C09シーン別・暮らし
水が苦手な猫と暮らす人のための散歩から帰ったあと|5分で終わらせるケア
火曜日の夜、玄関で犬の前脚を拭きながら時計を見たら、12分がたっていました。雨も降っていない、ただの帰り道です。はじめた頃は5分で終わっていた散歩後のケアが、いつのまにか倍以上になっていました。うちには犬と猫がいて、猫のほうは水が嫌いです。ドッグランへ行くのは月に一度あるかどうか、ドッグカフェにいたっては年に数回。そういう日は、その日だけ長く手をかけられます。けれど散歩は毎日あります。毎日あるものは、完璧にはできません。この記事は、水が嫌いな猫と犬が同じ床を使う家で、散歩後のケアを毎日から何本か外して、1回を5分に戻すまでの話です。
ドッグランは月に一度、散歩は毎日|水が嫌いな猫と犬がいる家で、散歩後のケアが積み上がる背景
犬と猫を両方飼っている家では、散歩後のケアは犬だけの話になりません。玄関で犬を拭き終えて手を離した数秒後に、廊下の奥から猫が出てきて、その前脚に鼻を寄せるからです。犬の体についてきたものは、そのまま猫のいる部屋の床へ運ばれます。だから帰宅後の数分は、犬のためのケアであると同時に、猫のいる室内をどう保つかという話でもあります。
ここで効いてくるのが、猫のほうが水を嫌いだという条件です。犬が持ち帰ったものが猫の毛についても、猫の側を濡らして落とす、という手が最初から選べません。水が嫌いな猫は、濡れたものを近づけただけで部屋を出ていきます。1回で終わらなかったからもう1回、という組み立てが猫の側では成り立たないので、手当てはどうしても犬の側と床の側へ寄っていきます。
そこまでは、ドッグランでもドッグカフェでも同じです。散歩がそれらと決定的に違うのは、頻度です。ドッグランは月に一度あるかどうか、ドッグカフェは年に数回。そういう日は、行くと決めた時点で予定の一部になっているので、帰ってから15分でも20分でも取れます。その日だけ丁寧にやっても、生活のほうは崩れません。
| 場面 | うちでの頻度 | 帰宅後に取れる時間 |
|---|---|---|
| ドッグラン | 月に1回あるかどうか | その日だけなら15分でも取れる |
| ドッグカフェ | 年に数回 | 20分かけても、翌日に響かない |
| 車でのおでかけ | 季節に数回 | 出かける予定の一部として組める |
| 雨の日の長い一日 | 月に数日 | その日は覚悟して時間を空けられる |
| 散歩 | 1日に1〜2回、毎日 | 5分を超えると、翌週まで残らない |
1日5分なら、ひと月で150分です。1日12分になると、ひと月で6時間になります。差の4時間半は、丁寧さの差ではありません。1回あたりの長さの差です。そして毎日あるものは、長くなった瞬間ではなく、2週間後や3週間後に効いてきます。ある日ふっと「今日はいいか」となって、翌日はもっとやることが増えている。散歩後のケアが続かなくなるときは、たいていこの順で崩れます。
月に一度の場面は、「その日にやりきる」で成立します。毎日ある場面は、やりきる前提で組むと必ずどこかで途切れます。散歩後のケアで先に決めるのは、何をやるかではなく、1回を何分で終わらせるかのほうです。水が嫌いな猫がいる家では、猫の側で取り返せないぶん、この締め切りをはっきりさせておく意味がさらに大きくなります。
毎日あるものを完璧にやろうとすると続かない理由|5分が12分になっていく経過
5分が12分になるまでのあいだに、大きな決断は一度もありませんでした。毎回、ほんの少しずつ増えただけです。振り返ってみると、増え方には3つの型がありました。3つとも、丁寧にやろうとしたから起きています。手抜きを直せば戻る、という種類の話ではないので、ここを先に分けておきます。
- 理由1:毎回、その場で「今日はどこまで」を決め直している。玄関にしゃがんでから考えるので、目に入った汚れの分だけ手が伸びます。決める作業そのものに時間がかかり、しかも毎日ぶれます
- 理由2:前回できなかったぶんを、翌日に足している。昨日は後ろ脚を飛ばしたから今日は多めに、という埋め合わせが積み上がります。1回の締め切りがないので、足すことに歯止めがかかりません
- 理由3:猫が来たので、犬をもう一度触り直している。水が嫌いな猫は、においや手ざわりの違うものに近づいてすぐ離れます。その反応を見ると不安になって、拭き終わったはずの前脚へ手が戻ります
3つ目が、犬と猫の両方と暮らす家に特有のものです。犬だけなら、拭き終わりは飼い主が決めます。猫がいると、猫の反応が「まだ足りない」という合図に見えてしまいます。けれど猫が犬の前脚に鼻を寄せるのは、汚れているからとはかぎりません。外のにおいがついていれば、きれいに拭いたあとでも同じことをします。水が嫌いな猫ほど、確かめる時間が長い傾向もあります。濡れたものが近づいてこないぶん、鼻でゆっくり調べられるからです。
つまり、猫の確認をゴールにすると、散歩後のケアには終わりがありません。終わりは、猫ではなく時計で決める必要があります。これは猫を軽く見るという話ではなく、猫が持っている情報と、飼い主が動かせる範囲がずれている、というだけのことです。
| 理由 | 何をしていたか | 1回あたり |
|---|---|---|
| 決め直している | 玄関でしゃがんでから、どこを拭くか考える | およそ1分 |
| 前日のぶんを足す | 昨日飛ばした後ろ脚を、今日は多めに | およそ2分 |
| 猫の反応で戻る | 前脚をもう一度、往復して拭き直す | およそ3分 |
| ついでに床を見る | 玄関から廊下まで、目についた所を拭く | およそ1分 |
毎日ある習慣は、10日のうち7日回れば、10日中10日を目指して4日でやめるより、ずっと多く積み上がります。散歩後のケアも同じです。今日は前脚だけ、という日があってよい。むしろその日があることを最初から組み込んでおかないと、水が嫌いな猫がいる家では、犬の側の手だけが際限なく増えていきます。
1回を短くするために、毎日から何を外すか|水が使えない猫の側を、犬の側と床の側で引き受ける考え方
5分に戻すためにやったのは、手を速くすることではありませんでした。毎日やることの本数を減らして、減らしたぶんを週に1回へ移しただけです。基準は1つ、「猫のいる床まで運ばれるかどうか」。運ばれるものは毎日、運ばれないものは週1へ。この線を先に引くと、玄関で考える時間そのものが消えます。
| 毎日(合計5分) | 週に1回 | |
|---|---|---|
| 犬の前脚と後ろ脚 | 指のあいだまで。ここは毎日 | — |
| 犬のお腹の下側 | 雨や泥の日だけ | 乾いた週は週1でまとめて |
| 犬の背中と首まわり | — | 週1。床には落ちにくい場所です |
| 玄関の床 | 上がる手前の一帯だけ | 全面は週1 |
| 猫がよく寝る場所 | — | 週1。寝床の布を替える日に合わせる |
| 猫本体 | 触らない日があってよい | 毛の流れに沿って、乾いた手で数回 |
表の最後の行が、水が嫌いな猫と暮らす家では効いてきます。猫の側は、毎日の欄をほとんど空けてあります。水を使えない以上、猫に対してできることは限られていて、しかも無理に触れば次から近づいてこなくなります。猫に手を伸ばす回数を増やすより、犬の前脚と玄関の床という、確実に運び道になっている2か所を毎日押さえるほうが、室内に残るにおいは動きます。
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リードを外す前に、前脚だけを先に決める
玄関に上がる前、犬を立たせたまま前脚2本を先に終わらせます。ここを最初に置くのは、猫がいちばん先に鼻を寄せる場所だからです。後ろ脚やお腹より前に済ませておくと、途中で猫が来ても手を戻さずに済みます。時間にしておよそ1分半。
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後ろ脚は、床に降ろす直前の1往復だけ
後ろ脚は前脚より汚れにくく、猫が鼻を寄せる回数も少ない場所です。念入りにやろうとせず、床に降ろす直前に1往復。往復の回数を決めておくと、目で見て判断しなくなります。およそ1分。
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指のあいだは、開いてから当てる
指と指のあいだは、外から押しつけても届きません。片手で足先を持って、指をそっと広げてから当てます。強くこすらず、あいだに置いて数秒。ここは短くても、開くという一手を飛ばさないでください。およそ1分半。
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犬を通してから、玄関の床を上がり口だけ拭く
犬が部屋へ入ったあと、玄関の上がり口から30センチほどの帯を1回。ここが、猫の足が最初に触れる場所です。玄関全面は週1で構いません。およそ1分。
玄関の5分を守るには、前脚にかける手数そのものを短くする必要があります。mofuwa グルーミングスプレーは、布に含ませて毛の流れに沿ってなでるだけで済むケアスプレーです。犬の前脚と指のあいだを、上がり口の手前で1往復。運び道の2か所のうち、犬の側はこれで終わりにできます。水で流す工程がないので、濡れた感触が玄関に持ち込まれず、猫が近づいてくる時間も変わりません。舐めても問題のない基準でつくられているので、猫が犬の前脚に鼻を寄せてなめても、量を気にしなくて済みます。グルーミングスプレーを使った日も、猫の側でやることは乾いた手で数回なでるところまでで足ります。
犬が持ち帰ったにおいが気になると、つい猫のほうを拭きたくなります。けれど水が嫌いな猫は、濡れた感触が一度でも重なると、次から帰宅後の玄関そのものに近づかなくなります。そうなると、様子を見る機会まで失います。猫の側でやるのは、乾いた手で毛の流れに沿って数回なでるところまで。それ以上は、犬の側と床の側へ回してください。
ひと月続けて残ったもの|水が嫌いな猫と犬が同じ床を使う家の経験
5分の締め切りを決めてから、ひと月がたちました。全部の日ができたわけではありません。30日のうち、前脚だけで終えた日が6日、まったくできなかった日が2日ありました。それでも、以前のように途中で全部やめてしまうことはありませんでした。理由ははっきりしていて、できなかった翌日に埋め合わせをしない、と決めてあったからです。
- 玄関で考えなくなった:やることが決まっているので、しゃがんだ瞬間に手が動きます。1分は確実に減りました
- 猫が来ても手を戻さなくなった:前脚を先に済ませてあるので、鼻を寄せられても「もう終わっている」と分かります
- 猫の来る時間が早くなった:以前は犬が部屋へ入ってしばらくしてから出てきましたが、いまは玄関の手前まで来て見ています
- 室内のにおいの感じ方が変わった:帰宅後すぐではなく、夕方に部屋へ戻ったときの空気で分かるようになりました
- 週1の日が重くならなくなった:毎日の5分が回っていると、週1でやることも15分程度で済みます
いちばん大きかったのは、3つ目です。水が嫌いな猫は、玄関で人が何かを持っている気配に敏感で、以前は帰宅後しばらく姿を見せませんでした。時間が短くなって、濡れたものを猫に向けなくなったら、猫のほうから近づいてくるようになりました。これは狙って作った変化ではありません。猫の側の手数を減らした結果として、あとからついてきたものです。
散歩後のケアを毎日の習慣にするというのは、毎日きちんとやるという意味ではないのだと思います。できない日をあらかじめ数に入れておいて、それでも運び道の2か所だけは押さえておく。犬と、水が嫌いな猫が同じ床を使う家では、これで足ります。丁寧さは週1の日に回してください。
犬の指のあいだが赤い、なめ続けている、においが数日で強く戻る、猫が特定の場所を気にしてなめている、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、散歩後のケアの時間を延ばす前に動物病院にご相談ください。毎日の手を増やしても変わらない変化は、家でできることの外側にあります。犬と猫の両方と暮らしていると、どちらの変化なのか分かりにくいことがあります。迷ったら、気づいた日付と場所をメモして持っていってください。
毎日あるものは、完璧にはできません。ドッグランやドッグカフェのように、その日だけ長く手をかけられる場面と、散歩のように毎日戻ってくる場面は、別の設計をしてよいものです。散歩後のケアで動かせるのは、丁寧さではなく1回の長さのほうです。水が嫌いな猫がいるなら、なおさら猫の側で取り返そうとしないでください。犬の前脚と、玄関の上がり口。この2か所を毎日5分で押さえておけば、同じ床で暮らす2頭のあいだで運ばれるものは、そこで止まります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
