C04悩み解決

犬の背中のベタつき|まず疑いたい3つの原因

公開日 2022年5月9日|文=mofuwa編集部

上から見た、明るい光の中の犬の背中
ベタつきが背中だけに出るなら、背中という場所に固有の条件を疑います。写真:Pexels/Pixabay

犬の背中のベタつきは、原因を体質から探すより、場所から逆算するほうが早く進みます。全身のうち背中だけがベタつくのなら、背中という場所にだけ当てはまる条件があるということです。皮脂そのものは体のどこでも作られているので、問われているのは作られる量より、そこに残る量のほうです。この記事では、その条件を3つに分けて、家で切り分ける手順まで並べます。

なぜ、背中だけなのか

皮脂そのものは、体のどこでも作られています。それなのに背中だけがベタつくとすれば、作られる量の話ではなく、そこに残る量の話だということになります。残る量は、その場所がどう扱われているかで決まります。

そこで、背中という場所の性質を並べてみます。背中は、その子自身の口が届かず、寝ているあいだは上を向き、洗うときには最後に流される場所です。この3つはどれも、背中だけに当てはまり、お腹や内ももには当てはまりません。順番に見ていきます。

ベタつく場所から、条件を逆算する
ベタつく場所その場所に当てはまる条件
背中の真ん中、肩甲骨のあいだ口が届かない・上を向いている・最後に流す
腰からしっぽの付け根口が届きにくい・上を向いている
首の後ろ口が届かない・道具が当たりにくい
お腹、内もも上の3つがどれも当てはまらない。別の理由を考える

表のいちばん下が大事です。お腹や内ももまでベタつくなら、この記事の3つでは説明がつきません。その場合は場所の話ではなく、体全体で起きていることを疑う段階になります。

原因1:その子の口が、届かない

犬は自分で体を舐めて手入れをします。ただし届く場所には限りがあります。前足、後ろ足、お腹、脇までは届きます。届かないのは、首の後ろから背中の真ん中にかけての帯です。

確かめ方は簡単です。その子が体をひねって届く範囲を、実際に見てください。寝起きに伸びをしているときや、体を掻いているときが分かりやすいタイミングです。届いていない帯と、ベタついている場所がかさなっていれば、この原因が効いています。

Note毛が寝ている場所ほど残ります

背中の毛は、頭からしっぽへ向かってきれいに寝ています。毛が寝ていると、その下の空気が入れ替わりにくくなります。お腹の毛のように立ったり乱れたりしない場所なので、いったん残ったものはそのまま留まりやすくなります。

原因2:寝ているあいだ、上を向いている

犬が休んでいるとき、背中は上を向いています。1日の多くを寝て過ごす動物なので、背中は「長時間、上を向いたままの面」ということになります。上を向いた面には、部屋の中で舞っているものが落ちて乗ります。

上を向いた面に、時間をかけて乗るもの
乗るものどこから来るか
ほこり、繊維くず布団、カーテン、衣類、ラグ
抜けた自分の毛換毛の時期はとくに増えます
調理の油分台所の近くで過ごす子は、空気に混じった油分が乗ります

乗ったものは、皮脂と混ざります。皮脂だけならさらりとしていても、混ざったものは動きにくくなります。背中のベタつきが「皮脂が多いから」だけで説明できないのは、この乗る側の量が場所によって違うからです。

ここは家で変えられます。その子が長く過ごす場所の上に、布ものがどれだけあるかを見てください。ソファの背もたれの下、カーテンの裾の近く、洗濯物を干す場所の下。よく寝る場所が、部屋の中でほこりの落ちてくる位置にあたっていないかを確かめます。

原因3:洗うときに、最後に流す

3つ目は、洗い方の話です。多くの人は背中から洗い始めます。理由もあります。背中はいちばん嫌がられにくく、そこから始めると落ち着いてくれるからです。ただ最初に洗った場所は、最後まで泡が乗っている場所になります。

そして流すときも、上から下へ流します。背中は、他の場所を流したあとの水が通っていく面でもあります。洗い始めが早く、流し終わりが遅い。この2つが重なるのが背中です。すすぎ残りが起きるとしたら、いちばん条件がそろっている場所だといえます。

Point背中を「洗い残す」のではなく「流し残す」

背中をよく洗っていないから、と考える方が多いのですが、順番から見ると逆です。背中はいちばん長く洗われていて、いちばん長く泡が乗っています。足りていないのは洗う時間ではなく、流す時間のほうです。

ここまでの3つのうち、いちばん短い期間で試せるのがこの原因です。次の手順で切り分けてください。

  1. 0日目に、背中を撮る

    同じ場所、同じ明るさで、上から1枚。比べるための基準を先に作ります。

  2. 洗う順番を、背中を最後にする

    足やお腹から洗い始め、背中を最後に洗います。流すのも背中を最後にします。背中に泡が乗っている時間を、いちばん短くするのが目的です。

  3. 流し終わりに、背中だけもう一度流す

    全身を流し終えたあと、背中にだけ追加でお湯を通します。時間にして30秒ほどで構いません。

  4. 2週間、同じやり方で続けて撮り直す

    洗う回数はいつもどおりで構いません。2週間後に、0日目の写真と比べます。変わっていれば、原因3が効いていたことになります。

順番を変えても、背中だけ残るとき

2週間試して変わらなかったなら、洗い方の問題ではなかったということです。この結果自体が、病院で伝えられる情報になります。「洗う順番を2週間変えたが、背中のベタつきは同じだった」と言えることには意味があります。

Caution早めに相談したいサイン

背中以外にも広がってきた、においが強くなった、フケが増えた、赤みやブツブツが出てきた、毛が抜けて地肌が見える場所がある、その場所をしきりに気にする、左右で毛の状態が違う、飲む水の量や食欲が変わった。いずれかに当てはまるときは、2週間を待たずに動物病院にご相談ください。皮膚以外の不調が、毛の状態として先に出ることがあります。

受診のときは、0日目と2週間後の写真を持っていってください。洗う頻度、使っているシャンプー、洗う順番を変えたこと、部屋の様子まで伝えられると、確かめる順番が早く決まります。

洗う回数そのものを増やすのは、切り分けのあいだは避けてください。回数を変えると、順番を変えた効果が読めなくなります。条件はひとつずつ動かします。

背中は、その子の口が届かない帯です。原因1で見たとおり、ここだけは最初から人が代わることになっているので、洗う日にどう扱うかが、そのまま残る量になります。順番を変える2週間は、洗うもののほうを動かしません。うちで固定しているのは mofuwa モイストシャンプーで、アミノ酸系の洗浄成分を量も少なくして、足りないぶんを原料の水に使った電解水で補う作りです。洗浄成分が少なくても泡が立つので、背中に泡が乗っている時間を短くしたまま、全身に泡を回せます。原因3の切り分けは、背中を最後に洗って最後に流す形なので、そこと噛み合います。落としすぎないぶん洗い上がりがごわつかず、トリートメントの工程を足さずに済みます。工程が1つ減れば、そのぶん、流し終わりに背中だけもう30秒お湯を通す時間が浴室の中に残ります。2週間、洗うものは動かさずに順番だけを変える。ベタつきの原因を1つずつ外していくというのは、そういうやり方です。

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よくある質問

シャンプーの種類を変えたほうがいいですか?
切り分けの途中で変えないでください。順番と種類を同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。2週間の切り分けが終わってから、必要なら相談してください。
ブラッシングを増やせば、ベタつきは減りますか?
上から乗ったものを取る役には立ちますが、回数を急に増やすと皮膚に当たる回数も増えます。今の回数のまま、毛の根元まで通す持ち方に変えるほうが確実です。
猫でも同じ考え方ができますか?
場所から逆算する考え方は同じですが、猫は自分で手入れをする量が犬よりずっと多いため、届かない帯の意味が変わります。猫で背中がベタつく場合は、届かなくなった理由のほうを先に考えてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。