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シニア期に入る年齢は犬種で違う

公開日 2022年9月23日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色のブランケットの上で、落ち着いて横になっている淡い色の年配の犬
同じ日に生まれた子でも、体の大きさが違えば、シニアと呼ばれ始める時期はずれます。写真:https://kaboompics.com//Pexels

フードの棚に並ぶシニア向けの袋には、たいてい「7歳から」と印刷されています。シニア期に入る年齢は体格によって違うとされていて、体が大きいほうが早く入る、というのが一般的な見方です。犬種で違うと言われるのも、突きつめると犬種そのものが年齢を決めているのではなく、その犬種に多い体格の差が効いていると考えられています。ただし、この目安は幅で語られるもので、何歳ちょうど、と1つに固められる種類の数字ではありません。この記事では、体格の区分ごとのシニアの年齢を幅つきで並べたうえで、家で実際に使えるのは暦の年齢ではなく「変化の始まり」のほうだ、というところまで書きます。棚の「7歳から」が、なぜ体格を問わず横並びに置かれているのかも、途中で説明します。

シニアの年齢は寿命の後半を指した線|犬種ではなく体格から引かれている

先に、この言葉の性質から書きます。シニアという年齢は、検査で決まる境目ではありません。その体格の子がたどる時間全体のうち、後半に入ったあたりを指して置かれた線です。何と比べた数字かと言えば、人の年齢と比べたものではなく、同じくらいの体格の子たちが過ごす年数の全体と比べた位置ということになります。

だから、シニアの年齢は「その日から体が変わる」という意味を持ちません。フードの表示も、動物病院の健康診断の案内も、この線を目安として使っているだけです。線の手前と向こうで、体に何かが切り替わるわけではありません。目安として便利だから置かれている、という性質のものです。

そのうえで、犬種の話に入ります。シニア期に入る年齢は犬種で違う、という言い方はよく見かけます。ただ、中身を開くと、犬種そのものが年齢を決めているというより、その犬種に多く見られる体格の差が効いていると説明されるのがふつうです。

そういうわけで、この記事では犬種の名前を1つも出しません。犬種名で線を引くと、混血の子と、同じ犬種の中の体格差が、どちらも表からこぼれます。この記事で使うのは、小さめ・中くらい・大きめという体格の区分です。この区分なら、犬種が分からない子でも当てはめられます。

体格が大きいほどシニアの年齢は早く来るとされる|目安が幅で語られる理由

2つ目の軸が体格です。体が大きいほど、シニアと呼ばれ始める年齢は早いとされています。これは犬でよく言われることで、体格の区分ごとに数年ぶんの差があると説明されます。数年というのは、暦の年齢としてはかなり大きな開きです。

ただし、その数字はどこを見ても幅つきで書かれています。幅がつくのは、書いた人が自信を持てないからではなく、幅そのものが実態だからです。同じ体格の子でも、シニアと呼ばれる状態に入る時期にはばらつきがあります。幅が出る条件を並べます。

Noteなぜ体格で差が出るのかは、この記事では扱いません

体が大きいほうが早く年をとるように見える理由については、成長の速さや細胞の入れ替わりなど、いくつかの説が並んでいる状態です。はっきり決着がついているとは言えないので、ここでは踏み込みません。この記事が扱うのは「なぜ」ではなく「いつから」のほう、つまりシニアの年齢がどこに置かれているか、という話だけです。

幅つきで書かれた数字を、家で1点に丸めてしまわないことが大事です。「うちは大きめだから6歳でシニア」と決めてしまうと、5歳で始まっていた変化を1年見落とすことになります。逆に「小さめだから10歳まで関係ない」と置くと、8歳で出ていたサインが年齢のせいで棚上げされます。幅は、そのまま幅として持っておくものです。

体格の区分ごとに並べたシニアの年齢|小型・中型・大型の違いと、猫の場合

ここで比較表を置きます。前提を先に断っておくと、これは家で目安として使うための表であって、獣医療の判断基準ではありません。数字はすべて「そのあたりから、そう呼ばれ始めることが多い」という幅です。体重の範囲も、区分を思い浮かべやすくするための目印にすぎません。

体格の区分ごとに見た、シニアと呼ばれ始める年齢の目安(いずれも幅つきの目安)
体格の区分成犬時の体重のめやすシニアと呼ばれ始める年齢その時期に増える相談
小さめ(小型)おおむね10kg未満9〜11歳ごろ毛づやの変化、寝ている時間の増加
中くらい(中型)おおむね10〜25kg7〜9歳ごろ散歩のペース、体重の増減
大きめ(大型)おおむね25kg以上5〜7歳ごろ立ち上がるまでの時間、床のすべり
猫体格の幅が犬ほど開かない7歳ごろから区分され、11歳ごろに次の区分毛づくろいの届く範囲、飲む水の量

表を見ると、小さめと大きめのあいだに4年ほどの開きがあります。同じ日に生まれた2頭でも、体格が違えば、シニアと呼ばれ始める時期は数年ずれることになります。冒頭に書いたフードの「7歳から」が、この表のどこにも正確には重ならないことにも気づくはずです。あの表示は、多くの家庭に届く数字として1本に丸めたものだと考えるほうが実態に近いでしょう。

小さめの体格と大きめの体格で、シニアの入り口がどうずれるか 同じ暦の年齢でも、体格の区分が違えば、シニアと呼ばれ始めるまでに残っている年数が違います。左右で、7歳という同じ時点の意味が入れ替わります。 どちらの数字も幅つきの目安で、一頭ずつの体に当てはめ直すとずれます 小さめの体格 入り口は9〜11歳ごろ 7歳はまだ手前 変化は毛づやから出やすい 寝る時間の増加が先 幅は2年ほど 大きめの体格 入り口は5〜7歳ごろ 7歳はすでに中 変化は動きから出やすい 立ち上がる時間が先 幅は2年ほど どちらの列も、家で先に届くのはいちばん下から3行目の変化です
同じ7歳でも、左では入り口の手前、右では入ってしばらく経った時点になります。

猫については、犬の表とは別に考えたほうが混乱しません。猫は体格の幅が犬ほど開かないので、体格の区分でシニアの年齢を割る意味が薄くなります。そのぶん、7歳ごろ・11歳ごろというように、暦の年齢だけで区分されることが多くなります。犬種にあたる差で語りにくい、と言い換えてもいいでしょう。

暦の年齢と変化の始まり、どちらを使うか|シニアの年齢の使い分け

ここまでで、体格ごとの目安は並びました。ですが、家で毎日使えるのは、この表のほうではありません。2つの軸を、使い道で並べ直します。片方が暦の年齢、もう片方が、その子の体に出てくる変化の始まりです。

暦の年齢と、変化の始まり。それぞれが教えてくれること
暦の年齢(体格ごとの目安)変化の始まり(その子の中の差)
何を教えてくれるかそろそろ準備を始める時期であること今日、何を変えるべきか
いつ分かるか誕生日が来れば自動的に分かる見ている人がいて、記録があるときだけ分かる
その子に当てはまるか多くの子をまとめた目安なので、必ずずれるその子だけの記録なので、ずれない
犬種が分からないとき体重から区分を推定して使う犬種も体格も関係なく使える
早く届くか遅い。年齢が追いつくまで動かない早い。年齢より先にサインが出ることがある
使い道健康診断の頻度、フードの見直しを始める合図毎日のケアの手順を組み替える材料

この表の右側が、この記事のいちばん言いたいところです。暦の年齢は、準備を始める合図としては役に立ちますが、今日の手を決める材料にはなりません。体格の区分ごとの目安が幅で書かれている以上、その幅の中のどこに自分の子がいるかは、年齢の数字からは出てこないからです。

最後の行を補足します。シニアの年齢に入っているかどうかにかかわらず、急に出た変化を「もう年だから」で説明してしまうのが、いちばん起きやすい取りこぼしです。年齢は、ゆっくり進むものの説明にはなりますが、急な変化の説明にはなりません。

年齢より先に動くもの|変化の見分け方と、シニア期のケア用品の選び方

では、変化の始まりはどうやってつかむのか。やることは、比べられる形で残しておくことだけです。シニアかどうかの見分け方として家で機能するのは、他の子と比べることではなく、去年のその子と比べることです。犬種も体格も関係なく使えます。

  1. 同じ場所で、同じ角度の写真を月に一度

    背中、しっぽのつけ根、口のまわり。毛づやの変化は、日々見ていると分かりません。1年前の写真と並べたときに初めて見えます。

  2. かたい床を歩く音を、週に一度聞く

    爪の伸び方も、脚の運び方も、音に出ます。同じ廊下で聞くと決めておくと、比べられます。

  3. 寝ている時間を、季節ごとにざっくり書き留める

    増えたかどうかは記憶では分かりません。夏と冬でも変わるので、去年の同じ季節と比べます。

  4. 触られるのを嫌がる場所が増えていないか確かめる

    ブラッシングのときに、避ける場所が去年と変わっていないか。場所が増えていたら、それは年齢とは別の合図かもしれません。

  5. 体重を月に一度だけ測る

    体格の区分を確かめる意味もありますが、それ以上に、増減の向きが変わった時点が分かります。

こうして記録が数か月ぶんたまると、年齢の数字が届くより先に、ケアを組み替えるタイミングが分かるようになります。組み替える方向は、たいてい同じです。1回あたりを短くして、回数を増やす。全身を一度にやるのをやめて、部分に分ける。この2つで、体にかかる負担がかなり変わります。

ケア用品の選び方も、この時期にいちど見直しになります。選ぶ基準は年齢ではなく、その子が自分で届かなくなった場所がどこか、です。年をとると、体をねじる動きから先に減ります。腰から後ろ、しっぽのつけ根、内また。若いころは自分の口が届いていた場所が、届かないまま残るようになります。ここが、人の手が要るようになる場所です。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。舐めても問題のない基準でつくられているので、あとから口が届いて舐めてしまう場所にも、そのまま置けます。上の手順で「触られるのを嫌がる場所が増えていないか確かめる」と書きました。その確認をした流れのまま、避けた場所だけを数か所なじませておくと、全身を一度に触らずに済みます。1回を短くして回数を増やす、という組み替えとも噛み合います。シニアの年齢に入ったから何かを足す、という順番ではなく、自分で届かない範囲が広がった順に人が引き取っていく、と考えてください。

Caution年齢で説明をつけてはいけない変化

数日のうちに急に出た、片側だけに出ている、同じ場所をなめ続けている、水を飲む量が急に変わった、体重が短期間で動いた。こうした変化は、シニアの年齢に入っているかどうかとは切り離して考えてください。年齢のせいにして様子を見続けると、確かめる機会が後ろへずれます。気になる変化があるときは、動物病院にご相談ください。シニア期に入ったのでケア用品を変えれば大丈夫ですと言い切れる場面は、実際にはほとんどありません。

最後に一行に戻します。シニア期に入る年齢は体格で違うとされ、犬種で違うと言われるものの中身もそこにあります。ただ、家で使えるのは年齢の数字ではなく、去年のその子と比べたときに見える変化の始まりのほうです。体格の区分ごとの目安は、健康診断の間隔を考えるときに思い出せば十分です。今日やることは、写真1枚と、廊下で聞く音のほうから決まります。

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よくある質問

犬種が分からない保護犬です。シニアの年齢はどう見ればいいですか
犬種が分からなくても困りません。成犬時の体重が分かれば、小さめ・中くらい・大きめのどの区分に近いかは当てはめられます。ただし推定年齢しか分からない場合も多いので、そのときは年齢の目安より、この記事の最後に書いた記録のほうを使ってください。写真と体重を月に一度残しておけば、暦の年齢が分からなくても、変化が始まった時点は分かります。
フードのシニア向けは、表示の年齢どおりに切り替えるべきですか
表示は目安として置かれた線なので、その日に切り替えなければならないというものではありません。体格の区分によって入り口の年齢は前後しますし、同じ体格でも幅があります。切り替えを考えるきっかけとしては使えるので、健康診断のときに体重の増減と合わせて相談するのがいちばん確実です。判断に迷うときは、動物病院で聞いてください。
同じ犬種の子より早くシニアのサインが出ている気がします
同じ犬種の中にも体格の幅がありますし、暮らし方でも差が出ます。犬種で比べるより、その子の去年の記録と比べるほうが確かです。ただし、去年と比べて短い期間で大きく変わっている場合は、年齢による変化とは別の理由があることもあります。年齢のせいだと決める前に、一度動物病院で見てもらってください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。