受診の前に、いつから気になり始めたか、体のどこが強いか、家で使っているものの名前をメモしてください。診察前に全身を拭くと皮膚の状態が分かりにくくなるため、その日は拭かずに連れて行ってください。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 寝床を洗った日に、体も拭いたほうがいいですか?
- 同じ日にまとめるほうが続きます。ただし順番は、布を洗濯機に入れてから体を拭く、です。洗う前の寝床にそのまま戻すと、拭いた分が短時間で戻ります。乾いた布を敷き終わってから拭くのがいちばん確実です。
- 夏と冬で、洗う間隔は変えるべきですか?
- 季節で間隔を決めるより、その布が完全に乾いているかどうかで判断してください。夏は湿気で乾きにくく、冬は暖房のきいた部屋で寝床がこもります。どちらも「乾き切ってから戻す」が優先です。
- 猫にも同じ順番が使えますか?
- 考え方は同じですが、猫は自分で毛づくろいをするため、体を拭かれること自体を嫌がる子が多くいます。猫の場合は寝床とお気に入りの場所の布を洗うところまでで止めて、体は無理に拭かないでください。においが続くときは早めにご相談ください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
