C09シーン別・暮らし
賃貸で暮らす、はじめて犬を迎えた人はどうしている?
賃貸のワンルームで犬を迎えて2週間、部屋のにおいが気になって、1日に4回も窓を開けていました。それでいて、においが強いのかどうかは分かっていません。比べる相手がいないからです。初めて犬を迎えた人には、どこまでが普通で、どこから手を入れるべきなのかという基準がありません。だから、全部を気にして息切れするか、途中で気にするのをやめるかの、どちらかに寄ってしまいます。この記事は、賃貸でペットのにおいをどこまで気にすればいいのかという基準を、最初の1か月で自分の手でつくるための記事です。見る場所は、玄関・寝床・その子の通り道の3か所だけに絞ります。
においが強いのかどうかも分からない|賃貸で初めて犬を迎えた人に、ペットのにおいの手順が要るところ
初めて犬を迎えた人が賃貸の部屋で最初にぶつかるのは、においが気になるという状態そのものではありません。気になったときに、それが強いのか弱いのかを判断できない、という状態のほうです。強いと感じる日もあれば、まったく気にならない日もある。けれど比べる相手がいないので、いま自分の部屋がどのあたりにいるのかが分かりません。その結果、賃貸でペットのにおいに向き合う人の手は、たいてい二つに割れます。毎日すべてを拭いて2週間で息切れするか、途中で考えるのをやめて何もしなくなるかです。どちらも、手を抜いたわけでも頑張りすぎたわけでもなく、基準を持っていないところから始まっています。
賃貸の部屋には、においが残りやすい条件がいくつか重なっています。まず、部屋が閉じている時間が長い。ワンルームや1LDKでは、玄関から居室までの距離が数歩しかなく、外から持ち帰ったものがそのまま生活の面に乗ります。窓が1面にしかない間取りだと、開けても空気は入れ替わりません。空気が動くには入口と出口の2か所が要るからです。そのうえ、ソファ・カーテン・ラグ・寝具といった布が、犬の体の近くにまとまって置かれています。面積のわりに布が多い、というのが賃貸の部屋の特徴です。
次に、においの元がどこにあるのかを分けます。犬の体から出ているのは、主に皮脂です。皮脂そのものはほとんど無臭ですが、時間がたつとそこで雑菌が増え、分解されて出たものがにおいとして立ち上がります。においがしている場所は空気ではなく、皮脂がついた面のほうです。床、壁の下のほう、寝床の布、食器のふち。換気で入れ替えられるのは空気だけなので、面が手つかずのままだと、窓を閉めた30分後には同じところへ戻ります。1日に4回窓を開けても部屋が変わらないのは、この理由です。
- 毎日、部屋じゅうを拭くと決める:面が多すぎて、3日目には順番のほうが崩れます
- 気になった日にだけ動く:動いた日と動かない日の差が大きく、あとから比べられません
- 芳香剤や消臭剤を先に置く:いまの状態が分からなくなり、基準そのものがつくれません
- シャンプーの間隔を短くする:皮脂を落としきると、地肌が乾いた状態が続くことがあります
- 窓を1か所だけ開ける:空気の出口がないので、換気にかける時間だけが伸びます
| 空気の側 | 面の側 | |
|---|---|---|
| そこにあるもの | 部屋にこもった空気 | 皮脂と、そこで増えた雑菌 |
| 入れ替わる速さ | 窓を2か所開けて数分 | 拭き取りをしないかぎり残る |
| 初めての人が先にやること | 入口と出口をつくる | 3か所だけ決めて拭く |
| やりすぎたときに起きること | 冬は部屋が冷える | 毎日は続かず、途中で止まる |
| 賃貸で基準になるほう | 一時的にしか動かない | こちらが基準になる |
同じ部屋にいると、鼻は10分ほどでその空気に慣れます。だから、部屋の中にいるあいだは強さを測れません。測れるのは、外から帰って玄関のドアを開けた、最初の5秒だけです。初めて犬を迎えた人ほど、この5秒を通りすぎてしまいます。帰宅後、荷物を置く前に一度立ち止まって、そのときの印象だけを残してください。1か月ぶん並ぶと、それが賃貸のあなたの部屋の基準になります。
玄関・寝床・その子の通り道|賃貸で最初の1か月にやることの順番
見る場所を3か所に絞ります。玄関、寝床、その子の通り道です。部屋全体を見ようとすると、初めての人には面が多すぎます。この3つを選んでいるのは、賃貸でペットのにおいが濃くなっていく道すじが、だいたいこの順番をたどるからです。外から持ち帰ったものがまず玄関に置かれ、体が長く触れている寝床の布に移り、毎日通る道の床と壁の下のほうへ広がっていきます。逆に言えば、この3か所を押さえておけば、残りの面はあとから追いかけてきます。
-
手順1:帰宅後、玄関を上がるまでの1分を決める
散歩から帰ったら、部屋に上がる前に足の裏と足先、それからおなかの下側を拭きます。目的は汚れを落としきることではなく、外から持ち帰ったものを部屋に運び込まないことです。だから1分で切り上げてください。ここを5分にすると、雨の日や疲れた日に飛ばすようになります。初めて犬と暮らす人がいちばん続けやすいのは、玄関に道具を置いてしまうことです。取りに戻る動きが入ると、その時点で手が止まります。
-
手順2:寝床の布を、曜日で決めて1枚だけ替える
寝床は、犬の体がいちばん長く触れている面です。皮脂は時間をかけて布へ移るので、ここは回数より間隔のほうが効きます。全部を一度に洗おうとせず、週のうち1日を決めて1枚だけ替えてください。カバー、下に敷いた布、その下のマット。3枚あるなら3週で1周します。曜日で決めておくのは、覚えるためではありません。替えた日が記録に残ると、次に数字が上がるまでの日数がそのまま間隔の答えになるからです。初めて犬と暮らす家では、この日数が週1回とはかぎりません。
-
手順3:その子の通り道は、床から30センチだけを週2回
犬の体の高さは、床から30センチほどです。においが移るのも、毛が溜まるのも、この帯の中でほとんど起きています。拭くのは床だけでなく、壁の下のほう、家具の脚、ドアの縁も含めてください。賃貸では家具のあいだが狭く、その子が同じ道を通るので、線のように濃くなります。部屋の真ん中は後回しで構いません。週2回、この帯だけを拭き取りにすると、10分で終わります。
-
手順4:換気は、対角の2か所を5分だけ開ける
12月は窓を開けたくない時期です。だからこそ、開ける時間ではなく開ける場所を変えます。1か所だけ開けても空気は動きません。対角にある窓とドアを同時に開けると、5分で入れ替わります。玄関のドアを少し開け、いちばん遠い窓を開ける。それだけで空気には通り道ができます。寒さが気になる日は、その子を別の部屋に移してから5分だけ開けてください。
-
手順5:1日1回、同じ時刻に、同じ順で嗅いで数字にする
3か所を、玄関→寝床→通り道の順で嗅いで、0から3の数字を書きます。時刻は帰宅直後に固定してください。順番と時刻を毎日そろえておくことが、比べられる記録になる条件です。数字の意味は次の章で決めます。この手順だけは、拭く日も拭かない日も飛ばさないでください。手を入れた日の記録より、何もしなかった日の記録のほうが、あとで基準として効いてきます。
| 場所 | そこで起きていること | 手を入れる間隔 |
|---|---|---|
| 玄関 | 外から持ち帰ったものが最初に置かれる | 帰宅のたび、1分 |
| 寝床 | 体が最も長く触れ、皮脂が布へ移る | 週1回、1枚だけ |
| 通り道 | 床から30センチの帯に毛と皮脂が広がる | 週2回、拭き取り |
| 食器と水皿 | 口が触れ、ふちにぬめりとして残る | 毎日、洗うついでに |
| 部屋の空気 | こもるが、面を直せば戻りにくくなる | 1日1回、5分の換気 |
この5つには上下があります。上から順に、賃貸でペットのにおいに効いてきます。玄関で止められなかったものが寝床に移り、寝床から通り道に広がるからです。だから、時間がない日は下から落としてください。通り道の拭き取りを1週飛ばしても、玄関の1分が残っていれば、記録はそれほど動きません。逆に、玄関を飛ばした週は、拭き取りの回数を増やしても数字が下がりにくくなります。初めての人が順番を覚えるのは、この上下の1点だけで足ります。
1か月ぶんの点が、そのまま基準になる|初めてのペットのにおいを数字にするやり方
数字の付け方を決めます。細かくすると続かないので、4段階にします。0は「玄関を開けて何も感じない」、1は「言われれば分かる」、2は「入った瞬間に分かる」、3は「窓を開けたくなる」です。正確さは要りません。同じ人が、同じ時刻に、同じ順で付けていれば、点と点は比べられます。初めて犬を迎えた人にとって大事なのは、絶対値ではなく、自分の部屋の中での上下だからです。
| 数字 | 玄関を開けた最初の5秒 | その日にやること |
|---|---|---|
| 0 | 何も感じない | 手順1だけ。あとは何もしない |
| 1 | 言われれば分かる程度 | いつもの間隔どおりに進める |
| 2 | 入った瞬間に分かる | 3か所のうち、いちばん間隔が空いた1つを前倒しする |
| 3 | 窓を開けたくなる | 拭き取りを増やす前に、寝床の布を替える |
1か月続けると、数字は一本の線にはなりません。上がる日と下がる日が交互に来て、そのうち「2が出た日の前日に何をしていなかったか」が見えてきます。多くの家では、寝床の布を替えた翌日に0か1が並び、5日目あたりから2が混ざりはじめます。これがその部屋の間隔です。週1回で足りるのか、10日でいいのか、4日に1度なのか。基準というのは、この数字のことです。初めての人が誰かに聞いても出てこないのは、部屋の広さも布の量も家ごとに違うからです。
ここから、つまずきやすいところを3つ挙げます。1つ目は、1週目に頑張りすぎることです。初めて犬を迎えた高揚もあって、最初の数日は部屋じゅうを拭いてしまいます。すると1週目だけ数字が低く出て、2週目以降と比べられなくなります。1か月の記録は、いつもどおりの生活の上で取ってください。手を増やすのは、記録が終わってからです。
2つ目は、途中で消臭剤や芳香剤を足してしまうことです。数字が2や3の日が続くと、手っ取り早い方法に手が伸びます。ただ、香りを重ねると記録している数字が「部屋の状態」ではなく「香りの強さ」に変わってしまいます。1か月のあいだだけは、香りのあるものを新しく置かないでください。基準ができてからなら、使っても記録は読めます。順番の問題であって、使ってはいけないという話ではありません。
3つ目は、においがする=体が汚れている、と考えてシャンプーの間隔を短くしてしまうことです。初めて犬と暮らす人がいちばん陥りやすいところです。皮脂は落としすぎると、地肌が乾いた状態のまま次の日を迎えることになります。そして乾いた地肌は、かえって皮脂を出そうとします。賃貸のにおいが気になるときにまず動かすのは、洗う回数ではなく、面の側の間隔のほうです。
1週間ずっと1のまま、ということは普通にあります。変化がないことも、その部屋の基準の一部です。動かないから意味がないと考えて記録をやめると、次に2が出たときに、それが高いのか低いのかがまた分からなくなります。書くのは1日1回、数字ひとつだけで構いません。スマホのメモに日付と数字を並べておけば足ります。ペットのにおいの記録は、量ではなく、途切れていないことのほうが効きます。1か月続けば、それ以降は週1回に減らせます。
手順1で拭くのは、足先とおなかの下側でした。この2か所は、その子が自分でなめて済ませようとする場所でもあります。なめて取ったものはそのまま口に入るので、ここだけは玄関で人が代わったほうが早いところです。mofuwa スキンケアミストは電解水100%の処方で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。布に含ませて、毛の流れに沿って一方向。舐めても問題のない基準でつくられているので、拭いたあとにその子がそこをなめても、玄関を上がるまでの1分をそこで切り上げられます。全身に使う必要はありません。記録の数字を動かすのは面の側の間隔のほうですが、その間隔をどこまで伸ばせるかは、玄関の1分が毎日残っているかどうかで決まります。
数字が下がらない日に、手を増やさないコツ
1か月の記録が終わっても、数字が下がらないことがあります。そのときにやってはいけないのは、3か所の全部で頻度を上げることです。3つ同時に動かすと、何が効いたのかが分からなくなり、次の月にまた基準を失います。動かすのは1か月に1つだけ。寝床の間隔を週1回から4日に1度へ縮める。それで下がらなければ、次の月は通り道の帯を広げる。手数を増やすのではなく、間隔を1つずつ詰めるのがコツです。
- 3か所のうち、いつも同じ1つだけ数字が高い:その場所に、拭けていない面が残っています
- 布を替えた直後でも2が出る:においの元が布ではなく、体の側にある可能性があります
- 数字が日ごとに大きく振れる:時刻か順番がそろっていないので、まず記録のほうを直します
- 冬になって急に上がった:換気の時間が減ったぶん、面の側の間隔が合わなくなっています
- においの質が変わった:強さではなく質の変化は、記録では追いきれません
におい方が急に変わった、体の片側だけがにおう、耳や口のまわりから強く出ている、地肌が赤い、同じ場所をなめ続けている、フケや脱毛が増えた、水を飲む量や食欲が変わった。ひとつでも当てはまるときは、拭き取りの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。初めて犬を迎えた人にとって、これは「大げさかどうか」の判断がいちばん難しいところです。迷ったら相談してよい、と決めておいてください。1か月の記録は、そのまま相談のときの材料になります。
相談に行くときは、記録した数字と、3か所のうちどこが高かったか、いつから変わったかの3つを持っていってください。「なんとなくにおう」より、「2週間前から寝床だけ3が続いている」のほうが、話が早く進みます。賃貸で初めて犬と暮らしていると、こういう相談をしていいのかどうかも分かりません。においの相談は、体の相談の入口として普通に受けてもらえます。
最後に、この記事の立ち位置をもう一度書いておきます。賃貸でペットのにおいを気にすることは、神経質でも過保護でもありません。ただ、基準を持たないまま気にし続けると、気にする量だけが増えていきます。玄関・寝床・通り道の3か所を決めて、1日1回、数字をひとつ書く。それだけで、1か月後には「この部屋はここまでなら普通」という線が引けます。初めて犬を迎えた人にとって、その線があることが、手を抜ける場所を決められるということです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 冬は窓を開けたくないのですが、換気はどうすればいいですか?
- 開ける時間ではなく、開ける場所を変えてください。1か所だけ大きく開けるより、対角にある2か所を細く5分開けるほうが空気は動きます。玄関のドアといちばん遠い窓、という組み合わせで構いません。寒さが気になる日は、その子を別の部屋に移してから開けてください。ペットと暮らす賃貸では窓が1面に集まっていることも多いので、ドアを出口として使うのが現実的です。
- 来客の前など、急いでにおいを何とかしたいときはどうすればいいですか?
- その日にできるのは、面の側を1か所だけ動かすことです。寝床の布を1枚外して見えない場所へ移し、床から30センチの帯を玄関から居間まで拭く。この2つで10分ほどです。香りを重ねると、もとのにおいと混ざって強く感じられることがあります。急ぐときほど、足すより減らすほうが早く終わります。
- 1か月たったら、記録はやめてしまってもいいですか?
- 毎日の記録は1か月でやめて構いません。そのあとは週1回、同じ曜日に数字をひとつ書くだけにしてください。基準ができたあとに要るのは、そこからずれたかどうかを見る点だけです。季節が変わる時期と、寝床やラグを買い替えた月だけ、2週間ほど毎日に戻すと、変化の原因が分かりやすくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
