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無添加とは?統一基準がない言葉

公開日 2022年9月16日|文=mofuwa編集部

明るく清潔な部屋で、白いブランケットの上に落ち着いて伏せている淡い色の犬
引き算の表示は、何から何を引いたのかが書かれて初めて読めるようになります。写真:https://kaboompics.com//Pexels

棚に並んだ4本のボトルに、どれも「無添加」と書かれていました。外している成分の数は、8つ、11、5つ、そして数の書かれていないもの。無添加とは、何かを加えていないという意味の言葉です。ただし、何を「添加物」と数えるかは決まっていません。統一された基準がないので、4本の「無添加」は同じ物差しの上に並んでいませんでした。この記事は、この言葉に基準がないまま定着した背景と、それでも表示を読む方法についての読みものです。結論を先に書くと、読むのは「無添加」の3文字ではなく、その横に並んでいるはずの内訳のほうです。

同じ「無添加」が4本並んだとき、比べられるものが1つもなかった

店頭で、犬猫用のケア用品を4本手に取ったことがあります。どれにも「無添加」と書かれていました。1本目は8つ、2本目は11、3本目は5つ、4本目は数そのものが書かれていませんでした。数の大きいものが良いのだろう、といったん思いかけて、手が止まりました。8つと11を並べても、比べていることになりません。何を外したのかが書かれていなければ、大きいほうが多く外しているとは言えないからです。

実際に裏の表示を読んでいくと、外しているものの中身がそれぞれ違いました。片方が外している成分を、もう片方は外していない。そのかわり別のものを外している。同じ「無添加」という3文字が、4通りの違う内容を指していました。これは、どれかが不誠実だという話ではありません。そもそも、何を添加物と数えるかを決めた共通のルールが存在しないという話です。

犬や猫のケア用品を選ぶとき、この言葉は最初に目に入る場所に置かれます。ボトルの前面、商品名のすぐ下、広告の見出し。いちばん目立つ場所にあるのに、それだけでは何も決められない言葉だというのが、この記事のはじめの引っかかりでした。だから、まず言葉のほうを分解します。

Noteこの記事は、どの表示が正しいかを決める記事ではありません

「無添加」と書かれた製品どうしを比べて、どれが優れているかを判定することは、この記事ではしません。数の書かれていない表示にも、書かない理由があります。外す成分を並べると、そのぶん処方の自由度が下がるので、あえて数を競わない作り方もあります。ここで書くのは、読む側がどこを見れば意味を取り出せるか、という手順のほうです。

無添加とは何を指す言葉か|統一基準がないまま定着した背景

定義から書きます。無添加とは、ある成分を加えていない、という意味の言葉です。これ以上でもこれ以下でもありません。「加えていない」という否定の形をしているので、何を加えていないのかが書かれて初めて、内容を持ちます。ここが、この言葉のいちばん重要な性質です。無添加とは何かと問われたとき、いちばん短い答えは「引き算の説明である」になります。

では、なぜ統一された基準ができなかったのか。背景として言われているのは、この言葉がもともと食品の表示から広がってきたという経緯です。食品には保存料や着色料といった、比較的はっきりした添加物の分類があります。そこから「無添加」という表現が使われはじめ、化粧品や日用品へ広がっていきました。ただ、分野をまたぐときに、添加物の分類そのものは付いてきませんでした。言葉だけが移動したので、移動先には数える対象の一覧がありません。

犬や猫に使うケア用品は、人の化粧品とも食品とも制度上の位置づけが違います。人の化粧品に定められている表示のルールが、そのまま当てはまるわけではありません。表示が実際より良く見せていないかどうかは景品表示法の考え方で見られますが、「無添加」という語そのものに、成分の基準が定められているわけではないというのが実際のところです。だから、書く側が範囲を決められてしまいます。

「無添加」という言葉が、何を持っていて何を持っていないか
項目持っているか補足
何かを加えていない、という意味持っているこれが言葉の全部です
何を加えていないか、という中身持っていない書き手が並べて初めて分かります
数える対象の共通の一覧持っていない分野をまたぐときに引き継がれませんでした
入っているものについての情報持っていない成分表を別に読む必要があります
使い方や量についての条件持っていない同じ中身でも使い方で話が変わります
安全性についての結論持っていない確かめたことは別の欄で示されます

表の下2行は、書き手として自分たちに引きつけて考えたところです。入れていないものの一覧は、入っているものが確かめられているという意味にはなりません。だから、無添加なので安心ですという書き方はしないことにしています。無添加とは設計の説明であって、確かめた結果の説明ではありません。この2つは、別の欄に分けて書くべきものだと考えています。

数だけが残る仕組み|引き算の表示に分母が書かれていない

8つと11を比べられなかった理由を、もう少し細かく書きます。引き算の表示には、分母が書かれていません。8つ外した、というのは分子です。何から8つ外したのかという分母がないので、割合として読めません。数の書かれた表示を見て「多いほうがよさそう」と感じるのは自然なことですが、そこで比べているのは分子どうしです。

分母がないと、次の3つが起きます。どれも書き手をだますつもりがなくても起きることなので、読む側で受け止めるしかない部分です。

3つ目は、書いておかないとフェアではないところです。外すことには、必ず引き換えがあります。香りをつける成分を外せば、使うときの気持ちよさは減ります。油分を外せば、塗った直後の手ざわりは変わりにくくなります。中身を保たせる成分を外せば、開封したあとに使い切ってほしい期間は短くなり、置き場所にも気を配っていただくことになります。無添加とは、良いものを足した説明ではなく、何かを引き受けた説明です。

だから、この言葉を読むときの手順は1つに絞れます。数を見たら、その横に名前が並んでいるかを探す。並んでいなければ、その表示からは何も取り出せません。並んでいれば、そこから先は自分の家の事情で読めます。舐める場所に使うのか、毎日使うのか、においに敏感な子か。名前が並んで初めて、読む側の条件と突き合わせられるようになります。

Point数を比べる代わりに、外した理由の分類を見る

外している成分の名前が並んでいたら、それを「なぜ外したか」で3つくらいにまとめ直してみると、製品の性格が見えてきます。舐めることを前提にしているのか、においを負担と考えているのか、毛のある体に残ることを避けているのか。同じ8つでも、束ね方が違えば別の設計です。数の大小より、この束ね方のほうが、自分の家に合うかどうかを決めてくれます。

外している8つを名前で並べる|数と中身を両方出すという選び方

ここからは、自分たちの製品で書きます。mofuwaスキンケアミストは、次の8つを配合していません。「8つのフリー」という言い方をしていますが、数だけでは何も伝わらないので、名前を全部並べます。

この8つを外すと何が残るのかというと、電解水です。スキンケアミストの中身は電解水で、香りも色もつきません。成分表を読むのに時間がかからないのは、単に書くことが少ないからです。そして、この8つの並びを見れば、外した理由が3つに束ねられることも分かります。舐める前提であること、においが負担になりうること、毛のある体に残ると絡む・べたつくこと。人の肌向けの製品をそのまま持ってくると、この3つに引っかかります。

洗うほうの製品では、数が変わります。mofuwaモイストシャンプーは11成分無添加としています。ミストの8つと数が違うのは、外したものの中身が違うからです。シャンプーは汚れを落とす製品なので、洗浄成分を入れないという選び方ができません。入れないことができない前提のうえで、何を外すかを決めています。洗浄成分にはアミノ酸を原料にしたものを使い、原料の水には、精製水で薄めていない電解水をそのまま使っています。外せないものを抱えたまま量を抑えるなら、いちばん多く入っているものを入れ替えるほうが早い。水の側を置き換えているのは、洗浄成分の量を抑えるためです。ただし、その水が処方全体の何割にあたるかという数字は公表していません。外したものの数は名前ごと出せても、入っているものの割合は出せない。無添加という言葉が引き算の側しか語れないというのは、こういう意味でもあります。

2つの製品で、無添加という言葉が指しているものの違い
スキンケアミストモイストシャンプー
外している数8つ11成分
外している中身アルコール/添加物/香料/界面活性剤/鉱物油/オイル/着色料/防腐剤洗浄成分を必要とする処方の中で外せるもの
外せないもの特になし(電解水のみで成立)洗浄成分そのもの
数が違う理由製品の前提が違うため同じ物差しでは並べられません
数の大小で優劣がつくかつきませんつきません

この表の最後の2行が、この記事で書きたかったことです。同じブランドの中でさえ、8つと11は比べられません。製品の前提が違うからです。前提の違う2つを数だけで並べれば、11のほうが優れているように見えてしまいます。実際には、そういう読み方はできません。だから数を出すときは、必ず中身も一緒に出す。それが、この言葉に意味を持たせる唯一の方法だと考えています。

逆に言えば、名前を並べた時点で、比べられて困ることも起きます。外していない成分がはっきりするからです。それでも並べるのは、読む側が自分の条件で判断できる形にしないかぎり、表示は情報にならないと考えているからです。無添加とは、書き手が範囲を決められる言葉です。決められるからこそ、決めた範囲を開いておく必要があります。

表示は3つの欄に分かれている|引き算・足し算・確かめたこと

最後に、読み方の全体を組み立てます。ケア用品の表示は、「入れていないもの」「入っているもの」「確かめたこと」の3つの欄に分かれています。無添加という言葉が担当しているのは、1つ目の欄だけです。1つ目の欄だけを読んで判断しようとすると、必ず足りなくなります。

表示を3つの欄に分けて読む
欄そこに書かれるものその欄だけでは分からないこと
入れていないもの無添加の一覧、フリーの数と名前入っているものが何なのか
入っているもの全成分表示、原料水の中身それがどこまで確かめられているか
確かめたこと試験条件と検査機関のある検証結果自分の家の使い方に合うかどうか

3つ目の欄について、自分たちの数字を条件つきで書いておきます。スキンケアミストとグルーミングスプレーは、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられています。飲むための製品ではありませんが、飲食物と同じ物差しで測ったらどうなるかを、外部の検査機関で確かめてあります。舐めることを前提にするなら、成分の基準はこのあたりで見ておきたいと考えました。

この4つと、8つのフリーの一覧を並べてみると、性格の違いがはっきりします。一覧のほうは「何をしなかったか」で、数字のほうは「何を確かめたか」です。前者には試験条件がありません。後者には、試験条件と検査機関があります。無添加という言葉が保証できないところを、確かめた側の欄が引き受けている、という関係になっています。片方だけを読むと、どちらも不十分です。

読む手順としてまとめると、こうなります。まず数の横に名前が並んでいるかを探す。名前が並んでいたら、外した理由を自分で束ね直す。そのうえで、確かめたことの欄に試験条件と検査機関が書かれているかを見る。この3手で、無添加という言葉から取り出せるものは取り出しきれます。取り出せなかったぶんは、その表示がもともと持っていなかったものです。

最後に、この言葉との距離の取り方を書いておきます。無添加とは、選ぶ理由にはなりますが、選び終わる理由にはなりません。統一された基準がない以上、この4文字は作り手が何を引き受けたかの申告であって、それ以上のものにはなりようがないからです。申告として読めば、これほど分かりやすい情報もありません。ボトルの前面に、その会社が何を大事にしているかが8つなり11なり並んでいるわけです。

Caution気になる変化が続くときは、動物病院にご相談ください

成分の表示を読み比べていると、原因を成分の側に探したくなります。ただ、皮膚に赤みが出ている、同じ場所をなめ続けている、かさつきや脱毛が広がっている、かゆがる回数が増えているといった変化が続いているときは、製品を選び直す前に動物病院にご相談ください。何を使っていたか、いつから変わったかをメモにして持っていくと、その場で切り分けてもらいやすくなります。表示を読む力は、受診の代わりにはなりません。

Product

mofuwa スキンケアミスト

mofuwa スキンケアミスト

200ml / 3,300円(税込)

アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。