C04悩み解決
毛のもつれが出たときの家庭ケア|順番を変えるだけで変わる
もつれの対処法は、やることを変えるより、順番を変えるほうが効きます。ブラシを手に取るのは、いつも最初でしょうか。ここでは順番の軸を「道具を持たない順」に置き換えます。手だけ、指2本、目の粗いもの、細かいもの。道具を早く持つほど、最後は切ることになる——その理由から説明します。
なぜ、道具を先に持つと切ることになるのか
もつれの対処法で最初に決めるのは、道具を持つ時期です。もつれにブラシを当てると、毛は必ず一度は動きます。動くので「効いている」と感じます。ところがブラシが動かしているのは、もつれの外側だけであることが多いのです。外側だけがほぐれて、中心は残ります。
残った中心に、もう一度ブラシを当てる。これを繰り返すと、中心はだんだん小さく、硬くなっていきます。最後には、指も歯も入らない芯だけが残ります。そこまで来ると、選択肢は切ることしかありません。
つまりブラシは、ほどく道具ではなく、すでにほどけたものを整える道具です。ほどく作業を担当できるのは手だけです。だから順番は、持たない側から始めます。
①手のひらだけでほぐす → ②指2本で毛束を左右に分ける → ③目の粗いもの → ④細かいもの。ひとつ前の段階で進まなくなったときだけ、次へ進みます。飛ばして先へ行かないことが、この順番の全部です。
段階1・2|手だけでできるところまで
対処法の前半は、手だけで進みます。最初の2段階は、道具をまったく使いません。ここで済む範囲が、思っているより広くあります。
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手のひらで、もつれの全体をつかむ
引っぱらずに、そっと握って離します。何度か繰り返すと、外側のからみがゆるみます。この時点では、ほどこうとしなくて構いません。どのくらいの硬さかを、手で確かめる時間だと考えてください。
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根元を、もう一方の手で押さえる
もつれの下、皮膚に近いところを軽く押さえます。これをしないと、動かすたびに皮膚ごと引っぱられます。押さえる手があるだけで、その子が嫌がる回数が減ります。
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指2本で、毛束を左右に分ける
人差し指と中指を使い、もつれの先端の側から少しずつ2つに割きます。ほどくのではなく、細くしていく作業です。細くなれば、それ以上は育ちません。
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割けたところで、いったんやめる
一度で終わらせようとしないでください。2〜3回に分けたほうが、結果的に早く終わります。その子の集中も、そのくらいしか続きません。
手だけでここまで進めば、多くのもつれは道具を持つ前に終わります。指が中まで入るなら、まだ道具の出番ではありません。
手で進めるかどうかは、毛の乾き具合でも変わります。乾いた毛は指の腹で滑るので、押さえたつもりの毛束が逃げて、力のかかる先が皮膚になります。mofuwa グルーミングスプレーを手のひらに2〜3回吹いて、その手でもつれの表面をなでてから指を入れてください。ペットは体から脂を出すので、毛先の絡みには脂と外のほこりが混ざっています。表面がわずかに湿ると、指2本で割く作業が先端の側から始められます。口に入っても差し支えのない基準でつくられているので、内股や脇の下のように口が届く場所でも量を減らさずに使えます。
いま、道具を持ってよい段階ですか
手で進めなくなったとき、次へ行ってよいかを判断します。基準は「面倒になったかどうか」ではなく、もつれが今どの状態にあるかです。
| いまの状態 | 次にやること |
|---|---|
| 指が中まで入る | まだ手だけ。道具は持たない |
| 指2本で、左右に割ける | 手だけで続ける。細くしていく |
| 割けないが、指先で表面が動く | 目の粗いものへ進んでよい |
| 指先を当てても、まったく動かない | 細かいものに替えても同じ。家庭では止める |
| 皮膚が引っぱられて、その子が痛がる | 手も道具も止める。相談する範囲 |
この表で大事なのは下の2行です。動かないものは、道具を細かくしても動きません。細い歯のブラシに替えれば取れるはず、と考えて力を足すのが、いちばん皮膚を傷めます。
毛玉の下の皮膚は、思っている位置より上にあります。持ち上げて切ろうとした皮膚を、そのまま切ってしまう事故が起きています。家庭でハサミを入れないでください。切る必要がある状態なら、それはトリミングサロンか動物病院に任せる段階です。
段階3・4|粗いものから、細かいものへ
道具を持ってよい段階まで来たら、いきなり細かいものを使わないでください。目の粗いもので通り道を作ってから、細かいもので整えるという2段構えにします。
- 目の粗いコーム:歯と歯の間が広いもの。もつれの先端に、歯を1〜2本だけ引っかけて動かします
- 当てる場所は先端から:根元から入れると、もつれごと引っぱることになります
- 一度に通そうとしない:少し進んで止まったら、また手で割きます。手と道具を往復させてください
- 細かいものは最後だけ:もつれが消えて、毛が通るようになってから整える用途です
道具を持ったあとも、止まったら手に戻るのが要点です。順番は一方通行ではありません。行って戻ってを繰り返すほど、切らずに済む範囲が広がります。
所要時間の目安として、ひとつのもつれに一度に3分以上かけないでください。その子が嫌がった記憶が残ると、次から触らせてもらえなくなります。触らせてもらえない期間が、次のもつれを作ります。
手を止める線を、先に決めておく
もつれの対処法には、止める線もふくめます。家庭でやる作業は、うまくいく前提で組まないほうが安全です。始める前に、どこで止めるかを決めておいてください。
- 指先を当てても、もつれがまったく動かない
- 皮膚が持ち上がる、その子が声を出す、体を強くよじる
- 同じもつれに3分以上かかっている
- 2〜3日試して、大きさが変わらない
いずれかに当てはまるときは、トリミングサロンに相談してください。プロの手で短時間で終われば、その子にとっても負担が小さくて済みます。
もつれの下の皮膚が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所を舐め続けている、これまで平気だった場所を急に触らせなくなった、短い期間にもつれが増えた。これらは毛のケアで様子を見る対象ではありません。もつれをほどくことより先に、動物病院にご相談ください。
毎日のこととしては、触る時間を切らさないことがいちばん確実です。一日の終わりに、手のひらで背中から腰までをなでるだけで、引っかかりはその日のうちに分かります。見つかった日だけ、グルーミングスプレーを手に吹いて表面を湿らせ、指2本で先端の側から割く。手を入れる日が続くかぎり、道具を持つ場面は減っていきます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- ブラシは使わないほうがいいということですか?
- そうではありません。使う順番の話です。もつれが残っている段階でブラシを当てると外側だけがほぐれ、中心が硬くなります。手で細くしてからブラシに移れば、同じ道具でも結果が変わります。
- 猫にも同じ順番で大丈夫ですか?
- 同じ順番で構いません。ただし猫は一度の作業時間が犬より短くなります。1分程度で切り上げて、日をまたいで少しずつ進めてください。嫌がった記憶が残ると、次から背中に手が届かなくなります。
- もつれを濡らしてからのほうが、ほどけやすいのでは?
- 濡らしただけで放置すると、乾く過程でからみが固定されます。濡れた状態にするなら、そのあと必ず乾かすところまで一続きでやってください。濡らして中断する形がいちばん増やします。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
