C12Q&A・豆知識
トリミングの間隔はどれくらいが適切?
「適切な間隔はどれくらいですか」とサロンで聞くと、たいてい4〜6週という数字が返ってきます。トリミングの間隔には、すべての家に当てはまる1つの正解はありません。ただし、答えが2つある、という言い方ならできます。4〜6週というのは店の側の基準で、仕上がりが保てる期間を指しています。もう1つ、飼い主の側の基準があって、そこには費用と、連れて行く移動と、その子が台の上で耐えられる時間が入ります。この2つは別々のものさしなので、片方だけでは自分の家のトリミングの間隔は出てきません。この記事では、2つの基準がそれぞれ何を測っているかを分けたうえで、家の側の数字を作るところまで書きます。
トリミングの間隔はどれくらいが適切ですか
トリミングの間隔は、店の側の基準と飼い主の側の基準の、2つを並べてから決めるものです。どちらか一方だけを見ていると、決めたつもりでも毎回その場で答え直すことになります。
サロンで返ってくる4〜6週という数字は、いいかげんな数字ではありません。プロが仕上げた形が保てる期間として、根拠のある数字です。ただし、それは「その仕上がりを保ちたいなら」という条件がついた数字でもあります。条件が違えば、答えも変わります。
- 店の側の基準:切った形が崩れるまでの日数。毛が伸びる速さと、カットの入れ方から出てくる
- 飼い主の側の基準:1回あたりの費用、連れて行く移動の負担、その子が台の上で立っていられる時間
- どちらも正しい:測っているものが違うだけで、片方が間違っているという話ではない
- ずれるのがふつう:2つの基準が同じ日数を指すほうが珍しい
- 決め方:ずれたぶんを、家の手でどう受け持つかを決める。それが自分の家の間隔になる
この記事は、その2つを並べるためのものです。「何週が正しいか」を探す代わりに、「誰の基準で何週なのか」を分けます。分けてしまえば、次の予約日は自分で出せるようになります。
そもそも犬のトリミングとは、店の側で何を保っている作業なのですか
犬のトリミングとは、被毛を切りそろえて形を作る作業のことを指します。ただ、実際の1回には、カット以外の工程がいくつも入っています。店の側が「4〜6週」と言うとき、そこで保とうとしているものが何なのかを見ておくと、数字の意味が変わります。
| 工程 | 何をしているか | 崩れるまでの目安 |
|---|---|---|
| カット | 被毛の長さと形を作る | 数週間で少しずつ伸びて形が変わる |
| もつれの処理 | 絡まった毛をほどく、または取り除く | 毛が伸びるほど再びできやすくなる |
| 洗いと乾かし | 根元まで洗って、完全に乾かす | 日常のケアの状況で大きく変わる |
| 爪・足まわり | 爪の長さと、足裏の毛を整える | 歩く量によって差が出る |
| 耳・目のまわり | 見える範囲を整えて、視界を確保する | 毛が伸びるとまず視界から狭くなる |
この表で分かるのは、工程ごとに「持つ期間」がそろっていないということです。形が崩れるまでの日数と、足裏の毛が伸びるまでの日数と、目にかかるまでの日数は、それぞれ違います。店の側は、そのうちいちばん早く崩れるものを基準にして次を提案します。全部がそろって崩れるのを待つと、1回の作業が重くなるからです。
つまり、トリミングとは何かと聞かれたとき、店の側の答えは「形と、扱いやすい状態を、いっしょに作り直す作業」ということになります。だから間隔も、形が保てる期間として出てきます。ここまでは、店の側の話です。
サロンで返ってくるトリミングの間隔が4〜6週なのは、なぜですか
なぜ4〜6週なのか。切った直後の形が、そのくらいの期間で目に見えて変わってくるからです。被毛が伸びる速さには個体差がありますが、形として崩れが分かるまでの時間には、ある程度の共通した範囲があります。
もう1つ、店の側にとって大きいのが、作業の重さが日数とともに増えていくという事情です。間隔が空くほど、もつれの処理に時間がかかります。もつれは、ほどく作業そのものがその子にとって負担になるので、店としては軽いうちに来てほしい。この2つが重なって、4〜6週という提案になります。
- 形の理由:カットのラインが、そのくらいの日数で見た目に分かるほど動く
- 作業量の理由:もつれは日数に対してまっすぐ増えるわけではなく、ある時期から急に増える
- その子の負担の理由:もつれをほどく時間が長いほど、台の上にいる時間も長くなる
- 予約の理由:先の枠を押さえておかないと、希望の日が取れないという、店と客の両方の事情
- 季節の理由:換毛の時期や、雨が続く時期には、同じ日数でも状態が変わる
4〜6週という間隔は、その仕上がりを保ちたいなら、という条件つきで最短距離を答えたものです。プロは毛の状態を毎日見ている人たちなので、日数と作業量の関係をいちばん正確に知っています。ここを疑ってしまうと、いちばん確かな情報源を1つ手放すことになります。基準が2つあるという話は、店の基準を疑う話ではありません。
ここまでが、店の側の基準です。測っているのは「仕上がりが保てる期間」であって、「その家が続けられる期間」ではありません。後者は、店の側からは見えません。次のセクションで、そちらを開きます。
飼い主の側の基準には、何が入るのですか|費用・移動・耐えられる時間
飼い主の側の基準は、3つの要素でできています。費用、移動、そしてその子が耐えられる時間です。どれも店のカウンターでは話題になりにくいのに、実際の間隔をいちばん強く決めています。
| 要素 | 何を測っているか | 間隔にどう関わるか |
|---|---|---|
| 費用 | 1回あたりの金額と、年間で出せる回数 | 年に何回まで、という上限を先に決める |
| 移動 | 片道の時間、車の有無、その子が移動を嫌がるか | 移動が負担なほど、1回あたりの価値を上げたくなる |
| 耐えられる時間 | 台の上で立っていられる時間、待ち時間を含めた拘束の長さ | 長い作業を1回でやるか、短く分けるかが変わる |
| 家の予定 | 送迎できる曜日、仕事や家族の都合 | 実際に予約が取れる日は、そもそも限られている |
| 家でやれる量 | ブラッシングや拭き取りに使える時間 | 家の手が入るほど、崩れ方がゆるやかになる |
この中でいちばん見落とされるのが、3つ目の「その子が耐えられる時間」です。年齢が上がるほど、この時間は短くなっていきます。若いころと同じ内容を同じ回数で続けようとすると、ある時期からその子だけが無理をすることになります。台の上で立っている時間は、家からは見えません。
費用と移動については、はっきり数字にできます。年間の予算を回数で割れば、1回あたりに出せる金額が出ます。移動は片道の分数で書けます。3つのうち2つまでは、家の側で紙に書ける数字です。書けないのは、耐えられる時間だけ。これはサロンに聞くしかありません。
2つの基準がずれたときは、どちらに合わせるのですか
ここが、この記事のいちばん実用的なところです。店の基準が5週、家の基準が8週。こういうずれは、ふつうに起きます。どちらかが間違っているわけではないので、どちらかを捨てる形では解けません。
解き方は4つあります。順番に試すものではなく、家の事情に近いものを選びます。
- 内容を減らして回数を保つ:全身のカットを毎回入れず、足まわりと顔まわりだけの短い回を挟む。1回の金額も拘束時間も下がる
- 回数を減らして内容を保つ:間隔を空けるかわりに、家でのブラッシングを増やす。もつれが増える速さを、家の手で遅くする
- 時期で変える:換毛の時期や雨の多い時期だけ間隔を詰め、乾いた時期は空ける。年間の回数は変えずに配分だけ動かす
- 相談して決める:どこを削れるかは、その子の毛を見ている人がいちばん分かる。予算と時間の条件を先に伝えると、内容のほうを調整してもらえることがある
4つ目が、いちばん確実です。「8週で通いたいのですが、そのあいだ家で何をしておけばいいですか」と聞く形にすると、店の側の基準を借りたまま、家の条件で通えるようになります。間隔だけを1人で決めようとすると、この相談が抜け落ちます。
自分の家のトリミングの間隔は、どうやって数字にしますか
紙とペンで5分の作業です。やることは、家の側の基準を先に数字にして、そのあとで店の基準と突き合わせることだけです。順番を逆にすると、店の数字に引きずられて家の条件が出てこなくなります。
-
年間に出せる金額を決める
1年でトリミングに使える総額を書きます。1回の料金で割ると、年に何回という上限が出ます。ここがいちばん動かしにくい数字です。
-
回数を12か月に割り付ける
年6回なら平均8週、年8回なら平均6週半。ここで出るのが、家の側の基準としての間隔です。
-
移動できる曜日を数える
実際に送迎できる曜日が月に何日あるかを書きます。ここが少ないと、計算どおりの週数では予約が取れません。
-
その子が立っていられる時間を聞く
次に行ったとき、「今日は何分かかりましたか」「途中で休みましたか」と聞いておきます。この2つだけで、内容を減らすべきかどうかが分かります。
-
ずれたぶんの受け持ち方を1つ決める
家の間隔が店の基準より長いなら、その差を家で何が受け持つかを決めます。ブラッシングの回数を増やす、短いメニューを挟む、時期で配分を変える。1つだけ選びます。
この5つを1回やると、次の予約から「何週にしますか」が、聞かれる前に決まっている状態になります。年に何回という上限と、その回数を配る形が決まっているからです。カウンターで考える時間は要らなくなります。
書き出した紙は、1年に1回だけ見直します。見直しの合図は、年齢ではなく「前回、時間が長くかかった」という報告です。時間が伸びているなら、内容か間隔のどちらかが、その子に合わなくなってきています。
決めたトリミングの間隔より空いてしまったときは大丈夫ですか
予約が取れなかった、体調を崩した、家の事情で行けなかった。決めた間隔から外れる月は、必ず出てきます。1回や2回ずれたことそのものは大丈夫です。問題になるのは、ずれた期間に家で何もしなかった場合のほうです。
間隔が空いたときにいちばん先に効いてくるのは、もつれです。もつれは日数に対してまっすぐ増えるのではなく、ある時期から急に増えます。だから、空いた期間の前半に手を入れておくと、次の1回の重さがかなり変わります。
- 先に見る場所:脇の下、内股、耳の後ろ、首輪の下、しっぽのつけ根。どこも動きでこすれる場所です
- やること:1回3分でいいので、回数を増やす。長く1回やるより、短く何度かのほうが結果がそろいます
- やらないこと:もつれをハサミで切ること。皮膚を巻き込む事故が起きやすいので、次の1回まで残します
- 伝えること:次に行ったときに、どのくらい空いたかと、どこがほどけなかったかを伝えます
- 次の予約:空いたぶんを取り戻そうとして詰めすぎない。1回で戻そうとすると、台の上の時間が長くなります
予約と予約のあいだは、家にある3本で分担します。洗う日はモイストシャンプー、洗う日と洗う日のあいだはグルーミングスプレー、地肌の側はスキンケアミストという分け方です。mofuwa モイストシャンプーは、アミノ酸系の洗浄成分を少なくしたうえで、原料の水に電解水を使っています。その量でも泡が立つので、すすぎが短く終わります。浴室にいる時間が短いほど、洗う日そのものが軽くなります。mofuwa グルーミングスプレーは、特許電解水を使った無香料・界面活性剤不使用のケアスプレーです。布に含ませてから毛の流れに沿ってなぞる形なら、スプレーの音を出さずに毎日できます。間隔を長めにとる家ほど、グルーミングスプレーが受け持つ日数が増えることになります。地肌の側は mofuwa スキンケアミストです。脇の下や内股は、もつれが先にできる場所であると同時に、指が入りにくい場所でもあります。毛を分けて、気になる部分に直接なじませてから、毛を戻してください。
同じ場所ばかり気にしている、触ると嫌がる場所が増えた、地肌が赤い、においが急に変わった、抜け毛の量が短期間で変わった。こうした変化は、トリミングの間隔を詰めても収まる種類のものとは限りません。日数の話として片づけずに、動物病院にご相談ください。間隔を短くすれば皮膚のトラブルは防げますと言い切れる場面は、実際にはほとんどありません。
2つの基準を並べたあとに残る疑問|間隔を人に聞かなくてよくなるまで
最後に、よく残る疑問を3つだけ片づけます。どれも「誰の基準の話か」を思い出すと、その場で答えが出るものです。
| 疑問 | どちらの基準の話か | 答え方 |
|---|---|---|
| 他の家より間隔が長い気がする | 飼い主の側 | 他の家の条件は自分の家では使えない。年間の回数と、家でやれる量で決まる |
| 季節で変えたほうがいいのか | 両方 | 換毛や雨の時期は店の基準が短くなる。年間の回数を変えずに配分だけ動かす |
| サロンを変えると間隔も変わるのか | 店の側 | カットの入れ方が違えば崩れ方も違う。変えた最初の1回で、次の提案を聞き直す |
3つとも、店の基準と家の基準のどちらの話かが分かれば、聞く相手も決まります。店の側の話ならサロンに、家の側の話なら家計簿とカレンダーに聞く。混ざったまま考えていると、どこにも答えがないように感じます。
この記事を一行に戻します。トリミングの間隔に正解の週数はありませんが、基準は2つあります。店の側は仕上がりが保てる期間を、飼い主の側は続けられる条件を測っています。2つを並べて、ずれたぶんを家の手でどう受け持つかを1つ決める。それが済んだ時点で、次の予約日は人に聞かなくても出せるようになります。
そして、決めた間隔は動かしてかまいません。見直しの合図は、カレンダーではなく、前回かかった時間のほうです。時間が伸びてきたら、内容を減らすか、家でやる量を増やすか、どちらかを足す。年に1回、その確認だけしておけば十分です。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
