C11比較・選び方

固形石けんと液体シャンプー

公開日 2022年9月21日|文=mofuwa編集部

明るい自然光の入る部屋で、淡い色のタイルの床に白い猫と並んで座っている小さな薄い色の犬
選ぶ基準は洗浄力の強さではなく、泡になるまでに手が何本ふさがるかです。写真:Daniel Nouri/Pexels

浴室の棚に置いた固形の石けんが、洗い終わるころには受け皿の水にひたっていた、という日があります。次に使うときは表面がやわらかくなっていて、泡立てるまでに前より時間がかかります。液体シャンプーのボトルなら、片手で押せばそのぶんだけ出てきます。犬を洗う日に響いてくるのは、この差です。比べるのは落ちる力の強さではなく、泡になるまでの手数・浴室で立つ音・すすぎに回す時間・保管に要る場所の4つ。どれも家の側の条件なので、買う前に決められます。

泡になるまでに手が何本ふさがるか|洗う日の手数で石けんと液体を比較する

犬を洗う日にいちばん足りなくなるのは、洗浄力ではなく手です。片手はその子を支えていて、自由に動かせるのは実質1本です。この前提で見ると、固形の石けんと液体シャンプーの差がはっきりします。固形は、手に取って湿らせて、こすって泡にするまでに両手が要ります。その間、支えていた手が離れます。液体はボトルを押すだけなので、支えたままでも量が出せます。

手が離れる時間は短く見えても、洗っている最中のその子から見れば、支えが消える瞬間です。身をよじる、足を滑らせる、逃げようとする。動きが出るのはたいてい、支えが外れた直後です。そこで1度でも滑れば、そのあとの手順が全部長くなります。手数の差は、時間の差ではなく、浴室での落ち着きの差として表れます。

犬用シャンプーのおすすめを探すとき、多くの人はまず成分から入ります。手数の話が先に出てくることはあまりありません。けれども毎回の洗浄で確実に響いてくるのは、成分より前に、手が足りるかどうかのほうです。大型犬や、シャワーの音が苦手な子ほど、この差が積み上がります。

浴室で立つ音と、すすぎに回す時間|洗う日の手順を最初から最後まで並べる

洗う日の手順は、濡らすところから乾かし終わるまでが一続きです。途中で止まると、その子は濡れたまま待つことになります。固形と液体で、この一続きのどこに時間が寄るかが変わります。並べてみると、差が出るのは洗っている最中ではなく、その前後です。

濡らしてから乾かし終わるまで、手順ごとに何が起きるか
手順固形の石けんのとき液体シャンプーのとき
濡らす同じ。37〜38℃のぬるま湯で根元まで同じ。37〜38℃のぬるま湯で根元まで
泡にする両手を使う。落とすと硬い音が響く片手で出せる。ポンプの音は短い
地肌へ届かせる泡の量を足すたびに、また持ち直す足したいときに押せばよい
すすぐ水道水のミネラルと反応して残りが出ることがある泡切れの速さは処方で決まる
タオルで水を抜く同じ。押し当てて水を移す同じ。押し当てて水を移す
乾かす残りがあると、乾いてから地肌にざらつきが出るすすぎ切れていれば、そのまま乾かせる
この手順で見た結論泡を作る前後で手が止まりやすい手が止まらないぶん、浴室にいる時間が短い

最後の行が、手順で比べたときの答えです。差が出るのは泡の質ではなく、手が止まる回数です。止まるたびにシャワーは一度切られ、その子は濡れたまま立っています。冬場なら、この待ち時間がそのまま体温の問題になります。

音についても、ひとつ知っておくと選びやすくなります。固形の石けんは、手から落ちると浴室の床で硬い音が鳴ります。音に驚いた経験が1回あると、その子は次の浴室で、洗う前から身構えます。ボトルのポンプ音は短く、位置も一定です。音を嫌がる子ほど、浴室で鳴る音の種類を減らしておく価値があります。

洗う日の一続きと、手が止まりやすい地点 濡らす・泡にする・すすぐ・乾かすの4つは、途中で切れると、その子が濡れたまま待つ時間になります。手が止まりやすいのは泡を作る場面と、すすぎの終わりを確かめる場面です。 その子の体格や毛の量によって、各手順の長さは変わります 手順1 ぬるま湯で根元まで濡らす ここは固形でも液体でも変わりません 手順2 泡にして地肌へ置く 手が止まりやすい1つめの地点 手順3 すすぎ切る 残りの有無を確かめる2つめの地点 手順4 タオルとドライヤーで水を抜く ここまでが一続きの手順
見るのは1回あたりの長さではなく、途中で何回止まったかです。

成分表示での見分け方|石けん素地と、アミノ酸系の成分名

形が固形か液体かは見れば分かりますが、中身の系統は成分表示でしか分かりません。固形でも液体でも、石けんの系統かどうかは表示名で読めます。犬用として売られているものも、この読み方は同じです。

表示名から、どの系統かを読む
表示に出てくる名前どの系統か洗い上がりの傾向
石ケン素地・カリ石ケン素地石けんの系統弱アルカリ性で、脂をしっかり落とす
ラウリン酸K・ミリスチン酸Naなど石けんの系統(液体の形をとることもある)泡立ちが早く、泡切れも早い
ジラウロイルグルタミン酸Naなどアミノ酸系落としすぎにくく、泡立ちは処方で決まる
ラウレス硫酸Naなど高級アルコール系泡立ちが強く、洗浄力も高い
この表で決めること形ではなく系統で見る固形か液体かは、系統とは別の話

最後の行のとおり、固形と液体の差は容れ物の差であって、中身の系統とは別に決まります。液体の石けん系もあれば、固形のアミノ酸系もあります。だから「固形だから優しい」「液体だから強い」という読み方は成り立ちません。読むのは形ではなく名前のほうです。

石けんの系統は、水道水に含まれるミネラルと反応して、すすぎのときに残りが出ることがあります。水質によって出方が変わるので、同じ商品でも地域で感じ方が違います。残ったまま乾かすと、地肌にざらつきとして手に触れます。使う場合は、すすぎに回す時間をふだんより長めに見ておくと、この差は埋まります。どの系統にも、合う条件と合わない条件があるということです。

犬の皮膚は人の3分の1ほどの薄さだと言われます。しかも自分でなめて確かめる習性があるので、すすぎ残しは、乾いたあとに口へ入る前提で考える必要があります。系統を読むのは、洗い上がりのためだけではありません。

洗浄成分を減らしても泡が立つ条件|液体シャンプーの中身を水から組む

泡立ちをよくするいちばん簡単な方法は、洗浄成分を増やすことです。増やせば泡は立ち、汚れも落ちます。ただし必要な皮脂まで落ちるので、洗い上がりがごわつき、そこを戻すためにトリートメントの工程が要ります。工程が1つ増えるということは、犬でも猫でも、浴室で待つ時間がそのぶん延びるということです。

mofuwa モイストシャンプーは、この順番を逆から組んでいます。原料の水に、精製水で薄めていない電解水を使っています。水そのものに汚れを落とす働きがあるので、泡立ちを水の側から補えます。だから洗浄成分はアミノ酸系のものを少量入れるだけで足ります。落としすぎないぶん被毛がごわつかず、洗ったあとに工程を足さなくても指が通ります。

モイストシャンプーが使っていないものは、表示でそのまま確かめられます。香料・着色料・パラベン・シリコン・鉱物油・紫外線吸収剤・アルコール・サルフェート・石油系界面活性剤・動物由来原料・合成ポリマー。この11成分は入っていません。液体シャンプーを選ぶときに読むのは、何が入っているかと、何を入れずに済ませているかの両方です。カミツレ花・ローズマリー葉・ラベンダー花・アロエベラ葉・ハマメリス葉・オタネニンジン根・カンゾウ根の7種は、洗い上がりの状態のために残してあります。

手順の側から見ると、変わるのは2か所です。泡を足したいときに片手で押せること、そして洗ったあとに工程を1つ足さずに済むこと。この2つで、浴室にいる時間が短くなります。音が苦手な子、体が大きくて支える手が離せない子、すすぎに時間がかかる長毛の子ほど、短くなった時間の意味が大きくなります。

Cautionすすぎに回す分数を変えても、同じ場所が戻らないとき

すすぎの時間を倍にしても、乾かしたあとに同じ場所がざらつく/洗う系統を変えて1か月たっても、同じ部位のフケの出方が変わらない/洗った翌日から3日続けて、同じ1か所をなめている/泡を置いた場所だけ、乾いたあとに赤みが残る。ここまで来ると、固形か液体か、どの系統かという選び分けの外にあります。泡立てに使った分数と、すすぎに回した分数、乾かし終えるまでの時間を書き添えて、動物病院へ連れて行ってください。手順ごとの分数が並んでいると、どこで何が残っているのかを一緒に見てもらえます。

うちの子ならどっちか、家の条件3つで決める

決めるのに要るのは、その子の情報ではなく家の情報です。支える手が何本あるか、浴室に音が響くか、洗ったものを乾かして置く場所があるか。この3つで、ほとんど決まります。

家の条件から、手に取るほうを決める
家の条件当てはまるなら
洗うのがひとりで、支える手が1本しかない片手で量を出せるほうにする
浴室に音が響く、音を嫌がる子がいる床に落ちて硬い音が出るものを減らす
乾かして置ける場所が浴室にない受け皿に水がたまらないほうにする
ふたりで洗える、音を気にしない子どちらでもよい。系統のほうで選ぶ

表の4行目のように、条件が緩い家であれば、形ではなく系統で選べます。条件が厳しいほど、選択肢は形のほうで先に絞られる、というのがこの比較の結論です。石けんと液体シャンプーのどちらが優れているかという問いには答えが出ませんが、この家ならどちらか、という問いには答えが出ます。

今日できるのは、次に洗う日の手順を紙に4行で書いておくことです。濡らす、泡にする、すすぐ、乾かす。この4行のどこで手が止まったかを書き足せば、次に買うものはその紙が決めてくれます。

Product

mofuwa モイストシャンプー

mofuwa モイストシャンプー

300ml / 3,410円(税込)

アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。

商品ページを見る

よくある質問

泡立てネットを使えば、固形でも手数は変わらないのではありませんか。
泡を作る速さは上がりますが、動作の数は減りません。ネットを濡らす、石けんをこすりつける、泡をためる、ネットを置く。ここまでで両手がふさがっているので、支えの手が離れる時間そのものは残ります。ネットが活きるのは、洗い始める前にまとめて泡を作っておける場合です。浴室に入る前に泡をボウルにためておけば、洗っている最中に手を止めずに済みます。段取りを前に寄せる、という解き方になります。
犬用のおすすめを探すとき、成分と形のどちらから絞ればいいでしょうか。
先に絞れるのは形のほうです。支える手の本数と、浴室に置ける場所は、買う前から決まっています。形を決めてから成分表示を読むと、候補が半分以下になっているので、比べる手間が短くなります。逆に成分から入ると、同じ系統の中に固形と液体が混ざったまま残り、最後にまた形で悩むことになります。家の条件で先に切って、残ったものを系統で比べる。この順番のほうが早く決まります。
人用のシャンプーを犬に使ってはいけないと聞きました。理由は何でしょうか。
皮膚の厚みと、洗ったあとの扱いが違うためです。犬の皮膚は人の3分の1ほどの薄さだと言われていて、同じ洗浄力でも受け取り方が変わります。加えて、人は自分の頭皮をなめませんが、犬も猫も乾いたあとに自分の体をなめます。すすぎ残しが口へ入る前提で処方が組まれているかどうかが、人用とペット用の分かれ目です。香りの強さも同じ理由で違ってきます。手元に人用しかない日は、その日はぬるま湯だけで流して、翌日に洗い直すほうが確実です。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。