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無香料とは?犬や猫に使うとき、大丈夫の判断はどこで決まるか

公開日 2022年10月7日|文=mofuwa編集部

明るく清潔な部屋の淡い色のリネンのクッションの上で、静かに休んでいる淡い色の猫
香りをつけていないボトルにも、原料そのもののにおいはわずかに残ります。写真:Cats Coming/Pexels

犬や猫に使うものを選ぶとき、無香料という表示が答えているのは「香料を入れていない」という一点だけで、その子に使って大丈夫かどうかまでは答えていません。無香料とは、香りをつけるための成分を入れていない、という設計のことです。この定義には、においを消すという意味は含まれていません。原料そのものが持っているにおいは、香りを足さない設計にしても残ります。さらに言うと、においを感じさせない状態に近づけようとするほど、別の香りを重ねる方向へ進むことになります。だから無香料と微香は、強さの違いではなく、はじめから別の設計です。この記事では、無香料とはどこまでを言っている言葉なのかを8つの問いに分けて開き、犬や猫に使うものを選ぶときにどこを見るかまで書きます。

無香料とは、何を指している言葉ですか|定義を一行に戻します

無香料とは、香りをつけるための成分を入れていない、という設計のことです。言っているのは作り方の話で、できあがったものがどんなにおいをしているか、という話ではありません。犬に使うものでも猫に使うものでも、この言葉が指しているのはそこだけです。

香料とは、処方の中で香りを作るために足される成分のことを指します。天然由来のものも、合成のものもあります。この成分を入れるかどうかを決めているのが、無香料という言葉です。入れないと決めた、という一点だけを表しています。

最後の行が、この言葉のいちばん使いどころです。無香料は、成分表と照らし合わせて確かめられる種類の言葉です。「やさしい」「低刺激」のように、何を指しているかが読み手に委ねられる言葉とは、そこが違います。設計の話なので、書かれていることと成分表がずれていれば分かります。

そのうえで、この記事が扱うのは残りの部分です。香りを足していないものが、なぜにおうのか。ここを知らないまま無香料を選ぶと、開けた瞬間に「話が違う」と感じることになります。

無香料なのに、においがするのはなぜですか

においがするのは、中身に使われている原料が、それぞれ自前のにおいを持っているからです。香料は、そのにおいの上に別の香りを重ねる成分です。重ねるのをやめれば、下にあったにおいがそのまま残ります。

香りを足していない中身で、においの出どころになりうるもの
出どころどんなにおいとして出るか設計で消せるか
油脂系の成分わずかに脂っぽい、こもったにおい精製の度合いで弱くはできるが、消えはしない
植物由来の成分草や種のような、ややとがったにおい原料を変えれば変わるが、無臭にはならない
アミノ酸系の洗浄成分ごくうすい独特のにおい配合量で変わる
水そのもの処理の仕方によっては、かすかなにおいが残る工程で変わる
容器樹脂やパッキンのにおいが移ることがある素材の選択で変わる

この表で言いたいのは、どの行も「消せない」ではなく「弱くはできる」と書いてあることです。原料のにおいは、精製や配合で小さくできます。ただ、ゼロにはなりません。ゼロにしようとすると、次のセクションで書く話になります。

だから、無香料の製品を開けたときにかすかなにおいがするのは、設計どおりの状態です。何かが劣化しているサインとは限りません。ただし、買ったときと明らかに違うにおいに変わっている場合は別で、そちらは開封後の時間や保管の条件の話になります。

無香料と無臭は、同じ意味ですか|2つの言葉が指しているもの

同じ意味ではありません。無香料とは作り方の話で、無臭とは嗅いだときの感じ方の話です。片方は処方の中身を、もう片方は嗅いだ結果を言っています。犬や猫と暮らしていると、この差はそのまま表示の読み方に効いてきます。

無香料と無臭を、何の話かで分ける
無香料無臭
何の話か処方の設計嗅いだときの感じ方
誰が決めるか作る側が決める嗅いだ人によって変わる
確かめ方成分表を見れば分かるその場で嗅ぐしかない
犬や猫にとって同じ設計でも、感じ方は人と違う人が無臭と感じても、同じとは限らない
作り方香料を入れないだけにおいを覆うか、においの元を減らすか

いちばん下の行が、この記事の折り返し点です。無香料は「引き算だけ」で成立しますが、無臭は引き算だけでは成立しません。原料のにおいが残っている以上、それを感じさせないようにするには、別の手を打つ必要があります。

もう1つ、4行目も見ておいてください。人が無臭だと感じた状態が、犬や猫にとっても同じ状態とは限りません。無臭かどうかは、嗅ぐ側によって答えが変わる言葉です。だから、製品の説明として使うには向いていません。無香料が表示に使われやすいのは、作り方の話だからです。

においを感じさせないようにするには、何をするのですか|マスキングという足し算

においを感じさせない状態を作ろうとすると、設計は香りを足す方向へ進みます。この手法をマスキングと呼びます。原料のにおいを、別の香りで覆って感じにくくする、という設計です。無香料とはちょうど逆の向きに進む、ということになります。

マスキングとは、においを消す技術ではありません。覆う技術です。下にあるにおいはそのまま残っていて、鼻に届く順番が入れ替わっているだけ、という言い方もできます。

香りを足さない設計と、においを感じさせない設計 無香料は香料を入れない引き算の設計です。においを感じさせないようにする設計では、原料のにおいの上に香りを重ねます。同じ「においが気にならない」という結果に見えても、中でしていることが逆向きです。 どちらが優れているという表ではありません。狙っているものが違います 無香料の設計 香料を入れない 原料のにおいは残る 開けるとかすかににおう 成分表で確かめられる 引き算だけで成立する 感じさせない設計 香りを重ねる 原料のにおいは覆われる 開けると香りがする 香料の記載がある 足し算で成立する 左右の3行目が、店頭で手に取ったときに分かれる場所です
同じ棚に並んでいても、2つは反対の方向に設計されています。

この図の右側を選ぶ設計にも、はっきりした理由があります。使ったときに分かりやすい、置いておく場所の空気を整えられる、使う人が心地よく続けられる。どれも実用的な目的です。香りを足す設計が劣っている、という話ではありません。

分かっておきたいのは、この2つが同じ棚に並んでいて、どちらも「においが気にならない」と説明されうるということです。同じ説明でも、中でしていることは逆向きです。無香料とは、その逆向きの片側を指す言葉になります。

無香料と微香は、どちらが弱いという関係ですか

どちらが弱いという関係にはならず、無香料と微香は強さの軸の上に並びません。微香は香料を入れたうえで量を抑えた設計で、無香料は香料を入れていない設計です。入れたものを減らしたのか、はじめから入れていないのかという違いなので、同じ物差しには乗りません。

3つの設計が、それぞれ何を狙っているか
設計香料の扱い狙っていること
無香料入れていない香りという変数を処方から外す
微香入れたうえで量を抑える使ったことは分かる程度に、主張は控える
香りつき設計の一部として組み立てる使う場面の空気ごと整える

この表の右の列を見ると、3つとも別々の目的を持っていることが分かります。微香は「無香料の一歩手前」ではありません。香りを設計に入れると決めたうえで、量を選んだものです。方針としては、香りつきと同じ側に立っています。

だから、無香料を探している人が微香を手に取ると、たいてい期待とずれます。「弱いほう」を選んだつもりで、別の設計を選んでいることになるからです。逆に、香りが少しあるほうが使いやすい人にとっては、微香は無香料より合っています。選び方の問題であって、優劣の問題ではありません。

犬や猫に使うものは、無香料のほうが大丈夫ですか

犬や猫に使うものは、無香料であることだけで大丈夫かどうかが決まりません。香料が入っているかどうかは、処方の中の1つの項目にすぎないからです。犬や猫の嗅覚は人よりも鋭いとされているので、人が心地よいと感じる程度の香りでも、その子には同じとは限りません。

そのうえで、無香料を選ぶ理由として筋が通るものは、いくつかあります。順に書きます。

いちばん下の行が本題です。無香料は、確かめるべきことを1つ減らす表示であって、確かめなくてよくする表示ではありません。目のまわりに使えるか、なめても問題のない場所に使えるかは、無香料かどうかとは別のところに書かれています。

表示で無香料かどうかを知りたいとき、どこを見ればいいですか

見る場所は2つです。表面に書かれた言葉と、成分表の並びを突き合わせます。無香料とは成分表で確かめられる言葉なので、この2つがそろえば判断できます。

  1. 表面の言葉を読む

    「無香料」なのか「香料無添加」なのか、「微香性」なのかを見ます。微香性と書いてあれば、香料は入っています。

  2. 成分表で香料を探す

    成分の並びに「香料」があるかどうかを見ます。無香料と書かれていて、成分表に香料がなければ、表示と中身が合っています。

  3. ほかのフリー表示の内訳を見る

    「◯つのフリー」「◯成分無添加」と書かれているときは、その中身が列挙されているかを見ます。数だけでは何を入れていないか分かりません。

  4. 使える部位の記載を確かめる

    目のまわり、口のまわりに使えるかどうかは、香料とは別に書かれています。書かれていなければ、その部位には使いません。

  5. 開けたときのにおいを覚えておく

    最初のにおいを覚えておくと、時間が経ってから変わったときに気づけます。無香料はここが分かりやすい設計です。

3つ目について補足します。数を書かずに「無添加」とだけ書かれていると、何を入れていないのかが読み手に伝わりません。内訳が並んでいるかどうかは、その表示がどこまで具体的かを見る手がかりになります。

犬や猫は、つけたものを自分で洗い落とせません。顔まわりや口のまわりに置いたものには、そのまま舌が届きます。だから、香りを足しているかどうかより先に決まるのは、口に入っても問題のない中身かどうかのほうです。4つ目の手順で「使える部位の記載を確かめる」と書いたのは、そのためです。mofuwa スキンケアミストは中身が電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられています。表示は、アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー、という内訳の形にしてあります。数だけを書かずに、何を入れていないかを並べた側の書き方です。スキンケアミストを開けると、わずかに塩素のようなにおいを感じることがあります。香りで覆っていないので、水そのもののにおいがそのまま出ます。5つ目の手順に書いた「最初のにおいを覚えておく」は、この種類のにおいのことです。無香料とは、こういう形で確かめられる言葉です。

Cautionにおいの変化そのものが気になるとき

体のにおいが短い期間で変わった、特定の場所だけにおいが強い、洗ったあとすぐ戻る、地肌が赤い、同じ場所をなめ続けている。こうした変化は、犬や猫に使うものを無香料に替えることで片づく種類のものとは限りません。においを覆うか覆わないかという話にする前に、動物病院にご相談ください。無香料のものを使えばにおいのトラブルは防げますと言い切れる場面は、実際にはほとんどありません。

無香料について残りやすい疑問|この言葉を知ったあとに変わること

残りやすい疑問は3つあり、どれも「無香料とは作り方の話」という一点に戻せば答えが出ます。犬や猫に使うものを選ぶときも、戻る場所は同じです。

無香料をめぐって残りやすい3つの疑問
疑問答え根拠になっているもの
無香料なのににおうのは不良品ですか設計どおりの状態です原料そのもののにおいは、香料を入れなくても残る
無香料ならにおいの元も減らせますか別の話です香料を入れないことと、においの元に働きかけることは違う設計
香りつきのものは使わないほうがいいですかそういう話ではありません狙いが違うだけで、続けやすさで選んでよい

3つ目については、はっきり書いておきます。香りを設計に入れた製品には、そうする理由があります。使ったことが分かる、場面の空気ごと整えられる、人が続けやすい。無香料とは、その理由を採らなかった側の設計というだけのことです。

この言葉を知ると、明日から1つだけ変わることがあります。ボトルを開けたときのにおいを、判断材料として使えるようになります。香りで覆われていない中身は、置かれた時間や保管の条件が、においの変化として出やすいからです。最初のにおいを覚えておけば、あとで比べられます。

一行に戻します。無香料とは、香りをつける成分を入れていない、という設計のことです。においがないという意味ではありませんし、においを消す働きを表す言葉でもありません。無臭に近づけようとすると香りを足す側に回るので、無香料と微香は強さの軸では並びません。ラベルを読むときは、無香料という言葉と、成分表の香料の有無を、その場で突き合わせてください。それで確かめられる、数少ない言葉のひとつです。

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よくある質問

犬に使うシャンプーやスプレーは、無香料のほうが大丈夫ですか。
無香料かどうかだけでは決まりません。無香料が減らしてくれるのは、合わなかったときに香料を疑う、という確かめごと1つぶんです。犬に使うものでは、洗い流すか流さないか、地肌に残るか、なめる場所に届くかのほうが先に効きます。使える部位が書かれているかを、香料の有無より先に見てください。
猫は香りを嫌うと聞きました。無香料なら猫にも大丈夫ということですか。
無香料は判断材料の1つで、それだけで決まる話ではありません。犬や猫の嗅覚は人よりも鋭いとされているので、人が心地よいと感じる程度の香りでも、その子には強いことがあります。ただし香料を外しても、原料そのもののにおいは残ります。開けたときのにおいを一度嗅がせて、顔を背けるかどうかを見るほうが確かです。
「無香料」と「香料無添加」は、同じ意味ですか。
どちらも香料を入れていないという設計を指しています。差が出るのは、その表示が何を数えているかのほうです。「◯成分無添加」と書かれているときは、内訳が並んでいるかを見てください。数だけでは、犬や猫に使うときに気になる成分が外れているかどうかまでは分かりません。
無香料のものに替えたら、犬や猫の体のにおいは弱くなりますか。
体のにおいの元は、使うものの香りとは別のところにあります。無香料に替えて変わるのは、その子自身のにおいが香りに覆われず、そのまま届くようになることです。弱くなるというより、変化に気づきやすくなる、という形で効きます。短い期間でにおいが変わった、特定の場所だけ強いというときは、動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。