C04悩み解決

シニア期のおしりまわりの汚れ|若い頃と同じケアでは追いつかない

公開日 2022年10月24日|文=mofuwa編集部

明るい室内で、後ろ足に力を入れて立っているシニア期の犬
シニア期の汚れは、量ではなく「つく場所」が変わります。変わるきっかけは排泄の姿勢です。写真:Leohoho/Pexels

若い犬や猫は、排泄のあいだ、体を汚さない姿勢を最後まで保っています。その姿勢が保ちにくくなると、おしりまわりの汚れは中心が外側へずれていきます。シニア期に「同じ場所を同じように拭いているのに追いつかない」となるのは、ここからです。汚れが増えたというより、つく場所が変わっています。この記事では、姿勢が変わると汚れがどこへ移るのかを、若い頃と対比しながら整理します。

同じ場所を拭いているのに、追いつかない

おしりまわりのケアは、ふつう「肛門のまわりを拭く」ことだと考えられています。若い頃はそれで足りていました。若い犬や猫は、排泄のあいだ、体を汚れから遠ざける姿勢を保っていられるからです。犬なら後ろ足で踏ん張って腰を落としきり、しっぽを持ち上げる。この姿勢が保てているあいだ、汚れは限られた一点にしかつきません。

シニア期に変わるのは、この姿勢を作る力と、保っていられる時間です。後ろ足の力が落ちると、しゃがみきれません。腰が落としきれないまま、途中の高さで止まります。姿勢でいられる時間も短くなり、途中でぐらついたり、体重を片側にあずけたり、しっぽを下ろしてしまったりします。姿勢が変われば、体のどこが汚れに近づくかも変わります。便のかたさが変わって汚れやすくなることもありますが、かたさは変わっていないのに汚れる場所だけ増えているなら、原因は姿勢の側です。

Note猫は「砂の上での高さ」で見てください

しゃがむ深さが浅くなると、しっぽの付け根が砂に近づきます。トイレのあとに砂が体についてくる量が増えたら、姿勢が変わったサインです。汚れの色や量より早く出ます。

若い頃と、汚れる場所が入れ替わる

姿勢が変わると、汚れの位置は次のように移ります。増えるというより中心が外側へずれていくと考えてください。

姿勢の変化と、汚れる場所の移り方
姿勢の変化若い頃に汚れていた場所シニア期に汚れはじめる場所
しゃがみきれない肛門のまわりだけしっぽの付け根とその下の毛
しっぽを下ろしてしまうほとんど汚れないしっぽの裏側、付け根のくぼみ
体重を片側にあずける左右均等あずけた側の後ろ足の内側
保てる時間が短い最後まで同じ位置終わりぎわに太ももの内側

表の右の列に共通しているのは、どれも「肛門のまわり」ではないことです。しっぽの付け根、しっぽの裏、後ろ足の内側、太ももの内側。若い頃のケアでは触っていなかった場所ばかりで、ここを拭かずに肛門のまわりだけを拭き続けているから、追いつかないように感じます。

もうひとつ、片側だけ汚れる場合に注目してください。左右のどちらかにだけ汚れがつくのは、体重をその側にあずけているということです。毛の長さも体の作りも左右で同じなのですから、そこには姿勢の理由があります。どちら側かを覚えておいてください。

後ろから見て、拭く場所を決め直す

拭き方ではなく、拭く場所と順番を変えます。上から下へ、外側から内側へ。汚れの中心が外へずれているので、内側から始めると外へ広げてしまいます。

  1. 立たせたまま、真後ろから見る

    抱き上げたり横にしたりすると毛の向きが変わり、汚れが見えなくなります。排泄したときと同じ向きで見るのが目的です。しっぽを軽く持ち上げ、付け根のくぼみまで見てください。

  2. しっぽの付け根から先に拭く

    ここは毛が密で、汚れが乾いて固まりやすい場所です。固まっているものを無理にはがさないでください。湿らせた布を当ててから、毛の流れに沿って動かします。

  3. しっぽの裏側を、根元から先へ

    しっぽを持ち上げられなくなっている子は、ここが毎回触れています。

  4. 後ろ足の内側を、左右くらべながら

    太ももの内側の上のほうから下へ拭きます。左右で汚れ方が違わないかを毎回見てください。違っていれば、あずけている側が分かります。

  5. 最後に、肛門のまわり

    いちばん汚れが濃い場所なので最後にします。先に触ると、その手や布で他の場所へ広げることになります。

Caution毎回ぬらして流そうとしないでください

シニア期は、立ったままの姿勢を保つこと自体が負担です。濡らす回数が増えれば、乾かす時間も長くなります。全体を洗う頻度は変えず、日々は拭く場所を増やすほうで対応してください。

姿勢の変化は、排泄より前に見えている

排泄の姿勢を毎回見るのは難しいものです。ただ、後ろ足の力の落ち方は、排泄以外の場面に先に出ます。次のような場面を、ふだんの生活の中で見てください。

どれも後ろ足で体を支えていられる時間が短くなっていることを別の角度から見ているだけです。気づいたら、床のすべりを減らすところから手をつけてください。滑る床では、踏ん張れる子でも姿勢を崩します。トイレとその周辺にマットを敷くだけで、保てる時間が変わることがあります。体の側を変えられなくても、足元の条件は変えられます。

汚れる場所が増えたときは、拭き方の問題ではありません

拭く場所を増やしてもまだ追いつかない、あるいは短期間で急に汚れる範囲が広がったときは、ケアの工夫で対応する段階ではありません。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

数日で急に汚れる範囲が広がった、後ろ足を引きずる・つま先が返らない、片側だけ力が入らない、排泄のときに鳴く・途中でやめる、おしりまわりの皮膚が赤い・腫れている・においが変わった、出ていることに気づいていない様子がある、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、自己判断せず動物病院にご相談ください。

受診の前に、いつから、どちら側か、汚れるのはどの場所かをメモしてください。「おしりが汚れる」より「しっぽの付け根と、右の後ろ足の内側」と伝えるほうが多くのことが伝わります。可能なら、後ろから撮った写真も残してください。

経過を見ているあいだも、汚れが留まる時間を短くしておくことはできます。しっぽの付け根も後ろ足の内側も、その子が体をひねれば口が届く場所です。おしりまわりを拭いたあとに何が残るのかを、人の側で決めておくことになります。mofuwa スキンケアミストの中身は電解水で、この電解水は16の菌種・ウイルスを対象にした試験で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されませんでした(江東微生物研究所ほかの検査機関による、それぞれの試験条件下での結果です)。この数値が答えているのは、その試験条件でどうだったかまでで、家のおしりまわりで同じことが起きると言うものではありません。拭くものを一枚ずつ湿らせて、上から下へ、外側から内側へという順番はそのままで、しっぽの付け根から、最後の肛門のまわりまで通します。体を濡らさずに拭く場所だけを増やせるので、立たせておく時間が長くならずにすみます。

シニア期のおしりまわりは、拭く回数を増やすより、拭く場所の並びを毎日同じにしておくほうが続きます。しっぽの付け根、しっぽの裏、後ろ足の内側、最後に肛門のまわり。この順番を毎日通していると、汚れの量ではなく、どこが先に汚れるようになったかのほうが見えてきます。おしりまわりで汚れる場所の並びは、その子の姿勢がどこから崩れてきたかを、そのまま写しています。半年ぶん続けると、後ろ足のどちら側から力が落ちてきたかを、歩き方を見るより先に手が教えてくれるようになります。

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よくある質問

おしりまわりの毛を短く刈れば、汚れにくくなりますか?
汚れは見えやすく落としやすくなりますが、姿勢が変わっていること自体は変わりません。刈る範囲にしっぽの付け根と後ろ足の内側まで含めるかを、トリミングサロンで相談してください。皮膚が薄い場所なので、家庭でバリカンを当てるのは避けてください。
紙おむつやマナーウェアで、拭く回数を減らせますか?
汚れが内側にとどまるため、拭く回数はむしろ増やす前提で考えてください。外したタイミングで必ず拭き、皮膚の赤みが出ていないかを毎回見てください。
トイレの形は変えたほうがいいですか?
跨ぎやすさが変わると、姿勢の保ちやすさも変わります。猫なら縁の高さを下げる、砂を深く入れすぎない。犬ならシートの周囲に滑らないマットを足す。まず足元と入口の条件から見直してください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。