C09シーン別・暮らし
共働きで時間がない人のための来客の前|5分で終わらせるケア
木曜の夜9時に「明日の夕方、ちょっと寄っていい?」と連絡が来ました。断る理由もないので、いいよ、と返します。返した直後に頭に浮かぶのが、玄関を上がったところのラグと、ソファの座面と、その子の寝床です。来客は、こちらの都合では決まりません。共働きで、平日に自分で使える時間は朝の30分と夜の1時間ほど。そこへ予定が1件、前の晩に差し込まれます。時間がないのは金曜だけの話ではなく、毎週そうです。だから、その日のうちにペットのにおいを何とかしようとすると、たいてい間に合いません。においは金曜についたものではないからです。この記事は、来客の前にやることを増やさずに、結果として間に合うようにするための話です。増やすのではなく、日常の側を1つだけ動かします。
木曜の夜に決まった、金曜の来客|時間がないまま迎えた日の経験
金曜の朝、いつもより10分早く起きました。使える時間は10分です。その10分で何をするかを、玄関で立ったまま考えました。ラグにローラーをかけるか、ソファの座面を拭くか、その子の体を拭くか、窓を開けるか。全部はできません。結局、ラグにローラーをかけて、窓を開けて、家を出ました。夜までは換気しっぱなしにはできないので、窓は閉めました。
夕方、帰宅してから来客までは20分ありました。ここでもう一度、同じ選択をします。短い時間に何度も選ばされるという時点で、その日はもう遅れています。その子の口のまわりを拭き、寝床のカバーを裏返し、消臭剤を空中に向けて何度か押しました。玄関のチャイムが鳴ったのは、その3分後です。
上がってきた友人は、靴を脱ぎながら「あ、わんちゃんいるんだね」と言いました。悪気のない一言です。ただ、こちらは朝と夕方で30分近く使っています。使った時間に対して、動いたものが少なすぎました。この日にやったことは、どれも表面をなでる作業だったからです。においの出どころそのものには、30分では届いていませんでした。
同じことが、その後も何度かありました。急に決まる来客はいつも前日か当日で、時間がない状態で始まります。そして毎回、来客が帰ったあとに「次はもっと早めに準備しよう」と思うのですが、次も同じように突然決まります。準備の時間が確保できる来客というものが、そもそもほとんどありません。ここが、共働きでペットと暮らす家の来客の、いちばん動かしにくい条件でした。
- 連絡は前日か当日:週末の予定は、金曜の夜に決まることが多い
- 使える時間は朝と夜だけ:しかも来客の日は、そのどちらかが移動でつぶれます
- その日にできるのは表面だけ:ローラー、拭き取り、消臭剤、換気
- においの元は前の週から:当日に足した手では、出どころまで届きません
- 反省は毎回同じ:「次は早めに」は、突然決まる予定には使えません
においは、その日についたものではありません|来客の前に間に合わない背景
ここを分けておくと、当日の判断が短くなります。部屋のにおいは、その日に発生したものではなく、前の週から布と空気に少しずつ移ってきたものです。出どころは体そのものより、体が毎日触れているもののほうにあります。皮脂が布に移り、布の繊維の奥にたまり、湿度が上がったときに空気へ戻ってくる。この行き来がくり返されるので、時間がたつほど濃くなります。
とくに寝床は、その子が一日でいちばん長く体を預けている場所です。皮脂が移り、湿った状態が続くと、雑菌が増えやすい条件がそろいます。食器の縁も同じで、洗ったつもりでも、縁の内側に薄く残った脂が空気に触れ続けています。においを「部屋のにおい」としてまとめて考えると手が止まりますが、出どころを3か所くらいに分けると、当日に届く場所と届かない場所が見えます。
| 場所 | 当日に動くか | 動かすなら、いつの手か |
|---|---|---|
| 部屋の空気 | 動く。換気で数分 | 来客の当日でいい |
| 床に落ちた毛 | 動く。ローラーで数分 | 来客の当日でいい |
| その子の口のまわり・足先 | 動く。拭き取りで2〜3分 | 帰宅後の習慣にできると、なお短い |
| 寝床の布 | 動かない。洗って乾くまでが間に合わない | 前の週のうちに回す |
| 食器の縁とふちの裏 | 半分動く。洗えば動くが、乾く時間がいる | 毎日の洗い物に混ぜる |
| ソファやラグの繊維の奥 | 動かない。表面のローラーは表面だけ | 月に一度、時間のある日に |
この表の右側を見ると、時間がないこと自体は問題の中心ではありません。問題は、来客の日に動かせる対象が、もともと2つか3つしかないことです。10分あっても、30分あっても、動かせる対象は増えません。だから当日に手を増やすほど、動かないものに時間を使うことになります。金曜の朝に30分使って結果が変わらなかったのは、そのためでした。
逆に言えば、当日に動かせる2つか3つを確実にやれば、その日にできることは終わっています。換気と、床の毛と、その子の口のまわり。これで5分です。残りの差をつくっているのは、前の週に寝床の布が回っていたかどうかで、来客の日の頑張りではありません。ペットのにおいの話は、当日の話に見えて、じつは前の週の話です。
布と繊維は当日に動きませんが、空気は数分で入れ替わります。2か所の窓を開けて風の通り道を作れば、5分で部屋の空気は変わります。1か所だけ開けても流れが生まれないので、対角線上の2か所を選んでください。来客の直前ではなく、帰宅した直後に開けるほうが効きます。閉めるのはチャイムが鳴る5分前で構いません。
来客の前にやることを作らない|ペットのにおいを日常の側で1つだけ動かす考え方
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。「来客の前にやることリスト」を作るのをやめました。作ると、時間がない日に実行されません。実行されないと、守れなかった記憶だけが残ります。次の来客のときには、そのリストを見る気力がもうありません。共働きで平日に1時間しか自由がない家では、当日に増える手は、増えた時点で消えます。
代わりにやったのは、日常の側を1つだけ変えることです。2つでも3つでもなく1つ。1つなら、忙しい週でも残ります。3つにすると、3つとも止まります。どれを選ぶかは、家によって違います。次の3つの候補から、自分の家でいちばんにおいが強い場所を1つ選んでください。
-
候補1:寝床の布を、週に1回のペースで回す
布を2枚用意して、日曜の朝に入れ替えるだけです。洗うのは入れ替えたほうで、次の日曜まで乾かしておきます。1週間ぶんの皮脂が繊維にたまる前に、区切りが入ります。においがいちばん強く出ているのが寝床なら、これが効きます。曜日を決めるのが大事で、「気づいたら」にすると3週間空きます。
-
候補2:食器を、毎日の洗い物に混ぜてしまう
その子の食器だけ、シンクの別の場所に置いていませんか。人の食器と同じタイミングで洗う、と決めるだけで、洗う回数が週2回から週7回になります。縁の裏と、内側の底の角を指でこすってください。ぬめりが残る場所は決まっているので、そこだけ意識すれば10秒で終わります。
-
候補3:帰宅後に、足先と口のまわりだけ拭く
帰宅後の3分です。玄関を上がる前に足先を、部屋に入ってから口のまわりを。全身は拭きません。1日1回、面積の小さい2か所だけです。外から持ち帰ったものが部屋に運ばれる前に止まるので、床とラグへ移る量が減ります。散歩のある家では、これがいちばん短時間で差が出ます。
足先と口のまわりは、その子が自分でなめて済ませようとする場所です。ただし、なめて取ったものはそのまま口に入りますし、口のまわりは自分では見えません。帰宅後の3分で人が代わるのは、この2か所です。mofuwa スキンケアミストは電解水100%の処方で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。拭いたあとに口のまわりをなめる子でも、口に入るものを気にせずに使えるので、玄関で足先、部屋に入って口のまわり、という帰宅後の順番をそのまま崩さずに済みます。布に含ませて、毛の流れに沿って一方向に。全身を洗うのは週末だけ、という家では、においが布と空気へ移る前の6日を、ここでつないでいます。
そして、来客の日にやることは減らします。窓を2か所開ける、床にローラーをかける、その子の口のまわりを拭く。この3つで5分です。それ以上はやりません。日常の側で1つ回っていれば、当日に動かせるものは、もともとこの3つしかないからです。時間がない日に判断を減らせるのは、選択肢を最初から3つに固定しているからです。
3つ同時に始めた週は、たいてい2週目で全部止まります。1つだけにすると、止まったときに戻すのも1つです。1か月続いて、意識しなくても回るようになってから、次の1つを足してください。来客の前にやることは増やさず、日常の側を1つずつ。ペットと暮らす家のにおいは、当日の集中ではなく、この積み上げのほうで変わります。
4週間後、玄関で慌てなくなった|時間がないまま来客を迎えられるようになった変化
選んだのは候補1でした。寝床の布を2枚にして、日曜の朝に入れ替える。かかる時間は1分もありません。変化が分かったのは3週目でした。仕事から帰って玄関のドアを開けた瞬間の空気が、前と違いました。自分の家のにおいは慣れてしまって分からないと言われますが、外から戻った直後の数秒だけは分かります。
4週目に、また前日の夜に来客が決まりました。今度は考えませんでした。帰宅後に窓を2か所開けて、ローラーを1本かけて、その子の口のまわりを拭いて、終わりです。合計5分。チャイムが鳴るまでに、まだ時間が余っていました。余った時間で自分の着替えができたのが、いちばん大きな違いでした。
| 始める前 | 4週間後 | |
|---|---|---|
| 当日に使った時間 | 朝10分+夕方20分 | 帰宅後の5分だけ |
| 当日にやったこと | その場で毎回考えて4〜5個 | 決めてある3つだけ |
| 寝床の布 | 気づいたときに洗う | 日曜の朝に入れ替える |
| 来客に言われたこと | 「わんちゃんいるんだね」 | とくに何も |
| 終わったあとに思うこと | 次は早めに準備しよう | とくに何も |
誤解のないように書いておくと、においが完全になくなったわけではありません。犬や猫と暮らしている家に、その子のにおいがあるのは当たり前のことです。変わったのは、来客のたびに慌てて何かを足すという動き方のほうでした。日常の側で1つ回っているので、当日に手を足す必要がなくなった。時間がないという条件は、4週間前とまったく同じままです。
続けるうちに、もうひとつ分かったことがあります。週1回、決まった曜日に寝床の布を触るので、その子の体の変化にも気づくようになりました。布についた毛の量が急に増えた週、寝床のにおいがいつもと違った週。来客のための習慣として始めたことが、その子を毎週定点で見る時間になっていました。
口のにおいが急に強くなった。耳のにおいが変わって、頭を振る回数が増えた。体の一部から今までと違うにおいがする。同じ場所をなめ続けている。皮膚が赤い、じくじくしている。抜け毛の量が急に増えた。こうした変わり方があるときは、部屋の換気や拭き取りを増やす前に、動物病院にご相談ください。においは、来客のための課題である前に、その子の体からの情報でもあります。気づいた日と場所を書き留めて持って行くと、話が早く進みます。
来客は、これからも突然決まります。突然決まるものに合わせて備えることはできませんが、突然決まっても崩れない形にしておくことはできます。そのためにやったのは、来客の前の手を増やすことではなく、日常の側を1つだけ変えることでした。時間がない家ほど、当日ではなく、前の週のほうに手を置いてください。ペットのにおいで来客の日に慌てなくなるのは、たぶんそこからです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
