C04悩み解決

毛のもつれが出たときの家庭ケア|順番を変えるだけで変わる

公開日 2022年7月11日|文=mofuwa編集部

明るい色の犬の毛を、手でやさしく触っている様子
もつれの対処は、道具ではなく手から始めると、切らずに済む範囲が広がります。写真:giselastillhard/Pixabay

もつれの対処法は、やることを変えるより、順番を変えるほうが効きます。ブラシを手に取るのは、いつも最初でしょうか。ここでは順番の軸を「道具を持たない順」に置き換えます。手だけ、指2本、目の粗いもの、細かいもの。道具を早く持つほど、最後は切ることになる——その理由から説明します。

なぜ、道具を先に持つと切ることになるのか

もつれの対処法で最初に決めるのは、道具を持つ時期です。もつれにブラシを当てると、毛は必ず一度は動きます。動くので「効いている」と感じます。ところがブラシが動かしているのは、もつれの外側だけであることが多いのです。外側だけがほぐれて、中心は残ります。

残った中心に、もう一度ブラシを当てる。これを繰り返すと、中心はだんだん小さく、硬くなっていきます。最後には、指も歯も入らない芯だけが残ります。そこまで来ると、選択肢は切ることしかありません。

つまりブラシは、ほどく道具ではなく、すでにほどけたものを整える道具です。ほどく作業を担当できるのは手だけです。だから順番は、持たない側から始めます。

Note4つの段階

①手のひらだけでほぐす → ②指2本で毛束を左右に分ける → ③目の粗いもの → ④細かいもの。ひとつ前の段階で進まなくなったときだけ、次へ進みます。飛ばして先へ行かないことが、この順番の全部です。

段階1・2|手だけでできるところまで

対処法の前半は、手だけで進みます。最初の2段階は、道具をまったく使いません。ここで済む範囲が、思っているより広くあります。

  1. 手のひらで、もつれの全体をつかむ

    引っぱらずに、そっと握って離します。何度か繰り返すと、外側のからみがゆるみます。この時点では、ほどこうとしなくて構いません。どのくらいの硬さかを、手で確かめる時間だと考えてください。

  2. 根元を、もう一方の手で押さえる

    もつれの下、皮膚に近いところを軽く押さえます。これをしないと、動かすたびに皮膚ごと引っぱられます。押さえる手があるだけで、その子が嫌がる回数が減ります。

  3. 指2本で、毛束を左右に分ける

    人差し指と中指を使い、もつれの先端の側から少しずつ2つに割きます。ほどくのではなく、細くしていく作業です。細くなれば、それ以上は育ちません。

  4. 割けたところで、いったんやめる

    一度で終わらせようとしないでください。2〜3回に分けたほうが、結果的に早く終わります。その子の集中も、そのくらいしか続きません。

手だけでここまで進めば、多くのもつれは道具を持つ前に終わります。指が中まで入るなら、まだ道具の出番ではありません。

手で進めるかどうかは、毛の乾き具合でも変わります。乾いた毛は指の腹で滑るので、押さえたつもりの毛束が逃げて、力のかかる先が皮膚になります。mofuwa グルーミングスプレーを手のひらに2〜3回吹いて、その手でもつれの表面をなでてから指を入れてください。ペットは体から脂を出すので、毛先の絡みには脂と外のほこりが混ざっています。表面がわずかに湿ると、指2本で割く作業が先端の側から始められます。口に入っても差し支えのない基準でつくられているので、内股や脇の下のように口が届く場所でも量を減らさずに使えます。

いま、道具を持ってよい段階ですか

手で進めなくなったとき、次へ行ってよいかを判断します。基準は「面倒になったかどうか」ではなく、もつれが今どの状態にあるかです。

段階ごとの見分け方
いまの状態次にやること
指が中まで入るまだ手だけ。道具は持たない
指2本で、左右に割ける手だけで続ける。細くしていく
割けないが、指先で表面が動く目の粗いものへ進んでよい
指先を当てても、まったく動かない細かいものに替えても同じ。家庭では止める
皮膚が引っぱられて、その子が痛がる手も道具も止める。相談する範囲

この表で大事なのは下の2行です。動かないものは、道具を細かくしても動きません。細い歯のブラシに替えれば取れるはず、と考えて力を足すのが、いちばん皮膚を傷めます。

Cautionハサミは、この順番のどこにも入りません

毛玉の下の皮膚は、思っている位置より上にあります。持ち上げて切ろうとした皮膚を、そのまま切ってしまう事故が起きています。家庭でハサミを入れないでください。切る必要がある状態なら、それはトリミングサロンか動物病院に任せる段階です。

段階3・4|粗いものから、細かいものへ

道具を持ってよい段階まで来たら、いきなり細かいものを使わないでください。目の粗いもので通り道を作ってから、細かいもので整えるという2段構えにします。

道具を持ったあとも、止まったら手に戻るのが要点です。順番は一方通行ではありません。行って戻ってを繰り返すほど、切らずに済む範囲が広がります。

所要時間の目安として、ひとつのもつれに一度に3分以上かけないでください。その子が嫌がった記憶が残ると、次から触らせてもらえなくなります。触らせてもらえない期間が、次のもつれを作ります。

手を止める線を、先に決めておく

もつれの対処法には、止める線もふくめます。家庭でやる作業は、うまくいく前提で組まないほうが安全です。始める前に、どこで止めるかを決めておいてください。

いずれかに当てはまるときは、トリミングサロンに相談してください。プロの手で短時間で終われば、その子にとっても負担が小さくて済みます。

Caution毛のことではなく、体のサインかもしれません

もつれの下の皮膚が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所を舐め続けている、これまで平気だった場所を急に触らせなくなった、短い期間にもつれが増えた。これらは毛のケアで様子を見る対象ではありません。もつれをほどくことより先に、動物病院にご相談ください。

毎日のこととしては、触る時間を切らさないことがいちばん確実です。一日の終わりに、手のひらで背中から腰までをなでるだけで、引っかかりはその日のうちに分かります。見つかった日だけ、グルーミングスプレーを手に吹いて表面を湿らせ、指2本で先端の側から割く。手を入れる日が続くかぎり、道具を持つ場面は減っていきます。

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よくある質問

ブラシは使わないほうがいいということですか?
そうではありません。使う順番の話です。もつれが残っている段階でブラシを当てると外側だけがほぐれ、中心が硬くなります。手で細くしてからブラシに移れば、同じ道具でも結果が変わります。
猫にも同じ順番で大丈夫ですか?
同じ順番で構いません。ただし猫は一度の作業時間が犬より短くなります。1分程度で切り上げて、日をまたいで少しずつ進めてください。嫌がった記憶が残ると、次から背中に手が届かなくなります。
もつれを濡らしてからのほうが、ほどけやすいのでは?
濡らしただけで放置すると、乾く過程でからみが固定されます。濡れた状態にするなら、そのあと必ず乾かすところまで一続きでやってください。濡らして中断する形がいちばん増やします。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。